153 / 304
「153話」
しおりを挟む
「混んでるね」
「混んでるな!」
やはりモンスターの素材を使った装備、と言うことで買う買わないは別にして一目だけでも見てみたい……そんな人が大勢居たのだろう。
トライアルの参加者に限定しているのにも関わらず、店内は人で溢れかえっていた。
「おおー!……たっけぇ!」
商品は全てショーケースに収められており、直接手にとって見ることは出来ないが、それでも中村は興奮した様子でケースの中を眺め、そしてその値札を見て驚いていた。
中村が見ていたのは、おそらく牛さんの皮を使ったであろう軽鎧であった。
そのお値段なんと1000万円。
これは思っていたよりもお高いぞ。
勿論皮鎧にする手間暇を考えれば、それなりのお値段にはなると思うが、ちょっと桁が一つ違った。
材料費とか研究費とか嵩んだのだろうね。
俺が前に素材を集めたときなんか報酬凄かったからね。
この値段設定じゃなきゃペイ出来ないのだろう。
まあ装備は他にもたくさんある。
中には手を出せる物だってあるだろう……と、中村は次のケースへと移動するのであった。
「……」
そして1時間後。
全てのケースを見終えた中村は目に見えて落ち込んでいた。
すごいしょんぼりしている。目には薄らと涙が浮かんですらいた。
「急にテンション下がったなー」
「全部高い……さすがに手をだせないわ、これ」
「確かにたっかいね」
「だべ?」
なぜかと言うと全部の商品が高かったからだ。
まだ働き始めてから半年程しか経っていない中村にとっては、とても手が出せるお値段ではなかったのだ。
俺は無駄にお金持っているのでその気になれば買い占めるぐらいは出来るけど……もちろんそんなことはしない。
「んじゃ、それ以外で見繕う感じ?それとも支給品?最悪お金貸すって手もあるけど」
「いや、友達から金借りるのはないわー」
なんなら貸そうかと思ったが、中村にはその気はないらしい。
「だとしたらポイントも?それだと盾以外は支給品になっちゃうよー」
「ぐう……」
「さーどうする」
お金もポイントも、中村的には借りるのはないらしい。
ならどーすると言うはなしだけど、中村も悩んでいるようで、呻ったまま考え込みだしてしまう。
……ふむ。
まあ、本人が納得するまで待つとしよう。
しかしそうなると手持ち無沙汰になってしまう……と、何か面白い装備でもないかな?手近なケースを覗き見ると、そこには見覚えのある装備が置いてあった。
「あ、これ……」
「ん?」
「俺が使ってるのと同じだ」
例の試作品と同じ物がそこには並んでいたのだ。
若干見た目が格好良くなっているが、性能的には同じ物だろう。
こうして売られているのを見ると手伝って良かったなーと思えるね。
「へえ。やっぱ強いの?」
「かなり良いよこれ。衝撃も吸収するし、火もかなり軽減してくれるもん。一度使ったらもう外せないね」
中村にも是非お勧めしたい装備である。
「おお……たけえ」
が、素材を3種も使っているのもあってかなりの高額だ。
小さいのに最初にみた軽鎧よりも高い。
中村も興味を惹かれたようだが値札を見てガックリと肩を落とす。
ううむ、どうしたもんかなあ……と悩んでいると、ふいに背後から声が掛かる。
「お客様、何かお探しですか?」
店員さんの登場だ。
あまりにも悩んでいたから気になったのだろう。
「こいつの装備探してるんですけどね……ちょっと手が出せない感じみたいでして」
俺がそう言うと、店員さんは中村と、値札をチラリとみて困ったように笑みを浮かべる。
「現状ですと素材が貴重でして……」
まあ、でしょうね。
俺が以前しこたま狩ったけど、あれじゃ研究目的なら十分でも、こうして装備として売り出すには全然足りてないはずだ。
貴重な分素材買い取りも高くなるし、暫くはこのままだろう。
「モンスターの素材を使っていない装備も御座いますが、そちらはもう御覧になられましたでしょうか?」
「へ?あ、普通のもあるんだ?」
まじかい。
それは知らなかった。
「ええ、下の階に御座います。宜しければご案内致しますが……」
ぜひお願いします!
