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「66話」
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祖父母宅は自宅からそう遠くない。
都丸さんと話している内に到着していた。
「到着っと」
「まずは島津さんだけで話してくると良い。 終わったら声をかけてくれ」
「あ、はーい。 行ってきまっす」
俺は車から降りるは、都丸さんはそう言って車の中に残るようだ。
まずは身内で話すと良いと言うことらしい。 ありがたいね。
玄関のチャイムを鳴らすと、すぐにばあちゃんが出てくる。
「はいはい、いらっしゃい」
「ばあちゃん久しぶり。元気してたー?」
軽く挨拶し、茶の間に向かうとじいちゃんが居た。
俺が来ると聞いて仕事を切り上げてきたのかな?
「おう、よう来た」
「じいちゃんも久しぶり。 あ、これお土産ね」
そう言って俺はお肉と……ポーションの入った袋をばあちゃんに手渡す。
「あらあらすまないねえ……これは何かしらねえ?」
冷蔵庫にお肉をしまっていたばあちゃんだが、袋の中に見慣れない物が入っている事に気が付き、俺に問いかけるように視線を向ける。
「んーとね……ちょっとテレビつけて良いかな? 観ながらだと説明しやすいし」
そう一言断ってからテレビの電源をつけ、ニュース番組へとチャンネルを合わせる。
ダンジョンが新たに見つかった場合は記者会見を行い発表する。
今回俺の庭で見つかったダンジョンもその例外ではない。
道中聞いた話によると、発表するのは14時からとの事だった。
ダンジョンはかなり注目されているので、基本的にどの番組でも中継はされるだろう。
「テレビがどうかしたのか?」
「14時から会見があるんだよね。 実はさ、家の庭にダンジョンが出来ちゃって」
そうさらっと言った俺の言葉に、じいちゃんもばあちゃんもぎょっとした表情を浮かべる。
「ダンジョン!? ダンジョンって……最近ニュースでやってるあれか??」
「そう、あれ」
「大丈夫なのかい? 怪我とかは……なさそうだけど」
連日ニュースでやっていたし、海外では怪我人が出ている事も報道されていたはず。
なのでダンジョンが出来たときいて、二人は驚き、心配をしてくれた。
実際にチュートリアル突破するまでは、かなり無茶したと思う。
怪我もそれなりに負ったし……もっとも全てポーションで治療済みだが。
「うん、その辺りは大丈夫だよ……んで、そのお土産はダンジョンで入手したポーションなんだ」
だが、その辺りを話して余計心配させるつもりは無い。
何ともないと言うことを示すように軽く手を振り……そしてポーションの事をさらっと話す。
が、これに反応したのはじいちゃんだけだった。
ばあちゃんは何のことかピンと来てないらしい。
「ポーションって、ゲームとかで出て来るあれか?」
「あ、まさにそれ。 怪我を治すやつと病気を治す奴、そっちの二つは若返りのポーションね」
じいちゃんは俺の言葉を聞いて大体理解したらしい。
なんとっ……て感じで驚いている。……そう言えばス〇ファミとかプ〇ステが家にあるもんな。今はやって無いみたいだけど、昔は現役のゲーマーだったのかもね。
ばあちゃんはポーションが何かと言うのはピンと来ていない様だが、怪我と病気を治療する、若返りと言う部分にかなりびっくりしたようで、まじまじとポーションを見つめている。
そこまで話すとちょうどテレビで会見を流し始めたので、俺はそれを見ながらダンジョンをクロが発見してから、クロの為にポーションを探した経緯をざっくりとではあるが、二人に話した。
「なるほどなぁ……クロの為にダンジョンか」
「気持ちはすごく分かるけれど、無理はしないで欲しい……康平にまで何あったら……もう……」
「ごめん、どうしてもどうにかしたかったんだ……ポーションを入手してからは無理はしていないから、そこだけは大丈夫だよ」
ダンジョンに潜ったことについては……やはり、二人ともかなり驚き、心配したようだ。
ただ、俺がダンジョンに潜った動機については分かってくれたようである。
ここで二人を安心させようと、ポーションを入手してからは無理していないと二人に話すが……逆に余計心配させる元となってしまった。
「まさかポーションを手に入れてからも潜り続けているのか?」
ポーションを入手した時点で目的は達成している訳で、ならなんで潜り続けているんだって話だわね。
これはポーションを入手した辺りについて詳しく話さなかった俺が悪い。
「うん、ポーションを入手するときにダンジョンの管理者と話が出来て……それで、ダンジョンに潜っても安全だって分かったんだ。 それに深くまで潜った方が、効果の高いポーションを手に入れられるって聞いたから……」
「安全? ニュースでは怪我人も……ポーションがあるからか? いや、だからと言って危険には変わりない」
