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森の賢人
「87話」
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あっれー、おかしいなあ。
俺ぼっちじゃなくなったはずなんだけどなあ?
ゴリさん達のやりとりを眺めていたら視界がぼやけてきたぞ、なんだこれ。
「準備出来たかニャー?」
タマさん!
俺に声掛けに来てくれるのはタマさんだけやで!
ほんま天使やでぃってええええええええ!?
「なにやっとんのだ……こっちは何時でも良いぜ」
思いっ切り噛まれた!
くそう……さては皆の前だからって照れてるな?
ゴリさんに呆れられた目で見られてしまったじゃないの。
まったく、しょーがないなあ。後でいっぱいもふらせてくれたらあだだだだだっ!?
「ニャ。 それじゃまず補助魔法かけるニャー」
伸ばした俺の手を噛んで蹴ったタマさん、何事も無かったかのように皆に魔法をかけていく。
あ、俺にもちゃんとかけてくれたので安心してね!
「まずウッドが突っ込んで雑魚を散らすニャ。 その後ゴリアテ達に渡す物があるニャー……ウッドは渡す準備出来たら知らせるニャ」
「おー」
まかせんしゃい。
雑魚相手ならいくらでもがんばるのデスヨ。
しっかり桃大量生産しようじゃないの。
あ、強いのは勘弁な!
「合図があったらウッドと合流して中心部に突っ込むニャ。 他の連中は好きに狩るといいニャ。 世界樹の助けはないから気を付けるニャー」
あ、やっぱ俺も突っ込むのね……てか世界樹の助けがないからってどういうこっちゃいな。
そういや街を守るときは世界樹と一緒に戦うようなことを聞いた気がするけど……なんだろうね、俺みたいに世界樹が蔦とか伸ばして戦うんだろうか?
うむ、さっぱり分からん! あとで聞こうそうしよう。
「んじゃ、ウッド。 突っ込むニャ」
「え、もう? ……い、いってきます!」
ちょっと早くない?
まだ心の準備がですね……ってあかん、皆の視線がはよ行けと言っている……。
「無理すんなよ?」
「うっす!」
やだ、ゴリさんてば優しい。
こうなりゃやるっきゃねえ。
ぱぱっと吸ってささっと桃作って渡さないと!
幸いなことに外周は弱い敵ばかりってことだし。
奥に突っ込まなければ何とかなるだろう。 たぶん。
「とりあえず弱いのから吸って桃作らないと……ねっ」
群れから数キロの距離も今の俺にとってはたいした距離ではない、全力で駆ければ1分程でたどり着いてしまうだろう。
群れに近づくに連れて遠目では分からなかった構成も見えてくる。
本当に外側は弱い敵ばかりの様で、一番外側の敵は雑魚の代表格、ゴブリンであった。
あれなら突っ込んでも問題ない、そう判断した俺は体から蔦……ではなく太い根っこを4本ほど伸ばす。
太い根っこは硬くて丈夫な代わりに動きが遅い、なのでいつも狩っている下層では蔦で捉えた後に根っこを使う。
ただゴブリン相手であれば話は別である。
多少遅かろうがそもそもレベル差がありすぎてまず避けることなど出来ないのだ。
軽く宙に飛び、落ちる勢いも併せて根っこをゴブリンの群れに向かい突き立てる。
運悪く着地点にいた数体が地面に張り付けになり、次いで俺は根っこを分割、地中に伸ばし、ゴブリンの足元から宙に向けて根っこを突き出した。
ものの十秒かそこからで200体近いゴブリンが串刺しとなり……そして干からびていく。
そして干からびたのを確認した俺は次の目標へと向かい飛び掛かった。
「おし、1個出来た……残り5個!」
やはりオーガと違ってゴブリンで桃を作るには結構な数が必要となる。
手近にいるゴブリンを全滅させ、次のコボルトへと取り掛かったあたりでやっと1個出来たぐらいだ。
ただ前方にはそのオーガの姿も見えてきている。
人数分の桃を揃えることは出来るだろう……不安があるとすればこの敵の数であるが、根っこを使えばまだまだ捌ける数である、この後敵が強くなるに連れて辛くはなるだろうがとりあえずはこのまま行けそうだ。
そんな俺の戦いっぷりを見ていたゴリさん達だけど……。
「なんだ今の……」
かなりドン引きしている模様です。
そうだよね、ゴリさんって一応根っこが生えるのは知ってるけどさ、一緒にいたときは普通に体を使った戦闘しかしてなかったからね。
それがいきなり体からごぱぁって根っこ生やして敵に襲い掛かって、しかもなんか色々吸いまくってるんだもん、そらドン引きですわ。
たぶん初対面の時にその状態だったら間違いなく敵認定されてたね!
「あれ根っこだよねー? うねうねーっての。 まじうけるー」
カールさん楽しそうっすね。
これを見て引かないとかある意味すごいと思いまふ。
「根っこをさして吸ったのか? やっぱ便利だな」
ベルトラムさんは感心した様子ですね。
実際便利ですぞ。
「ウッドさんの戦い始めて見ましたけど……あんなに強かったんですね、タマさんが鉄竜と戦わせると言ったのもこれなら納得です」
やめてください。
出来れば戦いたくないので鉄竜のことは忘れてくれると嬉しいデス。
ってか、あれだね。
引いてるのゴリさんだけだったわ!
あのパーティで一番まともなのゴリさんなんじゃなかろうか。
とかなんとか言ってる間に桃が出来ましたぞっと。
結局コボルトやオークだけじゃ足りずにオーガの層まで突入しちゃったぜい。
それじゃタマさんに合図を出してっと……根っこをぐりんぐりん上空で振り回してるんだけど、これちゃんと見えてるよね?
