98 / 112
第三章 クエスト開始の篇
57-2 クエストへの出発
しおりを挟む
作業が一段落して少し落ち着くと、ソラが何かに気づく。
ソラ「そうだ、明日雨かもしんない…」
ツグミ「そう、私の『天気』も反応してた…」
アイ「雨か…」
雨と聞いてアイだけでなく、ナオやアユミもちょっと困ったという表情をする。
アカリ「ナニさんが、これから雨が増えるって言ってたね…」
モア「雨って何か関係ある?」
タクミ「気温が下がって寒くならないかな…」
ルカ「あの道に雨が降ったら、かなり大変だよ…」
アカリ「馬車も普通には進まないだろうね。」
ナオ「どこかで足止めもあるかもしんない…」
アイ「期限はなかったからそこは安心だけど…」
モア「足止めはやだなー…」
アユミ「仕方ないよ…これからは雨とか風とかで上手く進めないってこともありそうだね…」
ソラ「『天気』、しっかり確認しとくよ。」
アカリ「よろしくね!」
ソラ「まかせなさい!(笑)」
全員「(笑)」
それぞれが武器や食べ物と飲み物の整理を終えると、アイが改めてアユミとナオに尋ねる。
アイ「今日は結局どれぐらい掛かったの?」
アユミ「う~んと、武器だけで80ゴールドぐらいだったと思う。
だから、そば粉とか椅子とかそんなのも含めて、80ゴールドちょっとくらいで収まったよ…」
そんなやり取りを聞いてアカリが驚く。
アカリ「一人あたま30から40ゴールドぐらいで収めようって言ってたでしょ?」
ナオ「確かにそうだけど、その時は武器一つがどれぐらいの値段するのか、全く分かってなかったからね…」
アイ「でも、一人8ゴールドぐらいでしょ?だいぶ安くで済んだんだよね…」
ルカ「安くで済むような武器を探してくれたってことかな?」
アユミ「私はそんな気がするけど…」
みんなは午前中に会った、無愛想で口の悪かった店のオヤジや優しかったおかみさんの顔を思い浮かべる。
ナオ「なんか色々なこと言ってたけど、店のおじさん、結構いい人だったね…」
ソラ「口が悪いのはやっぱ照れ隠しだよ。」
アカリ「確かに(笑)…」
アイ「で、お金は2人が出したんでしょ?まだお金ってあるの?」
アユミ「う~ん…実は私とナオの持ち合わせはもうあまりないの…」
アイやアカリはそれを聞いてびっくりする。
アイ「ねえ、そんなこと、早く言ってよ…みんな、お金出してアユミとナオに渡しておこう…」
アカリ「ホントだ…」
タクミ「えーと、どれぐらい渡せばいいんだろう…」
アユミとナオは顔を見合わせるが、その間に他のみんなは自分の持っているお金を取り出した。
ナオ「じゃあ、とりあえず一人30ゴールドずつ出してくれるかな…」
アカリ「それぐらいで大丈夫?」
ツグミ「全部渡していてもいいんじゃないの?」
アユミが首を横に振る。
アユミ「私とナオしかお金を持ってなかったら、まさかの時にみんなが困るでしょ…
食べ物とか飲み物もそうだけど、それぞれがちょっとずつ持ってる方がいいよ…」
ナオ「誤解しないでほしいけど、会計みたいなことをするのがイヤって言ってるわけじゃないから…
ただ、何が起こるか分からないから、それでね…」
アイ「ごめんね…2人にばっかりやらせてるみたいで…」
ツグミ「ホントにそうだよ…私も手伝うから言ってね…」
アユミ「みんな、ありがとう…出来るだけみんなにも手伝ってもらうように声を掛けるから…」
アカリ「じゃあ、とにかく2人にお金を渡そう。」
みんながお金を出し合って、アユミとナオに渡した。
アイ「じゃあ、もう一度必要なものを確認したらみんなで夕食の用意をしよう。」
ソラ「ここで働かなきゃね…」
モア「り(了解)!」
ナオ「じゃあいっぱい働いてもらおうかな(笑)…」
全員「(笑)」
ナオの言葉で全員が立ち上がると、明日の準備や夕食の用意を始めた。
*
アイたちが食事を終え、寝付いた頃から町に雨が降り出した。
そして次の日の朝もまだ降り続いていた。
全員が日の出前に起きて食事を取り、馬車酔いのための魔法を掛け合い、まだ暗いうちに厩舎へと向かう。
雨は本降りで、それぞれが着ているマントはすぐにぐっしょりになった。
