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1話

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 婚約破棄されたのは自分のせいだ、皇太子や皇家を恨むなんておこがましいにもほどがある! あのときから必死でそう自分に言い聞かせてきていた。だからなのだろうか? わたしの前世が見えるようになったのは・・・・・・

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わたしは婚約破棄の申し子だったのである、前回ばかりでなく今回もそうなった。そして両方とも考えれば考えるほど自分には非が無いように思えてきた。前世はありもしない罪を着せられて国を追われ最後は逃亡の果てに力尽きたのだった。そして今回も国は追われてはいないものの今までの地位や信用など生まれてから今までのアイデンティティを奪われたことに違いはないのだ。何度もこんな運命に立ち会いながら何もせず終わって良いのだろうか、いや良いわけがないだろう・・・・・・・・。
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