27 / 38
第27話 嫌味があふれる舞踏会
「このドレスのシミ! どうして落ちてないのよ!?」
「申し訳ございません、奥様。クリーニング代の予算が承認されず、家庭用の洗剤で手洗いしましたので……」
「信じられない! こんなみすぼらしい格好で王妃様に挨拶しろと言うの!?」
鏡の前で喚き散らすイザベルを、私はソファに座って眺めていた。私の服は、とてもシンプルだった。亡き母が残してくれた深い青色のベルベットのドレス。装飾は最小限だが、仕立てが良いので古臭さは感じさせない。首元には、これまた母の形見の一粒の真珠のネックレス。金はかかっていないが、『品格』というプライスレスな素材で武装している。
「お二人とも、そろそろ時間ですわよ」
私は懐中時計を確認した。
「待ってよ! 今着るから!」
「もうっ! これでいいわ!」
ローザはドレスを体に無理やり押し込んでいた。イザベルはショールを使って、ドレスについてしまったシミを隠していた。出来上がったのは、今にも破れそうなピンク色のハムと、布を巻いたおばあさんみたいな姿だった。
(……まあ、当人たちがそれでいいなら止めはしない。恥をかく権利は、誰にでも平等にあるのだから)
王宮の大広間は、すでに着飾った貴族たちで埋め尽くされていた。シャンデリアの光が輝き、グラスが触れ合う音が響き、みんなが礼儀正しく挨拶を交わしていた。私たちが会場に入ると、周りの人たちの視線が一斉に私たちに向けられた。
「あら、あれはフォンテーヌ公爵家の方々では?」
「まあ……イザベル様のドレス、随分と古風なデザインですこと」
「おばあ様のお下がりのようで、さすがにちょっと時代遅れな気がしますわ」
「まるで昔の貴族のお祭りでも思い出させるような……素敵な懐かしさを感じます」
「でもイザベル様は、お好きなんでしょうね、そういうのが」
クスクスという笑い声が、小さな波のように広がった。貴族たちは、私たちの服装を見て、うちの家がお金に困っていることに気づいているのだ。御婦人方は女神のように気品に満ちているが、皮肉は止めどなく流れ続ける。
「隣のお嬢様(ローザ)のドレス、ちょっとサイズが合っていないのでは?」
「背中の部分、お肉がはみ出しているようで……」
「あれではドレスがかわいそうに見えてしまいますわ」
「せっかくの素敵なドレスが台無しになって」
「もう少しフィット感のあるものをお選びいただければ、よりお似合いになったかもしれませんね」
イザベルとローザは顔を真っ赤にして下を向いている。普段なら「なんですって!」と怒るところだけど、今日は周りの雰囲気に押されているみたい。
私は背筋を伸ばして、堂々と歩き続けた。恥ずかしいことなんてない。私は『清貧』という生活をしているだけだ。
恥ずべきなのは、無理して見栄を張っている二人の方だ。
「セリーヌ!」
その時、人混みをかき分けて、一人の男が現れた。エドガー様だ。今日は一応正装しているけれど、よく見ると燕尾服の肩が少しだらっとしている。たぶん、借りた服(レンタル)だろう。彼は私の手を取ろうと手を伸ばしてきたが、私は扇子でピシャリとその手を払いのけた。
「気安く触れないでくださいませ、エドガー様」
「そんな冷たい言い方はないだろう、セリーヌ。僕は君のエスコート役として待っていたんだよ」
彼は周囲の視線を気にしながら、引きつった笑顔を浮かべた。
「ほら、みんなが見ている。僕たちが不仲だなんて噂が立ったら、君だって困るだろう? ここは一つ、仲直りのポーズだけでも……」
「困りません。むしろ、『金銭トラブルで係争中』という事実を公表した方が、私の身の安全のためには有益ですわ」
「しっ! 声が大きい!」
エドガー様は慌てて私の口をふさごうとしたが、私はそれを避けて後ろに下がった。
「それに、貴方のエスコートが必要なのは、あちらの天使ではありませんか?」
私が視線で示す先には、みんなに無視されて壁の花になりかけているローザがいた。誰も彼女に声をかけない。流行遅れのパツパツのドレスを着た令嬢に、ダンスを申し込む物好きはいないらしい。
「あー……ローザか。彼女は……その、今日は調子が悪そうだから」
エドガー様は目をギョッとさせて急に顔を背けた。わかりやすい男だなと思った。ローザが『社交界の華』としてチヤホヤされていた頃は尻尾を振ってついて行った犬のくせに、彼女の価値が下がった(と周囲に見なされた)とたんにこの態度だ。損をすぐに切り捨てると言えばかっこいいけれど、単なる薄情者である。
「セリーヌ、頼むよ。僕と一曲踊ってくれ。そうすれば、僕の信用も回復するんだ! そうすれば、借金取りへの言い訳が立つんだ!」