みんなが厩舎に着くと、雨など関係なしに何両かの馬車が出発の準備をしていて、もうたくさんの人が働いていた。
アイたちは隅にいって、ここまで手に持っていた武器を急いでそれぞれのストレージにしまう。
それからアイがなんとか忙しそうにしている男を捕まえて尋ねる。
アイ「エブル行きの馬車に乗りたいんですが…」
男「エブル行きの馬車は一番奥のヤツだ…」
男はそれだけ言うと建物の方へ走っていってしまった。
アイは頭を下げると、みんなに一番奥の馬車だと伝える。
教えられた馬車のところへ行くと、背の低い、少し目つきの悪い男が荷物を持った別の男と話している。
荷物を積み終わったところで、アイたちはエブルへ行きたいことをその男に伝えた。
男は一瞬アイたちをにらむように見渡すが、すぐに「ああ、乗りな」とだけ言う。
みんなが頭を下げても一向に気にせず男は馬のところへ行ってしまった。
アイ「とにかく乗り込もう。」
アイの言葉で全員が馬車に乗り込み、幌に覆われた荷台の奥から座っていく。
すると、しばらくしてさっきの男が御者の席に座って何も言わずに馬車を出発させた。
馬車が村を出てからも雨は止むことなく、むしろ進んでいくにつれて強まっていく。
風も強まってきて、それぞれが毛布を出してしっかりと包まる。女の子の何人かは身体を寄せ合ってお互いを温めた。
アユミとナオ、モアは交代でみんなに『ヒール』をかける。雨がひっきりなしに麻布の幌を叩いた。
雨が強くなるにつれて道も悪くなり、昼前には何度も誰か数人が降りて、泥濘や水溜りを越すために馬車を押すようなことも増えていく。
昼休憩の時も馬車から降りることはできず、皆馬車の中で少しのパンと飲み物を口にするだけだった。
御者の男は悪路にアイたちの手伝いが必要な時以外にはほとんど何も言わずに馬車を進めていく。
午後になっても雨足は変わらず、馬車は前後左右に大きく揺れながら進んだ。
そんな中、二時間ほど経って馬車が突然止まった。
アイたちがまた降りるのだろうと準備をすると、前から大きな声で罵声のようなものが響く。
何人かが慌てて馬車の前から外をうかがうと、御者の男が馬の前に行って何か騒いでいるようだ。
アイたちがどうしたものかとお互いの顔を見合わせていると、男が馬車の方へ戻ってきた。
御者の男「すまねぇが、全員降りて馬車の向きを変えるのを手伝ってくれ…」
アカリ「馬車の向きを変えるんですか?」
御者の男「ああ…そこの川が増水してとても橋を渡れねえ。
引き返して、手前の村に行くしかねえ…」
アイ「わかりました…」
全員が馬車から降りると、男の指示で馬車を180度反対向きへと変えることにする。
雨の中、アイたちはジャッキも何もないなかで狭い道の上、馬車を少しずつ持ち上げ、回転させて向きを変えなければならなかった。
男を含めて全員がずぶ濡れになり、泥だらけになりながら何とか馬車は向きを変え、元来た道を戻り始めた。
アイたちが濡れた身体をお互いにタオルで拭いたりしている間に、馬車は通り越していた村へと到着した。
御者の男「今日はもう先には行けねえ。この村が泊まりだ。」
男が馬車や馬を厩に止めようとしている間に、アイたちは厩にいる人に宿屋の場所を教えてもらう。
その宿屋は今までで一番小さく、古ぼけていたが、とにかく部屋は空いていた。
アイたちは一階の炊事場のかまども二ヶ所、使わせてもらうことにする。
ソラ「ううう…寒いよ…」
アユミ「とにかくかまどで火を炊いて、飲み物を温めるね…」
ツグミ「私も手伝うよ…」
アカリ「このままだとみんな風邪引いちゃうよ…」
それぞれが部屋でもう一度しっかりとそれぞれの身体を拭く。
それから何人かが炊事場で飲み物を温め、二階の部屋で全員がその飲み物を口にして暖を取った。
モア「今日は大変だったー…」
ナオ「あとでみんなに『ケア』をかけるね…」
アイ「お願い…まだちょっと背中が寒いよ…」
ルカ「アイちゃん、大丈夫?」
ルカがもう一枚毛布を出してアイに被せた。
アイ「ありがとう、ルカ…」
アユミ「ナニさんにも病気と怪我には十分に気をつけろって言われたからね…」
