「今日から妹も一緒に住む」幼馴染と結婚したら彼の妹もついてきた。妹を溺愛して二人の生活はすれ違い離婚へ。

佐藤 美奈

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第26話

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「うわああっ」
「ああああ」
「逃げろーー!」

震えた表情を見せ叫び声をあげて、逃げ惑う近衛兵の姿がローラの視界にはいってきたが、目の前の光景をぼんやり眺める。

相当に心が壊れてしまっていたのだろう。炎が噴き上がるのを見てもローラは、妙にすっきりとした顔をしていたのだ。

死なないまでも数人が怪我を負った。傷つくのを避ける事ができた者は、暴れるローラを押さえて地面を転げ回っていた。

それから数分後にクロエが現場へ急行し、同時にローラが力尽きて気を失ったという。

「大変でしたね」
「……はい、まさかあんな危険なモノを隠し持っているとは思わなくて油断していました」

命を落としても不思議ではないほどの出来事に、クロエは臣下の労をねぎらうように接した。隊長は自分のいい加減さというか、緊張感の欠けた態度を恥じて悔いと反省しきりであった。

「でも本当に無事でよかった」
「…………」

大胆な行動に出たローラに対して、無事に切りぬけられたことをクロエは褒めた。暗い顔をしてうなだれている隊長が顔を上げると、主人のやわらかい笑顔が待っていた。

隊長は何も答えられず、額に汗を浮かべて黙っている。その時、動揺したように肩を震わせ声を出さずに泣き出すのだった。

自分の不甲斐なさを感じた隊長は、我ながら情けないと唇を噛みしめて頬を濡らし、クロエは慈愛と英知に満ちた穏やかな瞳で、見守るように見つめていました。


「もう、いやああああああっ」 
「ローラ騒がれても困ります」

目を覚ましたローラは大声で叫びたい衝動に駆られ、わめき毒づきながらクロエを睨んでいる。ローラはほとんど精神が不安定で、何を言っているのか自分でもよくわかっていない。

それでもクロエの家の臣下たちに、爆薬を投げて奇襲攻撃を仕掛けるなど、重い罪に処すべきだと言う声もあり、ローラはかなり危険な状況に追い込まれている。

「早く自由にしてよ!」

やわらかいベッドの上にいるが手足を縛られたローラは、いまだ状況が把握できずにじたばた暴れる。ローラは自分の行ったことをはっきりと覚えていなかった。

「黙りなさい!あなたは自分が何をしたか分かってるの?」
「悪いけど記憶にないけど……?」
「すぐにご両親も来られるはずよ」

ローラのふざけた口調に、顔が熱くなり怒りが頂点に達する。クロエは亡き両親が残してくれた臣下の一人一人のことを、かけがえのない大切な家族だと思っているので許せるはずがなかった。

ローラが意識を失っている間に、既にあちらの家にも告げ知らせていた。両親は大慌てで支度をして、馬車を飛ばして来るに違いない。
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