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木の中にいる
「14話」
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そろそろお昼になりそう、そんな時間になって俺たちはダンジョンから帰還しギルドへと向かっていた。
時間的にも余裕はあるし、体力的にも余裕だったんだけど袋がそろそろいっぱいになるのとゴリさんがお腹空いたらしく、今日はとりあえずここまでとなったのだ。
「結局でたのあの1匹だけでしたね」
「あの辺りはあまり敵が出てこない場所だからな」
ゴリさんに案内された薬草の採取ポイントはモンスターがあまり来ないところだったようだ。
確かに結句あの後ゴブリンが再び俺たちの前に姿を現すことはなかった。
本当出てこなくて助かったよ……実は最初の一戦で、買ったばかりの鉄の剣、ぐにゃって曲がってしまったんだ。 剣の平らな部分で叩いた俺が悪いんだけどね……。
槍は残ってるけど、こっちはこっちで折っちゃいそうで怖い。
そうそう、死体はそのままでいいらしい。
というのも小型の肉食動物やら昆虫やらがいて一日もあれば骨まで綺麗に平らげてしまうそうな。
そいつらは人を襲うこともないし、面倒な死体の処理をやってくれると言うことで見かけても狩らないようにとのことだ。
「とりあえずその石と刈ってきた草を買い取りしてもらえ。 そのあとちょっとギルドの裏にある広場にこい」
「は、はい」
ゴブリンの魔石1個に薬草の束が小袋に大量、たぶんざっと計算して銀貨で10枚ぐらいになるんじゃないだろうか。
このペースだと1週間もあればゴリさんに借りたお金返そうである。
とまあこんな感じでダンジョン初日は上手くいったと思うんだけど……何かゴリさんに呼び出されましたよ、奥さん? やだ、俺ってばそんな趣味ないのに……なんて、んな訳ないよね。 裏の広場は確か訓練にも使えたはず。戦い方がダメすぎたからそれを指摘してくれるのかも知れない……それか必死で忘れてたけど養分? 生命力? 吸ってマッチョになった体で思いっきりゴブリンぶっ叩いたからどっちかだろう。
あの威力ちょっとおかしかったしね……うーん、聞かれたらどう答えよう。
悩ましい。
ギルドに到着すると早速リタさんのもとへと向かう。
何人か並んではいたけど、すぐに俺たちの番がきた。
薬草をたっぷり詰め込んだ小袋カウンターに並べ買い取りをお願いする……お、ちょっと表情変わった。
「また随分と大量に採ってきましたね、ゴリアテさんも手伝ったんですか?」
「いいや? 全部そいつ一人で採ったぞ」
リタさんは俺の後ろにいたゴリさんにちらりと視線を向けそう言うが、すぐにゴリさんが否定する。
またリタさんの表情が変わる、少しだけだから分かりにくいけどたぶん驚いているのだろう。
ふふふ、これ全部ひとりで採ったんすよ、一人でっ! もっと褒めていいのよ?
「そうでしたか……優秀ですね。 レンリ草60束、カラズ草20束、ゲンノウ草10束、ゴブリンの魔石1個、クラギ草が20束、合計で銀貨9枚と銅貨5枚になります。 中層のゲンノウ草が多いですね。 群生地でも見つけましたか?」
「おぉぉ……」
優秀ですって!
あとやっぱ銀貨10枚近かったね、最初に草刈りと聞いて思っていたよりもずっと稼げた。 本当にすぐゴリさんへの借金返せそうである。
ゲンノウ草ってなんかヨモギみたいな植物なんだけど、ほんのちょっとだけ葉っぱの形が違うんだ。
んでやっかいなことにこいつヨモギの中に紛れ込んでたんだよね、もしかすると中層に生えているんじゃなくて、表層だとヨモギに紛れ込んでて分からないだけなんじゃなかろうか。
たまに見つかるってのは多分、1本だけ別で生えてたとかじゃないかなと思う。 ヨモギに紛れ込んでると見つけるのは無理なんじゃないかな……俺は何故かぱっと見で分かったけどね!