ソラ「でも、いつまで足止めになるんだろう…」
タクミ「なんか雨は止んできてるけど…」
タクミは立ち上がって部屋の外へ出て、雨の様子を確かめる。
アイ「どう?」
タクミ「うん、もう大丈夫。雨は完全に止んでるよ…」
モア「よかったー…」
ソラ「じゃあ、明日は大丈夫だね。」
ナオ「いや、まだわかんないよ…」
そう言ったナオの顔をみんなが見る。
ナオ「雨が止んでも川の水が引かないと、橋は渡れないんじゃないかな…
それに増水って雨が止んでからも起こるから…」
ソラ「そうなんだ…」
ルカ「そう言ったら、台風の時とか雨が止んでも川に近づいちゃダメって言ってるもんね…」
アカリ「明日も足止めかなあ…」
アカリがちょっとウンザリという表情をすると、何人かがうなずいた。
ルカ「ギルドで聞いた時はエブルまで二日とか言ってたけど…」
ソラ「これで最低一日は増えた感じだね…」
ナオ「道もだいぶ悪かったし、もう少しかかるかもしれない…」
アユミ「ゴブリン退治の時も、雨になるのかなぁ…」
モア「ずっと雨は絶対ヤダー…」
アイ「天候のことはどうしようもないよ…ただ、体調のこととかお互いに気をつけよう。」
アカリ「わかった。」
アユミ「とにかく夕食も何か温かいもの、出せるようにするね…」
ツグミ「夕食も手伝うから…」
アイ「みんなで手伝うよ。」
アユミの言葉通り、夕食には焼いたソーセージや温めた飲み物が出る。
雨と風の中を進んできた一日が終わり、みんなにとってやっとホッとできる時間になった。
*楽しんでくださった方や今後が気になるという方は、「いいね」や「お気に入り」をいただければ励みになります。
また、面白かったところや気になったところなどの感想もいただければ幸いです。よろしくお願いします。
2026年1月15日。
文字数がかなり多いエピソードが増えてきましたので、エピソードを分割して読みやすくしていきます。
現状では文字数で機械的に分割を行っていますので、単純にページが増えているという感じでお読み下さい。
こちらもマイペースで進行いたしますので、ご容赦ください。
ソラ「そうだ、明日雨かもしんない…」
ツグミ「そう、私の『天気』も反応してた…」
アイ「雨か…」
雨と聞いてアイだけでなく、ナオやアユミもちょっと困ったという表情をする。
アカリ「ナニさんが、これから雨が増えるって言ってたね…」
モア「雨って何か関係ある?」
タクミ「気温が下がって寒くならないかな…」
ルカ「あの道に雨が降ったら、かなり大変だよ…」
アカリ「馬車も普通には進まないだろうね。」
ナオ「どこかで足止めもあるかもしんない…」
アイ「期限はなかったからそこは安心だけど…」
モア「足止めはやだなー…」
アユミ「仕方ないよ…これからは雨とか風とかで上手く進めないってこともありそうだね…」
ソラ「『天気』、しっかり確認しとくよ。」
アカリ「よろしくね!」
ソラ「まかせなさい!(笑)」
全員「(笑)」
それぞれが武器や食べ物と飲み物の整理を終えると、アイが改めてアユミとナオに尋ねる。
アイ「今日は結局どれぐらい掛かったの?」
アユミ「う~んと、武器だけで80ゴールドぐらいだったと思う。
だから、そば粉とか椅子とかそんなのも含めて、80ゴールドちょっとくらいで収まったよ…」
そんなやり取りを聞いてアカリが驚く。
アカリ「一人あたま30から40ゴールドぐらいで収めようって言ってたでしょ?」
ナオ「確かにそうだけど、その時は武器一つがどれぐらいの値段するのか、全く分かってなかったからね…」
アイ「でも、一人8ゴールドぐらいでしょ?だいぶ安くで済んだんだよね…」
ルカ「安くで済むような武器を探してくれたってことかな?」
アユミ「私はそんな気がするけど…」
みんなは午前中に会った、無愛想で口の悪かった店のオヤジや優しかったおかみさんの顔を思い浮かべる。
ナオ「なんか色々なこと言ってたけど、店のおじさん、結構いい人だったね…」
ソラ「口が悪いのはやっぱ照れ隠しだよ。」
アカリ「確かに(笑)…」
アイ「で、お金は2人が出したんでしょ?まだお金ってあるの?」
アユミ「う~ん…実は私とナオの持ち合わせはもうあまりないの…」
