異才のモノクロード

あんじゅ

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プロローグ 1

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知っているだろうか、この世は創造神が作っている事を

各世界で信仰されている神々もその創造神が作り、そこの管理を任せている

その創造神メルデニスが天界全ての親であり、

君たちの住んでいるその世界も我が親に作られた

ちなみに俺も神だ。

これは冗談でも何でもない事実だ

神と言ってもまだ役職が決められていない、見習いだがな...




天界には決まり事があった。

~天界の重要規則~
一、担当の世界を日々巡回し見守る事

一、私欲のために神託を下してはならない

一、世界の危機や混乱が生じた場合、創造神メルデニスに
     即時報告し、各世界の神々で対処すること

一、神々は気軽に地上に降りてはならない

一、神は配属された天使の管理を怠らないこと

一、悪感情との均衡を取れるよう努力すること

一、神託や加護は人々の指導者を鼓舞する際や、
     神に仕える人として認めた者のみに与えること


だ。

まぁ...細かい規則はまだあるんだが

重要なのはこの7つの規則だ。

俺はまだ配属先のない未熟者だから、守る事は1つしかないんだがな!

だが俺はその重要規則の1つを破ってしまった

それは「気軽に地上に降りてはならない」という規則だった。

そして今は我が親であるメルデニス様にお叱りを受けている。

「なぜ地上に降りた。
気軽に降りてはならないのは天界での重要規則であるぞ。
お前は神である責任が欠けているのではないのか?
そんなんでは、いつまで経っても任せられんぞ。
この間、お前よりも遅く生まれた神は配属先がきまったんだぞ?
これを聞き悔しいとは思わんかったか!?」

凄い剣幕で怒っていて鼻息が荒い

少し嫌な気分になった

「いやぁ、今回の件は本当に申し訳ないと思ってますよ?
でもその言われ様は何か気に食わないっすよ。
それに、その年下の神イルデロって言うんでしたっけ?
あいつは俺の事を尊敬しているんです、
悔しいわけないじゃないですか笑
おめでたい事ですよー!
俺は俺、イルデロはイルデロ!
ある世界の人間界ではみんな違ってみんな良いって言うじゃないですか!!
だから俺の好奇心旺盛な所も個性だと思ってぇ~...」

と話すとメルデニス様はうつむき

段々とプルプルと震えて来た。

「あ、どーしました?そんなに俺の話に感動しちゃいましたぁ?」

と聞いてみた

「大馬鹿者!!その様な心根だから影で怠け神と呼ばれるのだ!」

と...意外な真実がメルデニス様から飛び出した

「怠け...神......うむ...」

考えた、確かにそうであるな。と。

もうそれでいいのではないかとも思った。

うむ、それでいいや、怠けるのって楽だし

考えた事を口に出そうとする前にメルデニス様が口を開いた。

「むむむむ...やはりお前は変わらんか。
神というのは世界の調節者である!
その様な考えの怠け者は神とは呼ばぬ!
...まことに残念だが、規則に基づき
お前に罰を与える。
我とて罰など与えたくは無いが
それでは他の神々に示しが付かぬ。」

鬼の様な形相から諦めの眼差しに変わった

罰か...まぁどうせ俺は神だし...

そんな相当な罰は受けないだろう 

1ヶ月間部屋から出られない~くらいだろうなぁ

ま、それなら良いか!

だが一瞬にしてこの考えが甘かった事をしるのだ

「お前には罰として人間の一生を体験してもらう。
ちょうど今、空いている枠があるのだ。
そこに入ってもらう。
その人間の人生には不幸と困難が付き纏うが
お前のその能天気さがあれば何とかなるだろう。
まぁ能天気になれるような環境では無いが
もちろん記憶は消してやる。」

スッキリした顔のメルデニス様

「は!?な、何それ!?聞いてないんですが!!?

1回破ってしまっただけでそんな重い罰になるなんて知らなかったんですよ!?」

まぁこれは逆切れなんだが...そんなの知らん!

逆切れでもなんでも嫌だ!!

「そんなのは言い訳じゃ。
お前には何度も注意を促してたはずだろう。
お前が犯した罪は天界の重要規則なのだ。 
このくらいの罰はまだ軽いくらいじゃ。
それともお前はこれ以上を望むか?...ならば」

ずいっと迫ってきた

低音の圧迫感のある声と存在感で圧倒され

何も言えず、ただ首を横に振るだけで精一杯だった。  

この時、初めて自分のした事の愚かさに気がついたのだった。

「そうか、では人間界で充分学んでくるがよい!!」

手を上げ今までに見たことの無い巨大な魔法陣が発動していた
 
「ちょ!ま、待て!待って!待ってください!!待てと言ってるだろ!くそじじいー!!!」

必死の時間稼ぎも儚く終わり

目が開けられないほどの眩い光が俺を包み込んだ。
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