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「112話」
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北上さんに迫るオーク。
その力はゴブリンの比ではない。
このまま薄い本的な展開になってしまうのか……とかアホな事を考えている内に、オークは北上さんの目前へと迫っていた。
さっと盾を構える北上さんに対し、オークは腕を伸ばし……ではなく、斧を思いっきり振りかぶり北上さんへと叩きつけた。
君には失望したよ……じゃなくて、俺の予想のほうが当たってたって事だろうか?
それともランダムなのか……これは数こなせば分かるだろう。
それはそうと攻撃された北上さんだけど、盾で斧を防ぐ事には成功していたが、盾が削れてささくれ立った所に斧が引っかかって、引き倒される様に地面を転がってしまう。
「っあ゛ぅ」
……あ、ちゃんと何時でも援護は入れるように待機しているからね。さっきの攻撃も盾が間に合わないようなら止めるつもりでいたし。クロは香箱座り
俺と隊員さん達はずっと一緒にいる訳じゃないし、ある程度は自分たちでやってもらわんとだから……重傷を負う可能性あれば止める感じかな。
戦闘のほうだけど、引き倒された北上さんに向けてオークが再び攻撃を加えようとしていた。
北上さんも盾を構えるが……体勢が余りよくないし、何より盾が持たない気がする。
なのでここは介入しよう。
「??」
一瞬怪訝な表情を見せる北上さん。
盾を構え、衝撃に備えるが……くるはずの衝撃が来ない。
なぜならオークが持っている斧が根元からぽっきり折れているからである。
ちなみに折れた先は俺の手元にあったりする。
「今だ!やれ!」
オークも何が起きたのか理解出来なかったのだろう。先端の無くなった斧を盛大に空振りさせ、固まっている。
そしてそれは致命的な隙となり、それを見逃す隊員たちではない。
都丸さんの号令のもと、四方から突き出された槍がオークを貫いた。
オークの鎧はところどころ肌が露出している部分があり、そこを狙い、且つオークの動きが止まっているのであれば貫くことは可能なのだろう。
……ただ、露出している部分から重要な器官を狙うのは難しい。
オークもそのまま放置しておけば死ぬ。ぐらいの重傷は負ったが即死するほどではない。
そしてモンスターは死なない限りは動くのだ。
「ぁ」
北上さんの槍を突き出した腕をつかみ、引き寄せるようにしてオークが噛み付きに行く。
とっさに盾で防ごうとするが、これは間に合わないだろう。
「大丈夫ですか?」
はい、そこまでーとオークの顔面を鷲掴みにし、そのまま握り潰す俺。
鉈だと北上さんにあたる可能性があったからね……ただちょっと手袋が血だらけになったので、ちょっと後悔してる。
まあ、あとでクリーニングに出せば良いか。問題なし!
「……あ、うんっ。ありがとね」
ちょっとフラグが立った気がしなくもない。
一応無事戦闘も終わったと言うことで、みんなで反省タイムだ。
「まさかここまでとはな……」
「足は確かに素足ですが、皮膚が堅くて刃が通りにくい、動いていると尚更です」
「動きを止めるために、もっと重量があってこう……島津さんの鉈は随分肉厚ですが、それは改造してそうなったのですか?」
「そうですよ。持ってみますか?」
隊員さん達の攻撃は、確かにオークの足にあたっていた。
でもオークの皮が固いのと、激しく動いているせいであたっても弾かれてしまっていたのだ。
隊員さん達が使っているのは首相達が使っていたのと同じ、袋ナガサと呼ばれる槍っぽい武器だ。
かなりしっかりした造りなので、武器としては十分だと思うがオークを止めるには軽すぎた。
軽くても、もっと切れ味が良ければ……と思うが、レベルが低いうちはそこまで改造出来るって訳じゃないしなあ。
俺の鉈は元々重量あったし、さらに改造して重量増加してあるので、見るからに重量感半端ない仕上がりとなっている。
こいつで思いっきりぶん殴れば打撃部分だけで結構なダメージが通るだろう。
重すぎてレベル上げておかないとまともに振れないだろうけど。
「では、失礼して……おもっ」
「これなら動きを止めることも……」
「だが、すぐには改造出来ないぞ」
「私はフェイスガードほしいなー……」
隊員さん達は、とりあえず袋ナガサを使ってる感じなのだろうか。
ポイントもある程度自由に使えるようになると思うし、自分の使いやすい武器を使うのが一番だと思うのですよ。
鉈は使いやすいのでお勧めではある。でもリーチが短いから袋ナガサみたいのが良いって人も居るだろうね。