「怪我を治せるからといって、死なないとは限らないのでしょう……?」
いくら安全だと分かったと言っても、ニュースで怪我人出てるって流してるし、二人の反応も尤もだ。
……ダンジョン内で死ぬことは無いと言えればいいのだけど、あれは規制掛かっているし……いや、恐らくこの場面をアマツも観ているはずだ。 ならば一時的に規制を取っ払ってくれる可能性は高い。
「えっとね……管理者から聞いたんだけど、ダンジョン内だと死ぬことは無いんだ。 勿論怪我はするけど……そっちはポーションですぐ治っちゃうから」
「そうか……康平はこれからも潜り続けたいのか?」
やはりアマツはここを観ていたらしい、規制に引っかかる事無くダンジョン内で死なないと二人に伝える事が出来た。
「うん、続けたいと思ってる」
じいちゃんの問いにはっきりと答える俺。
するとじいちゃんは軽く頷くと言葉を続ける。
「そうか……分かった。無理だけはせんようにな? 潜りたいという気持ちは分からんでもない。 じいちゃんだってもっと若ければ……」
「じっさま? 何バカな事言ってるのさ、畑はどうするつもりさね」
「……冗談に来まっとるわ。 そんな怒るでねえ」
じいちゃんはゲームをやっていた事もあって、こう言った事に興味はあったようだ。
なので安全と言うことが分かれば、俺がダンジョンに潜る事には反対するつもりは無いらしい。
ばあちゃんは……ダメとは言わないけれど、内心はあまり潜って欲しくないように見える。
ただ、俺がはっきりと続けたいと答えたから止めるのは諦めた……そんな感じがする。
ごめんね。
少なくてもじいちゃんばあちゃんが完全に若返るまでは、潜るのを止める気はないんだ。
会見の中継が終わり、二人も落ち着いてきた辺りでじいちゃんがダンジョンについて話を振ってきた。
「そう言えばダンジョンってことは、レベルアップとかも有るのか?」
「あるある」
じいちゃんがやったゲームの中にはRPGの類もあったのだろう。
俺があると答えるとなるほどと言った様に頷いて見せる。
その顔は先ほどの心配そうな表情とは全く違って、興味津々といった様子である。
……若返ったら潜る気じゃないよね? ばあちゃん怒っても知らないぞ。
「ほー……それじゃ最近急にガタイが良くなったのもそれか?」
んん。
「いやー、ダンジョンでレベル上がっても、その効果はダンジョン内の限定なんだ。だからこれは単純に筋トレの結果だねー」
「なるほどなあ」
決してダンジョン用に鍛えた訳ではないですっ。
あくまで畑用だからね、畑用。
都丸さんと話している内に到着していた。
「到着っと」
「まずは島津さんだけで話してくると良い。 終わったら声をかけてくれ」
「あ、はーい。 行ってきまっす」
俺は車から降りるは、都丸さんはそう言って車の中に残るようだ。
まずは身内で話すと良いと言うことらしい。 ありがたいね。
玄関のチャイムを鳴らすと、すぐにばあちゃんが出てくる。
「はいはい、いらっしゃい」
「ばあちゃん久しぶり。元気してたー?」
軽く挨拶し、茶の間に向かうとじいちゃんが居た。
俺が来ると聞いて仕事を切り上げてきたのかな?
「おう、よう来た」
「じいちゃんも久しぶり。 あ、これお土産ね」
そう言って俺はお肉と……ポーションの入った袋をばあちゃんに手渡す。
「あらあらすまないねえ……これは何かしらねえ?」
冷蔵庫にお肉をしまっていたばあちゃんだが、袋の中に見慣れない物が入っている事に気が付き、俺に問いかけるように視線を向ける。
「んーとね……ちょっとテレビつけて良いかな? 観ながらだと説明しやすいし」
そう一言断ってからテレビの電源をつけ、ニュース番組へとチャンネルを合わせる。
ダンジョンが新たに見つかった場合は記者会見を行い発表する。
今回俺の庭で見つかったダンジョンもその例外ではない。
道中聞いた話によると、発表するのは14時からとの事だった。
ダンジョンはかなり注目されているので、基本的にどの番組でも中継はされるだろう。
「テレビがどうかしたのか?」
「14時から会見があるんだよね。 実はさ、家の庭にダンジョンが出来ちゃって」
そうさらっと言った俺の言葉に、じいちゃんもばあちゃんもぎょっとした表情を浮かべる。
「ダンジョン!? ダンジョンって……最近ニュースでやってるあれか??」
「そう、あれ」
「大丈夫なのかい? 怪我とかは……なさそうだけど」
連日ニュースでやっていたし、海外では怪我人が出ている事も報道されていたはず。
なのでダンジョンが出来たときいて、二人は驚き、心配をしてくれた。
実際にチュートリアル突破するまでは、かなり無茶したと思う。
怪我もそれなりに負ったし……もっとも全てポーションで治療済みだが。
「うん、その辺りは大丈夫だよ……んで、そのお土産はダンジョンで入手したポーションなんだ」
