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生を受けた理由
「138話」
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「……ふぅ」
隣街のダンジョンに向かって今日で3日目。
タマさんに貰った元気も徐々にではあるが無くなり、気が付くとため息が出る。
「どうしたニャ。 疲れたかニャ?」
「いや……ただまたちょっと不安になってきちゃってね」
肉体的にはそうでもないのだけどね。
いざこれから街がモンスターの群れに襲われるとなると、プレッシャーとか色々あって精神的にはちょっときてる。
「ニャ。 大丈夫ニャ。 もし敵が思っていたより強くても、いざとなれば世界樹がなんとかするニャ」
「世界樹が……」
世界樹が……?
相手にデバフしてこっちには補助掛かるんだよね?
他にも何か出来るのだろうか。
……いや、なんか出来るってもう確信があったりするけど。 これ右半身の影響かね。
「前回指導者が現れたときは3日ぐらい戦いが続いて、最後に世界樹がでっかい魔法使ったニャ。 それでかたがついたニャ」
「まじかーい」
魔法一発でかたついたってこと? 強すぎないそれ。
てか、そんなの出来るなら最初からやれというのに……あれ、この話って前に聞いたことあったっけ?
ぬう……き、記憶が妙な感じに。こんちくしょーめ。
「だから安心して桃作るニャ」
「おー。 ありがとね、タマさん」
「ニャ」
まあとりあえずはさらに安心材料が増えてよかったーと言うことで……。
桃を作れるだけ作って街に戻ろう。あまりゆっくりしていると、戦闘始まっている真っただ中を突っ切る事になっちゃうしね。
……フラグちゃうよ?
「……見えた!」
大量の桃を抱えタマさんと二人ダッシュで街に戻りましたよっ。
ちょっと桃の重量分走るのが遅くなったけどな!
「まだ戦闘始まってないニャ。 よかったニャ」
幸いなことにぱっと見は特に戦闘が始まっている様子はない。
壁の上からこっちをちらちら見ている人がかなーり居るけど、そろそろ戦闘始まるってことで上で待機してるんだろうね。 決して俺の姿が怪しいからとかではないはず、だって事前に顔合わせしてるしっ。
「早く届けるニャ」
「おー!」
壁と一緒に補強され、やたらとごつくなった扉を顔パスで通り、俺とタマさんはギルドへと向かい再び走り始めた。
ギルドへ入ると同時に中の人らが一斉にこちらへ振り返る。
その顔は安堵したように見えた。
「ウッド! 間に合ったか……」
「もー、心配したじゃーん」
「ウッドさんありがとうございます! こっちが古いほうですか? はい分かりました。皆さん、それでは桃を持って持ち場へ向かってください」
なんか皆ちょっと焦ってる感じが……?
敵、まだ来てないよね? たしか。
「……もう敵来てるんすか? さっき走ってきた時にはそれっぽいの見えなかったすけど……」
「来てます。 街から20km地点まで迫ってきてます……あと2時間もすれば戦闘が始まります」
「まじですか。 むっちゃギリギリだった!」
思ったよりギリギリですやん!
これ、ちょっと帰る時間遅かったら鉢合わせしてたぞ……そりゃーこんな敵がすぐそこまで来てるのに帰って来なかったら心配するわー。
みんな心配かけてすまぬ。
「……むっちゃ人いるなあ」
「ニャ。 タマ達の場所はあの辺ニャ」
無事に桃を配り終えたので、俺とタマさんは持ち場である西側の壁へと向かっていた。
「敵まだ見えないね……なんかあっち天気悪いなあ。 そのうち雨降りそう」
壁に登り、敵が来ているという方角へと目を向けるが、敵らしく姿は見えずただぼやぁっと変に曇っているだけであった。
てか、森があるから来てても見えないんじゃなかろうか? でかいのが来たら見えるだろうけど、たぶん最初は小さいのからくるでしょーし。
「あれ雲じゃないニャ」
へ?
「んー? …………あれって、土煙?」
「ニャ」
「まじか」
雲じゃなくて土煙……量やばすぎる。
ぱっと見なんか変に曇ってるなーぐらいしか思わなかったよ。
あの土煙の下は全部モンスターってことかい……これ何匹居るの? 1万とかそこらじゃきかないよね。
なんかもう凄すぎて良く分からないレベルだ。 死体の処理とかどうすんだろ。
なんて呆けた感じで遠くを眺めていたんだけど、ふいにリタさんの声が聞こえてきた。
「あーあー、テステス。 ……現在モンスターの群れは街から15km地点まで来ています。 確認ですが迎撃兵器の射程は最大で10kmですので射程に入るまでは撃たないでくださいね。 第一射は毒矢を、次に石矢を撃ち続けてください、また1km進むごとに追加で毒矢を撃ってください。 魔法の射程に入りましたら各位魔法での攻撃を開始、壁に寄ってきた敵は近接部隊で対処を」
おあー?
