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アクアマリンのため息
アクアマリンのため息 5
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人の思いは簡単に割り切れない。
簡単に嫌いになれたら、どんなに楽だろう。
一方通行で上手くいかない。それも恋というものだろう。
私はふと思った。思い出はそんな私の思いを乗せ、切り替わった。
季節が変わり、冬のようだ。具体的に何月か解らないが、年の瀬に近いらしい。
井川と真学がカフェで話しをしている。
「敬子がね、今度、スキー行こうっていっていてさ」
「スキーか。俺、全然出来ないよ」
「水泳できるなら、出来るよ!」
井川は楽しそうに友達の敬子の話をしている。真学はそれをただ聞いていた。
「あ、そうだ。クリスマスどうする?」
「……うーん。どこか行きたいか?」
「私は、真学と一緒に過ごせるだけでいいよ」
井川は真学に微笑んだ。真学は微笑み返すと、真顔になった。井川は心配する。
「どうしたの?」
「実は」
真学の話によると、真央が仕事の関係で来年の三月からシンガポールに行くことになったらしい。
それに真理子が着いていくのか、行かないのかで二人が揉めているそうだ。
真理子も仕事をしており、やっと一人前と認められたところらしい。
真央は「真理子についてきて欲しい」と懇願したが、真理子は「遠距離でも大丈夫」と言い張っていた。
「そっか。それは大変だね」
「兄貴が折れればいいのに。真理子さんには真理子さんなりの理由だってあるのにな。ま、俺には関係ないけど」
真学は関係ないと言っているものの、大分、気になっている。
井川はそれが解り、苦しくなった。まだ真理子が好きなのだろう。
「お兄さんは何を心配しているのだろうね」
「さぁ。遠距離になっても別れない人たちだっているのに」
真学はコーヒーを飲む。井川は真学の顔を見る。
井川は、お兄さんの心配は真学に真理子さんを取られるのじゃないかと思った。
そう思えても仕方ないのだろう。
真央は真学が真理子のことが好きだと知っている。私は直感的に思った。
苦い思い出の場面から、再び、切り替わる。
雨が降っている。何が遭ったのだろうか。本降りの雨は激しく、視界が見にくい。
雨が降る中、真理子が走っている。 それを真学が追いかけている。
何となくの想像だが、真央が真理子に酷いことを言ったのかもしれない。
やっと追いついた真学が真理子の腕を掴む。
「何が遭ったんですか?」
「真学くんには関係ないよ」
真理子は目に掛かる雨を手の甲で拭う。
「関係ない。そうかもしれません。兄貴は真理子さんが思っている以上に真理子さんのこと思っていますよ」
「うるさいなぁ。解っているよ、そんなの。放っておいて!」
真理子の表情は悲痛なものだった。涙なのか、雨なのか解らないが顔は濡れている。
「じゃあ、そんな顔しないでください」
「は?関係ないでしょう!来美ちゃんの心配していなよ!」
「俺が真理子さんを好きだからです。だから、真理子さんには笑っていてほしい」
真学は自分の想いを真理子にぶつけてしまった。
真学は真理子を抱きしめる。真理子は突然すぎて、状況を理解できない。
私はこの場面がなぜ、見えたのかと思った。
見える思い出は、持ち主のもの。
じゃあ、この場面を井川は見ていたのだろう。
車線の向こう側に井川は居た。
井川は傘を落とし、車線反対側の二人を見つめる。
二人は井川に気づいていない。
真理子はすぐさま、真学を引き離す。
「解っているの?私は真央の奥さんだよ?」
「解ってます。けれど、ずっと思っていました。この想いをどうにかする気はないです。俺は井川と別れます」
真学は真理子の目を離さない。その目はまっすぐで、迷いが無かった。
「私は真央と別れないよ」
「それでいいです。俺はそれを望んでいたのだから。兄貴のとこに戻りましょう」
真学は真理子の手を引く。真理子は少し、顔が赤くなっている。
井川はただ、その光景を見つめるだけだった。
井川の頬からは涙が滴る。
これで二人の関係は終わったのか。
真学は真理子に想いを告白した。
