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C5:6/18~6/19ダンジョン攻略レベル1
7:ダンジョン攻略レベル1:マガツヒノカミ
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「おっさん!」
片膝をつき、苦しそうに喉を押さえる大根田に五十嵐が駆け寄った。佐希子はマナの流れが土偶を中心に渦巻いているのを感じた。
もしかしたら――
佐希子はマナレーダーを試みる。途端に、巨大なマナモノの反応と、そこから伸びる細いマナの流れを感知した。
これは――見えないマナの触手のような物が、大根田さんの首を――
くそっ! ヤーさんや大根田さんに、それを攻撃できるか?
いや!
大根田さんが普通の状態だったら可能かもしれないけども、今の二人じゃ無理だ! ならば――
佐希子は土偶の顔めがけて銃を撃った。
バチバチと何かが弾ける音が響き、土偶はプッピー君でできた腕で顔をかばった。同時に大根田が大きく息を吐く。
五十嵐がよくやったと叫んだ。
「おっさんが回復するまで時間を稼げ!」
「言われなくても!」
佐希子はスカーの弾倉にポケットから取り出したマナの結晶を詰めた。
『マナガンの威力を増します! 二人とも射線の前には出ない! 多分死ぬ!!』
爆破属性をつけたマナの結晶で空気を打ち出すのがマナガンの仕組みであるが、あまりに強い爆破属性を付けた結晶を使うと、弾丸の威力は増すが、短時間で銃自体が壊れるのである。
佐希子は斜面に尻を落とすと、両足を踏ん張り、銃を発射した。
両手が千切れるような衝撃に、仰向けにぶっ倒れ、反動で斜面をずり上がる。だが、何とか銃を落とさずに手の中にある。
佐希子の銃撃はプッピー君達をジグザグに吹き飛ばしながら胴体を上に薙ぎ、土偶の顔をかばう腕を一本粉々に吹き飛ばした。
勢い、土偶も尻もちをつく。
「や、やった――」
佐希子が歓声を上げる間に、回復していた大根田が小太刀を振りかぶって土偶の顔に迫っていた。
土偶は再び見えない触手を伸ばそうと大根田の方を見たが、一瞬遅い。赤い光が煌めき、土偶の片方の目が凹み、甲高い音を立て、顔全体に亀裂が走った。
機を逃さず、五十嵐がプッピー君が寄り集まった足を抱えると、気合一千、持ち上げて投げ飛ばそうとする。そりゃ無理だと佐希子は言おうとするも、五十嵐は持ち上げるのを止めて、横にぶん投げた。
重かったのか、プッピー君達の抵抗が激しかったのか、どっちにしろ、あれを転がすってのがすげぇ!
佐希子は土偶の背めがけて、再び銃を打ち込む。プッピー君が波立つように吹き飛び、佐希子も反動で後ろにぶっ倒れる。
大根田は好機と、またも頭を狙おうと土偶に近寄った。
さっきの首絞めをやってくるのか、それとも立ち上がるのか、腕を振り回すのか、体に付けたプッピー君を使って何かをするのか――
土偶は、無事な方の手をコンクリの斜面に突き刺した。
「う、う――――――わわわわっ!!?」
土偶が斜面に突き刺した腕を投擲するように振りかぶると、ぐるりと天地が逆さまになったのだ。
悲鳴を上げる佐希子と大根田の体がふわり宙に浮く。
五十嵐が壁面を蹴り、矢のように突っ込むと、二人をキャッチした。そのまま、今まで天井だった緩やかな斜面に三人諸共転がる。
「くそっ、いてててて!」
「ひええええ、なんじゃ今の――」
「全員無事ですか!? 今のは――」
土偶が上から降ってきた。
三人が飛び退ると同時に、その巨体が着地し、コンクリに放射状にひびが入る。大根田は起き上がると、今度は上段に構える。
土偶の体にあった傷が塞がりつつあった。腕もじわじわと再生している。
『これは長期戦になったら、ダメなやつだ!
五十嵐さん、三十秒でいいから時間を稼いでくれませんか。佐希子ちゃんは、僕の後ろの方で、できるだけ距離を取ってくれないかな』
『……おっさん、まさか、また『アレ』をやる気じゃねえだろうな!?』
『え? へ? あ! まっさか、アメノサギリの時にやった必殺技!?
