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木の中にいる
「44話」
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色々考えていると、ずしんずしんとお腹に響く振動が地面から伝わってくる。
「きたニャ。いっぱいニャ」
「言ったそばから……しかも6体いるじゃん。タマさん2体お願いしていい?」
タマさんの言う通り結構な数がきているようだ。
遠目に見えるその姿から……5体どころか6体も居ますがな。5体はきついといったそばからこれですよ。
とりあえず2体はタマさんにお願いして、俺は残りの4体をやろう。
「ニャ」
タマさんは俺の言葉に頷くとオーガ達に向けて前足をふるう。
といっても距離はまだまだ空いているのだが……突如オーガ2体が爆発四散する。
タマさんが何かしかけたのは確かなんだけど、俺には正直なところタマさんが何をやっているのかさっぱり分からない。たぶん魔法なんだろうなーとは思うけど。
……魔法。
マリーさんに聞きそびれたし、タマさんに聞いてみようかな。
やっぱ魔法ってこう、惹かれるものがあるよね。
「ぷふぃー。 ……ねえねえタマさん」
「ニャ」
「そのオーガ倒してるやつなんだけど、それってやっぱ魔法なの?」
さくっとオーガをしとめて一息つく。
で、解体を進めつつ早速タマさんにさっきの話を振ってみる。
「違うニャ」
「もしそうなら教えて欲しいなーって……ちがうんだ?」
それで魔法を教えてもらうんだーって思ったんだけどさ。
魔法じゃないんかい!
「見てるニャ」
えぇーとがっくりしてる俺に対し、タマさんは前足をすっと見せる。
肉球みせて慰めてくれるとかタマさん優しい。
「これをこーやって、こうニャ」
おもむろに地面に落ちている石ころを拾い上げて、そこらにある木に向けて前足を振るうタマさん。
高速すぎて最初と終わりしか見えなかった。
そしてその直後、木から破裂音がして、幹が縦に真っ二つに裂けていた。
「やだなにそれこわい」
タマさんの攻撃の正体、それはただの投石だったのである……。
威力おかしいけどね。
俺もスリング使えば似たようなことは出来るだろうけど、あそこまで威力は出ないと思う。
タマさんやべえ、そのぷにっとした肉球からどうやったらあんな破壊力を生み出せるのか……。
「超物理攻撃だった……」
「ウッドは魔法に興味があるのかニャ」
「うん、めっちゃある」
タマさんの言葉にぶんぶんと首を縦に振る俺。
魔法に興味?そりゃもちろんありますとも。
手から火とか雷だしたり、指をくんってやって地面爆発させたり、印を結んで分身したり。
後半なんか違う気がするけど、日本のサブカルの記憶が多少残ってるせいで魔法への興味はむっちゃあるのだ。
「ニャ。ならリンゴだすニャ。魔法見せてやるニャー」
「え、まじ? だすだす、だすよー。 ふんぬっ」
え、見せてくれるんだ?
てか、やっぱタマさん魔法使えたのね、その体で戦うのはやっぱ無理……じゃないけど、違和感あるからね。
んで、リンゴだよね。それぐらいでいいのならいくらでも出しますとも。
なったリンゴを気合いれて捥いでタマさんに渡すと、タマさんはリンゴを真剣にみつめ……何事かを呟きはじめる。
「ニャ。……قليلا بارد جدا ، والتفاح」
「なんて?」
タマさんの前足とリンゴの周辺がぽあーって光ったからたぶん詠唱だと思うけど。
俺には何て言っているかさっぱり分からなかった。
俺こっちの言葉を普通に喋れてるし読めてるし、そういった加護てきなものを神様から貰っているんだろうけど、それでも分からなかった。
普通の会話に使う言語ならいけるけど、魔法に使う言語は特殊ってことなんだろうか。それとも別の理由が……?
「リンゴが程よく冷えたニャ」
「ずいぶん器用な魔法だねっ!?」
真剣な顔してどんな魔法かと思ったらリンゴ冷やしただけかーい!
タマさんの魔法はリンゴを冷やす魔法だったらしい、いつもより美味しそうにリンゴにかじりつき、あっという間に食べきってしまう。
「冷やすと美味しいニャ。 それでウッドは魔法使いたいんだニャ?」
「うん、教えてほしいなー……なんて」
教えてくれると嬉しいんだけどなーちらっちらっと視線を向けつつ、追加のリンゴを枝につけておく。
1個で足りぬのならもっと追加しますぞ?
「良いけど教えてもウッドには使えないニャ」
「え゛」
「魔法使えるようになったら自分で分かるニャー。 分かってないってことは使えないニャ。それに魔法は人によって違う、タマの魔法をウッドに教えても意味ないニャ」
「え、え……えぇ? ど、どゆことなの……」
なんですと。
追加のリンゴをしゃくしゃく食べるタマさんから衝撃の事実が俺に伝えられた。
衝撃過ぎて頭がついていけてない。魔法が人によって違う……? 使える魔法が違うのかそれとも……頭が働いてない。さっぱりだよっ!