アイやアカリはそれを聞いてびっくりする。
アイ「ねえ、そんなこと、早く言ってよ…みんな、お金出してアユミとナオに渡しておこう…」
アカリ「ホントだ…」
タクミ「えーと、どれぐらい渡せばいいんだろう…」
アユミとナオは顔を見合わせるが、その間に他のみんなは自分の持っているお金を取り出した。
ナオ「じゃあ、とりあえず一人30ゴールドずつ出してくれるかな…」
アカリ「それぐらいで大丈夫?」
ツグミ「全部渡していてもいいんじゃないの?」
アユミが首を横に振る。
アユミ「私とナオしかお金を持ってなかったら、まさかの時にみんなが困るでしょ…
食べ物とか飲み物もそうだけど、それぞれがちょっとずつ持ってる方がいいよ…」
ナオ「誤解しないでほしいけど、会計みたいなことをするのがイヤって言ってるわけじゃないから…
ただ、何が起こるか分からないから、それでね…」
アイ「ごめんね…2人にばっかりやらせてるみたいで…」
ツグミ「ホントにそうだよ…私も手伝うから言ってね…」
アユミ「みんな、ありがとう…出来るだけみんなにも手伝ってもらうように声を掛けるから…」
アカリ「じゃあ、とにかく2人にお金を渡そう。」
みんながお金を出し合って、アユミとナオに渡した。
アイ「じゃあ、もう一度必要なものを確認したらみんなで夕食の用意をしよう。」
ソラ「ここで働かなきゃね…」
モア「り(了解)!」
ナオ「じゃあいっぱい働いてもらおうかな(笑)…」
全員「(笑)」
ナオの言葉で全員が立ち上がると、明日の準備や夕食の用意を始めた。
*
アイたちが食事を終え、寝付いた頃から町に雨が降り出した。
そして次の日の朝もまだ降り続いていた。
全員が日の出前に起きて食事を取り、馬車酔いのための魔法を掛け合い、まだ暗いうちに厩舎へと向かう。
雨は本降りで、それぞれが着ているマントはすぐにぐっしょりになった。
みんなが厩舎に着くと、雨など関係なしに何両かの馬車が出発の準備をしていて、もうたくさんの人が働いていた。
アイたちは隅にいって、ここまで手に持っていた武器を急いでそれぞれのストレージにしまう。
それからアイがなんとか忙しそうにしている男を捕まえて尋ねる。
アイ「エブル行きの馬車に乗りたいんですが…」
男「エブル行きの馬車は一番奥のヤツだ…」
男はそれだけ言うと建物の方へ走っていってしまった。
アイは頭を下げると、みんなに一番奥の馬車だと伝える。
教えられた馬車のところへ行くと、背の低い、少し目つきの悪い男が荷物を持った別の男と話している。
荷物を積み終わったところで、アイたちはエブルへ行きたいことをその男に伝えた。
男は一瞬アイたちをにらむように見渡すが、すぐに「ああ、乗りな」とだけ言う。
みんなが頭を下げても一向に気にせず男は馬のところへ行ってしまった。
アイ「とにかく乗り込もう。」
アイの言葉で全員が馬車に乗り込み、幌に覆われた荷台の奥から座っていく。
すると、しばらくしてさっきの男が御者の席に座って何も言わずに馬車を出発させた。
馬車が村を出てからも雨は止むことなく、むしろ進んでいくにつれて強まっていく。
風も強まってきて、それぞれが毛布を出してしっかりと包まる。女の子の何人かは身体を寄せ合ってお互いを温めた。
アユミとナオ、モアは交代でみんなに『ヒール』をかける。雨がひっきりなしに麻布の幌を叩いた。
雨が強くなるにつれて道も悪くなり、昼前には何度も誰か数人が降りて、泥濘や水溜りを越すために馬車を押すようなことも増えていく。
昼休憩の時も馬車から降りることはできず、皆馬車の中で少しのパンと飲み物を口にするだけだった。
御者の男は悪路にアイたちの手伝いが必要な時以外にはほとんど何も言わずに馬車を進めていく。
午後になっても雨足は変わらず、馬車は前後左右に大きく揺れながら進んだ。
そんな中、二時間ほど経って馬車が突然止まった。
アイたちがまた降りるのだろうと準備をすると、前から大きな声で罵声のようなものが響く。
何人かが慌てて馬車の前から外をうかがうと、御者の男が馬の前に行って何か騒いでいるようだ。