「お断りします。貴方と踊るくらいなら、庭の彫像とワルツを踊る方がマシです。彫像は足を踏みませんし、金を無心しませんから」
「くっ……君はいつからこんなにも心の冷たい、可愛げのない女になってしまったんだ?」
「可愛げがないのは、すべてエドガー様のせいですが? 」
「なんだと!」
エドガー様が声を荒らげた瞬間、周囲の視線が集まった。
「あら、恋のもつれかしら?」
「オルレアン伯爵家の道楽息子だわ」
「何か揉め事が起きてるのね」
「ふふ、珍しく大きな声を出してるわね」
ささやく声が聞こえた。私は扇子で口を隠しながら、あくまで表面だけを取り繕って無理に微笑んだ。
「それにしても、貴方のだらしない様子、自分を顧みる余裕もないのですね。さあ、さっさとあちらに行っていただけますか? 貴方の脂汗で、ここにいるだけで空気がどんよりと重くなってしまうわ」
私はエドガー様を軽くあしらって一息ついていると、会場の雰囲気が突然変わった。入り口の方から、歓声とちょっと怖いような静けさが一緒に広がった。
「申し訳ございません、奥様。クリーニング代の予算が承認されず、家庭用の洗剤で手洗いしましたので……」
「信じられない! こんなみすぼらしい格好で王妃様に挨拶しろと言うの!?」
鏡の前で喚き散らすイザベルを、私はソファに座って眺めていた。私の服は、とてもシンプルだった。亡き母が残してくれた深い青色のベルベットのドレス。装飾は最小限だが、仕立てが良いので古臭さは感じさせない。首元には、これまた母の形見の一粒の真珠のネックレス。金はかかっていないが、『品格』というプライスレスな素材で武装している。
「お二人とも、そろそろ時間ですわよ」
私は懐中時計を確認した。
「待ってよ! 今着るから!」
「もうっ! これでいいわ!」
ローザはドレスを体に無理やり押し込んでいた。イザベルはショールを使って、ドレスについてしまったシミを隠していた。出来上がったのは、今にも破れそうなピンク色のハムと、布を巻いたおばあさんみたいな姿だった。
(……まあ、当人たちがそれでいいなら止めはしない。恥をかく権利は、誰にでも平等にあるのだから)
王宮の大広間は、すでに着飾った貴族たちで埋め尽くされていた。シャンデリアの光が輝き、グラスが触れ合う音が響き、みんなが礼儀正しく挨拶を交わしていた。私たちが会場に入ると、周りの人たちの視線が一斉に私たちに向けられた。
「あら、あれはフォンテーヌ公爵家の方々では?」
「まあ……イザベル様のドレス、随分と古風なデザインですこと」
「おばあ様のお下がりのようで、さすがにちょっと時代遅れな気がしますわ」
「まるで昔の貴族のお祭りでも思い出させるような……素敵な懐かしさを感じます」
「でもイザベル様は、お好きなんでしょうね、そういうのが」
クスクスという笑い声が、小さな波のように広がった。貴族たちは、私たちの服装を見て、うちの家がお金に困っていることに気づいているのだ。御婦人方は女神のように気品に満ちているが、皮肉は止めどなく流れ続ける。
「隣のお嬢様(ローザ)のドレス、ちょっとサイズが合っていないのでは?」
「背中の部分、お肉がはみ出しているようで……」
「あれではドレスがかわいそうに見えてしまいますわ」
「せっかくの素敵なドレスが台無しになって」
「もう少しフィット感のあるものをお選びいただければ、よりお似合いになったかもしれませんね」
イザベルとローザは顔を真っ赤にして下を向いている。普段なら「なんですって!」と怒るところだけど、今日は周りの雰囲気に押されているみたい。
私は背筋を伸ばして、堂々と歩き続けた。恥ずかしいことなんてない。私は『清貧』という生活をしているだけだ。
恥ずべきなのは、無理して見栄を張っている二人の方だ。
「セリーヌ!」
その時、人混みをかき分けて、一人の男が現れた。エドガー様だ。今日は一応正装しているけれど、よく見ると燕尾服の肩が少しだらっとしている。たぶん、借りた服(レンタル)だろう。彼は私の手を取ろうと手を伸ばしてきたが、私は扇子でピシャリとその手を払いのけた。
「気安く触れないでくださいませ、エドガー様」
「そんな冷たい言い方はないだろう、セリーヌ。僕は君のエスコート役として待っていたんだよ」
彼は周囲の視線を気にしながら、引きつった笑顔を浮かべた。
「ほら、みんなが見ている。僕たちが不仲だなんて噂が立ったら、君だって困るだろう? ここは一つ、仲直りのポーズだけでも……」
「困りません。むしろ、『金銭トラブルで係争中』という事実を公表した方が、私の身の安全のためには有益ですわ」
「しっ! 声が大きい!」
