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4章 魔女と湖畔の街と革命の鐘

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後ろから肩に当たって多分貫通してる…

もう!なんでこんな時に!

 ミネルヴァとは合流できた。
回避や立ち回りが一気に補助される。
ミネルヴァには気付かれないように立ち回ってもらう。

 ヒト型の射線に立たないように気を付ける。
二度とあんなまぐれ弾当たらないようにしなきゃね!

近くの町はずれの森に入る。

 ネフィリムが凄まじい勢いで突っ込んできた。
ヤツが転んだ瞬間に一瞬だけ通り過ぎるように近づいて
耳元に杖で全力の攻撃をお見舞いする。

手ごたえは少し。

 ミネルヴァと連携して森の中を駆け回りながら対応していく。
ネフィリムは前より突進の精度がおかしくなっている。めちゃくちゃすぎる。
が、しつこいし休む暇を与えてくれない。


こいつ持久力も化け物級だ。

 こっちに木ごと破壊していくように一気に突っ込んできた!
そこにオスカーが現れる。
突っ込んできたネフィリムにオスカーがルーンフィールドでヤツの体重を軽くしてさらに後方に吹っ飛んでいくように細工する。
そして巨人が吹っ飛んでいった先には濃霧があり巨人はその中に自ら突入する結果となった。

 霧の中でネフィリムの声がした。
なにか不気味な声だが息が早くなっているような声だ。霧の奥から叫び声がしだす。

急いでここから離れる。
街のほうにいくと霧がすこし漂い始めていた。

幻視
霧 領主 領土 払う 自領宣言

宣言?
自分の領土だってクレイムできれば霧が入り込みにくくなるってこと?

その時どこからどこまでを自領宣言できるのか土地に線が見えた。

選択肢がある。

 この町全体は出来ない。
でも切り取れるのか。
どうする?

 その時大きな爆発と共に閃光が視界の端に見えた。
街の一部分が40メーターほど一瞬で破壊された。
 奴だ。ネフィリムが傷つきながらあの霧の中から脱出してきたんだ。
奴は私を一瞬見て何処か違う場所に向かっていった。

 ミネルヴァとも確認するが街のはずれのどこかから出ていった?
姿がすぐに確認できなくなった。

私たちは停泊所へ戻ることにした。

 疲れたよ、もう。
肩も撃たれたし、体も飛んできた小さなブロックとかで打ち身もいくつもあるし。

休みたい。

 でもあんな奴がいるならこの町周辺にいるかぎり気が休まらない。
ゴブリンだらけの街のほうがはるかに安全じゃん。

 停泊所に戻ってイーヴィー達に何があったのかを説明する。
2人ともかなり不安そうにしていたが、続けて領土の話もいた。

「じゃあ、領土を宣言して得られれば霧に対抗できるってこと?」
「わかんない…」
「やってみようよ!」

ルーシーが意気込む

「いや!ちょっと待て!何も考えずに宣言して大丈夫なの?」
イーヴィーは慎重になったほうがいいんじゃないかという。
リスクがないなら練習がてらやるのはいいけどあるなら話は別になる。

問題はリスクがわからないということだ。
領土をゾンビに責められて失ったら強制的に領主も死ぬ、とかならすっごく問題。

それすっごいリスキーだから!
でも考えすぎかな?

 もしそうならネフィリムが行方をくらましたのが不可解だ。
この大きな湖の周辺の湖畔の町をいくつか持ってたとしても
領土をとられるリスクより目の前の敵を優先して排除しようとした。

チェスでいうとやっぱりキングは領主で領土は盤面か。

 大丈夫だ。それでいい気がする。
そこまでの致命的なリスクはないはず。

 そっか、てことはアイツ霧の中の奴らにやられてかなり弱ってたのかな。
キングを逃がせそうなら逃がして仕切り直したかったのか。

なんかそれで良さそうだ。
OK。

領土を宣言…

どこがいいか。

イーヴィーたちに話す。
「むぅ…たしかにそうともいえるけど。うーん、まそうしてもいいか。」
「場所に関してはわかんないけど。船を使うなら停泊所とか湖とか?」

湖を領土化か、できるのかな?

 目で見てみるとどうやらできそうだ。しかも湖のほとんどを領土化できる。
ただ広範囲過ぎて最初から全部とかはできないみたいだった。

 ミネルヴァに湖周辺をひととおり見てきてもらって湖北西と南西にかけて領土化することにした。
それとイーヴィーからうれしい知らせがあった。

「そっちがバッドニュースばかりだからあたしがグッドニュースをあげようかなー」
「あたしのスーパーな能力が目覚めたよ!」

イーヴィーの力は魔導機械職人。

なんと素材を集めて変化させて色々な形に加工して魔導機械を制作できるみたい。
停泊所にあったボートや車を素材にしていろんな鉄板のようなものを作ったりしてた。

「この鉄板とかエンジンみたいなやつをどうつかうの?」
「組み立てるんだよ!」
「え?これ?何を組み立てるの?それどのくらいかかるの?」
「それはものによるだろうね。」

