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、
しおりを挟む柿沼さんとの生活は呆気なく終わりを告げた。
結婚を、するらしい。
たまたま、近所の人が話しているのを聞いた。
柿沼さん、恋人がいたのに僕と暮らしていたのか。
本当に不思議な人だ。
ショックを受けたというより、あの人はつくづくお人好しなんだなぁと思った。
きっと僕が死んでしまうと思ったから出て行けとも言えず、ずるずると今に至るのだろう。
かわいそうな人。
僕なんかを見つけてしまったから。
かわいそうだけどせめてもの情けに僕は何も言わずこの家を出て行くことにした。
置き手紙とかメモなんか残したら、追い出してしまったのかとあの人は気に病むだろうから。
でも僕を救い上げてくれたあの人にお礼を伝えたかったから、海で拾った綺麗なサクラガイを机に置く。
…………ふ、我ながら意味がわからないな。
こうして、柿沼さんと僕の生活は終わったのだ。
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