僕は平凡に生きたい

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体育祭

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あれからあっという間に月日が流れて後1週間もすれば体育祭だ。
…ここまで、本当に大変だった…。
自分の体力のなさに絶望して、非力な自分に絶望して…ぐすん。

いいもんいいもん。足は速いねって言われたもん。足は速いねって。「は」って。

颯くんに「…練習、頑張ろうな?」って満面の笑みで言われて京くんには「多分当日はそれどころじゃないと思うけどなぁ?」なんて苦笑いされて。当日はそんなに大変なのかな?

「はー…。」

盛大にため息を吐きながら机に張り付いて空を見上げる。
いい天気…。高校の体育祭ってこんなに大変なんだなぁ…。
最初からみんな体力おばけだったし。俺だけなのかなぁ…。

ずーんと音がしそうなぐらい落ち込む俺の頭に誰かの手がぽんとのり、そのまま撫でられた。
こんなに優しく撫でるのは京くんしかいない。
そう思ってそちらをむくとそこにいたのは京くん…ではなかった。

「…颯くん…?」

「おう。なーんか疲れてんなぁ~。」

「うん…。」

颯くんこんなに優しく撫でることも出来るんだ…。いつもぐしゃぐしゃにされるからびっくりだ。
思わずぽけーっと見つめているとその視線に気付いた颯くんが照れたように笑う。

「はは、何でそんなに見てるんだ?京かと思った?」

「えっ…。」

「そんな顔してる。ごめんなぁ京じゃなくて。」

「え!?いや、そうじゃなくて!…颯くんいつもぐしゃぐしゃに撫でるから…。」

京くんがよかったわけでは!断じて!ないよ!
そんか気持ちを込めて否定すると颯くんはぶはっと吹き出した。
そしていつものようにぐしゃぐしゃと撫で回してきた。
こう撫でて欲しいわけじゃなーい!!

「ちょ、なんで!?ぐしゃぐしゃにしないでよぅ!」

「んー?こうされたかったんじゃないのか?」

「ちがーう!もー…。」

頰を膨らましてむくれているとその頰をつぶすように頰を挟まれた。
ぷしゅっ。
むにっと挟まれた俺の顔を何故かじっと見つめる颯くん。
…恥ずかしい…。

「…は、やて…くん…?」

「…。」

最近のみんなはすぐ黙っちゃうね。むー。
何か話すまで俺も黙っちゃうもんね。
お互い無言で見つめ合っていると、颯くんの顔が段々と近付いてきていることに気が付いた。…へ?

「はやっ颯くん…!ちかい…!」

「…近付いてるからな。」

「ぇっ…んっ!」

まうすとぅーまうすー!!!
っていうかここ教室!!

***
最近短いのと話が進まないので2話更新します!
そして進んでない!
テンポよく行きたいんですけどみんな主人公とちゅーしたいみたいです。
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