ちょ、まだ未完成でしょ、あれ!?』
大根田は眼鏡を外すと、片膝をつき、小太刀を左の脇にそえた。
『あの時よりも経験は積んでる。それに、アマツからヒントももらっているんだ』
『ここに入る前に言われてた、あれか……本当に大丈夫なんだろうな?』
『妻に無謀はするなと怒られているからね。勝算はあるよ。
あと、ぶっちゃけると……必殺技を思いついたんで、試したくて仕方なかったんだよねぇ』
五十嵐がぶっと吹き出し、呆れた顔をした。佐希子は、おお! と両の拳を握る。
「是非やりましょう! ヤーさんもいいよね!?」
五十嵐はため息をつくと、ステップを踏み始める。
「ったく……一発撃ってダメなら、撤退するからな? それでいいな?」
大根田は頷くと、ゆっくりと目を瞑り、体を折り曲げていく。
今回は流れ込んでくるマナは感じない。
ただ、自分の中にあるマナをより集め、剣の形に組み立てて絞っていく。
剣は器だ。
ほとんど頭をつくまでに体を折り曲げ、発射するバネを作っていく。
そして小太刀を中心とした細長い器の中でマナを『練って』いく。
空気が膨らみ、それを押しつぶし、それでも膨らもうとするのを更に押しつぶし、自分を傷つけようと漏れ出ようとする熱をマナで押し返す。
佐希子は再び土偶へ向けて発砲した。
両手の中で跳ねまわるスカーからバキバキと不安な音がし始める。銃撃に怯んだ土偶の両足に五十嵐はタックルを仕掛けた。足を構成するプッピー君達が一斉に五十嵐に顔を向け、手を伸ばす。
だが、五十嵐が一瞬早い。
プッピー君達の腕を巻き込んで折りながら、五十嵐は土偶の両足を抱え込んだ。
土偶はまたもバランスを崩し、腕を振り回しながら倒れ始めた。
同時に佐希子のスカーの銃身がついに弾け飛んだ。咄嗟にのけぞったが、顔の左側に激痛が花開く。
あ、目をやっちゃ――
土偶が倒れるのと同時に、五十嵐が佐希子の襟首をつかんで走り出した。
『おっさん! やっちまえ!』
佐希子は無事な方の目で、なんとか大根田を追う。
たとえ怪我をしようとも、これは絶対に見逃せるはずがない!
大根田の周りの空気が歪んでいた。
半身を気味の悪いくらいに素早く起こした土偶は、大根田に顔を向ける。
まずい! また、あの触手で大根田さんを――
瞬間、大根田は『抜いた』。
佐希子の目の前が一瞬真っ白になり、続いてどろどろと青い波のような炎が大根田の前方に扇状に広がった。速度こそは遅く見えたが、その威力は絶大だった。
土偶は全身を震わせながら炎に嘗め尽くされ、軋み、弾け、溶けていく。
土偶の目から伸びていた触手も燃え上がってその姿を見せていた。それがのたうちながら細切れに散っていく。
ああああっといううめき声とも泣き声ともつかないものをあげながら、土偶は最後の力を振り絞ったのか、溶けつつある体で雪崩のように大根田に迫った。
だが、大根田はすでに、『再び練っていた』のである。
ごく短時間で少ないマナだったが、前方に圧縮された空気の塊を飛ばす『燃料』としては十分だったのだ。
大根田は両足を踏ん張ると、再び『抜いた』。
円筒状の巨大な空気の塊が、襲い掛かる溶けた土偶の残骸を押しつぶし、壁面に叩きつけコンクリごと砕け散らせた。
大根田はゆっくりと息を吐いた。
「しゅ、しゅっげぇ……」
佐希子がそう呟くと、五十嵐が顔を覗き込んできた。
「おい、意識はあるか!?」
「はへぇ? ああ、にゃんとか……あうぇ? うみゃくしゃへれない? もひかひて傷っへ酷ひほ?」
「……喋るな。今連れだしてやる。医療班が外に待機してるはずだ」
「……ひのひふな、燃えひゃっへね?」
五十嵐はにやりと笑う。
「いや、どうやら無事なようだぜ。おっさん、すげぇ技をものにしたようだな」
確かに今回は、大根田は力を完全にコントロールできているらしかった。佐希子が五十嵐から聞いていた高熱の余波は感じず、仄かな温もりが肌に感じられる程度だ。大根田もすぐに立ち上がると、眉をひそめてこちらに小走りでやってくる。
「お――おおへはひゃはん……」
「佐希子ちゃん! 喋らないで! 今、連れ出すからね!」
「い、いやぁ……ひまのふぁふぁ……インフェフノヒュラッヒュュ……ほは、どうへふか?」
大根田がふっと真顔になった。
「インフェルノスラッシュ? 絶対に嫌だね」
五十嵐も頷いた。
「最低だな」
「…………ひゅふぅ」
佐希子はこうして気絶した。
片膝をつき、苦しそうに喉を押さえる大根田に五十嵐が駆け寄った。佐希子はマナの流れが土偶を中心に渦巻いているのを感じた。
もしかしたら――
佐希子はマナレーダーを試みる。途端に、巨大なマナモノの反応と、そこから伸びる細いマナの流れを感知した。
これは――見えないマナの触手のような物が、大根田さんの首を――
くそっ! ヤーさんや大根田さんに、それを攻撃できるか?
