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153話 「効果も色々違うらしい」
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ダンジョンの第四層、そこには一面澄み渡る様な青空が広がっていた。
だがその日差しは異常に熱くじりじりとそこに足を踏み入れた者の肌を焼いていく。
「あっつ! てか吸った空気まで熱いんですけど……何これ」
あまりの暑さに元の階層に戻ろうとする新人達、だが探索者らに首根っこを掴まれそれは叶わない。
「逃げんな。さっさと体冷やす薬飲んどけ、あとフードやらは絶対被ったままにしとけよ。ぶっ倒れるからな」
そう言って自らそれを実践するように薬を飲み干しフードを被る探索者達。
新人らもそれを見てすぐに薬を飲んでいく。
効果はすぐに現れたようで新人らの表情が和らいでいく。
「すっげ、一気に涼しくなった」
「……そうか? まだくっそ暑いが」
だが薬の効果にはやはりと言うか差があるようだ。
具体的に言うとシグ爺さんが作ったほうがより効果が高い。
「んじゃ行くぞ。とりあえず1時間探索して休憩、でまた1時間探索てな感じで行くからなー。水分こまめにとっとけよ」
そう言ってさくさくと砂漠の道なき道を歩き始める探索者達。はぐれては叶わないと新人達も後を追う。
「ぱっと見ほとんど何もないけど所々目印できるのあるからそれきっちり覚えておくかメモっとけよ」
砂漠は別に全てが砂と言うわけではなかった。所々大きな岩が剥き出しになっていたり、少し大きめの植物があったり等目印になるものが存在する。
「このへんもダンジョンがわざとって事なんすかね……」
「ま、そうだろうなー……っておい、後ろ遅れてんぞー!」
砂の中から時折襲ってくる魔物を警戒しつつ歩いている為彼らの歩く速度はさほど早くはない、だがシグ爺さんの薬を飲まかった連中は暑さから徐々にバテはじめ次第に集団から遅れるようになってきていた。
「あー、だめそうだな……少し早いが休憩すっぞ」
返事を返す気力もなさそうな新人を見て休憩を早める事に決めたようだ。
すぐに簡易の日よけを作り日陰に入り休憩を開始する。
「んぐっ…‥んぐっ……ぷはっ!」
受け取った水を一気に飲み干す新人。
どうも脱水症状一歩手前までいっていたようだ。
「おいおい、なんでそんなへばってんの……」
シグ爺さんの薬を飲んでいた為わりと平気そうな新人組は彼らの様子をみて心配したような呆れたような表情を見せる。
「まあ、まてまて。俺は薬の効果は同じだなんて言ってないぞ?」
今にも突っかかりそうな新人を押さえそう口にする探索者。
さきほどまでへばっていた新人はその言葉にはっとしたような表情を浮かべる。
「通りで! こいつらなんで平気そうにしてんだって思ったよ!」
「え、なに。そんな違うわけ?」
「違うぞ……ほれ、そろそろ薬切れるからお前らはこれと、こいつも飲んどけ。で、行きにシグ爺さんの薬恩んだ連中はこっちな」
そう言ってへばった新人には薬を2種類。シグ爺さんの薬を飲んだものには1種類手渡す探索者。
「そっちの薬2種飲むと大体シグ爺さんが作った薬と同じ効果になる。ま、しっかり効果確かめるんだな……これから来た道戻るからな」
それを聞いた新人達の表情がさっと変わる。
片方はざまあっといった表情でもう片方は絶望したような表情だ。
恐らくその表情通りの事にこれからなるのだろう……。
「んじゃ、お疲れさん。明日は泊りがけになるから準備しとけよー? 出発前に荷物確認すっからな?」
今日は昨日にましてかなりの距離を歩いている。
明日は泊りがけと聞いても返事をする余裕もなく疲れてへたり込む新人に後ろでに手を振り宿へと戻る探索者達。
同じだけの距離を歩いて、さらには戦闘をこなしているのにも関わらず余裕があるのはやはり実力の差が大きいからだろう。
「泊りがけかー……加賀ちゃんに何か日持ちすんの作ってもらうかね」
「お風呂入れないのがつらーい」
「……以前は平気だったんですけどねぇ、毎日風呂に入ってしまうとなかなか辛いものが……」
ダンジョンを深く潜る場合、泊りがけになるのは珍しい事ではない。
だが、ここ最近は1階層でのみ活動していた事もあり、毎日宿に帰っては風呂に入っていた為その生活になれてしまっていたのだ。
「……まぁ、しゃーないべ。一応教育なんだし泊まりがけのもやっておかんと」
「そーなんだけどさー……はぁ、今日はいっぱい入っておこ」
そうこう話しているうちに探索者達は宿へとたどり着く。
砂漠を歩いたせいでほこりまみれな上に汗も結構かいている、今日は早く風呂にはいって飯にしよう。そう思って玄関の扉を開けた探索者達であるが。
「ただいうおおぉおああっ!?」
扉を開けた先にはうーちゃんの被り物を付けたアイネが加賀を抱き抱えて廊下を歩く姿があった。
「……もうやだ、絶対寿命縮まったぞこれ」
「ア、アイネさん……? どうしたんです?」
悲鳴を上げたヒューゴをじっと見つめるアイネ。
表情が伺えない為一体何を考えているのか読めず、恐々と話掛けるチェスター。
「お風呂に行こうと思って……」