「いや、そういう訳じゃない。 他の草刈っているときにちょくちょく見つけていった感じだな。 よくもまあ似たような植物だらけのところで見つけられるもんだよ」
「そうですか……その体の能力何でしょうか?」
「かも知れんな。 過去の記録とか残ってないのか?」
あ、それ俺も知りたいです。
力の使い方とか分かるかも知れないしねー……落ち着いたらこの支部にいる例の人尋ねないとだ。
とりあえず借金返してからかな。
「石や壁、それに水などのケースはあるんですが……木は150年ほど前に前例があったようです。 ただモンスターの襲来で支部が焼けてしまい詳しい記録は残っていないようですね」
あらら焼けちゃったのか……あ、でも詳しくなくても記録残っているならそれを見せて貰えばそれはそれで何か情報得られるかも?
てかですね、それよりも気になることがあったんですが……。
「え゛……モンスターの襲来ですか? 町に?」
「あー……そうか、その辺も記憶が無いのか。 中々に難儀だな」
「大体100~200年に一度の割合でモンスターの襲撃があるんです。 普段は世界樹に抑えられダンジョンから出てくることのないモンスターですが、群れを指導するものが現れると今あるダンジョンの入り口とは別に入り口を作り、そこから出てきて町を襲うんです」
「あれ世界樹だったんだ……通りでやたらでかいと思った」
モンスターの襲撃だけど、詳しく聞いてみればなんかどこかで聞いたことがあるような気がする。
たぶん神様のところで聞いたんじゃないだろうか……なんで記憶あやふやにしたし。
あとね、実はこの町に来てから一切触れてなかったけど、町の中心部に無茶苦茶でかい木が生えているんだよね。
ただ、今の話を聞いた感じだと町の中心部に木があるというよりは木を中心に町が作られたんだろう。
世界樹はモンスターを遠ざける力がある、いまリタさんの話を聞いてそれが頭にぽんと浮かんできた、これもたぶん転生する前に神様に聞いている気がする。 記憶あやふやだけど。
まじで死んだら髪の毛むしってやる。生えてるか知らんけどな!
時間的にも余裕はあるし、体力的にも余裕だったんだけど袋がそろそろいっぱいになるのとゴリさんがお腹空いたらしく、今日はとりあえずここまでとなったのだ。
「結局でたのあの1匹だけでしたね」
「あの辺りはあまり敵が出てこない場所だからな」
ゴリさんに案内された薬草の採取ポイントはモンスターがあまり来ないところだったようだ。
確かに結句あの後ゴブリンが再び俺たちの前に姿を現すことはなかった。
本当出てこなくて助かったよ……実は最初の一戦で、買ったばかりの鉄の剣、ぐにゃって曲がってしまったんだ。 剣の平らな部分で叩いた俺が悪いんだけどね……。
槍は残ってるけど、こっちはこっちで折っちゃいそうで怖い。
そうそう、死体はそのままでいいらしい。
というのも小型の肉食動物やら昆虫やらがいて一日もあれば骨まで綺麗に平らげてしまうそうな。
そいつらは人を襲うこともないし、面倒な死体の処理をやってくれると言うことで見かけても狩らないようにとのことだ。
「とりあえずその石と刈ってきた草を買い取りしてもらえ。 そのあとちょっとギルドの裏にある広場にこい」
「は、はい」
ゴブリンの魔石1個に薬草の束が小袋に大量、たぶんざっと計算して銀貨で10枚ぐらいになるんじゃないだろうか。
このペースだと1週間もあればゴリさんに借りたお金返そうである。
とまあこんな感じでダンジョン初日は上手くいったと思うんだけど……何かゴリさんに呼び出されましたよ、奥さん? やだ、俺ってばそんな趣味ないのに……なんて、んな訳ないよね。 裏の広場は確か訓練にも使えたはず。戦い方がダメすぎたからそれを指摘してくれるのかも知れない……それか必死で忘れてたけど養分? 生命力? 吸ってマッチョになった体で思いっきりゴブリンぶっ叩いたからどっちかだろう。
あの威力ちょっとおかしかったしね……うーん、聞かれたらどう答えよう。
悩ましい。
ギルドに到着すると早速リタさんのもとへと向かう。
何人か並んではいたけど、すぐに俺たちの番がきた。
薬草をたっぷり詰め込んだ小袋カウンターに並べ買い取りをお願いする……お、ちょっと表情変わった。
「また随分と大量に採ってきましたね、ゴリアテさんも手伝ったんですか?」
「いいや? 全部そいつ一人で採ったぞ」
リタさんは俺の後ろにいたゴリさんにちらりと視線を向けそう言うが、すぐにゴリさんが否定する。
またリタさんの表情が変わる、少しだけだから分かりにくいけどたぶん驚いているのだろう。
ふふふ、これ全部ひとりで採ったんすよ、一人でっ! もっと褒めていいのよ?
