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体育祭
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あれからなんとか平均台をクリアして一息をついた。
あまりの鬼畜さに涙目で思わず「やだぁ…!」と泣き言を言ってしまった。
その瞬間勢いが弱まったと思ったら、次の瞬間には更に強くなって俺が泣き言を言ったから委員さんのS心に火をつけてしまったのかと思った。
うう、もう俺帰りたい…。
みんな何故か前傾姿勢?というか前屈み?になっててそんなに落としたいのかと身震いをしてしまった。
ここの生徒の方々、怖すぎない?俺やっていけない気がする…。
「はぁ…なんとかクリア出来たからいいけど何人かに抜かされちゃったなぁ…。」
なんて軽く走りながら呟く。
どうして今こんなにのんびりしているかというと、ここから見える次の障害物に近づきたくないからだった。
見た目がどう、とかではない。
先に行ったメンバーが戸惑うかのように佇んでいるからだ。
絶対何かある。そうとしか思えない。
そして何度目かのため息を吐くのであった。
**
「ねぇ…これ、何…どういうこと?」
「さぁ…わかんねぇ。」
「僕も…。」
障害物の近くまで行くと先に着いていた選手たちがこそこそと話していた。
わざとというより思わず、といった感じだけれど。
嫌な予感を感じ取りながら自分も近づいてみる。
…んん…?
「なに、これ…?」
「あ、セーラーの子が来た!」
「へ!?あ、ど、どうも…?」
目にしたものに思わず声を出すと、先ほどの選手の1人が勢いよくこちらを振り返って声をあげた。
二度とその呼び方をしないでほしいなぁと思いつつ、挨拶をしてみる。挨拶は大事だよね。
「みんなでさ、考えてたんだけどどう思う?」
「うーん…?というかこれはどういう障害物なんですか、ね…?」
「「「確かに」」」
俺の素朴な疑問にそこにいたメンバーの声が揃う。
そして俺の疑問に答えるかのように実況者さんが「はーい!それじゃ、解説しちゃうよーん!」と明るく声を響き渡らせた。
「今からぁ君たちには、その道具を使って全校生徒にアピールをしてもらいまーっす!」
アピール…?何を?
というか何故それが障害物に入ってるの…?
「アピールしてもらうことが今配ってる紙に書いてあるからそれを読んで、答えてねん⭐️」
どうぞ、と渡された紙をお礼を言って受け取って開く。
そこに書いてあったのは、
1、名前
2、身長
3、好きなタイプ
4、好きな体位
5、恋人の有無
だった。
好きなタイプまではわかるけど、それ以降を言ってアピールする意味がわからない。
体位って何?って感じだ。
みんなが頭上にハテナを出し始めたところで、補足するかのようにまた話し始めた。
「アピールっていうか、告白?みたいな?ま、とにかく答えられなかったら罰ゲームがあるよ~ん!ふぁいとー!」
ふぁいとー!じゃないってばぁ!!
ちなみに道具っていうのはメガホンのこと。ただ、よく使われてるメガホンより大きくて…なんていうのかな、今日以外に使うことある?って感じの見た目。
メンバーは戸惑いながらもメガホンの前に立ち始めた。
え、待ってみんな体位がなんなのかわかるの?すごくない?
紙と選手を交互に見ながら誰かに助けを求めるかのように周りを見渡す俺の肩に、誰かがポンと手を置いた。
あまりの鬼畜さに涙目で思わず「やだぁ…!」と泣き言を言ってしまった。
その瞬間勢いが弱まったと思ったら、次の瞬間には更に強くなって俺が泣き言を言ったから委員さんのS心に火をつけてしまったのかと思った。
うう、もう俺帰りたい…。
みんな何故か前傾姿勢?というか前屈み?になっててそんなに落としたいのかと身震いをしてしまった。
ここの生徒の方々、怖すぎない?俺やっていけない気がする…。
「はぁ…なんとかクリア出来たからいいけど何人かに抜かされちゃったなぁ…。」
なんて軽く走りながら呟く。
どうして今こんなにのんびりしているかというと、ここから見える次の障害物に近づきたくないからだった。
見た目がどう、とかではない。
先に行ったメンバーが戸惑うかのように佇んでいるからだ。
絶対何かある。そうとしか思えない。
そして何度目かのため息を吐くのであった。
**
「ねぇ…これ、何…どういうこと?」
「さぁ…わかんねぇ。」
「僕も…。」
障害物の近くまで行くと先に着いていた選手たちがこそこそと話していた。
わざとというより思わず、といった感じだけれど。
嫌な予感を感じ取りながら自分も近づいてみる。
…んん…?
「なに、これ…?」
「あ、セーラーの子が来た!」
「へ!?あ、ど、どうも…?」
目にしたものに思わず声を出すと、先ほどの選手の1人が勢いよくこちらを振り返って声をあげた。
二度とその呼び方をしないでほしいなぁと思いつつ、挨拶をしてみる。挨拶は大事だよね。
「みんなでさ、考えてたんだけどどう思う?」
「うーん…?というかこれはどういう障害物なんですか、ね…?」
「「「確かに」」」
俺の素朴な疑問にそこにいたメンバーの声が揃う。
そして俺の疑問に答えるかのように実況者さんが「はーい!それじゃ、解説しちゃうよーん!」と明るく声を響き渡らせた。
「今からぁ君たちには、その道具を使って全校生徒にアピールをしてもらいまーっす!」
アピール…?何を?
というか何故それが障害物に入ってるの…?
「アピールしてもらうことが今配ってる紙に書いてあるからそれを読んで、答えてねん⭐️」
どうぞ、と渡された紙をお礼を言って受け取って開く。
そこに書いてあったのは、
1、名前
2、身長
3、好きなタイプ
4、好きな体位
5、恋人の有無
だった。
好きなタイプまではわかるけど、それ以降を言ってアピールする意味がわからない。
体位って何?って感じだ。
みんなが頭上にハテナを出し始めたところで、補足するかのようにまた話し始めた。
「アピールっていうか、告白?みたいな?ま、とにかく答えられなかったら罰ゲームがあるよ~ん!ふぁいとー!」
ふぁいとー!じゃないってばぁ!!
ちなみに道具っていうのはメガホンのこと。ただ、よく使われてるメガホンより大きくて…なんていうのかな、今日以外に使うことある?って感じの見た目。
メンバーは戸惑いながらもメガホンの前に立ち始めた。
え、待ってみんな体位がなんなのかわかるの?すごくない?
紙と選手を交互に見ながら誰かに助けを求めるかのように周りを見渡す俺の肩に、誰かがポンと手を置いた。
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