エドガー様は慌てて私の口をふさごうとしたが、私はそれを避けて後ろに下がった。
「それに、貴方のエスコートが必要なのは、あちらの天使ではありませんか?」
私が視線で示す先には、みんなに無視されて壁の花になりかけているローザがいた。誰も彼女に声をかけない。流行遅れのパツパツのドレスを着た令嬢に、ダンスを申し込む物好きはいないらしい。
「あー……ローザか。彼女は……その、今日は調子が悪そうだから」
エドガー様は目をギョッとさせて急に顔を背けた。わかりやすい男だなと思った。ローザが『社交界の華』としてチヤホヤされていた頃は尻尾を振ってついて行った犬のくせに、彼女の価値が下がった(と周囲に見なされた)とたんにこの態度だ。損をすぐに切り捨てると言えばかっこいいけれど、単なる薄情者である。
「セリーヌ、頼むよ。僕と一曲踊ってくれ。そうすれば、僕の信用も回復するんだ! そうすれば、借金取りへの言い訳が立つんだ!」
「お断りします。貴方と踊るくらいなら、庭の彫像とワルツを踊る方がマシです。彫像は足を踏みませんし、金を無心しませんから」
「くっ……君はいつからこんなにも心の冷たい、可愛げのない女になってしまったんだ?」
「可愛げがないのは、すべてエドガー様のせいですが? 」
「なんだと!」
エドガー様が声を荒らげた瞬間、周囲の視線が集まった。
「あら、恋のもつれかしら?」
「オルレアン伯爵家の道楽息子だわ」
「何か揉め事が起きてるのね」
「ふふ、珍しく大きな声を出してるわね」
ささやく声が聞こえた。私は扇子で口を隠しながら、あくまで表面だけを取り繕って無理に微笑んだ。
「それにしても、貴方のだらしない様子、自分を顧みる余裕もないのですね。さあ、さっさとあちらに行っていただけますか? 貴方の脂汗で、ここにいるだけで空気がどんよりと重くなってしまうわ」
私はエドガー様を軽くあしらって一息ついていると、会場の雰囲気が突然変わった。入り口の方から、歓声とちょっと怖いような静けさが一緒に広がった。
あなたにおすすめの小説
幼馴染が最優先な婚約者など、私の人生には不要です。
たると
恋愛
シュタイン伯爵家の長女エルゼは、公爵子息フィリップに恋をしていた。
彼の婚約者として選ばれた時は涙を流して喜んだが、その喜びもいまは遠い。
『君は一人でも大丈夫だろう。この埋め合わせは必ずする。愛している』
「……『愛している』、ですか」
いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。
妹と王子殿下は両想いのようなので、私は身を引かせてもらいます。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナシアは、第三王子との婚約を喜んでいた。
民を重んじるというラナシアの考えに彼は同調しており、良き夫婦になれると彼女は考えていたのだ。
しかしその期待は、呆気なく裏切られることになった。
第三王子は心の中では民を見下しており、ラナシアの妹と結託して侯爵家を手に入れようとしていたのである。
婚約者の本性を知ったラナシアは、二人の計画を止めるべく行動を開始した。
そこで彼女は、公爵と平民との間にできた妾の子の公爵令息ジオルトと出会う。
その出自故に第三王子と対立している彼は、ラナシアに協力を申し出てきた。
半ば強引なその申し出をラナシアが受け入れたことで、二人は協力関係となる。
二人は王家や公爵家、侯爵家の協力を取り付けながら、着々と準備を進めた。
その結果、妹と第三王子が計画を実行するよりも前に、ラナシアとジオルトの作戦が始まったのだった。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵令息から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
虐げられた令嬢は、耐える必要がなくなりました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私アニカは、妹と違い婚約者がいなかった。
妹レモノは侯爵令息との婚約が決まり、私を見下すようになる。
その後……私はレモノの嘘によって、家族から虐げられていた。
家族の命令で外に出ることとなり、私は公爵令息のジェイドと偶然出会う。
ジェイドは私を心配して、守るから耐える必要はないと言ってくれる。
耐える必要がなくなった私は、家族に反撃します。
七光りのわがまま聖女を支えるのは疲れました。私はやめさせていただきます。
木山楽斗
恋愛
幼少期から魔法使いとしての才覚を見せていたラムーナは、王国における魔法使い最高峰の役職である聖女に就任するはずだった。
