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第66話 家族を死刑!王子の怒り
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「アンナを連れ戻しに行くぞ!」
ダニエルは公爵邸にいた。アンナを発見したという知らせを受けて急いでやって来た。どんな手段を使ってもアンナを連れ戻すと激しい情熱に燃えていた。ダニエルは強い意気込みを見せており、すさまじい気合が部屋の空気を裂いた。ダニエルはアンナと再会し、直接謝罪したいという気持ちがあって真剣に言った。
「まずは姉の機嫌を取って下手に出るのですね」
テーブルを囲んで座っていた。レイチェルが悪い笑みを浮かべて言い始める。まことに不本意だがアンナの機嫌をうかがって、最初は低姿勢を通して謝り続ける。
「そうだな。こちらが戻って来てくれとアンナに深く頭を垂れて泣いて謝れば…お人好しのアンナなら許してくれるだろう」
ジョセフはレイチェルの意見に同意するように頷いてから言葉を口にする。アンナに土下座して泣き叫んで許してくれって大げさに頼めばいい。アンナは頼まれると断れない性格なのを家族は知っている。アンナは弱気で抵抗しない人間だと確信できていた。
「お父様のおっしゃる通りです。姉は馬鹿がつくほどお人よしですからね」
レイチェルは得意そうに口走っている。アンナの頭は素朴にして単純。とことん誇りを捨てて、へりくだった態度をとろうと決心した。公爵家では使用人に仕事を押し付けられても一言も文句を言わず、朝から晩まで様々な雑用を毎日繰り返していた。楽しく遊ぶこともできずアンナにとっては痛みに耐えるだけの生活だった。
そのおかげで不遇職と言われる家事がレベルアップして能力が上昇した。レベル上げを延々と繰り返してアンナは人智を超越した存在になっていた。彼女は不幸な家庭環境で育ったにも関わらず、真剣に生きてきた汗と努力の結晶が開花された。
「連れて帰ったら今度はアンナの首に鎖でもつけてやるか」
「それは良いお考えですわ。お父様の名案に感服いたしました」
ジョセフは意気揚々とした気分で言った。アンナを連れ戻したら首を鎖でつないで常にアンナを拘束しよう。半ば冗談めかした言葉であったが実は本心だった。レイチェルもその意見に大賛成だと嬉しそうに言った。さらに素晴らしいアイデアを閃きましたねと、ジョセフのことを尊敬に値する親だと褒め称えた。
「そうだろう?ワハハハハハ!」
「お父様ったらもう、あははははは」
「二人とも笑い過ぎですよ。うふふふふふ」
可愛い娘に褒められたら、見えすいたお世辞でも満足感で幸せになる。なんと嬉しいことを言ってくれる娘なのかとジョセフは手を打って喜ぶ。自然と笑い声も出て大口を開いて愉快な顔で声を上げる。父が首をのけぞらせて楽しそうに笑っているので、レイチェルも心が踊るような気分になってきて晴れやかに笑い始めた。
父と娘は一緒になって腹を抱えて騒がしく笑っていた。スザンナは少し咎め立てましたが二人につられるように表情がくずれて、口に手を当てて声を抑えて笑い始めた。それでもスザンナの笑い声は口から漏れている。公爵家一同は充実感に満ちた顔だった。全身から嬉しさが噴き出しそうな気持ちで、この上なく楽しく感じられて有頂天になって笑っていた。
「貴様らは何を笑っておるのだ――――――――――――――――っ!」
ダニエルは堪忍袋の緒が切れて怒鳴り声を響かせた。怒りと激しい嫌悪の顔で害虫でも見るように厳しく睨んでいた。ダニエルの殺気立った雰囲気が、公爵家一同に精神的な重圧を与えているようだった。家族で笑い合っていた明るい雰囲気はガラリと一変する。
「――ダニエル様?」
