婚約破棄は蜜の味

droit

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3話

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 今までハインリーケの中でこんなふうに誰かに約束をむげにされることなどあっただろうか、いやあるわけがない、彼女の人生はずっと完ぺきだった。ずっと彼女にまるでおぜん立てされていたかのように何事も上手くいっていたのである。だからこそ彼女は死んでいた、そしてさっき本当に生物学的にも死ぬはずだったのである。だが、この電話は彼女にとって予想外過ぎたことであった、おそらく人生で初めてのものだ、そう! 彼女は今この瞬間やっと生きることになったのだ、いや今生まれたと言っても過言ではない、彼女のなかで命の炎が燃え上がったのである・・・・・・。
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