しかし、王国が聖女に選んだのは第一王女であるロメリアであった。彼女は父親である国王から溺愛されており、親の七光りで聖女に就任したのである。
ラムーナは、そんなロメリアを支える聖女補佐を任せられた。それは実質的に聖女としての役割を彼女が担うということだった。ロメリアには魔法使いの才能などまったくなかったのである。
色々と腑に落ちないラムーナだったが、それでも好待遇ではあったためその話を受け入れた。補佐として聖女を支えていこう。彼女はそのように考えていたのだ。
だが、彼女はその考えをすぐに改めることになった。なぜなら、聖女となったロメリアはとてもわがままな女性だったからである。
彼女は、才覚がまったくないにも関わらず上から目線でラムーナに命令してきた。ラムーナに支えられなければ何もできないはずなのに、ロメリアはとても偉そうだったのだ。
そんな彼女の態度に辟易としたラムーナは、聖女補佐の役目を下りることにした。王国側は特に彼女を止めることもなかった。ラムーナの代わりはいくらでもいると考えていたからである。
しかし彼女が去ったことによって、王国は未曽有の危機に晒されることになった。聖女補佐としてのラムーナは、とても有能な人間だったのだ。
溺愛されている妹の高慢な態度を注意したら、冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになりました。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナフィリアは、妹であるレフーナに辟易としていた。
両親に溺愛されて育ってきた彼女は、他者を見下すわがままな娘に育っており、その相手にラナフィリアは疲れ果てていたのだ。
ある時、レフーナは晩餐会にてとある令嬢のことを罵倒した。
そんな妹の高慢なる態度に限界を感じたラナフィリアは、レフーナを諫めることにした。
だが、レフーナはそれに激昂した。
彼女にとって、自分に従うだけだった姉からの反抗は許せないことだったのだ。
その結果、ラナフィリアは冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになった。
姉が不幸になるように、レフーナが両親に提言したからである。
しかし、ラナフィリアが嫁ぐことになった辺境伯ガルラントは、噂とは異なる人物だった。
戦士であるため、敵に対して冷血ではあるが、それ以外の人物に対して紳士的で誠実な人物だったのだ。
こうして、レフーナの目論見は外れ、ラナフェリアは辺境で穏やかな生活を送るのだった。
殿下が私を愛していないことは知っていますから。
木山楽斗
恋愛
エリーフェ→エリーファ・アーカンス公爵令嬢は、王国の第一王子であるナーゼル・フォルヴァインに妻として迎え入れられた。
しかし、結婚してからというもの彼女は王城の一室に軟禁されていた。
夫であるナーゼル殿下は、私のことを愛していない。
危険な存在である竜を宿した私のことを彼は軟禁しており、会いに来ることもなかった。
「……いつも会いに来られなくてすまないな」
そのためそんな彼が初めて部屋を訪ねてきた時の発言に耳を疑うことになった。
彼はまるで私に会いに来るつもりがあったようなことを言ってきたからだ。
「いいえ、殿下が私を愛していないことは知っていますから」
そんなナーゼル様に対して私は思わず嫌味のような言葉を返してしまった。
すると彼は、何故か悲しそうな表情をしてくる。
その反応によって、私は益々訳がわからなくなっていた。彼は確かに私を軟禁して会いに来なかった。それなのにどうしてそんな反応をするのだろうか。
嫌われ者の王弟殿下には、私がお似合いなのでしょう? 彼が王になったからといって今更離婚しろなんて言わないでください。
木山楽斗
恋愛
冷遇されていたフェルリナは、妹の策略によって嫌われ者の王弟殿下ロナードと結婚することになった。
色々と問題があると噂だったロナードとの婚約に不安を感じていたフェルリナだったが、彼は多少面倒臭がり屋ではあったが、悪い人ではなかっため、なんとか事なきを得た。
それから穏やかな生活を送っていた二人だったが、ある時ロナードの兄である国王が死去したという事実を知らされる。
王位を継承できるのは、ロナードだけであったため、彼はほぼなし崩し的に国王となり、フェルリナはその妻となることになったのだ。
しかし、フェルリナの妹はそれを快く思わなかった。
ロナードと婚約破棄しろ。そう主張する妹を、フェルリナはロナードの助けも借りつつ切り捨てるのだった。