「そうでしたか……優秀ですね。 レンリ草60束、カラズ草20束、ゲンノウ草10束、ゴブリンの魔石1個、クラギ草が20束、合計で銀貨9枚と銅貨5枚になります。 中層のゲンノウ草が多いですね。 群生地でも見つけましたか?」
「おぉぉ……」
優秀ですって!
あとやっぱ銀貨10枚近かったね、最初に草刈りと聞いて思っていたよりもずっと稼げた。 本当にすぐゴリさんへの借金返せそうである。
ゲンノウ草ってなんかヨモギみたいな植物なんだけど、ほんのちょっとだけ葉っぱの形が違うんだ。
んでやっかいなことにこいつヨモギの中に紛れ込んでたんだよね、もしかすると中層に生えているんじゃなくて、表層だとヨモギに紛れ込んでて分からないだけなんじゃなかろうか。
たまに見つかるってのは多分、1本だけ別で生えてたとかじゃないかなと思う。 ヨモギに紛れ込んでると見つけるのは無理なんじゃないかな……俺は何故かぱっと見で分かったけどね!
「いや、そういう訳じゃない。 他の草刈っているときにちょくちょく見つけていった感じだな。 よくもまあ似たような植物だらけのところで見つけられるもんだよ」
「そうですか……その体の能力何でしょうか?」
「かも知れんな。 過去の記録とか残ってないのか?」
あ、それ俺も知りたいです。
力の使い方とか分かるかも知れないしねー……落ち着いたらこの支部にいる例の人尋ねないとだ。
とりあえず借金返してからかな。
「石や壁、それに水などのケースはあるんですが……木は150年ほど前に前例があったようです。 ただモンスターの襲来で支部が焼けてしまい詳しい記録は残っていないようですね」
あらら焼けちゃったのか……あ、でも詳しくなくても記録残っているならそれを見せて貰えばそれはそれで何か情報得られるかも?
てかですね、それよりも気になることがあったんですが……。
「え゛……モンスターの襲来ですか? 町に?」
「あー……そうか、その辺も記憶が無いのか。 中々に難儀だな」
「大体100~200年に一度の割合でモンスターの襲撃があるんです。 普段は世界樹に抑えられダンジョンから出てくることのないモンスターですが、群れを指導するものが現れると今あるダンジョンの入り口とは別に入り口を作り、そこから出てきて町を襲うんです」
「あれ世界樹だったんだ……通りでやたらでかいと思った」
モンスターの襲撃だけど、詳しく聞いてみればなんかどこかで聞いたことがあるような気がする。
たぶん神様のところで聞いたんじゃないだろうか……なんで記憶あやふやにしたし。
あとね、実はこの町に来てから一切触れてなかったけど、町の中心部に無茶苦茶でかい木が生えているんだよね。
ただ、今の話を聞いた感じだと町の中心部に木があるというよりは木を中心に町が作られたんだろう。
世界樹はモンスターを遠ざける力がある、いまリタさんの話を聞いてそれが頭にぽんと浮かんできた、これもたぶん転生する前に神様に聞いている気がする。 記憶あやふやだけど。
まじで死んだら髪の毛むしってやる。生えてるか知らんけどな!
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