いや!
大根田さんが普通の状態だったら可能かもしれないけども、今の二人じゃ無理だ! ならば――
佐希子は土偶の顔めがけて銃を撃った。
バチバチと何かが弾ける音が響き、土偶はプッピー君でできた腕で顔をかばった。同時に大根田が大きく息を吐く。
五十嵐がよくやったと叫んだ。
「おっさんが回復するまで時間を稼げ!」
「言われなくても!」
佐希子はスカーの弾倉にポケットから取り出したマナの結晶を詰めた。
『マナガンの威力を増します! 二人とも射線の前には出ない! 多分死ぬ!!』
爆破属性をつけたマナの結晶で空気を打ち出すのがマナガンの仕組みであるが、あまりに強い爆破属性を付けた結晶を使うと、弾丸の威力は増すが、短時間で銃自体が壊れるのである。
佐希子は斜面に尻を落とすと、両足を踏ん張り、銃を発射した。
両手が千切れるような衝撃に、仰向けにぶっ倒れ、反動で斜面をずり上がる。だが、何とか銃を落とさずに手の中にある。
佐希子の銃撃はプッピー君達をジグザグに吹き飛ばしながら胴体を上に薙ぎ、土偶の顔をかばう腕を一本粉々に吹き飛ばした。
勢い、土偶も尻もちをつく。
「や、やった――」
佐希子が歓声を上げる間に、回復していた大根田が小太刀を振りかぶって土偶の顔に迫っていた。
土偶は再び見えない触手を伸ばそうと大根田の方を見たが、一瞬遅い。赤い光が煌めき、土偶の片方の目が凹み、甲高い音を立て、顔全体に亀裂が走った。
機を逃さず、五十嵐がプッピー君が寄り集まった足を抱えると、気合一千、持ち上げて投げ飛ばそうとする。そりゃ無理だと佐希子は言おうとするも、五十嵐は持ち上げるのを止めて、横にぶん投げた。
重かったのか、プッピー君達の抵抗が激しかったのか、どっちにしろ、あれを転がすってのがすげぇ!
佐希子は土偶の背めがけて、再び銃を打ち込む。プッピー君が波立つように吹き飛び、佐希子も反動で後ろにぶっ倒れる。
大根田は好機と、またも頭を狙おうと土偶に近寄った。
さっきの首絞めをやってくるのか、それとも立ち上がるのか、腕を振り回すのか、体に付けたプッピー君を使って何かをするのか――
土偶は、無事な方の手をコンクリの斜面に突き刺した。
「う、う――――――わわわわっ!!?」
土偶が斜面に突き刺した腕を投擲するように振りかぶると、ぐるりと天地が逆さまになったのだ。
悲鳴を上げる佐希子と大根田の体がふわり宙に浮く。
五十嵐が壁面を蹴り、矢のように突っ込むと、二人をキャッチした。そのまま、今まで天井だった緩やかな斜面に三人諸共転がる。
「くそっ、いてててて!」
「ひええええ、なんじゃ今の――」
「全員無事ですか!? 今のは――」
土偶が上から降ってきた。
三人が飛び退ると同時に、その巨体が着地し、コンクリに放射状にひびが入る。大根田は起き上がると、今度は上段に構える。
土偶の体にあった傷が塞がりつつあった。腕もじわじわと再生している。
『これは長期戦になったら、ダメなやつだ!
五十嵐さん、三十秒でいいから時間を稼いでくれませんか。佐希子ちゃんは、僕の後ろの方で、できるだけ距離を取ってくれないかな』
『……おっさん、まさか、また『アレ』をやる気じゃねえだろうな!?』
『え? へ? あ! まっさか、アメノサギリの時にやった必殺技!?
