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第64話 奇跡!病気が回復
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「ひぎゃああああああああああああぁぁぁぁッ!」
アンナは目の前で、ひれ伏して詫びを入れる悪魔に触れて、軽くポンポンと叩くと悪魔は死に声を上げて煙のように消えていく。すさまじい断末魔の叫びが放たれた。空気が張り裂けるような悲鳴に部屋の中にいた誰もが息を呑み、悪魔が消えた後もしばらくは静まり返っていた。プリシラは床に倒れて気絶していた。医者が診察したところ命に別状はなかった。
「――アンドリュー様、お菓子を召し上がってください」
部屋の空気は落ち着いてきた。激しい嵐がやんだ後のように、メイドたちはほっと安心して笑顔を交わし合っていた。改めてアンナは作ってきた小さなお菓子を手に取ると、アンドリューの口に持っていく。
「あっあ……はぁぁ……なっなんだ身体が……!?」
アンドリューは口の中に甘いものが入ってきた。噛んで飲み込んだ時に喉が光り輝いて身体が癒えていくような不思議な感覚があった。アンドリューは喘ぐように呼吸していたが別に苦しいわけではない。むしろアンドリューは、脳みそまで溶けそうになるほど心地よい気分だった。
アンナが食べさせたお菓子は豆の砂糖がけ。病人のアンドリューには小さくて食べやすいだろうと思って作ってきた。今にも死にそうな状態なのは予想外だったけど、アンドリューに食べさせることができて良かった。隣でルークも安堵感に満たされた顔で見守っている。
ルークはプリシラに吹き飛ばされて壁にぶつかった時に、背骨がつぶれたように折れていたがアンナに背中を優しく撫でられて治った。背中の痛みが消えた直後は、ルークも瞬きを忘れて呆気にとられた顔で夢じゃないだろうかと驚いていた。
それでもアンナなら、このくらいの事は当然だと思った。ダイヤモンド鉱山でルークはアンナの超人的で神がかった力を目の当たりにしたので、アンナなら何をしても納得するような気持ちになっていた。
「身体の痛みが消えた……信じられんが治ってるのか……!?」
魂を奪われたような虚ろな目で、生死の境をさまよっていたアンドリューが不死鳥のように復活した。ベッドに横になっていたアンドリューは、目をカッと開いて身を起こした。アンドリューは自分でも信じられなかった。
たった今まで、もう少しで死ぬというほど弱り果てていたのに、今は水を得た魚のごとく生き生きとしていて気力がある。アンドリューは子供のように嬉しくて落ち着いていられなかった。病気が治って涙を流しながら喜びに震えていた。
「アンドリュー! もう身体は大丈夫なのか……?」
「ああ、問題ない。心配かけたな」
「良かった……本当に良かった……」
ルークは突然起き上がった親友を心配するように言った。もっとゆっくり寝ておけという気持ちで、涙が溢れて視界がにじんでいた。アンドリューは活発な声で会心の笑顔を見せる。大切な親友が助かって良かったと痛切に感じてルークは肩を震わせて泣いていた。
「プリシラが迷惑をかけた。そして、アンナ恩に着る。ありがとう」
アンドリューは神妙な顔でアンナを真っ直ぐに見つめて言った。アンドリューは勿論のことプリシラの特殊な能力を知っている。昔に一度プリシラが今回のように暴走したことがあった。精神が錯乱状態になって悪魔が出てきて無差別に攻撃魔法を放った。その時は怪我人が続出する事態になって文化財などにも大きな被害を出した。
プリシラが理性を失って暴走してしまった時は、ベッドに横になりながら絶望的な不安でどうなるかと肝を冷やした。アンドリューは死ぬ決意をしていたので、妹に殺されても何ということはなかった。自分の命はまさに風前の灯で、もう長くは持たない。それを分かっていたので死ぬことは怖くないと感じた。ただ自分のように死を受けていない者には、痛ましく感じて本当に申し訳ないと思っていた。