その想いがどうなったか。行方は解らないだろう。
井川は大丈夫なのか。私は心配になってきた。
真学は井川への気持ちが湧くことがなかった。最初から最後まで真理子が好きだった。
私は何とも言えない気分になる。
それでも思い出は見えてくる。
思い出は切り替わった。
年明けの三が日だろうか。初詣に井川と真学が行っている。
沢山の人がいる中、真学は井川をエスコートした。
二人の関係は修復出来たのだろうか。 私は少しだけ安心した。
けれど、その安心はすぐに崩壊する。
井川と真学は、賽銭箱にお金を入れ、祈願した。
目を瞑り。何を願ったのだろうか。
その後、二人は出店で焼き芋を購入し、公園で食べている。
「今年もいいことあるといいね」
「そうだな」
井川は真学を見る。真学は微笑む。
井川の様子に異変はない。ただ何か諦めのような空気が漂う。
「ねぇ。真学はさ、私のこと好き?」
「好き?ってそりゃあ、付き合っているからな」
「そう。ありがとう」
井川の目は潤んでいる。真学は動揺した。
真学は井川の涙の理由が解らない。
「何?俺、何かした?」
「心あたりないよね。真学はまだ真理子さんのことが好きなんでしょう」
真学は何も言えなくなった。図星だから否定が出来ない。
告白の瞬間を見た井川。目撃されたことを知らない真学。
井川は真学を見つめた。
「否定しないってことは……そうだよね」
「………ああ」
私は真学があまりにも酷い気がしてきた。
好きでもない人と付き合う。真学にとって、井川の存在はどんなものだったのか。
けれど、自分の気持ちに嘘はつけない。
あの告白や、それまでを思えば、真学の気持ちが変わることなどないように思える。
「………もう、疲れちゃった」
「……ごめん」
「真学が真理子さんのこと好きでいいって思っていたけど、思ったより結構辛かった」
「……本当、ごめん」
真学は井川を見つめる。井川は涙目で言う。
「さようなら」
井川は真学に背を向けて、行ってしまった。
真学はそれを追いかけるわけでもなく、井川は走っていく。
井川の指にはアクアマリンの指輪は無い。
井川はしばらく走った後、立ち止まる。
井川はポケットに入れたアクアマリンの指輪を触った。
こうして、井川と真学は終わった。
アクアマリンのため息 5 (了)
簡単に嫌いになれたら、どんなに楽だろう。
一方通行で上手くいかない。それも恋というものだろう。
私はふと思った。思い出はそんな私の思いを乗せ、切り替わった。
季節が変わり、冬のようだ。具体的に何月か解らないが、年の瀬に近いらしい。
井川と真学がカフェで話しをしている。
「敬子がね、今度、スキー行こうっていっていてさ」
「スキーか。俺、全然出来ないよ」
「水泳できるなら、出来るよ!」
井川は楽しそうに友達の敬子の話をしている。真学はそれをただ聞いていた。
「あ、そうだ。クリスマスどうする?」
「……うーん。どこか行きたいか?」
「私は、真学と一緒に過ごせるだけでいいよ」
井川は真学に微笑んだ。真学は微笑み返すと、真顔になった。井川は心配する。
「どうしたの?」
「実は」
真学の話によると、真央が仕事の関係で来年の三月からシンガポールに行くことになったらしい。
それに真理子が着いていくのか、行かないのかで二人が揉めているそうだ。
真理子も仕事をしており、やっと一人前と認められたところらしい。
真央は「真理子についてきて欲しい」と懇願したが、真理子は「遠距離でも大丈夫」と言い張っていた。
「そっか。それは大変だね」
「兄貴が折れればいいのに。真理子さんには真理子さんなりの理由だってあるのにな。ま、俺には関係ないけど」
真学は関係ないと言っているものの、大分、気になっている。
井川はそれが解り、苦しくなった。まだ真理子が好きなのだろう。
「お兄さんは何を心配しているのだろうね」
「さぁ。遠距離になっても別れない人たちだっているのに」
真学はコーヒーを飲む。井川は真学の顔を見る。
井川は、お兄さんの心配は真学に真理子さんを取られるのじゃないかと思った。
そう思えても仕方ないのだろう。
真央は真学が真理子のことが好きだと知っている。私は直感的に思った。
苦い思い出の場面から、再び、切り替わる。