そのへんから声が聞こえるけど姿は無し。
それにこれ周囲見渡した感じ、みんな聞こえてるっぽいし何かしら特殊な道具を使っているのか、それとも魔法なのか。
どっちか分からないけど便利やね、俺も早く魔法使えるようにならんかなー。
……じゃなくて、もう15kmまで来てるのか。
いやそれよりもバリスタの射程が10kmてどういうことなの……斜め上に撃って曲射みたいにするんかねえ。
隣街のダンジョンに向かって今日で3日目。
タマさんに貰った元気も徐々にではあるが無くなり、気が付くとため息が出る。
「どうしたニャ。 疲れたかニャ?」
「いや……ただまたちょっと不安になってきちゃってね」
肉体的にはそうでもないのだけどね。
いざこれから街がモンスターの群れに襲われるとなると、プレッシャーとか色々あって精神的にはちょっときてる。
「ニャ。 大丈夫ニャ。 もし敵が思っていたより強くても、いざとなれば世界樹がなんとかするニャ」
「世界樹が……」
世界樹が……?
相手にデバフしてこっちには補助掛かるんだよね?
他にも何か出来るのだろうか。
……いや、なんか出来るってもう確信があったりするけど。 これ右半身の影響かね。
「前回指導者が現れたときは3日ぐらい戦いが続いて、最後に世界樹がでっかい魔法使ったニャ。 それでかたがついたニャ」
「まじかーい」
魔法一発でかたついたってこと? 強すぎないそれ。
てか、そんなの出来るなら最初からやれというのに……あれ、この話って前に聞いたことあったっけ?
ぬう……き、記憶が妙な感じに。こんちくしょーめ。
「だから安心して桃作るニャ」
「おー。 ありがとね、タマさん」
「ニャ」
まあとりあえずはさらに安心材料が増えてよかったーと言うことで……。
桃を作れるだけ作って街に戻ろう。あまりゆっくりしていると、戦闘始まっている真っただ中を突っ切る事になっちゃうしね。
……フラグちゃうよ?
「……見えた!」
大量の桃を抱えタマさんと二人ダッシュで街に戻りましたよっ。
ちょっと桃の重量分走るのが遅くなったけどな!
「まだ戦闘始まってないニャ。 よかったニャ」
幸いなことにぱっと見は特に戦闘が始まっている様子はない。
壁の上からこっちをちらちら見ている人がかなーり居るけど、そろそろ戦闘始まるってことで上で待機してるんだろうね。 決して俺の姿が怪しいからとかではないはず、だって事前に顔合わせしてるしっ。
「早く届けるニャ」
「おー!」
壁と一緒に補強され、やたらとごつくなった扉を顔パスで通り、俺とタマさんはギルドへと向かい再び走り始めた。
ギルドへ入ると同時に中の人らが一斉にこちらへ振り返る。
その顔は安堵したように見えた。
「ウッド! 間に合ったか……」
「もー、心配したじゃーん」
「ウッドさんありがとうございます! こっちが古いほうですか? はい分かりました。皆さん、それでは桃を持って持ち場へ向かってください」
なんか皆ちょっと焦ってる感じが……?
敵、まだ来てないよね? たしか。
「……もう敵来てるんすか? さっき走ってきた時にはそれっぽいの見えなかったすけど……」
「来てます。 街から20km地点まで迫ってきてます……あと2時間もすれば戦闘が始まります」
「まじですか。 むっちゃギリギリだった!」
思ったよりギリギリですやん!
これ、ちょっと帰る時間遅かったら鉢合わせしてたぞ……そりゃーこんな敵がすぐそこまで来てるのに帰って来なかったら心配するわー。
みんな心配かけてすまぬ。
「……むっちゃ人いるなあ」
「ニャ。 タマ達の場所はあの辺ニャ」
無事に桃を配り終えたので、俺とタマさんは持ち場である西側の壁へと向かっていた。
「敵まだ見えないね……なんかあっち天気悪いなあ。 そのうち雨降りそう」
壁に登り、敵が来ているという方角へと目を向けるが、敵らしく姿は見えずただぼやぁっと変に曇っているだけであった。
てか、森があるから来てても見えないんじゃなかろうか? でかいのが来たら見えるだろうけど、たぶん最初は小さいのからくるでしょーし。
「あれ雲じゃないニャ」
へ?
「んー? …………あれって、土煙?」
「ニャ」
「まじか」
雲じゃなくて土煙……量やばすぎる。
ぱっと見なんか変に曇ってるなーぐらいしか思わなかったよ。
あの土煙の下は全部モンスターってことかい……これ何匹居るの? 1万とかそこらじゃきかないよね。
なんかもう凄すぎて良く分からないレベルだ。 死体の処理とかどうすんだろ。
なんて呆けた感じで遠くを眺めていたんだけど、ふいにリタさんの声が聞こえてきた。
「あーあー、テステス。 ……現在モンスターの群れは街から15km地点まで来ています。 確認ですが迎撃兵器の射程は最大で10kmですので射程に入るまでは撃たないでくださいね。 第一射は毒矢を、次に石矢を撃ち続けてください、また1km進むごとに追加で毒矢を撃ってください。 魔法の射程に入りましたら各位魔法での攻撃を開始、壁に寄ってきた敵は近接部隊で対処を」
おあー?
そのへんから声が聞こえるけど姿は無し。
それにこれ周囲見渡した感じ、みんな聞こえてるっぽいし何かしら特殊な道具を使っているのか、それとも魔法なのか。
どっちか分からないけど便利やね、俺も早く魔法使えるようにならんかなー。
……じゃなくて、もう15kmまで来てるのか。
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