正義の味方は野獣!?彼の腕力には敵わない!?

すずなり。

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ドライブ。

雄飛(この先、ちょっと走ったところにドライブウェイがあったはず・・・。)




雄大な景色を望むことができるドライブウェイ。

往復するくらいならおよそ2時間くらいだ。

途中にある、店に立ち寄ったとしても・・・3時間もあれば大丈夫。




雄飛「美悠、20時くらいまでに・・・帰れたら大丈夫?」

美悠「一人暮らしだから何時でも大丈夫だよ?」

雄飛「あー・・・まぁ、それもそうか。」




一人暮らしには基本的に門限なんて存在しない。

好きな時間に出て行って、好きな時間に帰って来れる。

そしてそれを怒る人もいない。




雄飛「普段は?いつも何時くらいに寝てる?」




美悠のことを知っていきたい俺は、車を走らせながらいろいろ聞いていく。




美悠「うーん・・・最近は0時か・・・1時?」

雄飛「そんな遅くまで起きてんの?勉強?」

美悠「勉強もあるけど・・・まぁ色々と。」

雄飛「ふーん?」




言いたくないことなのか、言えないことなのか・・・。

美悠は言葉を濁した。



雄飛(まぁ・・・美悠に限って『言えない』ってことはないか。)




そんな話をしてるうちに、車はドライブウェイに入った。

山道を上りながら・・・時々見える街並みがどんどん小さくなっていく。



美悠「うわぁ・・・すごいーっ。」

雄飛「気に入った?」

美悠「うんうんっ!」



窓から見える景色を見て・・・美悠が全開の笑顔を向けてくる。

そんな笑顔を見せてくれるなら・・・連れてきた甲斐があるってもんだ。




雄飛「美悠は景色とか好き?」

美悠「好きだよ?」

雄飛「じゃあ逆に何が嫌い?苦手?」





美悠の好きなものはなんとなくわかるけど、嫌いなものがなにかは知らなかった。

だから知りたいと思って聞いたのに・・・美悠は俺が思ってたのと違う言葉を言った。





美悠「うーん・・・・三門さんは?」

雄飛「・・・え?俺?」

美悠「うん。私、三門さんのこと・・・知りたい。何が好き?何が嫌い?」

雄飛「俺は・・・嫌いなものは・・・嘘かな。」

美悠「嘘かー・・・警察官さんはみんな『嘘』が嫌い?」

雄飛「嫌いって言うか・・・なんで言ってくれないんだろって思うことが多いし・・・。まぁ、嘘つかれてもすぐわかるけど・・・隠し事とか?」



そう言うと美悠は驚いた顔をしながら俺を見た。



美悠「わっ・・・わかるの!?」

雄飛「さすがに初対面の人とかはわからないけど・・・まぁまぁ親しかったらわかるよ。」



職業病なのか、人の癖や表情を覚えるのが得意だ。

隠し事をすれば・・・いつもの癖や表情が少しずれる。

それで嘘をついてるかどうかを判別することが多いけど・・・。



俺の言葉に美悠の様子がおかしくなった。



美悠「!!・・・そっ・・そうなんだ・・・。」

雄飛「?」




好きな子の表情は・・・何度も思い返すもの。

会えないときこそ・・・何度も思い出す。

美悠の屈託のない笑顔が好きだけど・・・今の美悠の笑顔は何だか引きつっていた。

これは・・・何かおかしい。




雄飛「・・・美悠?」

美悠「---っ。・・・あっ!お店!」




美悠が見つけたのはドライブウェイの途中にあるお店。

軽食や展望台、雑貨などが並ぶところだ。




雄飛「入る?」

美悠「う・・うんっ!」




俺は車を駐車場に入れて、美悠と一緒に車から下りた。

駐車場のすぐ近くに展望台に上がれる階段を見つけて・・・



雄飛「上る?」



と、聞くと美悠は目を輝かせた。




美悠「上る上るっ・・・!」

雄飛「なら行こうか。」




木でできた階段。

それを一段ずつ上がっていく。




美悠「すごい・・・木だ・・・。」

雄飛「味があっていいな。」



頂上に近づくにつれて見えてくる景色。

山から見る街の景色は・・・とてもきれいだった。




美悠「すごっ・・・!」

雄飛「頂上からのほうがいいんじゃないか?」



そう言って上り続けていき、俺たちは展望台の頂上にたどり着いた。



美悠「わーっ!」

雄飛「お・・・夕陽がいい感じ・・・。」




紅く照らされてる木々。

遠くに見える街並みは、家々がまるでおもちゃのよう。


空も同じように紅くって・・・まるで別世界のようだ。



美悠「きれいー・・・・。」

雄飛「・・・・。」




