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この、変態エロジジイが!②

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パンパカパーンということでやって参りました王都。
改めて説明すると、ここは剣と魔法の世界、その辺に落ちてるファンタジーと同じ設定よ。
この華やかな王都は女性も華やかだけど華やかな女性は意識高いからじじいに引っかからない…じゃあ誰を狙うかって?
人気がなさそうで地味な子だよ。ほら…ちょうどあそこにまな板が…

 そうして1人の老人は999連敗のナンパに終止符を打つべく、1人の暗い顔をした人に目をつけた。
「暗い顔をしているね、どうかしたのかい?」
どこにでもあるありふれたセリフ
人生経験上、シンプルなセリフが1番落ちやすいのは実証済みだ。
案の定こくりと頷く、暇な老人が話を聞いてあげようと言うと、これまでの連敗が嘘のようにその子は付いてきた…

道すがら質問を投げかける
「その悩みは、重い感じ?」
またしてもこくりと頷くので今思いついたかのように、じゃあ他の人に聞かれない場所がいいか!と呟く
そこで連れていくのはもちろん個室のお店さ
店に着いた途端今まで一言も喋らなかったのに、目的を察したのか顔を赤らめて声を荒らげる
「この、エロジジイが!」
女性ならざる低い声
この低い声のせいで今まで喋らなかったのか?!そう思ったが、よく見るとそうでは無いことに気がつく

まな板 低い声 女性とは違う地味な格好…
男だ…

私の直立不動の女レーダーは役目を終えたかのごとく萎み、太い杖の代わりに細い木でできた魔法用の杖を取り出し呪文を唱える。
「転生してやる…転生したら…ピッチピチの女の子といっぱいセリヌンティウスしてやる…」
そう言い終えて光に包まれた老人はその場で倒れ二度と目覚めることは無かった…
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