ルークとアンドリューは抱き合い、心からよかったと声を震わせる。その光景をアンナは微笑みながら見守っていた。
アンナは目の前で、ひれ伏して詫びを入れる悪魔に触れて、軽くポンポンと叩くと悪魔は死に声を上げて煙のように消えていく。すさまじい断末魔の叫びが放たれた。空気が張り裂けるような悲鳴に部屋の中にいた誰もが息を呑み、悪魔が消えた後もしばらくは静まり返っていた。プリシラは床に倒れて気絶していた。医者が診察したところ命に別状はなかった。
「――アンドリュー様、お菓子を召し上がってください」
部屋の空気は落ち着いてきた。激しい嵐がやんだ後のように、メイドたちはほっと安心して笑顔を交わし合っていた。改めてアンナは作ってきた小さなお菓子を手に取ると、アンドリューの口に持っていく。
「あっあ……はぁぁ……なっなんだ身体が……!?」
アンドリューは口の中に甘いものが入ってきた。噛んで飲み込んだ時に喉が光り輝いて身体が癒えていくような不思議な感覚があった。アンドリューは喘ぐように呼吸していたが別に苦しいわけではない。むしろアンドリューは、脳みそまで溶けそうになるほど心地よい気分だった。
アンナが食べさせたお菓子は豆の砂糖がけ。病人のアンドリューには小さくて食べやすいだろうと思って作ってきた。今にも死にそうな状態なのは予想外だったけど、アンドリューに食べさせることができて良かった。隣でルークも安堵感に満たされた顔で見守っている。
ルークはプリシラに吹き飛ばされて壁にぶつかった時に、背骨がつぶれたように折れていたがアンナに背中を優しく撫でられて治った。背中の痛みが消えた直後は、ルークも瞬きを忘れて呆気にとられた顔で夢じゃないだろうかと驚いていた。
それでもアンナなら、このくらいの事は当然だと思った。ダイヤモンド鉱山でルークはアンナの超人的で神がかった力を目の当たりにしたので、アンナなら何をしても納得するような気持ちになっていた。
「身体の痛みが消えた……信じられんが治ってるのか……!?」
魂を奪われたような虚ろな目で、生死の境をさまよっていたアンドリューが不死鳥のように復活した。ベッドに横になっていたアンドリューは、目をカッと開いて身を起こした。アンドリューは自分でも信じられなかった。
たった今まで、もう少しで死ぬというほど弱り果てていたのに、今は水を得た魚のごとく生き生きとしていて気力がある。アンドリューは子供のように嬉しくて落ち着いていられなかった。病気が治って涙を流しながら喜びに震えていた。
「アンドリュー! もう身体は大丈夫なのか……?」
「ああ、問題ない。心配かけたな」
「良かった……本当に良かった……」
ルークは突然起き上がった親友を心配するように言った。もっとゆっくり寝ておけという気持ちで、涙が溢れて視界がにじんでいた。アンドリューは活発な声で会心の笑顔を見せる。大切な親友が助かって良かったと痛切に感じてルークは肩を震わせて泣いていた。
「プリシラが迷惑をかけた。そして、アンナ恩に着る。ありがとう」
アンドリューは神妙な顔でアンナを真っ直ぐに見つめて言った。アンドリューは勿論のことプリシラの特殊な能力を知っている。昔に一度プリシラが今回のように暴走したことがあった。精神が錯乱状態になって悪魔が出てきて無差別に攻撃魔法を放った。その時は怪我人が続出する事態になって文化財などにも大きな被害を出した。
プリシラが理性を失って暴走してしまった時は、ベッドに横になりながら絶望的な不安でどうなるかと肝を冷やした。アンドリューは死ぬ決意をしていたので、妹に殺されても何ということはなかった。自分の命はまさに風前の灯で、もう長くは持たない。それを分かっていたので死ぬことは怖くないと感じた。ただ自分のように死を受けていない者には、痛ましく感じて本当に申し訳ないと思っていた。
ルークとアンドリューは抱き合い、心からよかったと声を震わせる。その光景をアンナは微笑みながら見守っていた。
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