「きたニャ。いっぱいニャ」
「言ったそばから……しかも6体いるじゃん。タマさん2体お願いしていい?」
タマさんの言う通り結構な数がきているようだ。
遠目に見えるその姿から……5体どころか6体も居ますがな。5体はきついといったそばからこれですよ。
とりあえず2体はタマさんにお願いして、俺は残りの4体をやろう。
「ニャ」
タマさんは俺の言葉に頷くとオーガ達に向けて前足をふるう。
といっても距離はまだまだ空いているのだが……突如オーガ2体が爆発四散する。
タマさんが何かしかけたのは確かなんだけど、俺には正直なところタマさんが何をやっているのかさっぱり分からない。たぶん魔法なんだろうなーとは思うけど。
……魔法。
マリーさんに聞きそびれたし、タマさんに聞いてみようかな。
やっぱ魔法ってこう、惹かれるものがあるよね。
「ぷふぃー。 ……ねえねえタマさん」
「ニャ」
「そのオーガ倒してるやつなんだけど、それってやっぱ魔法なの?」
さくっとオーガをしとめて一息つく。
で、解体を進めつつ早速タマさんにさっきの話を振ってみる。
「違うニャ」
「もしそうなら教えて欲しいなーって……ちがうんだ?」
それで魔法を教えてもらうんだーって思ったんだけどさ。
魔法じゃないんかい!
「見てるニャ」
えぇーとがっくりしてる俺に対し、タマさんは前足をすっと見せる。
肉球みせて慰めてくれるとかタマさん優しい。
「これをこーやって、こうニャ」
おもむろに地面に落ちている石ころを拾い上げて、そこらにある木に向けて前足を振るうタマさん。
高速すぎて最初と終わりしか見えなかった。
そしてその直後、木から破裂音がして、幹が縦に真っ二つに裂けていた。
「やだなにそれこわい」
タマさんの攻撃の正体、それはただの投石だったのである……。
威力おかしいけどね。
俺もスリング使えば似たようなことは出来るだろうけど、あそこまで威力は出ないと思う。
タマさんやべえ、そのぷにっとした肉球からどうやったらあんな破壊力を生み出せるのか……。
「超物理攻撃だった……」
「ウッドは魔法に興味があるのかニャ」
「うん、めっちゃある」
タマさんの言葉にぶんぶんと首を縦に振る俺。
魔法に興味?そりゃもちろんありますとも。
手から火とか雷だしたり、指をくんってやって地面爆発させたり、印を結んで分身したり。
後半なんか違う気がするけど、日本のサブカルの記憶が多少残ってるせいで魔法への興味はむっちゃあるのだ。
「ニャ。ならリンゴだすニャ。魔法見せてやるニャー」
「え、まじ? だすだす、だすよー。 ふんぬっ」
え、見せてくれるんだ?
てか、やっぱタマさん魔法使えたのね、その体で戦うのはやっぱ無理……じゃないけど、違和感あるからね。
んで、リンゴだよね。それぐらいでいいのならいくらでも出しますとも。
なったリンゴを気合いれて捥いでタマさんに渡すと、タマさんはリンゴを真剣にみつめ……何事かを呟きはじめる。
「ニャ。……قليلا بارد جدا ، والتفاح」
「なんて?」
タマさんの前足とリンゴの周辺がぽあーって光ったからたぶん詠唱だと思うけど。
俺には何て言っているかさっぱり分からなかった。
俺こっちの言葉を普通に喋れてるし読めてるし、そういった加護てきなものを神様から貰っているんだろうけど、それでも分からなかった。
普通の会話に使う言語ならいけるけど、魔法に使う言語は特殊ってことなんだろうか。それとも別の理由が……?
「リンゴが程よく冷えたニャ」
「ずいぶん器用な魔法だねっ!?」
真剣な顔してどんな魔法かと思ったらリンゴ冷やしただけかーい!
タマさんの魔法はリンゴを冷やす魔法だったらしい、いつもより美味しそうにリンゴにかじりつき、あっという間に食べきってしまう。
「冷やすと美味しいニャ。 それでウッドは魔法使いたいんだニャ?」
「うん、教えてほしいなー……なんて」
教えてくれると嬉しいんだけどなーちらっちらっと視線を向けつつ、追加のリンゴを枝につけておく。
1個で足りぬのならもっと追加しますぞ?
「良いけど教えてもウッドには使えないニャ」
「え゛」
「魔法使えるようになったら自分で分かるニャー。 分かってないってことは使えないニャ。それに魔法は人によって違う、タマの魔法をウッドに教えても意味ないニャ」
「え、え……えぇ? ど、どゆことなの……」
なんですと。
追加のリンゴをしゃくしゃく食べるタマさんから衝撃の事実が俺に伝えられた。
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