アイたちがどうしたものかとお互いの顔を見合わせていると、男が馬車の方へ戻ってきた。
御者の男「すまねぇが、全員降りて馬車の向きを変えるのを手伝ってくれ…」
アカリ「馬車の向きを変えるんですか?」
御者の男「ああ…そこの川が増水してとても橋を渡れねえ。
引き返して、手前の村に行くしかねえ…」
アイ「わかりました…」
全員が馬車から降りると、男の指示で馬車を180度反対向きへと変えることにする。
雨の中、アイたちはジャッキも何もないなかで狭い道の上、馬車を少しずつ持ち上げ、回転させて向きを変えなければならなかった。
男を含めて全員がずぶ濡れになり、泥だらけになりながら何とか馬車は向きを変え、元来た道を戻り始めた。
アイたちが濡れた身体をお互いにタオルで拭いたりしている間に、馬車は通り越していた村へと到着した。
御者の男「今日はもう先には行けねえ。この村が泊まりだ。」
男が馬車や馬を厩に止めようとしている間に、アイたちは厩にいる人に宿屋の場所を教えてもらう。
その宿屋は今までで一番小さく、古ぼけていたが、とにかく部屋は空いていた。
アイたちは一階の炊事場のかまども二ヶ所、使わせてもらうことにする。
ソラ「ううう…寒いよ…」
アユミ「とにかくかまどで火を炊いて、飲み物を温めるね…」
ツグミ「私も手伝うよ…」
アカリ「このままだとみんな風邪引いちゃうよ…」
それぞれが部屋でもう一度しっかりとそれぞれの身体を拭く。
それから何人かが炊事場で飲み物を温め、二階の部屋で全員がその飲み物を口にして暖を取った。
モア「今日は大変だったー…」
ナオ「あとでみんなに『ケア』をかけるね…」
アイ「お願い…まだちょっと背中が寒いよ…」
ルカ「アイちゃん、大丈夫?」
ルカがもう一枚毛布を出してアイに被せた。
アイ「ありがとう、ルカ…」
アユミ「ナニさんにも病気と怪我には十分に気をつけろって言われたからね…」
ソラ「でも、いつまで足止めになるんだろう…」
タクミ「なんか雨は止んできてるけど…」
タクミは立ち上がって部屋の外へ出て、雨の様子を確かめる。
アイ「どう?」
タクミ「うん、もう大丈夫。雨は完全に止んでるよ…」
モア「よかったー…」
ソラ「じゃあ、明日は大丈夫だね。」
ナオ「いや、まだわかんないよ…」
そう言ったナオの顔をみんなが見る。
ナオ「雨が止んでも川の水が引かないと、橋は渡れないんじゃないかな…
それに増水って雨が止んでからも起こるから…」
ソラ「そうなんだ…」
ルカ「そう言ったら、台風の時とか雨が止んでも川に近づいちゃダメって言ってるもんね…」
アカリ「明日も足止めかなあ…」
アカリがちょっとウンザリという表情をすると、何人かがうなずいた。
ルカ「ギルドで聞いた時はエブルまで二日とか言ってたけど…」
ソラ「これで最低一日は増えた感じだね…」
ナオ「道もだいぶ悪かったし、もう少しかかるかもしれない…」
アユミ「ゴブリン退治の時も、雨になるのかなぁ…」
モア「ずっと雨は絶対ヤダー…」
アイ「天候のことはどうしようもないよ…ただ、体調のこととかお互いに気をつけよう。」
アカリ「わかった。」
アユミ「とにかく夕食も何か温かいもの、出せるようにするね…」
ツグミ「夕食も手伝うから…」
アイ「みんなで手伝うよ。」
アユミの言葉通り、夕食には焼いたソーセージや温めた飲み物が出る。
雨と風の中を進んできた一日が終わり、みんなにとってやっとホッとできる時間になった。
*楽しんでくださった方や今後が気になるという方は、「いいね」や「お気に入り」をいただければ励みになります。
また、面白かったところや気になったところなどの感想もいただければ幸いです。よろしくお願いします。
2026年1月15日。
文字数がかなり多いエピソードが増えてきましたので、エピソードを分割して読みやすくしていきます。
現状では文字数で機械的に分割を行っていますので、単純にページが増えているという感じでお読み下さい。
こちらもマイペースで進行いたしますので、ご容赦ください。
0
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる