婚約してる彼が幼馴染と一緒に生活していた「僕は二人とも愛してる。今の関係を続けたい」今は許してと泣いて頼みこむ。

ぱんだ

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第14話

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「ユリウスはアリーナを狙っていたじゃないか!」
「え……?」

カミュが突拍子もないことを言い出した。かぶせるようにアリーナは声を短くあげる。

「カミュ何を言ってるんだ。確かに僕はアリーナのことは好きだけど……」

カミュが苦し紛れに言ったような言葉は本当だった。ユリウスは美人でとても魅力的な女性のアリーナを好きになってしまい、前から淡い恋心を抱いていた。

だが親友のカミュの恋人なので、自分の気持ちを無条件に諦めるしかない状況でした。

「ユリウス認めたな。いつも三人で遊んだ時はアリーナをやらしい目つきで追っていたことは前から気がついていた」
「でもカミュがシルビアを妊娠させて、先にアリーナを裏切ったわけで僕がアリーナを好きなことは別の話しだ」

カミュはなぜか誇らしげな表情で語ったのである。三人で遊んだ時はユリウスはアリーナのことを見ていた。知らず知らずの内に好きな人を見てしまうのは自然なこと。

ユリウスも語気を強めて言う。ユリウスがアリーナのことを好きでも、カミュの裏切りが不問になるわけではない。ユリウスは正直にアリーナのことが好きだと認めた。

「私もユリウスのことは好きよ。カミュのことは許せない」

アリーナはユリウスに対して前々からどちらかというと好感を抱いていた。少なくとも今のカミュよりは好きだ。

自分は婚約者のカミュの何を知っていたのだろう?って楽しかった記憶ばかりが頭をよぎって余計に腹立たしくもなる。

「アリーナ本当に?」
「うん」
「それならこの場で言わせてもらうけど僕と付き合って欲しい」

ユリウスはアリーナから好きだと告げられて、もうなんか胸を締め付けられるような感じです。少し照れた感じのアリーナに、そのまま気持ちが勢いづいて交際を申し込む。

「はい」

アリーナの両親はカミュとの結婚を期待していただろうし、いざ別れますってなってその話をするのも悲しい。

だがユリウスから愛を打ち明けられて自分の憂鬱な気分を払拭してくれた。そしてユリウスからの告白に微笑んでゆっくりとした口調で答える。

そして今はカミュとシルビアの関係が、結婚する前に分かって良かったと思うしかないかな?と納得していたのです。

「アリーナどうしてなんだ……?」
「シルビアを妊娠させるような人と結婚することはできない。これから生涯ずっと一緒にいる相手を信じられないのは私はとても辛いの」

カミュはアリーナの本心を聞いている時は、びっくりした表情でアリーナを見ていた。そして最後のほうは無気力そうにうなだれているカミュの姿があった。

アリーナはユリウスと恋人関係になりましたが、時々カミュとの悲しい思い出がよみがえって感傷的な気持ちに浸ることもあるだろう。

「アリーナのことは僕が守っていく。一生大切にする」

だが自分を支えてくれる存在がいることを知ると、ユリウスに抱きつくような格好で寄りかかって涙を流した。

数ヶ月後、二人は盛大な結婚式をあげた。その時にはアリーナは元恋人のカミュのことなど、もう完全に頭から消し去られていた。

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。
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