中村はまだ悩んでいるけど、選択肢が増やせば解決するかもだしね。
と言うわけで、まだうーんと悩んでいる中村を引き摺るように下の階へと向かうのであった。
下の階もかなりの混み具合だった。
上の階で値段を見て諦めた人がこっちに流れているらしい。
お値段は安い物は1万程度、高い物でも100万ぐらいで収まっている。
これなら中村でも手が出るだろう。
素材も造りもかなりしっかりしているので、十分実用に耐えると思う。
……見た目がかなりファンタジー寄りだけど、まあそこは皆似たような装備になると思えば気にするほどでもないかな?
俺の装備もドラゴンの素材で改造してから大分ファンタジーになっているしね。
それに何より……。
「ニッコニコしてるな」
中村本人が装備を気に入っている様だしね。
籠にはぎっしりと装備が詰まっているし……あれ全部買うんかな。
「おし!これならギリ買える!店員さんこれくださーい!」
あ、やっぱ買うのか。
えーっと……頭、胴体、手足の防具に武器と……一通り揃ってはいるかな。
あとはー。
「鎧とかはいいの?軽装っぽいけど」
特大ダンジョンとか潜るなら鎧も有った方が良いと思う。
店内を見渡せば、如何にもな鎧がちょいちょい飾ってあるし、あるなら買っておいた方が……と中村に話が。
中村は一瞬物欲しそうに鎧へと視線を向けるが、すぐに悲しそうに首を横に振る。
「いや……欲しいけどあれも買ったら余裕で予算オーバーするわ」
お金足らなかったらしい。
悲しい。
お金が出て来る魔法のカードとかあるけど、さすがにあれを使わせるのもねー。
「でかいダンジョンに潜らなければ平気かなー」
基本は小ダンジョンあたりに潜れば良いかなーと思う。
欲しいカードを出すモンスターが居るかはまだ分からないけどね。
もし他のダンジョンに居るのであれば、ポイントを少し稼いでから移動しても良いしね。
「どゆこと?」
ん。
そっか、中村はその辺の話はまだ知らないもんな。
「っへー……そんなのあるんか」
「あるんだよー」
とりあえずざっくりとダンジョンの種類と装備制限について話しておいた。
中村もその話を理解してはいるけど、鎧への未練が消えたわけではないらしい。
まだ時折チラチラと鎧へ視線を向けている。
まあ、もろファンタジーな鎧だしね……気持ちは分かる。気持ちは。でも無い袖は振れないって言うしー……ん?
何やら店員さんが俺の顔をチラチラと見ていたような……なんだろ?
「……宜しければこちらもお付けしますよ。もちろんお代はいりません」
なぬ。
店員さんからまさかのおまけがっ。
いや、嬉しいけど……嬉しいけど良いのだろうか?これ、たぶんこの店内で一番高い鎧だよ?
中村はうっひょぉおああ!って喜んでいるけど……おまけして貰う理由が分からない。
「島津さんにはお世話になっていますから」
と、俺が戸惑っていると、店員さんがニコリと笑って小声でそう言った。
なるほど。
俺が島津だと知っていると言うことは、もしかするとタダの店員じゃなくて、開発に関わっていた人なのかな。それも結構偉い立場の人。
「今後ともよろしくお願い致します」
そう言うことなら……と有難く受け取っておく事にした。
タダより怖い物はない何て言うけど、試作品の時はかなーり頑張ったし、そのお礼だろうと思うことにした。
で、購入なんだけど。
「どーよ!」
買う前にサイズあっているか確認しないと……って事で試着してみた訳ですが。
「ほー……率直な感想としては」
「おう」
「似合わねーなと」
「率直すぎない!?」
コスプレ臭がすごい。
鎧に着られていると言うか何というか……中村には悪いけど似合ってなかった。
これが戦国時代に出て来るような鎧兜であれば、まだマシだったかもだけどねー。
その辺りは扱ってなかったよ。
「まあ、顔隠せば問題ないね」
ただまあ顔をフェイスガードで隠せばコスプレ臭は大分減る。
「くっそー……てかそう言うお前はどうなのさ?」
「まあその内見せたげるよ」
「おう、楽しみにしとくわ!」
……そう言っておいてあれだけど、俺の見た目って端から見るとどうなんだろう?やっぱコスプレ臭凄いのかな……ドラゴンの素材で改造する前はそうでもなかったんだけど、改造してからは……どうしよ、なんか急に恥ずかしくなってきたぞ!?