「さいですか……」
じゃ、と言って廊下をすたすたと歩いて行くアイネを見送った探索者達。
一気に疲れが襲ってきたのか皆一様に疲れた様子で部屋へと戻り荷物を置き風呂場へと向かうのであった。
だがその日差しは異常に熱くじりじりとそこに足を踏み入れた者の肌を焼いていく。
「あっつ! てか吸った空気まで熱いんですけど……何これ」
あまりの暑さに元の階層に戻ろうとする新人達、だが探索者らに首根っこを掴まれそれは叶わない。
「逃げんな。さっさと体冷やす薬飲んどけ、あとフードやらは絶対被ったままにしとけよ。ぶっ倒れるからな」
そう言って自らそれを実践するように薬を飲み干しフードを被る探索者達。
新人らもそれを見てすぐに薬を飲んでいく。
効果はすぐに現れたようで新人らの表情が和らいでいく。
「すっげ、一気に涼しくなった」
「……そうか? まだくっそ暑いが」
だが薬の効果にはやはりと言うか差があるようだ。
具体的に言うとシグ爺さんが作ったほうがより効果が高い。
「んじゃ行くぞ。とりあえず1時間探索して休憩、でまた1時間探索てな感じで行くからなー。水分こまめにとっとけよ」
そう言ってさくさくと砂漠の道なき道を歩き始める探索者達。はぐれては叶わないと新人達も後を追う。
「ぱっと見ほとんど何もないけど所々目印できるのあるからそれきっちり覚えておくかメモっとけよ」
砂漠は別に全てが砂と言うわけではなかった。所々大きな岩が剥き出しになっていたり、少し大きめの植物があったり等目印になるものが存在する。
「このへんもダンジョンがわざとって事なんすかね……」
「ま、そうだろうなー……っておい、後ろ遅れてんぞー!」
砂の中から時折襲ってくる魔物を警戒しつつ歩いている為彼らの歩く速度はさほど早くはない、だがシグ爺さんの薬を飲まかった連中は暑さから徐々にバテはじめ次第に集団から遅れるようになってきていた。
「あー、だめそうだな……少し早いが休憩すっぞ」
返事を返す気力もなさそうな新人を見て休憩を早める事に決めたようだ。
すぐに簡易の日よけを作り日陰に入り休憩を開始する。
「んぐっ…‥んぐっ……ぷはっ!」
受け取った水を一気に飲み干す新人。
どうも脱水症状一歩手前までいっていたようだ。
「おいおい、なんでそんなへばってんの……」
シグ爺さんの薬を飲んでいた為わりと平気そうな新人組は彼らの様子をみて心配したような呆れたような表情を見せる。
「まあ、まてまて。俺は薬の効果は同じだなんて言ってないぞ?」
今にも突っかかりそうな新人を押さえそう口にする探索者。
さきほどまでへばっていた新人はその言葉にはっとしたような表情を浮かべる。
「通りで! こいつらなんで平気そうにしてんだって思ったよ!」
「え、なに。そんな違うわけ?」
「違うぞ……ほれ、そろそろ薬切れるからお前らはこれと、こいつも飲んどけ。で、行きにシグ爺さんの薬恩んだ連中はこっちな」
そう言ってへばった新人には薬を2種類。シグ爺さんの薬を飲んだものには1種類手渡す探索者。
「そっちの薬2種飲むと大体シグ爺さんが作った薬と同じ効果になる。ま、しっかり効果確かめるんだな……これから来た道戻るからな」
それを聞いた新人達の表情がさっと変わる。
片方はざまあっといった表情でもう片方は絶望したような表情だ。
恐らくその表情通りの事にこれからなるのだろう……。
「んじゃ、お疲れさん。明日は泊りがけになるから準備しとけよー? 出発前に荷物確認すっからな?」
今日は昨日にましてかなりの距離を歩いている。
明日は泊りがけと聞いても返事をする余裕もなく疲れてへたり込む新人に後ろでに手を振り宿へと戻る探索者達。
同じだけの距離を歩いて、さらには戦闘をこなしているのにも関わらず余裕があるのはやはり実力の差が大きいからだろう。
「泊りがけかー……加賀ちゃんに何か日持ちすんの作ってもらうかね」
「お風呂入れないのがつらーい」
「……以前は平気だったんですけどねぇ、毎日風呂に入ってしまうとなかなか辛いものが……」
ダンジョンを深く潜る場合、泊りがけになるのは珍しい事ではない。
だが、ここ最近は1階層でのみ活動していた事もあり、毎日宿に帰っては風呂に入っていた為その生活になれてしまっていたのだ。
「……まぁ、しゃーないべ。一応教育なんだし泊まりがけのもやっておかんと」
「そーなんだけどさー……はぁ、今日はいっぱい入っておこ」
そうこう話しているうちに探索者達は宿へとたどり着く。
砂漠を歩いたせいでほこりまみれな上に汗も結構かいている、今日は早く風呂にはいって飯にしよう。そう思って玄関の扉を開けた探索者達であるが。
「ただいうおおぉおああっ!?」
扉を開けた先にはうーちゃんの被り物を付けたアイネが加賀を抱き抱えて廊下を歩く姿があった。
「……もうやだ、絶対寿命縮まったぞこれ」
「ア、アイネさん……? どうしたんです?」
悲鳴を上げたヒューゴをじっと見つめるアイネ。
表情が伺えない為一体何を考えているのか読めず、恐々と話掛けるチェスター。
「お風呂に行こうと思って……」
「さいですか……」
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