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千歳の恋…?
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聞き覚えのある声に千歳が振り返る。
「界!今帰りなの?」
少し驚いたように目を見開く千歳。界は優しく微笑み、こちらに向かってくる。端正な顔立ちは女子から大人気で竜以上にモテているが、実家がヤクザなのではないかという噂もあり、ミステリアスな雰囲気に拍車がかかっている。
「そうなんだ。少し寄るところがあってね。君たちも早く帰るんだよ。」
界は千歳の頭を優しく撫で、その場を後にする。千歳は顔が真っ赤になり、凛花はなにが起きたのか分からないといった様子で界の後ろ姿と千歳を交互に見た。
「千歳ちゃん!今の人、3年生の界先輩よね!?お付き合いしてるの!?」
凛花は聞きたいことがたくさんあるのか興奮したように詰め寄ってきた。千歳は顔を真っ赤にしたまま、ぶんぶんと横に振った。
「違うよ!!そんなんじゃなくて友達になっただけ!」
もーと言いながら火照った顔を手であおぐ千歳。凛花は残念そうに肩を落とした。確かに頭を撫でられてドキドキはしたが、別に好きとかそういうことではない。うん、絶対そうだよと自分に言い聞かせて心の中で頷く千歳。
「せっかく千歳ちゃんの恋バナが聞けると思ったのに~。」
どうやら凛花は自分だけ質問攻めにあったので、千歳にも同じ気持ちを味わってほしいらしい。千歳はまだ‘‘好き‘‘ということすらよく分かってないというのに。界といるといつもドキドキはしている気がする。でもそれだけで恋愛感情と決めつけていいんだろうか。答えのない問題にまた千歳は悩まされる。
「でも絶対界先輩は千歳ちゃんのこと好きよね!あんな素敵な先輩に好かれるなんて千歳ちゃんすごい!」
凛花の言葉に動揺して転びそうになった。あんな女子人気のすごい王子様みたいな人に自分がそういう意味で好かれているわけないだろうと千歳は反論しようとした。しかし、先程の出来事を思い出してしまい、頭がパニックになる。界が自分を好き?
「いやそんなわけないよ!!もう彼女いるだろうし!」
「え、もしかして千歳ちゃんが界先輩の事好きなの!?」
やっとの思いで反論したというのに新たな疑惑が浮かんでしまった。凛花には彼女がいるから諦めているように聞こえたのだろうか。千歳は大きくため息をついた。もちろん界のことは人として大好きだし、尊敬もしている。しかし、どうしても自分が誰かと付き合うことなど想像ができない。
「ちがうって!もうこの話はおしまい!!」
凛花を置いていくようにわざとスタスタと歩く。後ろから待って~という声が聞こえたが歩調は緩めない。意地悪されたお返しだ。明日から竜のことでもっとからかってやると千歳は心に決めて前を向いた。
「界!今帰りなの?」
少し驚いたように目を見開く千歳。界は優しく微笑み、こちらに向かってくる。端正な顔立ちは女子から大人気で竜以上にモテているが、実家がヤクザなのではないかという噂もあり、ミステリアスな雰囲気に拍車がかかっている。
「そうなんだ。少し寄るところがあってね。君たちも早く帰るんだよ。」
界は千歳の頭を優しく撫で、その場を後にする。千歳は顔が真っ赤になり、凛花はなにが起きたのか分からないといった様子で界の後ろ姿と千歳を交互に見た。
「千歳ちゃん!今の人、3年生の界先輩よね!?お付き合いしてるの!?」
凛花は聞きたいことがたくさんあるのか興奮したように詰め寄ってきた。千歳は顔を真っ赤にしたまま、ぶんぶんと横に振った。
「違うよ!!そんなんじゃなくて友達になっただけ!」
もーと言いながら火照った顔を手であおぐ千歳。凛花は残念そうに肩を落とした。確かに頭を撫でられてドキドキはしたが、別に好きとかそういうことではない。うん、絶対そうだよと自分に言い聞かせて心の中で頷く千歳。
「せっかく千歳ちゃんの恋バナが聞けると思ったのに~。」
どうやら凛花は自分だけ質問攻めにあったので、千歳にも同じ気持ちを味わってほしいらしい。千歳はまだ‘‘好き‘‘ということすらよく分かってないというのに。界といるといつもドキドキはしている気がする。でもそれだけで恋愛感情と決めつけていいんだろうか。答えのない問題にまた千歳は悩まされる。
「でも絶対界先輩は千歳ちゃんのこと好きよね!あんな素敵な先輩に好かれるなんて千歳ちゃんすごい!」
凛花の言葉に動揺して転びそうになった。あんな女子人気のすごい王子様みたいな人に自分がそういう意味で好かれているわけないだろうと千歳は反論しようとした。しかし、先程の出来事を思い出してしまい、頭がパニックになる。界が自分を好き?
「いやそんなわけないよ!!もう彼女いるだろうし!」
「え、もしかして千歳ちゃんが界先輩の事好きなの!?」
やっとの思いで反論したというのに新たな疑惑が浮かんでしまった。凛花には彼女がいるから諦めているように聞こえたのだろうか。千歳は大きくため息をついた。もちろん界のことは人として大好きだし、尊敬もしている。しかし、どうしても自分が誰かと付き合うことなど想像ができない。
「ちがうって!もうこの話はおしまい!!」
凛花を置いていくようにわざとスタスタと歩く。後ろから待って~という声が聞こえたが歩調は緩めない。意地悪されたお返しだ。明日から竜のことでもっとからかってやると千歳は心に決めて前を向いた。
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