雨が降っている。何が遭ったのだろうか。本降りの雨は激しく、視界が見にくい。
雨が降る中、真理子が走っている。 それを真学が追いかけている。
何となくの想像だが、真央が真理子に酷いことを言ったのかもしれない。
やっと追いついた真学が真理子の腕を掴む。
「何が遭ったんですか?」
「真学くんには関係ないよ」
真理子は目に掛かる雨を手の甲で拭う。
「関係ない。そうかもしれません。兄貴は真理子さんが思っている以上に真理子さんのこと思っていますよ」
「うるさいなぁ。解っているよ、そんなの。放っておいて!」
真理子の表情は悲痛なものだった。涙なのか、雨なのか解らないが顔は濡れている。
「じゃあ、そんな顔しないでください」
「は?関係ないでしょう!来美ちゃんの心配していなよ!」
「俺が真理子さんを好きだからです。だから、真理子さんには笑っていてほしい」
真学は自分の想いを真理子にぶつけてしまった。
真学は真理子を抱きしめる。真理子は突然すぎて、状況を理解できない。
私はこの場面がなぜ、見えたのかと思った。
見える思い出は、持ち主のもの。
じゃあ、この場面を井川は見ていたのだろう。
車線の向こう側に井川は居た。
井川は傘を落とし、車線反対側の二人を見つめる。
二人は井川に気づいていない。
真理子はすぐさま、真学を引き離す。
「解っているの?私は真央の奥さんだよ?」
「解ってます。けれど、ずっと思っていました。この想いをどうにかする気はないです。俺は井川と別れます」
真学は真理子の目を離さない。その目はまっすぐで、迷いが無かった。
「私は真央と別れないよ」
「それでいいです。俺はそれを望んでいたのだから。兄貴のとこに戻りましょう」
真学は真理子の手を引く。真理子は少し、顔が赤くなっている。
井川はただ、その光景を見つめるだけだった。
井川の頬からは涙が滴る。
これで二人の関係は終わったのか。
真学は真理子に想いを告白した。
その想いがどうなったか。行方は解らないだろう。
井川は大丈夫なのか。私は心配になってきた。
真学は井川への気持ちが湧くことがなかった。最初から最後まで真理子が好きだった。
私は何とも言えない気分になる。
それでも思い出は見えてくる。
思い出は切り替わった。
年明けの三が日だろうか。初詣に井川と真学が行っている。
沢山の人がいる中、真学は井川をエスコートした。
二人の関係は修復出来たのだろうか。 私は少しだけ安心した。
けれど、その安心はすぐに崩壊する。
井川と真学は、賽銭箱にお金を入れ、祈願した。
目を瞑り。何を願ったのだろうか。
その後、二人は出店で焼き芋を購入し、公園で食べている。
「今年もいいことあるといいね」
「そうだな」
井川は真学を見る。真学は微笑む。
井川の様子に異変はない。ただ何か諦めのような空気が漂う。
「ねぇ。真学はさ、私のこと好き?」
「好き?ってそりゃあ、付き合っているからな」
「そう。ありがとう」
井川の目は潤んでいる。真学は動揺した。
真学は井川の涙の理由が解らない。
「何?俺、何かした?」
「心あたりないよね。真学はまだ真理子さんのことが好きなんでしょう」
真学は何も言えなくなった。図星だから否定が出来ない。
告白の瞬間を見た井川。目撃されたことを知らない真学。
井川は真学を見つめた。
「否定しないってことは……そうだよね」
「………ああ」
私は真学があまりにも酷い気がしてきた。
好きでもない人と付き合う。真学にとって、井川の存在はどんなものだったのか。
けれど、自分の気持ちに嘘はつけない。
あの告白や、それまでを思えば、真学の気持ちが変わることなどないように思える。
「………もう、疲れちゃった」
「……ごめん」
「真学が真理子さんのこと好きでいいって思っていたけど、思ったより結構辛かった」
「……本当、ごめん」
真学は井川を見つめる。井川は涙目で言う。
「さようなら」
井川は真学に背を向けて、行ってしまった。
真学はそれを追いかけるわけでもなく、井川は走っていく。
井川の指にはアクアマリンの指輪は無い。
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