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「102話」
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クロを頭に乗せ、船に揺られること数分。
あまり沖に出ても……と言うことで、適当な場所で釣りを開始する事となった。
……この湖だけどさ、めちゃくちゃ広いみたいで対岸が見えないんだよね。
下手に進むと、どっちが来た方向か分からなくなりそうなので、あまり奥まで行かないほうが良い予感がする。
釣りのほうだけど、適当な竿を一つ選んでぽちゃんと仕掛けを水面に投げ入れ、そのままぼーっと待つだけだ。
こんなんで釣れるのかなーと思ったけど、すぐにツンツンとあたりが来た。
「お?……お、おぉっ……おうっ」
「オットセイかな?」
最初は気のせいかな?と思ったけど、何度もあたりが来るので気のせいでは無いと分かり……ぐんっと強く引いた瞬間に合わせる。
オットセイでは無いです。
「釣れたっ!」
決して釣るのが上手い訳では……と言うかやった事ないんで、下手で当たり前なんだけど、幸いな事に魚はバレることなく釣り上げることが出来た。
「ヤマメかな?……ク、クロ??」
釣れたのは体長20cmぐらいのヤマメだった。
湖で釣れたっけ?と疑問が沸くが……まあ、ここはダンジョン内だし、そう言うものなんだと理解することにした。
それよりもですね……。
「よこせーと言われても……これ生でも食べられるの?」
さっきから頭の上でクロがにゃーにゃーと騒いでいるのです。
ヤマメにちょいちょいと手を伸ばしてくるし……よこせってことなんだけど、これ生で食えるか分からんのよね。
安全を考えるなら戻って焼かないといけないのだけど。
なんて考えていると、不意に背後から声が掛かる。
「可能です。ここにいる生物は全て生で食べられます」
「おぉ……ありがとうマーシー?」
振り返ると、ミニサイズのマーシーが居た。
……びっくりしてちょっと固まってしまったよ。
後で聞いてみたところ、マーシーの子機の様だ。
料理を作ったりは出来ないが、BBQの広場に関する質問であれば何でも答えてくれるとの事。
まあ、とりあえずこれで生で食っても大丈夫な事が分かった。
……さすがにこのまま渡すのは無いよね。
丸ごとバリバリ食べちゃいそうな気もするけど、さすがにちょっと気が引ける。
ただナイフとか持ってきてないし、手で捌く……?ないよなあ。
と、手の中でぴっちぴちと元気に動くヤマメを見て、どうしようかなーと考えていると、太田さんが近寄ってきて手を差し出した。
「どれ、貸してみろ」
差し出された手にヤマメを渡すと、太田さんはポーチからナイフを取り出し、あっと言う間に捌いてしまう。
「ほれ」
「あ、ありがとうございますっ」
「手慣れてんねー」
太田さんに捌いてもらったヤマメをクロに渡すと、クロはすごい勢いでムシャムシャと食べ始める。
「……クロ、こぼさないでね」
……俺の頭の上で。
「乗った!」
背後からそんな声が聞こえ、後ろを見ると太田さんの竿が大きくしなっていた。
太田さん、それに都丸さんは俺と違い二人とも釣り経験者である。
使っている竿も仕掛けも俺のとは違って……ルアーと言う、疑似餌を使って釣りをしているそうだ。
なんでもこれで鮭系統が釣れるらしく、実際竿のしなり具合から言って俺がさっき釣ったヤマメよりも大分大きい事が察せられる。
「良い型だ……雌だな、マス子を食えるかも知れんぞ」
「おぉっ、やったー」
太田さんが釣り上げたのは60cmぐらいの鮭っぽい魚だ。
鮭の一種なんだろうけど、俺には区別は付かない。
分かるのはマス子は美味しいってぐらいである。
普通のやつより粒が小粒で結構好き。
昼飯が豪華になりそうで嬉しい。
「っと」
「おう?」
マス子が食えるぞーと喜んでいたら、今度は都丸さんがHITしたらしい。
こっちもいい感じで竿がしなっているね。1匹だけだと足らないかもだし、また雌だといいなー。
「サクラマスまで居るのか……」
「うまそうっす」
マスってぐらいだから、鮭の仲間だろう。
丸々と太っていて美味しそうだ。
「んー……なんだろこのあたり」
都丸さんが、釣り上げてから10分後ぐらい。
俺と同じくぼーっと竿を持っていた北上さんが、首を傾げながらリールを巻いている。
竿は結構しなっているので、それなりに大きいのが掛かっていそうではあるが……。
「うわっ、鰻釣れたし」
まさかの鰻であった。
お昼がどんどん豪華になっていくねっ。
てか、本当にこの湖いろいろ釣れるなあ……俺がヤマメでしょ、太田さんと都丸さんが鮭っぽいので、北上さんが鰻。
え、大野さん?
「カジカしか釣れないんっすけど」
「美味しいからいいじゃない」
使っている竿か、それとも仕掛けが悪いのか、なぜかカジカしか釣れてないらしい。
北上さんは美味しいからいいじゃないと言うが、大野さんの表情は微妙そうだ。
まあ、まわりが結構良い型の釣り上げてるからねー、気持ちはわかるっ。
俺もヤマメ以外を釣り上げないと、何とも言えない釣果になってしまう……そもそもクロに食われて、手元にもう居ないんですけどね!
