「本当に僕の子供なのか検査して調べたい」子供と顔が似てないと責められ離婚と多額の慰謝料を請求された。

佐藤 美奈

文字の大きさ
6 / 39

第6話 お兄様の同行に涙した夫の過去

しおりを挟む
どうしようもないシスコンで妹のソフィア大好きの兄ダニエルですが、少年時代から賢く何でもそつなくこなせてと呼ばれていた。学園に入ると成績優秀な学生で、みんなに親しまれる上位グループの先輩たちから、生徒会役員になる資格ありと入学早々に認められた。

容姿にふるまいが美しく、生徒会選挙に祭り上げられて圧倒的支持を受けて当選をした。一年生でありながら頼りにできるただ一人の男だと褒め称えられて、役員全員一致で生徒会副会長に任命されて名誉に恥じないほどの務めを果たした。

元から人気があった生徒会でしたがダニエルの加入でさらに脚光を浴びる。放課後になっても女子は帰ろうとしなく、生徒会室の前に集まった女子たちに黄色い声を上げられる学園生活であった。

「夫婦は血のつながりがないから互いの成り立っているんだ。妻の言葉を信じられないなんてお前は夫として失格だ!」

夫婦を結びつける絆の役割をはたしているのは何よりも信頼である。ダニエルは独身であるが冴えた頭脳を持っているので、夫婦にとってそれが一番重要なことに思えて底力のある声で叫んだ。エリート教育をされた思慮分別のある兄に、やるじゃないかとソフィアも快い感じでニコッと笑う。

「妹離れできない変人のくせに、偉そうに言ってくれるじゃないか!」

ジャックはダニエルの発言に心理的には納得し分かっていても、抵抗しなければうまく丸め込まれてしまうと、熱くなって悪党のような口ぶりで言った。

「妹が好きで何が悪い?」

何か問題でも? ダニエルは余裕そうな声音で聞き返した。ジャックはこの場には両親もいるし、絶好の機会だと思って露骨に不満を露わにするような顔に変わり、じれったくて仕方なかった事を語り始める。

「まだ僕たちが結婚する前の事だけど、デートの時も抱き合わせみたいに毎度アンタも付いてきて完全に嫌がらせだろう」
「それは迷惑をかけたな」

二人が恋人になる前、幼馴染だから男女の関係にはなれないと気の進まない態度のソフィアに、粘り強く求愛して苦労の末にデートを承知してもらえた。ここまで来るのに尋常でなく大変だった。ソフィアの気に入りそうなプレゼントを仲の良い友人にリサーチを行い、贈り続けて情熱を込めて真心を尽くしまくった。

デート当日には気合を入れ直して、服装や髪型にいたるまで彼女の好みな落ち着いた雰囲気となるようにした。そして待ち合わせ場所に期待で胸を一杯にして30分も早くに着いた。待っていたらどういう理由なのか? ソフィアの横には異様にうす気味悪い笑顔のダニエルがいた。

「僕はあの時の事は、生まれ変わっても忘れないぞ!」

デートプランも用意周到に計画し、幸福感は今までの人生の頂点に近いものだったのに、ダニエルの姿を見た瞬間に地面に膝をついてしまい重い失望感に襲われ、ジャックは自分でも知らない間に涙が流れて悲観した顔に変化してしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。

アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。 今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。 私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。 これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。

ローザリンデの第二の人生

梨丸
恋愛
伯爵令嬢、ローザリンデの夫はいつも彼女より仕事を優先させ、彼女を無碍にしている。 彼には今はもういない想い人がいた。 私と結婚したことにいい思いをしていないことは知っていた。 けれど、私の命が懸かっていた時でさえも、彼の精神は変わらなかった。 あなたが愛してくれないのなら、私は勝手に幸せになります。 吹っ切れたローザリンデは自分自身の幸せのために動くことにした。 ※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。) 1/10 HOTランキング1位、小説、恋愛3位ありがとうございます。

冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

誓いを忘れた騎士へ ―私は誰かの花嫁になる

吉乃
恋愛
「帰ってきたら、結婚してくれる?」 ――あの日の誓いを胸に、私は待ち続けた。 最初の三年間は幸せだった。 けれど、騎士の務めに赴いた彼は、やがて音信不通となり―― 気づけば七年の歳月が流れていた。 二十七歳になった私は、もう結婚をしなければならない。 未来を選ぶ年齢。 だから、別の男性との婚姻を受け入れると決めたのに……。 結婚式を目前にした夜。 失われたはずの声が、突然私の心を打ち砕く。 「……リリアナ。迎えに来た」 七年の沈黙を破って現れた騎士。 赦せるのか、それとも拒むのか。 揺れる心が最後に選ぶのは―― かつての誓いか、それとも新しい愛か。 お知らせ ※すみません、PCの不調で更新が出来なくなってしまいました。 直り次第すぐに更新を再開しますので、少しだけお待ちいただければ幸いです。

融資できないなら離縁だと言われました、もちろん快諾します。

音爽(ネソウ)
恋愛
無能で没落寸前の公爵は富豪の伯爵家に目を付けた。 格下ゆえに逆らえずバカ息子と伯爵令嬢ディアヌはしぶしぶ婚姻した。 正妻なはずが離れ家を与えられ冷遇される日々。 だが伯爵家の事業失敗の噂が立ち、公爵家への融資が停止した。 「期待を裏切った、出ていけ」とディアヌは追い出される。

【完結】私に可愛げが無くなったから、離縁して使用人として雇いたい? 王妃修行で自立した私は離縁だけさせてもらいます。

西東友一
恋愛
私も始めは世間知らずの無垢な少女でした。 それをレオナード王子は可愛いと言って大層可愛がってくださいました。 大した家柄でもない貴族の私を娶っていただいた時には天にも昇る想いでした。 だから、貴方様をお慕いしていた私は王妃としてこの国をよくしようと礼儀作法から始まり、国政に関わることまで勉強し、全てを把握するよう努めてまいりました。それも、貴方様と私の未来のため。 ・・・なのに。 貴方様は、愛人と床を一緒にするようになりました。 貴方様に理由を聞いたら、「可愛げが無くなったのが悪い」ですって? 愛がない結婚生活などいりませんので、離縁させていただきます。 そう、申し上げたら貴方様は―――

幼なじみと再会したあなたは、私を忘れてしまった。

クロユキ
恋愛
街の学校に通うルナは同じ同級生のルシアンと交際をしていた。同じクラスでもあり席も隣だったのもあってルシアンから交際を申し込まれた。 そんなある日クラスに転校生が入って来た。 幼い頃一緒に遊んだルシアンを知っている女子だった…その日からルナとルシアンの距離が離れ始めた。 誤字脱字がありますが、読んでもらえたら嬉しいです。 更新不定期です。 よろしくお願いします。

私のことを愛していなかった貴方へ

矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。 でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。 でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。 だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。 夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。 *設定はゆるいです。

処理中です...