うっとりするようにしながら景色を味わってる美悠。

でも俺はさっきの美悠が気になって仕方なかった。

幸いにも今日は平日。

ドライブウェイに人は少なく・・・・この展望台に上ってるのは俺たちだけだ。





雄飛「・・・なぁ、美悠。」

美悠「なーに?」

雄飛「なんか隠したいことでもあるのか?」




そう聞くと美悠は驚いた顔をして俺を見た。




美悠「なっ・・・なんで・・・・。」

雄飛「図星か?わかりやすすぎだろ・・・。」

美悠「う・・・。」

雄飛「言いたくないならいいけど・・・。」




付き合ってる以上、俺に関することじゃなくても隠し事なんかしてほしくはない。

でも、プライベートも大切・・・。




雄飛(付き合い始めたとこだし・・・徐々にでもいいんだけどな・・・。)



そんなことを思ってると美悠は自分の両手で自分の顔を隠した。



美悠「ごめ・・・あの・・・・」

雄飛「・・・うん?」

美悠「ちょっと・・・み・・三門さんとデートが嬉しすぎて・・・嬉しいの隠してた・・・。」

雄飛(!!・・・全然隠せてないし・・!)




大学で俺を見つけてにこにこ笑ったり・・・山の上からの景色を見てにこにこ笑ったり・・・

『隠してた』なんてとても言えないくらい正直だったのは気のせいかと思うくらい、バレバレだった。




雄飛「俺に・・・会いたかった・・?」




顔を隠してる手をそっと外しながら聞くと、美悠は顔を真っ赤にしていた。

それは美悠自身が赤くなってるのか、それとも夕陽に照らされて赤く見えるのかはわからないけど・・・

あまりにも可愛いから・・・俺は美悠の唇に自分の唇を重ねた。




ちゅ・・・





美悠「!?」

雄飛「隠さなくていいよ。俺も楽しみだったし。」





そう言うと、美悠は固まった。

呆然と俺を見ながら・・・指で自分の唇をそっと触った。



雄飛「・・・・まさか・・キス、初めてとかいう・・?」



恐る恐る聞くと、美悠は無言で首を縦に振った。




雄飛「まじか・・・・ごめん・・・やり直す。」

美悠「・・・へ?」




俺は美悠の両頬を手で包んで真上を向かせた。

そのままそっと・・・口づけを落とした。




ちゅ・・・・




美悠「んっ・・・!」

雄飛「あー・・・かわいい・・・。」

美悠「!?」




これ以上はぐっと耐えながら、俺は美悠の手を取った。




雄飛「ほら、ドライブの続き、行こう?」

美悠「・・・うんっ。」






ゆっくり階段を下りて、車に乗り込む。

ドライブの続きで、美悠は景色を見て目を輝かせ、終始ご機嫌だった。

他愛のない話もたくさんしたし・・・

景色を望めるところに着くたびに車から下りて雄大な眺めを二人で楽しんだ。


時間が進むにつれて、夕焼けの景色はだんだん色濃さを増していき、徐々に夜に変わっていく。

帰り道では空に星が見えるくらいだった。




美悠「楽しかった!・・・ありがと、三門さん。」




美悠のアパートに向かって車を走らせてる時に、美悠が俺を見ながら言った。




雄飛「どういたしまして。・・・あ、今度の土曜さ、俺、道場に行けないから。」

美悠「そうなの?」

雄飛「月1くらいで仕事になるんだよ。基本は土曜は休みなんだけど・・・。」




固定されたシフトでも、イレギュラーは発生する。

その調整で土曜出勤になるのだ。




美悠「私は行ってくるー。ずっと行けてないから身体動かしたい・・・。」

雄飛「ははっ。相手してやれなくてごめんな?でも目一杯運動してきな?」

美悠「うんっ。」




車の中の時計を見ると20時10分。

頭の中で立てた予定通り、ちょうど美悠のアパートに着いた。




美悠「また・・・ね?」



少し寂しそうに言う美悠。

そんな顔をされたら帰せなくなりそうだけど・・・ここは我慢だ。




雄飛「毎日連絡するから。朝、寒いし、風邪引くなよ?」

美悠「うん・・・。」




しゅん・・・として、まるで捨てられる子犬のようだ。




雄飛「・・・そんな顔するなよ。今度どこ行きたいか考えといて?俺も考えとくから。」

美悠「わかった・・・。」




美悠はシートベルトを外して、車から下りた。

俺は後ろ髪を引かれながらも・・・車を出す。




美悠「おやすみっ。」

雄飛「うん、おやすみ。」




手を振る美悠を、車のミラー越しに見ながら・・・俺は帰路についた。












    

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