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165話 「閑話……?」
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宿に幾つかある従業員用の部屋の内の一つで、ベッドに腰掛けPCをほーっと言った表情で眺める加賀の姿があった。
PCの画面に映るのはカボチャを使った様々な料理達、加賀は何か新作に良いものはないかとネットで情報を探していたがどうもカボチャの料理ばかりが目立つ。
一体どういう事かと思いそのままページを見続けているとたどり着いたのはハロウィンの特集ページであった。
「カボチャの料理多いなと思ったらそっかハロウィンかー……ふぎゃ」
う?(はろうぃん?)
PCを操作する加賀の腕の下からひょこっと顔を……出そうとするが、それをするにはさすがにうーちゃんはでかすぎたらしい。結果として加賀をベッドに押し倒したうーちゃんであるが、そのまま前足で加賀の顔をてしてしと叩き再度はろうぃん? と首を傾げる。
「うーちゃん重い……ハロウィンってのはねえ──」
加賀が伝えたのは日本でのハロウィンの事、あいにくと本場がどうなっているかまでは加賀も知らないのでそこは濁して話を進める。
「──仮想パーティ見たいなものかな」
うー(ほー)
詳しい人が聞けば違うっと叫びたくなるかも知れないが、参加したこともなくテレビでたまに眺めたりちょっとメニューにカボチャを加えたりする程度にしかハロウィンに関わった事のない加賀にとっては、ハロウィンはそのぐらいの認識しか無い。
うー(そっちにもあるんだの)
「も? もってことはこっちにもあるの? ハロウィン?」
うー(きがする)
こちらにもハロウィンがあると聞いて驚く加賀であるが、どうもうーちゃんの記憶は曖昧のようである。
「気がする……ちょっと誰かに聞いてみよかな。うーちゃん食堂いくよー」
ずりずりとうーちゃんの下から抜け出した加賀。
ならば他の人に確かめれば良いとうーちゃんの手を引き食堂へと向かうのであった。
「あるよ」
「あるんだ?」
食堂でケーキをぱくついていたアイネを捕まえ先ほどの話を振った加賀であるが、アイネの答えは実にあっさりしたものであった。
「へー……でも去年は見なかったような。地域によってあったりなかったり?」
「……ん、加賀のところは1年に1度だったの? ここだと2年に1度だよ」
「なっるほど」
手をぽんと叩き納得したような表情を浮かべる加賀。
元の世界と違いこの世界ではハロウィンは毎年やるものではないらしい。
「そっかー、今年はあるのかー。やっぱお化けの格好とかするのかな?」
「……? しないけど。お化けの格好は絶対しちゃダメだよ」
「そーなの?」
加賀の頭の中ではハロウィン=お化けなどのコスプレとなっている。
だがアイネ曰くそれは絶対してはいけない事らしい。どういう事かと詳しく尋ねる加賀。
「……2年に1度死んだ者の魂が一時的にこの世に溢れるの。その日一日中世界のあちこちに死んだ者の幽霊が出没するよ。もし肉体が残っていればそれに乗り移って動く死体となって現れる」
「……え、本当にでるんだ?」
どうもアイネの話によると実際に死者が幽霊やいわゆるゾンビ等になってこの世に現れるらしい。
少なくとも加賀の元いた世界ではそのような事は無かったはず、だがここは異世界でありアイネの話す様子から本当の事であると悟った加賀は顔を青くする。
「うん、今は死体は火葬するから動く死体になるのは早々ないんだけど‥…それでもタイミングによってはたまにある。……それでお化けの格好しちゃだめって話なんだけど」
「そうそれ、何でダメなの? 人の格好のままだとお化けに連れていかれるからって仮想するんだと思ってたんだけど……」
「ん、それはあってる」
あっていると言われあれ?と首を傾げる加賀。ならお化けの格好は何故いけないのかが分からなかったのだ。
「人と同じ格好をしていると命を狙われる事もある、で幽霊と同じ格好をしていると彼らが帰る時に連れていかれる」
「うわぁー」
元の世界でのハロウィンと違いこの世界のハロウィンは色々とやばいらしい。
幽霊とかそっち系が実は苦手だった加賀、ますます顔を青くするのであった。
「この宿に居る限りは大丈夫。私がいるんだもの誰も近寄らないよ」
「……あ、そかそか。……泊まりにいっていいでしょうか」
「……別に構わないけど」
アイネに言われ思い出す事実、彼女はノーライフキングである。
いわば彼らの親玉。ちょっかい出そうとするもの等存在しないのだろう。
よほど幽霊が苦手なのか泊まりに行っていいかと聞く加賀の表情はかなりマジであった。
「はー……でも何でそんな事おきるんだろーね」
「ん、詳しくは分かってないけど。魔法の影響らしい‥…たぶん」
「さすがファンタジー……でもその辺はファンタジーじゃない方が良かったよ……」
そういって深くため息する加賀。
そのまま落ち込んだ気持ちを回復させるようにうーちゃんのお腹に顔をうずめる。
「ふかふかー……ん、で結局どんな格好すればいいの?」
「しなくても大丈夫だと思うけど……そうね、着ぐるみ見たいの着る人もいるよ。人にも幽霊にも見えなければそれでいいの」
ファンシーなコスプレでもすれば良いのだろうか、そう思った加賀であるがふと脳裏にあるものが思い浮かぶ。
「うーちゃんのかぶりもの……」
うっ(やめーいっ)
あれをかぶってもこもこしたものを着ておけばそれこそ着ぐるみの様になるだろう。
だが、うーちゃん的にはあれはNGらしい、必死になって加賀のあたまをぺしぺしとたたいている。
PCの画面に映るのはカボチャを使った様々な料理達、加賀は何か新作に良いものはないかとネットで情報を探していたがどうもカボチャの料理ばかりが目立つ。
一体どういう事かと思いそのままページを見続けているとたどり着いたのはハロウィンの特集ページであった。
「カボチャの料理多いなと思ったらそっかハロウィンかー……ふぎゃ」
う?(はろうぃん?)