ちょ、まだ未完成でしょ、あれ!?』
大根田は眼鏡を外すと、片膝をつき、小太刀を左の脇にそえた。
『あの時よりも経験は積んでる。それに、アマツからヒントももらっているんだ』
『ここに入る前に言われてた、あれか……本当に大丈夫なんだろうな?』
『妻に無謀はするなと怒られているからね。勝算はあるよ。
あと、ぶっちゃけると……必殺技を思いついたんで、試したくて仕方なかったんだよねぇ』
五十嵐がぶっと吹き出し、呆れた顔をした。佐希子は、おお! と両の拳を握る。
「是非やりましょう! ヤーさんもいいよね!?」
五十嵐はため息をつくと、ステップを踏み始める。
「ったく……一発撃ってダメなら、撤退するからな? それでいいな?」
大根田は頷くと、ゆっくりと目を瞑り、体を折り曲げていく。
今回は流れ込んでくるマナは感じない。
ただ、自分の中にあるマナをより集め、剣の形に組み立てて絞っていく。
剣は器だ。
ほとんど頭をつくまでに体を折り曲げ、発射するバネを作っていく。
そして小太刀を中心とした細長い器の中でマナを『練って』いく。
空気が膨らみ、それを押しつぶし、それでも膨らもうとするのを更に押しつぶし、自分を傷つけようと漏れ出ようとする熱をマナで押し返す。
佐希子は再び土偶へ向けて発砲した。
両手の中で跳ねまわるスカーからバキバキと不安な音がし始める。銃撃に怯んだ土偶の両足に五十嵐はタックルを仕掛けた。足を構成するプッピー君達が一斉に五十嵐に顔を向け、手を伸ばす。
だが、五十嵐が一瞬早い。
プッピー君達の腕を巻き込んで折りながら、五十嵐は土偶の両足を抱え込んだ。
土偶はまたもバランスを崩し、腕を振り回しながら倒れ始めた。
同時に佐希子のスカーの銃身がついに弾け飛んだ。咄嗟にのけぞったが、顔の左側に激痛が花開く。
あ、目をやっちゃ――
土偶が倒れるのと同時に、五十嵐が佐希子の襟首をつかんで走り出した。
『おっさん! やっちまえ!』
佐希子は無事な方の目で、なんとか大根田を追う。
たとえ怪我をしようとも、これは絶対に見逃せるはずがない!
大根田の周りの空気が歪んでいた。
半身を気味の悪いくらいに素早く起こした土偶は、大根田に顔を向ける。
まずい! また、あの触手で大根田さんを――
瞬間、大根田は『抜いた』。
佐希子の目の前が一瞬真っ白になり、続いてどろどろと青い波のような炎が大根田の前方に扇状に広がった。速度こそは遅く見えたが、その威力は絶大だった。
土偶は全身を震わせながら炎に嘗め尽くされ、軋み、弾け、溶けていく。
土偶の目から伸びていた触手も燃え上がってその姿を見せていた。それがのたうちながら細切れに散っていく。
ああああっといううめき声とも泣き声ともつかないものをあげながら、土偶は最後の力を振り絞ったのか、溶けつつある体で雪崩のように大根田に迫った。
だが、大根田はすでに、『再び練っていた』のである。
ごく短時間で少ないマナだったが、前方に圧縮された空気の塊を飛ばす『燃料』としては十分だったのだ。
大根田は両足を踏ん張ると、再び『抜いた』。
円筒状の巨大な空気の塊が、襲い掛かる溶けた土偶の残骸を押しつぶし、壁面に叩きつけコンクリごと砕け散らせた。
大根田はゆっくりと息を吐いた。
「しゅ、しゅっげぇ……」
佐希子がそう呟くと、五十嵐が顔を覗き込んできた。
「おい、意識はあるか!?」
「はへぇ? ああ、にゃんとか……あうぇ? うみゃくしゃへれない? もひかひて傷っへ酷ひほ?」
「……喋るな。今連れだしてやる。医療班が外に待機してるはずだ」
「……ひのひふな、燃えひゃっへね?」
五十嵐はにやりと笑う。
「いや、どうやら無事なようだぜ。おっさん、すげぇ技をものにしたようだな」
確かに今回は、大根田は力を完全にコントロールできているらしかった。佐希子が五十嵐から聞いていた高熱の余波は感じず、仄かな温もりが肌に感じられる程度だ。大根田もすぐに立ち上がると、眉をひそめてこちらに小走りでやってくる。
「お――おおへはひゃはん……」
「佐希子ちゃん! 喋らないで! 今、連れ出すからね!」
「い、いやぁ……ひまのふぁふぁ……インフェフノヒュラッヒュュ……ほは、どうへふか?」
大根田がふっと真顔になった。
「インフェルノスラッシュ? 絶対に嫌だね」
五十嵐も頷いた。
「最低だな」
「…………ひゅふぅ」
佐希子はこうして気絶した。
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