その後しばらく沈默が続いた後、最初に口を開いたのはレイチェルだった。レイチェルは不思議そうな顔をしている。ダニエルが怒った理由が正直わからなかった。ダニエルもアンナのことを不遇職の家事で無能だから婚約破棄した。そして今は貴重な職業である聖女のレイチェルと婚約している。
「ダニエル殿下……?」
「いかがなされましたか?」
ジョセフとスザンナも頭の中が疑問で不思議そうに首を傾けた。ダニエルからは敵意のようなものさえ感じられた。ダニエルは容赦ない視線で冷酷無残な恐ろしい気配もある。公爵家一同は不安な気持ちに襲われていた。ダニエルにこんな情けのかけらもない態度をとられたことは一度もなかった。
「アンナを連れて帰っても過重労働をさせて…奴隷のように使うつもりのようだな」
ダニエルはアンナに心から申し訳ないと思っていて、純粋な気持ちで謝りたかった。それなのに最重要のアンナの家族は獣以下の愚劣な人間だと思った。
「そんなことはありません。先ほどの言葉は冗談で……」
「黙れ!貴様らはアンナに優しさが全く無い!アンナが戻ってきても不幸になるだけだ!」
「ダニエル殿下、私たちはアンナを……大切な家族を迎え入れて……」
アンナを見下して家族で笑っていた時に、もうどうにも救いようのない奴らだと感じた。ダニエルは婚約しているレイチェルへの愛情は粉々に砕け散った。
この時、ダニエルはどうでもなれという気になった。息を吐くように嘘をつく公爵家一同に、ダニエルは我慢がならなくて完膚なきまでの判決を下す。
「もういい!貴様らのような低劣な人間は世の中から消えてしまえ!貴様らは死刑だ!」
ダニエルは死刑を宣告した。一国の王子であるダニエルには、当然ながら大きな権限を与えられている。ダニエルが厳しい声で言い放った時、公爵家一同は衝撃を受けて脳が揺さぶられた。視界がぼやけて意識がかすんで気絶をしていた。
(アンナの幸せな人生を願って僕は遠い地で見守っているよ)
ダニエルは不意に優しい目になると心の中で深い愛情を尽くす。遠く離れた場所にいるアンナが幸福な人生を送ることを彼は率直で誠実に願い続けていた――。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。
ダニエルは公爵邸にいた。アンナを発見したという知らせを受けて急いでやって来た。どんな手段を使ってもアンナを連れ戻すと激しい情熱に燃えていた。ダニエルは強い意気込みを見せており、すさまじい気合が部屋の空気を裂いた。ダニエルはアンナと再会し、直接謝罪したいという気持ちがあって真剣に言った。
「まずは姉の機嫌を取って下手に出るのですね」
テーブルを囲んで座っていた。レイチェルが悪い笑みを浮かべて言い始める。まことに不本意だがアンナの機嫌をうかがって、最初は低姿勢を通して謝り続ける。
「そうだな。こちらが戻って来てくれとアンナに深く頭を垂れて泣いて謝れば…お人好しのアンナなら許してくれるだろう」
ジョセフはレイチェルの意見に同意するように頷いてから言葉を口にする。アンナに土下座して泣き叫んで許してくれって大げさに頼めばいい。アンナは頼まれると断れない性格なのを家族は知っている。アンナは弱気で抵抗しない人間だと確信できていた。
「お父様のおっしゃる通りです。姉は馬鹿がつくほどお人よしですからね」
レイチェルは得意そうに口走っている。アンナの頭は素朴にして単純。とことん誇りを捨てて、へりくだった態度をとろうと決心した。公爵家では使用人に仕事を押し付けられても一言も文句を言わず、朝から晩まで様々な雑用を毎日繰り返していた。楽しく遊ぶこともできずアンナにとっては痛みに耐えるだけの生活だった。
そのおかげで不遇職と言われる家事がレベルアップして能力が上昇した。レベル上げを延々と繰り返してアンナは人智を超越した存在になっていた。彼女は不幸な家庭環境で育ったにも関わらず、真剣に生きてきた汗と努力の結晶が開花された。
「連れて帰ったら今度はアンナの首に鎖でもつけてやるか」
