家の猫がポーションとってきた。

熊ごろう

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「201話」

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そんな俺の様子をみて、そいつはやれやれといったように肩をすくめる。

「いやいや、こんな真っ昼間から物騒だね君は?別に私は何もするつもりはないよ」

なんてのたまうが、そんなの信じられるわけもなく、俺はジリジリと距離を取ろうと後すさる。
最悪の場合は素手でどうにかするしかない……どうにかできる相手ではないだろうけど、どうにかするしかないのだ。

「なんでそう危ない思考をしてるのかなあ……私はただ君に会いに来ただけだと言うのに」

危ないのはお前の存在じゃい。
会いに来たとか迷惑以外の何ものでもないので、どうぞお引き取りください。

「そう……会いに来ただけなのにね。君のことを考えて、一人の時を狙っていたからさ、おかげでずーーーーっと外で待つ羽目になってしまった」

そういうと、そいつは俺の向い笑みを浮かべる。
その笑みはどこか……というか狂気しか感じられないものだ。

なまじ見た目が美人なぶん、異常なまでに迫力がある。

俺はさらに警戒を高め、いつでも動けるように腰を落とす。

「いやなに別に怒っている訳ではないんだ。ただ、こんな美少女をずっと放置していたんだ、ここはお詫びとしてお茶の一つや二つ御馳走すべきだと思わないかい?」

俺が警戒を高めたのをみたこいつは、今度は一転して拗ねたような表情へとかわり、そんなことをいってきたのであった。

「こいつ頭おかしい」

うっかり本音がもれてしまったぜ。
……いや、じっさい頭おかしいよな?つい最近殺し合いをした相手だぞ?それをお茶をご馳走しろだのなんだの……毒でも盛るか?効かないだろうけどさ。

「君には言われたくないな」

どういう意味だよこんちくしょう。


くそう……どうにか逃げたいが、無理だよな。
いや、でもダンジョンに入ればもしかすると……よし、それでいこう。

「……荷物置いてきても?」

「ああ、構わないよ。今さら少し待つぐらいなんてことはないさ」

おっしおし。
クロ抱えてそっこうダンジョン駆け込んでやるぜ。ばーやばーや!

そうと決まればすぐ帰ろう。
なるべく自然に、怪しまれないように普通に歩いて……いや、これは走ったほうがいいか?逆に普通にしてたら怪しまれるかもしれない。

よし、走るべ。


スーパーから家までは大した距離はない、走ればあっという間についてしまう。
後ろは何度か確認したけど、追ってきてる様子はなさそうだった。

……まあ、みえないだけで付いてきてる可能性はあるけど。

「クロ、ただいま」

玄関をあけると、クロが駆け寄ってくる。
俺の様子がいつもと違うのを感じて、心配そうにじっと目をみてきたので、思わず撫で……そうになるのをぐっとこらえ、荷物を放るとクロを抱えて玄関をでる。

なんとかダンジョンに駆け込んで、アマツに助けを求めることができれば……。



「じゃあ、行こうか?」



くそがっ。
玄関前で待ち構えてやがりましたよ!
こっちの行動なんてお見通しってことか……まあ、予想はしやすかっただろうけどさあ。

「……クロ、お留守番お願いね。……俺たちが移動したらダンジョンに」

尻尾を膨らませたクロを、そっと下ろしお留守番をお願いする。
そして小声でダンジョンにいくように伝える……クロならこれだけで理解して、アマツに助けを求めてくれることだろう。

ただ、こいつもその辺りは予想しているだろうから、アマツの助けがくるかどうかは分からない。
前のイベント会場の時みたいに、アマツを封印する可能性がある。

自力でどうにか乗り切ることを考えたほうが良さそうだ。


とりあえずは大人しく従うようにする。
隙があれば逃げる。あとは時間を稼ぐ……これでいこう。


後ろをついて行くことしばし、不意に足を止めたかと思うと……こちらを振り返り、ニヤッと笑みを浮かべる。

「ここのお店がお勧めだよ。味も良い割にお値段もお手頃なんだ」

ああ、まじでお茶する気かこいつ。
……大丈夫?こんなのお店に入って……ほかのお客さん発狂したりしないよね?俺、知らないよ?