そのうち武器の性能が数値化されると思うし、色々悩みながら買うと良いんじゃないかな。
北上さんはー……そりゃ顔面に噛み付かれそうになったんだし、そらそうよな。
装備の強化はダンジョン潜るなら必須よなあ……ああ、あと必須と言えばあれもそうだね。
「あとはゴブリンのカード使うとかですかねー。槍持ちのやつがいい感じだと思いますよ」
カードも必須だよね。
袋ナガサはたぶん槍扱いになると思うから、ゴブリン(槍)がちょうど良いと思うんだ。
たぶん、何枚かはもう出ているだろうし、槍にセットすればオークにもう少しダメージ通るようになる……って、思ったんだけど、どうも皆の反応が悪い。
「それが出来たらどんなに良かった事か……」
「本当に出ないからなあ」
「ちょっとレア過ぎると思うんだよねー」
ああ、確かにそうね……カードって本当に出ないもんね。
目当てのカードを求めて同じ敵を何百、何千と倒すのは中々に精神にくるものだ。
「まあ、中々出ませんからねー……でもずっとその槍みたいの使うんであれば、確保しといたほうが良いですよ。一人3枚として合計24枚……下手すると一月ぐらい籠ることになりますけど」
24枚とか吐きそう。
とりあえず必要な分だけって事で一人一枚でも……8枚か、きついな。
でも手分けすれば行けない数では無いような。
「いやいや、一月で集まる枚数じゃないでしょー」
「我々もかなりの数を狩っているが、まだ1枚しか出ていないからな」
「槍がですか?」
1枚か……まあ、ついて無いとそんなもんだろうか。
いわゆる物欲センサーってやつだね。
槍とか盾とか弓とかいるから、狙ったやつだけ狩るって出来ないし、弓だけいっぱい出るとかありそう。
「いや、出たのは普通のだ」
あれ?
普通のってことは6階のゴブリンの事か?
あれって1種類しか出ないし、余るぐらい出てもおかしくは無いんだけど……いや、まてなんかおかしい。
「……なんかおかしくないです?」
今の話だと、すべての戦闘で出たのがゴブリンカード一枚だけって話になる。
ちょっとこれは運が悪いにしても出なさすぎじゃなかろうか……?
その力はゴブリンの比ではない。
このまま薄い本的な展開になってしまうのか……とかアホな事を考えている内に、オークは北上さんの目前へと迫っていた。
さっと盾を構える北上さんに対し、オークは腕を伸ばし……ではなく、斧を思いっきり振りかぶり北上さんへと叩きつけた。
君には失望したよ……じゃなくて、俺の予想のほうが当たってたって事だろうか?
それともランダムなのか……これは数こなせば分かるだろう。
それはそうと攻撃された北上さんだけど、盾で斧を防ぐ事には成功していたが、盾が削れてささくれ立った所に斧が引っかかって、引き倒される様に地面を転がってしまう。
「っあ゛ぅ」
……あ、ちゃんと何時でも援護は入れるように待機しているからね。さっきの攻撃も盾が間に合わないようなら止めるつもりでいたし。クロは香箱座り
俺と隊員さん達はずっと一緒にいる訳じゃないし、ある程度は自分たちでやってもらわんとだから……重傷を負う可能性あれば止める感じかな。
戦闘のほうだけど、引き倒された北上さんに向けてオークが再び攻撃を加えようとしていた。
北上さんも盾を構えるが……体勢が余りよくないし、何より盾が持たない気がする。
なのでここは介入しよう。
「??」
一瞬怪訝な表情を見せる北上さん。
盾を構え、衝撃に備えるが……くるはずの衝撃が来ない。
なぜならオークが持っている斧が根元からぽっきり折れているからである。
ちなみに折れた先は俺の手元にあったりする。
「今だ!やれ!」
オークも何が起きたのか理解出来なかったのだろう。先端の無くなった斧を盛大に空振りさせ、固まっている。
そしてそれは致命的な隙となり、それを見逃す隊員たちではない。
都丸さんの号令のもと、四方から突き出された槍がオークを貫いた。
オークの鎧はところどころ肌が露出している部分があり、そこを狙い、且つオークの動きが止まっているのであれば貫くことは可能なのだろう。
……ただ、露出している部分から重要な器官を狙うのは難しい。
オークもそのまま放置しておけば死ぬ。ぐらいの重傷は負ったが即死するほどではない。
そしてモンスターは死なない限りは動くのだ。
「ぁ」
北上さんの槍を突き出した腕をつかみ、引き寄せるようにしてオークが噛み付きに行く。
とっさに盾で防ごうとするが、これは間に合わないだろう。
「大丈夫ですか?」
はい、そこまでーとオークの顔面を鷲掴みにし、そのまま握り潰す俺。
鉈だと北上さんにあたる可能性があったからね……ただちょっと手袋が血だらけになったので、ちょっと後悔してる。
まあ、あとでクリーニングに出せば良いか。問題なし!