「それは良いお考えですわ。お父様の名案に感服いたしました」
ジョセフは意気揚々とした気分で言った。アンナを連れ戻したら首を鎖でつないで常にアンナを拘束しよう。半ば冗談めかした言葉であったが実は本心だった。レイチェルもその意見に大賛成だと嬉しそうに言った。さらに素晴らしいアイデアを閃きましたねと、ジョセフのことを尊敬に値する親だと褒め称えた。
「そうだろう?ワハハハハハ!」
「お父様ったらもう、あははははは」
「二人とも笑い過ぎですよ。うふふふふふ」
可愛い娘に褒められたら、見えすいたお世辞でも満足感で幸せになる。なんと嬉しいことを言ってくれる娘なのかとジョセフは手を打って喜ぶ。自然と笑い声も出て大口を開いて愉快な顔で声を上げる。父が首をのけぞらせて楽しそうに笑っているので、レイチェルも心が踊るような気分になってきて晴れやかに笑い始めた。
父と娘は一緒になって腹を抱えて騒がしく笑っていた。スザンナは少し咎め立てましたが二人につられるように表情がくずれて、口に手を当てて声を抑えて笑い始めた。それでもスザンナの笑い声は口から漏れている。公爵家一同は充実感に満ちた顔だった。全身から嬉しさが噴き出しそうな気持ちで、この上なく楽しく感じられて有頂天になって笑っていた。
「貴様らは何を笑っておるのだ――――――――――――――――っ!」
ダニエルは堪忍袋の緒が切れて怒鳴り声を響かせた。怒りと激しい嫌悪の顔で害虫でも見るように厳しく睨んでいた。ダニエルの殺気立った雰囲気が、公爵家一同に精神的な重圧を与えているようだった。家族で笑い合っていた明るい雰囲気はガラリと一変する。
「――ダニエル様?」
その後しばらく沈默が続いた後、最初に口を開いたのはレイチェルだった。レイチェルは不思議そうな顔をしている。ダニエルが怒った理由が正直わからなかった。ダニエルもアンナのことを不遇職の家事で無能だから婚約破棄した。そして今は貴重な職業である聖女のレイチェルと婚約している。
「ダニエル殿下……?」
「いかがなされましたか?」
ジョセフとスザンナも頭の中が疑問で不思議そうに首を傾けた。ダニエルからは敵意のようなものさえ感じられた。ダニエルは容赦ない視線で冷酷無残な恐ろしい気配もある。公爵家一同は不安な気持ちに襲われていた。ダニエルにこんな情けのかけらもない態度をとられたことは一度もなかった。
「アンナを連れて帰っても過重労働をさせて…奴隷のように使うつもりのようだな」
ダニエルはアンナに心から申し訳ないと思っていて、純粋な気持ちで謝りたかった。それなのに最重要のアンナの家族は獣以下の愚劣な人間だと思った。
「そんなことはありません。先ほどの言葉は冗談で……」
「黙れ!貴様らはアンナに優しさが全く無い!アンナが戻ってきても不幸になるだけだ!」
「ダニエル殿下、私たちはアンナを……大切な家族を迎え入れて……」
アンナを見下して家族で笑っていた時に、もうどうにも救いようのない奴らだと感じた。ダニエルは婚約しているレイチェルへの愛情は粉々に砕け散った。
この時、ダニエルはどうでもなれという気になった。息を吐くように嘘をつく公爵家一同に、ダニエルは我慢がならなくて完膚なきまでの判決を下す。
「もういい!貴様らのような低劣な人間は世の中から消えてしまえ!貴様らは死刑だ!」
ダニエルは死刑を宣告した。一国の王子であるダニエルには、当然ながら大きな権限を与えられている。ダニエルが厳しい声で言い放った時、公爵家一同は衝撃を受けて脳が揺さぶられた。視界がぼやけて意識がかすんで気絶をしていた。
(アンナの幸せな人生を願って僕は遠い地で見守っているよ)
ダニエルは不意に優しい目になると心の中で深い愛情を尽くす。遠く離れた場所にいるアンナが幸福な人生を送ることを彼は率直で誠実に願い続けていた――。
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