でももう一つは組み立て解いたから!といって私たちのヨットを指さす。
あれ?何かが違う。

なんと防御装甲を付けてしかも燃費も良くなったらしい。

 なるほど。
あとは預けておいた魔女のモロトフや狂気の爆弾などを弾薬化して
それを飛ばせるランチャーも作ってくれたらしい。

それすごい!
「二人もこれで戦えるじゃん!」
「でしょ!?でもあたしは作る専門だから出来るだけ戦わせないでね?」
ほんと頼むよ?という感じでいうイーヴィー。

ルーシーは気合が入ってるようで、やってやる!と意気込んでいる。

OK,じゃあ領土宣言するよ!

勢力名はWitchery。

ヨットの上でそう宣言した。



私たちの周りの土地のマナが反応しているのが目に見えた。

何処からともなく鐘の音が聞こえる…


湖から短剣が出てきた…
マナが白い手となり短剣を握って手だけを水面から突き出している。


ほうき乗って近づいて受け取る。

短剣の柄は十字になっていて、そこには小さな鐘がついていた。
鐘つき十字短剣…

手はいつの間にかいなくなっていて短剣は私の手を離れていきなり胸を突き刺すように体の中に入ってきた。


びっくりするが危険はないことも理解した。
短剣を思うと右手に自然と現れた。

イメージが勝手に十字短剣から伝わってくる。

勢力 Witchery 領土面積(6㎢)


領主 ルネー

構成員 2人 + 2匹


短剣が光りだす。
湖西側エリア及び周辺領有しました。

レベルが上がりました。


ルネー



魔女 レベル7→8
領主 レベル1

固有アビリティ「???」
 
「魔眼」 「使い魔1 魔眼の梟」 「使い魔2 月の怪物」 「チャネル」 「魔女の呼吸」 「ウィッチクラフト」 「隠密行動」 「水魔法」「ほうき乗り」 「魔女の呪文書」

skillとアビリティが取得できます。
以下の中から選んでください。

・空中機動変化
・滅びの矢
・使い魔3

滅びの矢は永昌寺間が30秒くらいかかるのと一日1発くらいしか撃てない代わりに
高威力の魔法を放つ。

これをとる。
ちゃんと使えるかわからないけど、ネフィリムみたいなタフな敵と戦うなら火力が欲しい。

領主になりました。
領土に影響を与える自分の因子を所有アビリティもしくはスキルから選んでください。

自分の色を勢力につけるってこと?

「???」は?

だめみたいだ…

えーとじゃあ、使い魔は?

OKだった。

 小規模勢力Witcheryに使い魔使役の因子が植えられました。
使い魔スロットが増加します+2
人間を使徒化できます。+2

 領土が減ると使徒と使い魔はレベルが半分以上失われます。
簡易使い魔使役が使用可能になりました。
明確に格下の生き物を使い魔にできます。


なんか色々あったね。
ふぅーと息を思わず吐く。

それとミネルヴァがレベルアップした。



ミネルヴァ

魔眼梟 レベル3→4

アビリティ「見通しの魔眼」 「感知する魔梟の耳」 「チャネル」


skill   「回避の心得」 「暗殺鳥」 「透明化」new!

透明化を取得した。
元々擬態も得意なほうだけど、ミネルヴァには安全に私のサポートに徹してもらいたい。


2人に領土のことや使徒化のことを説明する。
2人とも使徒化してもらっていいみたいだ。

使徒化

イーヴィー 
使徒1

魔導機械職人 レベル1→2

skill 「魔導機械作成」

・素材加工速度UP
・組み立て速度UP
・魔導機械の青写真
 
イーヴィーは自分で選んだ。
青写真が欲しいみたいでそれをとった。

ルーシー
使徒2

魔術プログラマー レベル1


アビリティ 「魔術プログラミング」

 魔術プログラミングは面白いアビリティで魔法に干渉できる。
ただ干渉できるといってもその場でできるわけじゃなくてものすごく時間がかかる。
その代わりコーディングした魔法は自分で意識的に操作しなくてもプログラムしたとおりの動きをする。

例えば、私の水球→ウォーターカッターのスペルをルーシーがプログラムした場合は
水球の後信号を送ったら→ウォーターカッターというようにわざわざ自分で操作しなくていいようになる。

これをさらに改良するとコスト節約がもっと可能になっていく。
ただ柔軟性とその場その場での操作性は犠牲になる。
気をつけなければフレンドリーファイアの確立も上がるかもしれない。

プログラムできる対象魔術はルーシーの使える魔術か私の魔術に限定される。


湖の西側全体の霧が払われた。
ようやく少し安心できる。

すごく眠い…

2人にいって船の寝室で眠りにつく。
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