これはあれだ、隊員さん達の装備もドラゴンの素材で改造して、ついでにバカ村の装備も改造してしまうか?それなら俺一人だけ浮くことも無いし、隊員さんは迷彩服が目立つことも無くなるし、中村は装備が強くなってハッピー。一石二鳥どころか一石三鳥ではなかろうか?
よし、それでいこう。そうしよう。
「そんじゃそろそろ良い時間だし、集合場所いこっか」
装備も買ったし、今後の方針も決まった。
あとは顔合わせしてしまえば今日の予定は完了だっ。
「おう!……あ」
「ん?」
俺の言葉に勢い良く返事を返した中村だが、急にあっと言ったかと思うと、黙り込んでしまう。
どうしたんかな?
「あのぉ……すみません、島津さん。ちょっとお金貸して頂けると嬉しいなあ、なんて。へへっへ」
「なに急に気持ち悪い……てか友達から金借りるのは無いわって言ってたのはどこ行ったし」
「いや、ギリギリで買えると思ったらつい……」
急にごますり出した中村だが、さっきの買い物でお金をほぼ吐き出してしまったらしい。
ATMから出せる限度額を出してしまったので、今日はもう出せないとか何とか……締まらないなーもうっ。
しょーがないのでお金貸して上げることにしたよ。
トイチでなっ。
「まじかよぉ」
「ハハハッ」
どーだろうねー?
「混んでるな!」
やはりモンスターの素材を使った装備、と言うことで買う買わないは別にして一目だけでも見てみたい……そんな人が大勢居たのだろう。
トライアルの参加者に限定しているのにも関わらず、店内は人で溢れかえっていた。
「おおー!……たっけぇ!」
商品は全てショーケースに収められており、直接手にとって見ることは出来ないが、それでも中村は興奮した様子でケースの中を眺め、そしてその値札を見て驚いていた。
中村が見ていたのは、おそらく牛さんの皮を使ったであろう軽鎧であった。
そのお値段なんと1000万円。
これは思っていたよりもお高いぞ。
勿論皮鎧にする手間暇を考えれば、それなりのお値段にはなると思うが、ちょっと桁が一つ違った。
材料費とか研究費とか嵩んだのだろうね。
俺が前に素材を集めたときなんか報酬凄かったからね。
この値段設定じゃなきゃペイ出来ないのだろう。
まあ装備は他にもたくさんある。
中には手を出せる物だってあるだろう……と、中村は次のケースへと移動するのであった。
「……」
そして1時間後。
全てのケースを見終えた中村は目に見えて落ち込んでいた。
すごいしょんぼりしている。目には薄らと涙が浮かんですらいた。
「急にテンション下がったなー」
「全部高い……さすがに手をだせないわ、これ」
「確かにたっかいね」
「だべ?」
なぜかと言うと全部の商品が高かったからだ。
まだ働き始めてから半年程しか経っていない中村にとっては、とても手が出せるお値段ではなかったのだ。
俺は無駄にお金持っているのでその気になれば買い占めるぐらいは出来るけど……もちろんそんなことはしない。
「んじゃ、それ以外で見繕う感じ?それとも支給品?最悪お金貸すって手もあるけど」
「いや、友達から金借りるのはないわー」
なんなら貸そうかと思ったが、中村にはその気はないらしい。
「だとしたらポイントも?それだと盾以外は支給品になっちゃうよー」
「ぐう……」
「さーどうする」
お金もポイントも、中村的には借りるのはないらしい。
ならどーすると言うはなしだけど、中村も悩んでいるようで、呻ったまま考え込みだしてしまう。
……ふむ。
まあ、本人が納得するまで待つとしよう。
しかしそうなると手持ち無沙汰になってしまう……と、何か面白い装備でもないかな?手近なケースを覗き見ると、そこには見覚えのある装備が置いてあった。
「あ、これ……」
「ん?」
「俺が使ってるのと同じだ」
例の試作品と同じ物がそこには並んでいたのだ。
若干見た目が格好良くなっているが、性能的には同じ物だろう。