あまり沖に出ても……と言うことで、適当な場所で釣りを開始する事となった。
……この湖だけどさ、めちゃくちゃ広いみたいで対岸が見えないんだよね。
下手に進むと、どっちが来た方向か分からなくなりそうなので、あまり奥まで行かないほうが良い予感がする。
釣りのほうだけど、適当な竿を一つ選んでぽちゃんと仕掛けを水面に投げ入れ、そのままぼーっと待つだけだ。
こんなんで釣れるのかなーと思ったけど、すぐにツンツンとあたりが来た。
「お?……お、おぉっ……おうっ」
「オットセイかな?」
最初は気のせいかな?と思ったけど、何度もあたりが来るので気のせいでは無いと分かり……ぐんっと強く引いた瞬間に合わせる。
オットセイでは無いです。
「釣れたっ!」
決して釣るのが上手い訳では……と言うかやった事ないんで、下手で当たり前なんだけど、幸いな事に魚はバレることなく釣り上げることが出来た。
「ヤマメかな?……ク、クロ??」
釣れたのは体長20cmぐらいのヤマメだった。
湖で釣れたっけ?と疑問が沸くが……まあ、ここはダンジョン内だし、そう言うものなんだと理解することにした。
それよりもですね……。
「よこせーと言われても……これ生でも食べられるの?」
さっきから頭の上でクロがにゃーにゃーと騒いでいるのです。
ヤマメにちょいちょいと手を伸ばしてくるし……よこせってことなんだけど、これ生で食えるか分からんのよね。
安全を考えるなら戻って焼かないといけないのだけど。
なんて考えていると、不意に背後から声が掛かる。
「可能です。ここにいる生物は全て生で食べられます」
「おぉ……ありがとうマーシー?」
振り返ると、ミニサイズのマーシーが居た。
……びっくりしてちょっと固まってしまったよ。
後で聞いてみたところ、マーシーの子機の様だ。
料理を作ったりは出来ないが、BBQの広場に関する質問であれば何でも答えてくれるとの事。
まあ、とりあえずこれで生で食っても大丈夫な事が分かった。
……さすがにこのまま渡すのは無いよね。
丸ごとバリバリ食べちゃいそうな気もするけど、さすがにちょっと気が引ける。
ただナイフとか持ってきてないし、手で捌く……?ないよなあ。
と、手の中でぴっちぴちと元気に動くヤマメを見て、どうしようかなーと考えていると、太田さんが近寄ってきて手を差し出した。
「どれ、貸してみろ」
差し出された手にヤマメを渡すと、太田さんはポーチからナイフを取り出し、あっと言う間に捌いてしまう。
「ほれ」
「あ、ありがとうございますっ」
「手慣れてんねー」
太田さんに捌いてもらったヤマメをクロに渡すと、クロはすごい勢いでムシャムシャと食べ始める。
「……クロ、こぼさないでね」
……俺の頭の上で。
「乗った!」
背後からそんな声が聞こえ、後ろを見ると太田さんの竿が大きくしなっていた。
太田さん、それに都丸さんは俺と違い二人とも釣り経験者である。
使っている竿も仕掛けも俺のとは違って……ルアーと言う、疑似餌を使って釣りをしているそうだ。
なんでもこれで鮭系統が釣れるらしく、実際竿のしなり具合から言って俺がさっき釣ったヤマメよりも大分大きい事が察せられる。
「良い型だ……雌だな、マス子を食えるかも知れんぞ」
「おぉっ、やったー」
太田さんが釣り上げたのは60cmぐらいの鮭っぽい魚だ。
鮭の一種なんだろうけど、俺には区別は付かない。
分かるのはマス子は美味しいってぐらいである。
普通のやつより粒が小粒で結構好き。
昼飯が豪華になりそうで嬉しい。
「っと」
「おう?」
マス子が食えるぞーと喜んでいたら、今度は都丸さんがHITしたらしい。
こっちもいい感じで竿がしなっているね。1匹だけだと足らないかもだし、また雌だといいなー。
「サクラマスまで居るのか……」
「うまそうっす」
マスってぐらいだから、鮭の仲間だろう。
丸々と太っていて美味しそうだ。
「んー……なんだろこのあたり」
都丸さんが、釣り上げてから10分後ぐらい。
俺と同じくぼーっと竿を持っていた北上さんが、首を傾げながらリールを巻いている。
竿は結構しなっているので、それなりに大きいのが掛かっていそうではあるが……。
「うわっ、鰻釣れたし」
まさかの鰻であった。
お昼がどんどん豪華になっていくねっ。
てか、本当にこの湖いろいろ釣れるなあ……俺がヤマメでしょ、太田さんと都丸さんが鮭っぽいので、北上さんが鰻。
え、大野さん?
「カジカしか釣れないんっすけど」
「美味しいからいいじゃない」
使っている竿か、それとも仕掛けが悪いのか、なぜかカジカしか釣れてないらしい。
北上さんは美味しいからいいじゃないと言うが、大野さんの表情は微妙そうだ。
まあ、まわりが結構良い型の釣り上げてるからねー、気持ちはわかるっ。
俺もヤマメ以外を釣り上げないと、何とも言えない釣果になってしまう……そもそもクロに食われて、手元にもう居ないんですけどね!
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