拝啓神様。転生場所間違えたでしょ。転生したら木にめり込んで…てか半身が木になってるんですけど!?あでも意外とスペック高くて何とかなりそうです

熊ごろう

文字の大きさ
58 / 156
森の賢人

「57話」

しおりを挟む
……抱きかかえたのは良いけど速攻逃げられました。
抱き方が悪かったのだろうか。ちくせう。

んで俺の話を聞いたタマさんだけど……。
後ろ足で耳をばばばっと掻いて……タマさん聞いてます? あ、こっち向いた。

「面白そうニャー。やってみると良いニャ」

「おー」

なんか思ってたよりずっとあっさりした反応だった。
もっとこう、すごいニャー!とかフゥーッ!とかいう反応を期待してたのだけど……。

まーとりあえずやるだけやってみますかね。
オーガに何時までも根っこ刺したままにしておくのは可哀想だし。

そんじゃ作成開始っと……イメージはあれだね。有名どころだけど仙桃ってやつ、あれでいこうと思う。
イメージ的に食べたらパワーアップしたり、寿命伸びたりとかそんなイメージあるけど果たしてどうなることやら……あ、あれ?

「ん……んん? あ、これ不味い。 マジで不味い!」

「ニャッ?」

急に大声をだす俺にタマさんがびくっと反応する。
すまぬ、でもやばそうなことなってるんだよーう。

「ぜんっぜん足りない! タマさん、ごめん急いでオーガかき集めてきてっ」

「ニャニャッ!?」

もうね、まだ枝しか生えてきてないのにもうオーガが萎んできた。ってかタマさんとやりとりしている間にもオーガがしわっしわなってるし、これやばすぎる。

タマさんもやばいと思ったのか、ものすっごい勢いでオーガを探しに駆けていった。
タマさんまじ頼んますうううぅ。



「おあー……」

オーガがパラパラと砂のように砕けていく。
あたりには砂となったオーガが山となっていた。

だが。それだけ吸ったにもかかわらず、仙桃はまだ完成していない。

「……これで50体……嘘でしょ、まだ足りない」

一応数は数えていたけど……50体てやばすぎ。
まだちっこい実しかなってないのがさらにやばい。

タマさんがどんどん追加でオーガを持ってきてくれてはいるけど、まだまだ足りない。
体がもっと吸わせろと言っているのだ。


「これ100体目……」

そしてついに100体の大台に達したとき。

「……あ、足りたぽい? ギリギリ足りたみたい」

やっと仙桃が完成したのであった。
右半身ちょっと萎んでるし、これ本当やばい。

「ニャ。 これで完成かニャー。大っきいニャ」

「大きいね……これ、どうしよう」

見た目はただの大きな桃なんだけど……オーガの命を100体分も必要としたものが普通の果物な訳は無い。てか仙桃だし。

……ちょっと食べるの怖いよね?

「ニャ? 食べるに決まってるニャ」

「ですよねー」

ちらっとタマさんに伺うような視線を向けたけど……さすがタマさん。というか、もう食べる気しか無さそうですね。

とりあえず2個あるから1個ずつ分けてっと……本当でかいなこれ。メロン並みのサイズあるぞ……。

「タマさん、どうなるか分からないからゆっくり食べてね。ゆーっくりだよ?」

「分かってるニャー」

本当かいな。


んじゃま食べてみますか……っと。
皮を剥いていると汁が垂れてきた……ぺろっとな。

「うまっ……いけど、ちょっと舐めただけでこれって……」

舐めた途端に右半身がミシミシいいだした。
見れば萎んだ体が一舐めで元に戻っていたのである。

やばすぎてどん引きですわ。

「ニャッ……ニャニャッ!?」

「タマさん!? だ、大丈夫……?」

仙桃を食べていたタマさんが急にぷるぷる震えだしたぞっ!?

てかもう全部食ったんかい!!? ゆっくり食べろっていったのにー!


「ニャ。美味しいニャ。尻尾生えたニャ」

「そりゃ良かっ――」

急に震えがとまって顔を上げたかと思えばそんなことを言うタマさん。
単に美味しくて震えて……ん? んんんん???

「――どゆこと?」

尻尾? 生えた? え、もうタマさん尻尾あるよね?

「そのまんまニャ」

混乱する俺に尻尾をひょいと見せるタマさん。
なんとそこには2本目の尻尾が生えていたのである……猫又かな?

「まじか……え、てことはこれ食べたら俺にも尻尾が……?」

おう……なんてことだ。
これ食うと尻尾生えるのか。タマさんとお揃いじゃないか。これはもう食うしかない!

「いただきます!!!」

こうして俺は仙桃を一気に平らげたのであった。




数分後、そこには全身むっきむきになった俺の姿が!

「ムキムキになっただけじゃんっ! 神様のバカ!禿げろっ!」

木の部分だけじゃなくて普通の肉体部分もムッキムキだよ!!
尻尾生えるんじゃないかいっちくしょーめい!

「なんだよー……せっかく尻尾生えるかと思ったのにさー」

「ニャ。 食べると身体能力が一気に上がるみたいだニャ」

「へー……」

あー……なるほどねー。
確かにそんなイメージあったもんねー。

なんでタマさん尻尾生えたんじゃろ。

「大体10ぐらいかニャー?」

「おー?」

10か、もっと上がるかと思ったらそうでもないのね。
それよりも尻尾が気になるのです。

「分かってないみたいだけど、これってすごいからニャー? 10も離れてるとまず勝てないぐらいの差がでるニャ」

「まじでっ!?」

え、そんなに?
……そっか、初期の俺でもゴブリン蹴散らしてたし、レベル差ってかなりでかいんだね。

10離れればまず勝てない、20も離れれば100人斬りだって出来ちゃうぐらい差がつく。

そう考えると……。

「え、これやばすぎるんじゃ……」

「ニャ。 さっきのは人前では絶対やっちゃだめニャ。 タマが良いって言ったとき以外もだめニャ。危ないニャ」

「おおう……」

タマさんがマジだ。
こんだけ言うってことは他に似たような効果のあるポーションが存在しないか、滅茶苦茶貴重なんだろう。
こりゃ封印かなあ……でも。


「でも勿体ないなー……使える能力だとは思うんだけど」

勿体ないなーという気持ちはあったり。

「使わない訳じゃ無いニャ。切り札にするのニャー」

「あ、そかそか。そうだよね……うん、切り札。なんか格好良いし良いと思います!」

切り札良いね!
強敵と戦う前にばくっと食べたり。この小部屋みたいなところに突入する前にばくっと食べると。

作るとなったらなったで大変だし、そんな場面で使うぐらいが丁度いいかもだね。

「ニャ。 とりあえず帰るニャ。 普通の桃をだすニャー」

「あいあい。 こぼさないようにねー?」

お宝いっぱいだし。色々検証できたしで今日は本当収穫いっぱいだなー。
とりあえず帰って鑑定して、ご飯にしよっと。


あ、尻尾のこと聞いてない。
しおりを挟む
感想 171

あなたにおすすめの小説

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。 享年は25歳。 周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。 25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼
ファンタジー
目覚めると、リビングアーマーだった。 身体は鎧、中身はなし。しかもレベルは1で超弱い。 そんな状態でダンジョンに迷い込んでしまったから、なんとか生き残らないと! これは、いつか英雄になるかもしれない、さまよう鎧の冒険譚。 ※小説家になろう、カクヨム、待ラノ、ノベルアップ+、NOVEL DAYS、ラノベストリート、アルファポリス、ノベリズムで掲載しています。

処理中です...