こうして売られているのを見ると手伝って良かったなーと思えるね。
「へえ。やっぱ強いの?」
「かなり良いよこれ。衝撃も吸収するし、火もかなり軽減してくれるもん。一度使ったらもう外せないね」
中村にも是非お勧めしたい装備である。
「おお……たけえ」
が、素材を3種も使っているのもあってかなりの高額だ。
小さいのに最初にみた軽鎧よりも高い。
中村も興味を惹かれたようだが値札を見てガックリと肩を落とす。
ううむ、どうしたもんかなあ……と悩んでいると、ふいに背後から声が掛かる。
「お客様、何かお探しですか?」
店員さんの登場だ。
あまりにも悩んでいたから気になったのだろう。
「こいつの装備探してるんですけどね……ちょっと手が出せない感じみたいでして」
俺がそう言うと、店員さんは中村と、値札をチラリとみて困ったように笑みを浮かべる。
「現状ですと素材が貴重でして……」
まあ、でしょうね。
俺が以前しこたま狩ったけど、あれじゃ研究目的なら十分でも、こうして装備として売り出すには全然足りてないはずだ。
貴重な分素材買い取りも高くなるし、暫くはこのままだろう。
「モンスターの素材を使っていない装備も御座いますが、そちらはもう御覧になられましたでしょうか?」
「へ?あ、普通のもあるんだ?」
まじかい。
それは知らなかった。
「ええ、下の階に御座います。宜しければご案内致しますが……」
ぜひお願いします!
中村はまだ悩んでいるけど、選択肢が増やせば解決するかもだしね。
と言うわけで、まだうーんと悩んでいる中村を引き摺るように下の階へと向かうのであった。
下の階もかなりの混み具合だった。
上の階で値段を見て諦めた人がこっちに流れているらしい。
お値段は安い物は1万程度、高い物でも100万ぐらいで収まっている。
これなら中村でも手が出るだろう。
素材も造りもかなりしっかりしているので、十分実用に耐えると思う。
……見た目がかなりファンタジー寄りだけど、まあそこは皆似たような装備になると思えば気にするほどでもないかな?
俺の装備もドラゴンの素材で改造してから大分ファンタジーになっているしね。
それに何より……。
「ニッコニコしてるな」
中村本人が装備を気に入っている様だしね。
籠にはぎっしりと装備が詰まっているし……あれ全部買うんかな。
「おし!これならギリ買える!店員さんこれくださーい!」
あ、やっぱ買うのか。
えーっと……頭、胴体、手足の防具に武器と……一通り揃ってはいるかな。
あとはー。
「鎧とかはいいの?軽装っぽいけど」
特大ダンジョンとか潜るなら鎧も有った方が良いと思う。
店内を見渡せば、如何にもな鎧がちょいちょい飾ってあるし、あるなら買っておいた方が……と中村に話が。
中村は一瞬物欲しそうに鎧へと視線を向けるが、すぐに悲しそうに首を横に振る。
「いや……欲しいけどあれも買ったら余裕で予算オーバーするわ」
お金足らなかったらしい。
悲しい。
お金が出て来る魔法のカードとかあるけど、さすがにあれを使わせるのもねー。
「でかいダンジョンに潜らなければ平気かなー」
基本は小ダンジョンあたりに潜れば良いかなーと思う。
欲しいカードを出すモンスターが居るかはまだ分からないけどね。
もし他のダンジョンに居るのであれば、ポイントを少し稼いでから移動しても良いしね。
「どゆこと?」
ん。
そっか、中村はその辺の話はまだ知らないもんな。
「っへー……そんなのあるんか」
「あるんだよー」
とりあえずざっくりとダンジョンの種類と装備制限について話しておいた。
中村もその話を理解してはいるけど、鎧への未練が消えたわけではないらしい。
まだ時折チラチラと鎧へ視線を向けている。
まあ、もろファンタジーな鎧だしね……気持ちは分かる。気持ちは。でも無い袖は振れないって言うしー……ん?