「……あ、うんっ。ありがとね」
ちょっとフラグが立った気がしなくもない。
一応無事戦闘も終わったと言うことで、みんなで反省タイムだ。
「まさかここまでとはな……」
「足は確かに素足ですが、皮膚が堅くて刃が通りにくい、動いていると尚更です」
「動きを止めるために、もっと重量があってこう……島津さんの鉈は随分肉厚ですが、それは改造してそうなったのですか?」
「そうですよ。持ってみますか?」
隊員さん達の攻撃は、確かにオークの足にあたっていた。
でもオークの皮が固いのと、激しく動いているせいであたっても弾かれてしまっていたのだ。
隊員さん達が使っているのは首相達が使っていたのと同じ、袋ナガサと呼ばれる槍っぽい武器だ。
かなりしっかりした造りなので、武器としては十分だと思うがオークを止めるには軽すぎた。
軽くても、もっと切れ味が良ければ……と思うが、レベルが低いうちはそこまで改造出来るって訳じゃないしなあ。
俺の鉈は元々重量あったし、さらに改造して重量増加してあるので、見るからに重量感半端ない仕上がりとなっている。
こいつで思いっきりぶん殴れば打撃部分だけで結構なダメージが通るだろう。
重すぎてレベル上げておかないとまともに振れないだろうけど。
「では、失礼して……おもっ」
「これなら動きを止めることも……」
「だが、すぐには改造出来ないぞ」
「私はフェイスガードほしいなー……」
隊員さん達は、とりあえず袋ナガサを使ってる感じなのだろうか。
ポイントもある程度自由に使えるようになると思うし、自分の使いやすい武器を使うのが一番だと思うのですよ。
鉈は使いやすいのでお勧めではある。でもリーチが短いから袋ナガサみたいのが良いって人も居るだろうね。
そのうち武器の性能が数値化されると思うし、色々悩みながら買うと良いんじゃないかな。
北上さんはー……そりゃ顔面に噛み付かれそうになったんだし、そらそうよな。
装備の強化はダンジョン潜るなら必須よなあ……ああ、あと必須と言えばあれもそうだね。
「あとはゴブリンのカード使うとかですかねー。槍持ちのやつがいい感じだと思いますよ」
カードも必須だよね。
袋ナガサはたぶん槍扱いになると思うから、ゴブリン(槍)がちょうど良いと思うんだ。
たぶん、何枚かはもう出ているだろうし、槍にセットすればオークにもう少しダメージ通るようになる……って、思ったんだけど、どうも皆の反応が悪い。
「それが出来たらどんなに良かった事か……」
「本当に出ないからなあ」
「ちょっとレア過ぎると思うんだよねー」
ああ、確かにそうね……カードって本当に出ないもんね。
目当てのカードを求めて同じ敵を何百、何千と倒すのは中々に精神にくるものだ。
「まあ、中々出ませんからねー……でもずっとその槍みたいの使うんであれば、確保しといたほうが良いですよ。一人3枚として合計24枚……下手すると一月ぐらい籠ることになりますけど」
24枚とか吐きそう。
とりあえず必要な分だけって事で一人一枚でも……8枚か、きついな。
でも手分けすれば行けない数では無いような。
「いやいや、一月で集まる枚数じゃないでしょー」
「我々もかなりの数を狩っているが、まだ1枚しか出ていないからな」
「槍がですか?」
1枚か……まあ、ついて無いとそんなもんだろうか。
いわゆる物欲センサーってやつだね。
槍とか盾とか弓とかいるから、狙ったやつだけ狩るって出来ないし、弓だけいっぱい出るとかありそう。
「いや、出たのは普通のだ」
あれ?
普通のってことは6階のゴブリンの事か?
あれって1種類しか出ないし、余るぐらい出てもおかしくは無いんだけど……いや、まてなんかおかしい。
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