お店に入ると、お客さんがざわざわしていたけど、すぐに収まった。
まあ、一瞬みただけならただの美人で済むのだろう。

まじまじと見たら?気分悪くなるぐらいですむといいですねえ。



「お待たせしました。本日のケーキと紅茶のセットになります」

「どうした?食べなよ」

「……」

いやね、さっきの店員さんの目がなんかこう……濁ってたというかなんというか、いやなんでもないです。

てかこの状況で食べる気になるわけないだろう……もったいないから食べるけどさあ。


しかし本当にお茶することになってしまったが……こいつの目的は当然ほかにあるだろう。

「それで、なんの用ですか?」

ろくな用事ではない気がするので、さっさと終わらせてしましたい。
前振りもなんもありゃしないが、もうこの際ど直球で聞いてしまおう。

「用ってほどのことじゃないよ。単に話してみたかっただけさ」

ほう。
そうくるか。

「……じゃあ、もう目的達成しましたよね」

そういうことならお暇しますねっと。

そういって立ち上がろうとするが、いつの間にか肩にそいつの手が掛かっていた。
たいした力を込めているわけじゃなさそうなのに、立ち上がることができない。

ああ、もう本当、いやになるね。化け物の相手は。

「まあ待ちなって、もっとゆっくりしていきなよ?」

「いや、もう帰りたいんすけど」

まじで帰りたい。
開放してください、まじで。

そこまで表情に出しているわけじゃないけど、本気でそう思ってるってのは伝わったと思いたい。

「つれないなあ……」

なんでニヤニヤしてるんですかねえ。

「あんなにも激しくお互い求め合ったというのに……きみのせいでまだ痛みが」

「いいかたあ!?」

いきなり何言い出すんだこいつは!
頭おかしいんじゃないのか!?あ、頭おかしかったわ!笑えねえ。

てか下腹部抑えるんじゃない。
そこは攻撃してないでしょうが、上半身潰しただけでしょ!

「いや、そもそも求め合ってないし!そっちの一方的な押し付けやろがい!」

「そうだったっけ?」

そうだよ!
イベント中に襲撃したのはそっちじゃん!俺は反撃しただけだし!

「まあそれはさておき、本題にはいろうか」

そういうと、そいつは急に真顔になってこちらを見つめる。
……このへんアマツと通じるところがあるよな。

気が付きたくなかったけど。
てか。

「……本題あったんだ」

「そりゃそうだよ?そうじゃなければわざわざ会いに来ない」

「ごもっとも」

あまりにもふざけた態度を続けるので、もしかして本当にお茶するのが目的化と思い始めたけど、そうじゃなかったようで安心した。

……安心しちゃダメか。
お茶するだけが本題のほうがずっとましじゃないか。

くそう、帰りたい。
てかアマツはまだこないのか……また封印されてないよね?


……しゃーない、助けがこないのであれば、とりあえず話を聞くしかなさそうだ。

俺がため息をついて、話を聞く姿勢をみせると、こいつは満足そうに笑みを浮かべる。
……その笑みはきついからやめて欲しいのだけど。いっても無駄なんだろうなあ……。


「一つは、本当に君と話すためだよ。アマツがこの星にダンジョンを作ると聞いて、初めは興味なかったんだけど、思いのほかアマツが楽しそうにしているし……それにちょっと面白いのも見つけてしまったからね」

「……」

面白いもの、ね。

こっちをみてニヤニヤしている様子から、その面白いものは十中八九俺のことだろう。
忘れてほしい。

大体、俺のどこが面白いというのか。
せいぜいただの戦闘狂だよ?


俺が無言で話を聞いていると、こいつはますます笑みを深めると話を続ける。

「アマツが因子を埋め込むなんて、初めて見たよ」

「いんし……?」

「あれ?気が付いてないのかい?」

気が付いてないって……え、本気でいってるのか?
アマツが?俺に?因子を埋め込むって……因子ってなんだ??


突然の話に俺が困惑していると、こいつは少し考えるそぶりをみせる。

「そうだね……君に分かりやすくいうのであれば……唾つけとこ、かな?それか眷属にしよう」

「ちょ……え、まっ?」

ちょっとまてい。

アマツ、お前なにしとんのじゃー!?