PCを操作する加賀の腕の下からひょこっと顔を……出そうとするが、それをするにはさすがにうーちゃんはでかすぎたらしい。結果として加賀をベッドに押し倒したうーちゃんであるが、そのまま前足で加賀の顔をてしてしと叩き再度はろうぃん? と首を傾げる。
「うーちゃん重い……ハロウィンってのはねえ──」
加賀が伝えたのは日本でのハロウィンの事、あいにくと本場がどうなっているかまでは加賀も知らないのでそこは濁して話を進める。
「──仮想パーティ見たいなものかな」
うー(ほー)
詳しい人が聞けば違うっと叫びたくなるかも知れないが、参加したこともなくテレビでたまに眺めたりちょっとメニューにカボチャを加えたりする程度にしかハロウィンに関わった事のない加賀にとっては、ハロウィンはそのぐらいの認識しか無い。
うー(そっちにもあるんだの)
「も? もってことはこっちにもあるの? ハロウィン?」
うー(きがする)
こちらにもハロウィンがあると聞いて驚く加賀であるが、どうもうーちゃんの記憶は曖昧のようである。
「気がする……ちょっと誰かに聞いてみよかな。うーちゃん食堂いくよー」
ずりずりとうーちゃんの下から抜け出した加賀。
ならば他の人に確かめれば良いとうーちゃんの手を引き食堂へと向かうのであった。
「あるよ」
「あるんだ?」
食堂でケーキをぱくついていたアイネを捕まえ先ほどの話を振った加賀であるが、アイネの答えは実にあっさりしたものであった。
「へー……でも去年は見なかったような。地域によってあったりなかったり?」
「……ん、加賀のところは1年に1度だったの? ここだと2年に1度だよ」
「なっるほど」
手をぽんと叩き納得したような表情を浮かべる加賀。
元の世界と違いこの世界ではハロウィンは毎年やるものではないらしい。
「そっかー、今年はあるのかー。やっぱお化けの格好とかするのかな?」
「……? しないけど。お化けの格好は絶対しちゃダメだよ」
「そーなの?」
加賀の頭の中ではハロウィン=お化けなどのコスプレとなっている。
だがアイネ曰くそれは絶対してはいけない事らしい。どういう事かと詳しく尋ねる加賀。
「……2年に1度死んだ者の魂が一時的にこの世に溢れるの。その日一日中世界のあちこちに死んだ者の幽霊が出没するよ。もし肉体が残っていればそれに乗り移って動く死体となって現れる」
「……え、本当にでるんだ?」
どうもアイネの話によると実際に死者が幽霊やいわゆるゾンビ等になってこの世に現れるらしい。
少なくとも加賀の元いた世界ではそのような事は無かったはず、だがここは異世界でありアイネの話す様子から本当の事であると悟った加賀は顔を青くする。
「うん、今は死体は火葬するから動く死体になるのは早々ないんだけど‥…それでもタイミングによってはたまにある。……それでお化けの格好しちゃだめって話なんだけど」
「そうそれ、何でダメなの? 人の格好のままだとお化けに連れていかれるからって仮想するんだと思ってたんだけど……」
「ん、それはあってる」
あっていると言われあれ?と首を傾げる加賀。ならお化けの格好は何故いけないのかが分からなかったのだ。
「人と同じ格好をしていると命を狙われる事もある、で幽霊と同じ格好をしていると彼らが帰る時に連れていかれる」
「うわぁー」
元の世界でのハロウィンと違いこの世界のハロウィンは色々とやばいらしい。
幽霊とかそっち系が実は苦手だった加賀、ますます顔を青くするのであった。
「この宿に居る限りは大丈夫。私がいるんだもの誰も近寄らないよ」
「……あ、そかそか。……泊まりにいっていいでしょうか」
「……別に構わないけど」
アイネに言われ思い出す事実、彼女はノーライフキングである。
いわば彼らの親玉。ちょっかい出そうとするもの等存在しないのだろう。
よほど幽霊が苦手なのか泊まりに行っていいかと聞く加賀の表情はかなりマジであった。
「はー……でも何でそんな事おきるんだろーね」
「ん、詳しくは分かってないけど。魔法の影響らしい‥…たぶん」
「さすがファンタジー……でもその辺はファンタジーじゃない方が良かったよ……」
そういって深くため息する加賀。
そのまま落ち込んだ気持ちを回復させるようにうーちゃんのお腹に顔をうずめる。
「ふかふかー……ん、で結局どんな格好すればいいの?」
「しなくても大丈夫だと思うけど……そうね、着ぐるみ見たいの着る人もいるよ。人にも幽霊にも見えなければそれでいいの」
ファンシーなコスプレでもすれば良いのだろうか、そう思った加賀であるがふと脳裏にあるものが思い浮かぶ。
「うーちゃんのかぶりもの……」
うっ(やめーいっ)
あれをかぶってもこもこしたものを着ておけばそれこそ着ぐるみの様になるだろう。
だが、うーちゃん的にはあれはNGらしい、必死になって加賀のあたまをぺしぺしとたたいている。
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