俺ぼっちじゃなくなったはずなんだけどなあ?
ゴリさん達のやりとりを眺めていたら視界がぼやけてきたぞ、なんだこれ。
「準備出来たかニャー?」
タマさん!
俺に声掛けに来てくれるのはタマさんだけやで!
ほんま天使やでぃってええええええええ!?
「なにやっとんのだ……こっちは何時でも良いぜ」
思いっ切り噛まれた!
くそう……さては皆の前だからって照れてるな?
ゴリさんに呆れられた目で見られてしまったじゃないの。
まったく、しょーがないなあ。後でいっぱいもふらせてくれたらあだだだだだっ!?
「ニャ。 それじゃまず補助魔法かけるニャー」
伸ばした俺の手を噛んで蹴ったタマさん、何事も無かったかのように皆に魔法をかけていく。
あ、俺にもちゃんとかけてくれたので安心してね!
「まずウッドが突っ込んで雑魚を散らすニャ。 その後ゴリアテ達に渡す物があるニャー……ウッドは渡す準備出来たら知らせるニャ」
「おー」
まかせんしゃい。
雑魚相手ならいくらでもがんばるのデスヨ。
しっかり桃大量生産しようじゃないの。
あ、強いのは勘弁な!
「合図があったらウッドと合流して中心部に突っ込むニャ。 他の連中は好きに狩るといいニャ。 世界樹の助けはないから気を付けるニャー」
あ、やっぱ俺も突っ込むのね……てか世界樹の助けがないからってどういうこっちゃいな。
そういや街を守るときは世界樹と一緒に戦うようなことを聞いた気がするけど……なんだろうね、俺みたいに世界樹が蔦とか伸ばして戦うんだろうか?
うむ、さっぱり分からん! あとで聞こうそうしよう。
「んじゃ、ウッド。 突っ込むニャ」
「え、もう? ……い、いってきます!」
ちょっと早くない?
まだ心の準備がですね……ってあかん、皆の視線がはよ行けと言っている……。
「無理すんなよ?」
「うっす!」
やだ、ゴリさんてば優しい。
こうなりゃやるっきゃねえ。
ぱぱっと吸ってささっと桃作って渡さないと!
幸いなことに外周は弱い敵ばかりってことだし。
奥に突っ込まなければ何とかなるだろう。 たぶん。
「とりあえず弱いのから吸って桃作らないと……ねっ」
群れから数キロの距離も今の俺にとってはたいした距離ではない、全力で駆ければ1分程でたどり着いてしまうだろう。
群れに近づくに連れて遠目では分からなかった構成も見えてくる。
本当に外側は弱い敵ばかりの様で、一番外側の敵は雑魚の代表格、ゴブリンであった。
あれなら突っ込んでも問題ない、そう判断した俺は体から蔦……ではなく太い根っこを4本ほど伸ばす。
太い根っこは硬くて丈夫な代わりに動きが遅い、なのでいつも狩っている下層では蔦で捉えた後に根っこを使う。
ただゴブリン相手であれば話は別である。
多少遅かろうがそもそもレベル差がありすぎてまず避けることなど出来ないのだ。
軽く宙に飛び、落ちる勢いも併せて根っこをゴブリンの群れに向かい突き立てる。
運悪く着地点にいた数体が地面に張り付けになり、次いで俺は根っこを分割、地中に伸ばし、ゴブリンの足元から宙に向けて根っこを突き出した。
ものの十秒かそこからで200体近いゴブリンが串刺しとなり……そして干からびていく。
そして干からびたのを確認した俺は次の目標へと向かい飛び掛かった。
「おし、1個出来た……残り5個!」
やはりオーガと違ってゴブリンで桃を作るには結構な数が必要となる。
手近にいるゴブリンを全滅させ、次のコボルトへと取り掛かったあたりでやっと1個出来たぐらいだ。
ただ前方にはそのオーガの姿も見えてきている。
人数分の桃を揃えることは出来るだろう……不安があるとすればこの敵の数であるが、根っこを使えばまだまだ捌ける数である、この後敵が強くなるに連れて辛くはなるだろうがとりあえずはこのまま行けそうだ。
そんな俺の戦いっぷりを見ていたゴリさん達だけど……。
「なんだ今の……」
かなりドン引きしている模様です。
そうだよね、ゴリさんって一応根っこが生えるのは知ってるけどさ、一緒にいたときは普通に体を使った戦闘しかしてなかったからね。
それがいきなり体からごぱぁって根っこ生やして敵に襲い掛かって、しかもなんか色々吸いまくってるんだもん、そらドン引きですわ。
たぶん初対面の時にその状態だったら間違いなく敵認定されてたね!
「あれ根っこだよねー? うねうねーっての。 まじうけるー」
カールさん楽しそうっすね。
これを見て引かないとかある意味すごいと思いまふ。
「根っこをさして吸ったのか? やっぱ便利だな」
ベルトラムさんは感心した様子ですね。
実際便利ですぞ。
「ウッドさんの戦い始めて見ましたけど……あんなに強かったんですね、タマさんが鉄竜と戦わせると言ったのもこれなら納得です」
やめてください。
出来れば戦いたくないので鉄竜のことは忘れてくれると嬉しいデス。
ってか、あれだね。
引いてるのゴリさんだけだったわ!
あのパーティで一番まともなのゴリさんなんじゃなかろうか。
とかなんとか言ってる間に桃が出来ましたぞっと。
結局コボルトやオークだけじゃ足りずにオーガの層まで突入しちゃったぜい。
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