だが、その辺りを話して余計心配させるつもりは無い。
何ともないと言うことを示すように軽く手を振り……そしてポーションの事をさらっと話す。
が、これに反応したのはじいちゃんだけだった。
ばあちゃんは何のことかピンと来てないらしい。
「ポーションって、ゲームとかで出て来るあれか?」
「あ、まさにそれ。 怪我を治すやつと病気を治す奴、そっちの二つは若返りのポーションね」
じいちゃんは俺の言葉を聞いて大体理解したらしい。
なんとっ……て感じで驚いている。……そう言えばス〇ファミとかプ〇ステが家にあるもんな。今はやって無いみたいだけど、昔は現役のゲーマーだったのかもね。
ばあちゃんはポーションが何かと言うのはピンと来ていない様だが、怪我と病気を治療する、若返りと言う部分にかなりびっくりしたようで、まじまじとポーションを見つめている。
そこまで話すとちょうどテレビで会見を流し始めたので、俺はそれを見ながらダンジョンをクロが発見してから、クロの為にポーションを探した経緯をざっくりとではあるが、二人に話した。
「なるほどなぁ……クロの為にダンジョンか」
「気持ちはすごく分かるけれど、無理はしないで欲しい……康平にまで何あったら……もう……」
「ごめん、どうしてもどうにかしたかったんだ……ポーションを入手してからは無理はしていないから、そこだけは大丈夫だよ」
ダンジョンに潜ったことについては……やはり、二人ともかなり驚き、心配したようだ。
ただ、俺がダンジョンに潜った動機については分かってくれたようである。
ここで二人を安心させようと、ポーションを入手してからは無理していないと二人に話すが……逆に余計心配させる元となってしまった。
「まさかポーションを手に入れてからも潜り続けているのか?」
ポーションを入手した時点で目的は達成している訳で、ならなんで潜り続けているんだって話だわね。
これはポーションを入手した辺りについて詳しく話さなかった俺が悪い。
「うん、ポーションを入手するときにダンジョンの管理者と話が出来て……それで、ダンジョンに潜っても安全だって分かったんだ。 それに深くまで潜った方が、効果の高いポーションを手に入れられるって聞いたから……」
「安全? ニュースでは怪我人も……ポーションがあるからか? いや、だからと言って危険には変わりない」
「怪我を治せるからといって、死なないとは限らないのでしょう……?」
いくら安全だと分かったと言っても、ニュースで怪我人出てるって流してるし、二人の反応も尤もだ。
……ダンジョン内で死ぬことは無いと言えればいいのだけど、あれは規制掛かっているし……いや、恐らくこの場面をアマツも観ているはずだ。 ならば一時的に規制を取っ払ってくれる可能性は高い。
「えっとね……管理者から聞いたんだけど、ダンジョン内だと死ぬことは無いんだ。 勿論怪我はするけど……そっちはポーションですぐ治っちゃうから」
「そうか……康平はこれからも潜り続けたいのか?」
やはりアマツはここを観ていたらしい、規制に引っかかる事無くダンジョン内で死なないと二人に伝える事が出来た。
「うん、続けたいと思ってる」
じいちゃんの問いにはっきりと答える俺。
するとじいちゃんは軽く頷くと言葉を続ける。
「そうか……分かった。無理だけはせんようにな? 潜りたいという気持ちは分からんでもない。 じいちゃんだってもっと若ければ……」
「じっさま? 何バカな事言ってるのさ、畑はどうするつもりさね」
「……冗談に来まっとるわ。 そんな怒るでねえ」
じいちゃんはゲームをやっていた事もあって、こう言った事に興味はあったようだ。
なので安全と言うことが分かれば、俺がダンジョンに潜る事には反対するつもりは無いらしい。
ばあちゃんは……ダメとは言わないけれど、内心はあまり潜って欲しくないように見える。
ただ、俺がはっきりと続けたいと答えたから止めるのは諦めた……そんな感じがする。
ごめんね。
少なくてもじいちゃんばあちゃんが完全に若返るまでは、潜るのを止める気はないんだ。
会見の中継が終わり、二人も落ち着いてきた辺りでじいちゃんがダンジョンについて話を振ってきた。
「そう言えばダンジョンってことは、レベルアップとかも有るのか?」
「あるある」
じいちゃんがやったゲームの中にはRPGの類もあったのだろう。
俺があると答えるとなるほどと言った様に頷いて見せる。
その顔は先ほどの心配そうな表情とは全く違って、興味津々といった様子である。
……若返ったら潜る気じゃないよね? ばあちゃん怒っても知らないぞ。
「ほー……それじゃ最近急にガタイが良くなったのもそれか?」
んん。
「いやー、ダンジョンでレベル上がっても、その効果はダンジョン内の限定なんだ。だからこれは単純に筋トレの結果だねー」
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