「因子を埋め込むとね、これは自分のものだと主張することになる。君にとってのメリットは、埋め込まれることによって、ほかの連中から手を出されにくくなる。デメリットは逆に私みたいのに目を付けられることかな?」

「デメリットでかすぎんだろ」

思わず真顔に戻っちゃったじゃないか。
メリットが吹っ飛ぶぐらいデメリットがでかい。

殺されかけたわけだし、まじ勘弁してくれ……その因子とやらをとりのぞいて貰えば……もう目を付けられている時点で手遅れか。

しっかし、因子を埋め込む?
そんなことされた覚えはないけど……俺だけがされたことってなんだ?特にないような気がするけど……いや、確かなにかったような。

「……あれか」

「心当たりがあるようだね?」

ドラゴンがちょっと混ざってた。

てかあれは半分ぐらいは自分が原因であって、別にアマツが埋め込んだわけじゃないか。
こいつは勘違いしているようだけど……アマツのことをそう思ったままってのも、なんか引っ掛かるしその時の状況説明ぐらいはしておくか。

「ああ……そういうことね。あいつが因子を埋め込むなんてって思ったけど、そういうことなら納得だ。内心相当焦ってたんだろうよ……くくっ」

ドラゴン戦のあらましを話すと、そいつは喉をならすように笑った。
本当に楽しそうだ。アマツとは知り合いではあるみたいだけど、仲が良さそうにはみえなかったし、どんな関係なんだろうな。少し気になる。

こいつから聞く気はないけど。


一通り笑うと、そいつは満足したのかお茶を一口ふくみ、喉をならす。
どうでもいいことだけど、お茶とか飲むんだな。


と、俺がどうでもいいことを考えていると、そいつはすっと指を二本立てて見せる。

「二つ目は私の因子を君に埋め込めにきたんだよ」

「いらないです」

即答した。
てかふざけんなし。

全力でお断りしたい。
だがしかし、こいつはそんな俺の言葉を無視すると、話を続ける。
ていうか、立ち上がってこちらへと身を乗り出してくる。まじでくんな。

「遠慮することはないよ。これは善意でやっていることだしね、さあ口をあけて」

そういって指を差し出してくる……その指先からはポタポタと黒い液体が垂れていて……あれを俺の口に?
そう思った瞬間、反射的に手が動き、全力でそいつの手首を握りしめていた。

「かよわい女の子の細腕になんてことをするんだね君は?折れてしまうよ」

だれがか弱いって??
全力で握ってるのに腕がびくともしてないじゃねーかっ。てか折れろっ!


伸びてくる指から、ひっしに体を反らして逃げていると不意に首筋に痛みが走る。

「誰がかよわ……いっだっ!?」

視線を向ければ、俺の首筋に腕が伸び、指が突き刺さっていた。
だが、俺の手はそいつの両腕を抑えたままである。ならこの腕は一体……と、そこでそいつの背から腕がもう一本生えていることに気が付いた。

だから化け物の相手はいやなんだよっ。

「こっの!」

首筋に伸びる腕を振り払おうとするが、腕が動かない。

そいつの腕を俺の手がつかんでいたはずなのに、気が付けば逆になっている。
本気で力を込めるがびくともしない。

そうこうしている内に、首筋から全身へとなにかが……間違いなくあの黒い液体だろうけど、それが蜘蛛の巣のように広がっていくのが分かった。

しばらくもがいていたが、どうにもならない。

「よしよし、埋め込み完了っと……それじゃ私は失礼するよ。また近いうちに会えるといいね」

「だ、だれがお前なんぞと……」

満足そうに頷いて、席を立つそいつに憎まれ口の一つでも……と思い口を開くが、不意に足を止めると振り返ったそいつを見て、慌てて口を閉じる。

これ以上なにかされたらたまったもんじゃない。このまま帰ってくれ。

そう祈るようにみつめるが、そいつはぽんと手を叩くと、ニンマリと笑みを浮かべる。

「ああ、そうそう。一つ忘れていた」

そのまま忘れていてください。



「私もダンジョン造ることにしたから、完成したらぜひ遊びにきてほしい」

そういうと、そいつはふっとかき消すように居なくなるのであった。
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