何やら店員さんが俺の顔をチラチラと見ていたような……なんだろ?
「……宜しければこちらもお付けしますよ。もちろんお代はいりません」
なぬ。
店員さんからまさかのおまけがっ。
いや、嬉しいけど……嬉しいけど良いのだろうか?これ、たぶんこの店内で一番高い鎧だよ?
中村はうっひょぉおああ!って喜んでいるけど……おまけして貰う理由が分からない。
「島津さんにはお世話になっていますから」
と、俺が戸惑っていると、店員さんがニコリと笑って小声でそう言った。
なるほど。
俺が島津だと知っていると言うことは、もしかするとタダの店員じゃなくて、開発に関わっていた人なのかな。それも結構偉い立場の人。
「今後ともよろしくお願い致します」
そう言うことなら……と有難く受け取っておく事にした。
タダより怖い物はない何て言うけど、試作品の時はかなーり頑張ったし、そのお礼だろうと思うことにした。
で、購入なんだけど。
「どーよ!」
買う前にサイズあっているか確認しないと……って事で試着してみた訳ですが。
「ほー……率直な感想としては」
「おう」
「似合わねーなと」
「率直すぎない!?」
コスプレ臭がすごい。
鎧に着られていると言うか何というか……中村には悪いけど似合ってなかった。
これが戦国時代に出て来るような鎧兜であれば、まだマシだったかもだけどねー。
その辺りは扱ってなかったよ。
「まあ、顔隠せば問題ないね」
ただまあ顔をフェイスガードで隠せばコスプレ臭は大分減る。
「くっそー……てかそう言うお前はどうなのさ?」
「まあその内見せたげるよ」
「おう、楽しみにしとくわ!」
……そう言っておいてあれだけど、俺の見た目って端から見るとどうなんだろう?やっぱコスプレ臭凄いのかな……ドラゴンの素材で改造する前はそうでもなかったんだけど、改造してからは……どうしよ、なんか急に恥ずかしくなってきたぞ!?
これはあれだ、隊員さん達の装備もドラゴンの素材で改造して、ついでにバカ村の装備も改造してしまうか?それなら俺一人だけ浮くことも無いし、隊員さんは迷彩服が目立つことも無くなるし、中村は装備が強くなってハッピー。一石二鳥どころか一石三鳥ではなかろうか?
よし、それでいこう。そうしよう。
「そんじゃそろそろ良い時間だし、集合場所いこっか」
装備も買ったし、今後の方針も決まった。
あとは顔合わせしてしまえば今日の予定は完了だっ。
「おう!……あ」
「ん?」
俺の言葉に勢い良く返事を返した中村だが、急にあっと言ったかと思うと、黙り込んでしまう。
どうしたんかな?
「あのぉ……すみません、島津さん。ちょっとお金貸して頂けると嬉しいなあ、なんて。へへっへ」
「なに急に気持ち悪い……てか友達から金借りるのは無いわって言ってたのはどこ行ったし」
「いや、ギリギリで買えると思ったらつい……」
急にごますり出した中村だが、さっきの買い物でお金をほぼ吐き出してしまったらしい。
ATMから出せる限度額を出してしまったので、今日はもう出せないとか何とか……締まらないなーもうっ。
しょーがないのでお金貸して上げることにしたよ。
トイチでなっ。
「まじかよぉ」
「ハハハッ」
どーだろうねー?
13
あなたにおすすめの小説
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる