218 / 304
「218話」
しおりを挟む
顎をさする俺を見て、固まった笑顔のままエマ中尉が話しかけてくる。
「……仲が良いのですね」
「ええ、小さい頃からずっと一緒にエブッ」
エマ中尉の言葉に、ちょっと嬉しくなった俺はクロについて語ろうとして……口に猫パンチを受けて黙る。
まったく、クロってば……なに、初対面の相手に馴れ馴れしく話してんじゃないわよ! みたいな感じだろうか。
愛い奴め。
とか考えてたら追加で4発ぐらい猫パンチをもらった。
目、鼻、口に的確に当ててきたぞっ。
「ブフッ……失礼」
なにわろてんねん。
「明日、ダンジョンに潜る際には恐らく我々は島津さん方と同じパーティーになるかと思います」
「あ、そうなんですね。と、なると階層更新を目指す感じですか?」
島津さん方ってことは、いつもの自衛隊のメンバーと一緒ってことだろう。
日本で一番攻略進んでるメンバーとパーティーになるんだ。この機会に可能な限りレベルを上げて、階層更新したいだろう。
「はい、そうなりますね。島津さん方と一緒であれば、問題なく進めるでしょう……本当に助かります」
「いえいえ。困った時はお互い様ですよ」
なので、俺が何かあった時は助けてくださいね?
具体的に言うと、今回の滞在期間中なにごとも無く過ごせるようにして欲しいなーなんて思うのですよ。
期待しちゃうからね?
さて、挨拶は終わった。
なにやらエマ中尉がソワソワしているが、特に何かを言いだすでもなく黙っている。
なんじゃろな。
うーん。
何か話題ないか?
……無難にダンジョンのお話でもしますかね。
ちょっと気になってたこともあるし。
「そういえば、苦戦しているという話でしたけど、またスライムみたいな厄介な敵が出てきたんですか?」
前にもなんか苦戦してたよね。
あの時は尻尾生やして解決したはずだ。
尻尾ありで苦戦するということは、スライムそのものじゃないだろう。
あれは核を壊せば終わりだからね。考えられるのはー……防御高すぎとか、回復能力高すぎ……あと、居てほしくはないけど、物理無効なタイプとかね。いわゆる幽霊的なやつ。
もしそうだったら俺は帰る。それかフロア毎ブレスでぶっ飛ばすかだ。
「スライム……ではないですが、似たようなものとも言えなくはないですね」
「ふむ?」
ん? スライムに似たようなもの……核のないスライムとか? いや、それだとスライムには変わりないか。
なにが出たんだろうね。
「見た目は巨大な山羊が近いかと思います。ただ、形状があいまいなんです。通常時は奴の体は鉄より堅く、その体液は酷く粘り気があって、刃が深く刺さりません。そして時にはドロドロに。不透明であったり透明にもなったりと……ある程度ダメージを与えると、ドロドロになる傾向が強いですね。そしてドロドロになったあいつにはあまりダメージが通りません。さらに厄介なのが自己治癒能力も持っていまして……」
ほほう。
「ドロドロから戻ったら、傷が治ってるとか?」
「そうです」
うわあ。面倒な相手だな。
「確かにスライムに似てると言えなくはないですね。それなら核もあるのかな?」
核が無ければ下手すりゃずっと殴り続けて、結局倒せませんでしたー! みたいなはめになる。
通常時は核まで武器が届かず、ドロドロになった時にどうにか探して核を壊す感じかな? ドロドロ自体には攻撃してもあまり意味は無いのだろうし。……いや、それなら普通に倒せるよな。苦戦してるってことは違うってことか。
ウィリアムさんを見ると、どうにも苦い表情を浮かべている。
これ、核が無かったパターンか。そりゃまた面倒な。
「どうやって倒したんです?」
「全員の火力を集中して消し飛ばしました」
「おう、ごり押し……」
実にアメリカっぽくて良いと思います。
全部消し飛ばせば、そりゃ弱点云々なんて関係ないもんね。
「数が多いと無理ですね。退却するしかないです」
「なるほど。とりあえず、明日実際に見て対策考えます」
「よろしくお願いします」
そんな話をして、ウィリアムさん達とは別れた。
その後、ウィリアムさん達と話をしていたのを見てか、ちょいちょい色んな人が声を掛けてきたけど、どれもただ挨拶に来ただけだったり、軽く雑談する程度だったりと、特に事前に警戒してたようなハニトラ的なものはなかったと思いたい。むさいおっさんが大半だったし。
俺にはそっちの趣味は無い。
冗談だよ。
まあ、初日からなんかしてくるってのはさすがに無いのだろう。
とりあえず警戒は解かずに1週間乗り切るとしよう。
んで、その翌朝。
昨晩はお楽しみでしたね。なんてこともなく、隊員さん達と朝食をとった俺とクロはダンジョンへと装備をとりに向かっていた。
「おっし、装備はばっちりと」
いつもの装備を見に着けて、軽く鏡でチェックして満足そうに頷く。
「ほんとこの部屋便利だな。どのダンジョンからでもアクセスできるんだもんなー」
これで別のダンジョンにも自由に出入り出来たらいいのだけど。さすがにそれは無理か。
それが出来ちゃったら、下手すりゃ他国の者が自国に自由に出入り出来てしまう。
そのへんをアマツが考えて、施設のみ共通にしてるのだろう。
「準備できたか?」
部屋を出ると、既にみんなの準備は終わっていた。
はやいな。
「ええ、ばっちりです」
「それじゃ行くぞ。向こうは既に全員集まってるそうだ」
「おおう」
自衛隊が早いのかと思ったら、アメリカも早かった。
まさかもう集合場所に揃ってるとは。
遅れちゃいかんと、隊員さん達の後に続いて、集合場所へと向かう。
集合場所へと近づくと、少しざわめきが聞こえてきた。
本当にもう集合場所に集まっているのだろう。
そして集合場所に隊員さん達が入ると、急にざわめきが大きくなった。
「え、なにこのざわめき」
別に自衛隊員なんて見慣れているはずだろう。だが、このざわめきはどうにも困惑? しているような感じがした。
なんだ、何があった?
「……こいつらなんで尻尾が無いんだ? 耳はついてるけど……」
一体どうしたのかと、アメリカの隊員さんを観察していると違和感を覚える。
なぜか尻尾が生えていないのだ。
「なんかおかしい」
「ああ、なんだろうな……」
俺のつぶやきに同意するように、都丸さんも困惑した表情を浮かべる。
自衛隊の待機場所に向かう間も、向かってからもざわめきは収まらない。
……みんな目を見開いて、明らかに驚愕した表情でこちらを見ている。どういうことだ? 訳が分からない。
事情を知ってそうで、且つ教えてくれそうな人は……いた。
奥の方で、こそこそしていたウィリアムさんを発見した俺は、天井を駆けて、彼の目の前へと降り立った。
「ウィリアムさん」
「し、島津さん……どうしましたか?」
ギョッとした表情を浮かべたウィリアムさんであったが、すぐに笑顔を浮かべ俺への対応を始める。
「なんで皆尻尾がないんです?」
「そ、それは……」
俺の問いに、ウィリアムさんは明らかに動揺した。
鼓動が一気に跳ね上がり、心音が上がり、額には薄っすらと汗がにじみ、目がキョロキョロと忙しなく動く。
俺はそれを見て、軽く息を吐いた。
「この状態で、その山羊擬きと戦ってるってことですよね? そりゃ苦戦しますよ」
「尻尾は必須装備……ですか」
「ええ、その通りです」
当然でしょーがっ。
それでスライムとの戦い乗り切ったんだから、ウィリアムさんだって必須装備なんてことは分かっているはずだ。
……なのになぜか誰も着けていないんだよな。げせぬ。
いや、全員ではないな。例のベジタリアンになった隊員は着けてるっぽい。
なんだろうな。
そんなに猫耳尻尾が嫌だったのだろうか……。
俺がそう、色々と思考を巡らせている間に、ウィリアムさんはどうにか気持ちの整理をつけたようだ。
意を決したように、顔を上げると、ぐっと歯を食いしばって後ろを振り返る。
「わかり……ました。少しお時間をください……おい、お前ら! 装備を変更するぞ!!」
そう叫んだ、直後。悲痛な叫びがあちこちから上がった。
……なんでやん。
そこまで、そこまで嫌だったかと若干凹んだ俺ですが、大丈夫です。
猫耳尻尾は必須装備だと期間中に全員に叩き込んでやろうじゃないか。
なんなら別に猫にこだわらなくても良い。今となっては猫以外の耳尻尾セットもあるからな……各員の趣味に合わせたものを着ければいい。
そう、俺が決意を新たにしていると、ぞろぞろと耳と尻尾をつけた一団が戻ってきた。
その姿に俺は違和感を覚える。
「……? あれ? 都丸さん、なんかおかしくないですか?」
「? 何がだ? ……んんん??」
何がと言われると難しいが、普段見ている隊員さんの耳尻尾と、どこか違う気がするのだ。
俺が首を傾げていると、都丸さんも彼らを観察してクエスチョンマークを頭に浮かべた。
やっぱ何かが違う。
一体何が違うのだろうか? 髪の色とか体格とか、そのへんに違和感を覚えたのか?
……いや、違うな。これは……そうだ。位置が違う。
「尻尾の位置が妙に下に……直刺し??」
ないわー。
変態かよ。
「……仲が良いのですね」
「ええ、小さい頃からずっと一緒にエブッ」
エマ中尉の言葉に、ちょっと嬉しくなった俺はクロについて語ろうとして……口に猫パンチを受けて黙る。
まったく、クロってば……なに、初対面の相手に馴れ馴れしく話してんじゃないわよ! みたいな感じだろうか。
愛い奴め。
とか考えてたら追加で4発ぐらい猫パンチをもらった。
目、鼻、口に的確に当ててきたぞっ。
「ブフッ……失礼」
なにわろてんねん。
「明日、ダンジョンに潜る際には恐らく我々は島津さん方と同じパーティーになるかと思います」
「あ、そうなんですね。と、なると階層更新を目指す感じですか?」
島津さん方ってことは、いつもの自衛隊のメンバーと一緒ってことだろう。
日本で一番攻略進んでるメンバーとパーティーになるんだ。この機会に可能な限りレベルを上げて、階層更新したいだろう。
「はい、そうなりますね。島津さん方と一緒であれば、問題なく進めるでしょう……本当に助かります」
「いえいえ。困った時はお互い様ですよ」
なので、俺が何かあった時は助けてくださいね?
具体的に言うと、今回の滞在期間中なにごとも無く過ごせるようにして欲しいなーなんて思うのですよ。
期待しちゃうからね?
さて、挨拶は終わった。
なにやらエマ中尉がソワソワしているが、特に何かを言いだすでもなく黙っている。
なんじゃろな。
うーん。
何か話題ないか?
……無難にダンジョンのお話でもしますかね。
ちょっと気になってたこともあるし。
「そういえば、苦戦しているという話でしたけど、またスライムみたいな厄介な敵が出てきたんですか?」
前にもなんか苦戦してたよね。
あの時は尻尾生やして解決したはずだ。
尻尾ありで苦戦するということは、スライムそのものじゃないだろう。
あれは核を壊せば終わりだからね。考えられるのはー……防御高すぎとか、回復能力高すぎ……あと、居てほしくはないけど、物理無効なタイプとかね。いわゆる幽霊的なやつ。
もしそうだったら俺は帰る。それかフロア毎ブレスでぶっ飛ばすかだ。
「スライム……ではないですが、似たようなものとも言えなくはないですね」
「ふむ?」
ん? スライムに似たようなもの……核のないスライムとか? いや、それだとスライムには変わりないか。
なにが出たんだろうね。
「見た目は巨大な山羊が近いかと思います。ただ、形状があいまいなんです。通常時は奴の体は鉄より堅く、その体液は酷く粘り気があって、刃が深く刺さりません。そして時にはドロドロに。不透明であったり透明にもなったりと……ある程度ダメージを与えると、ドロドロになる傾向が強いですね。そしてドロドロになったあいつにはあまりダメージが通りません。さらに厄介なのが自己治癒能力も持っていまして……」
ほほう。
「ドロドロから戻ったら、傷が治ってるとか?」
「そうです」
うわあ。面倒な相手だな。
「確かにスライムに似てると言えなくはないですね。それなら核もあるのかな?」
核が無ければ下手すりゃずっと殴り続けて、結局倒せませんでしたー! みたいなはめになる。
通常時は核まで武器が届かず、ドロドロになった時にどうにか探して核を壊す感じかな? ドロドロ自体には攻撃してもあまり意味は無いのだろうし。……いや、それなら普通に倒せるよな。苦戦してるってことは違うってことか。
ウィリアムさんを見ると、どうにも苦い表情を浮かべている。
これ、核が無かったパターンか。そりゃまた面倒な。
「どうやって倒したんです?」
「全員の火力を集中して消し飛ばしました」
「おう、ごり押し……」
実にアメリカっぽくて良いと思います。
全部消し飛ばせば、そりゃ弱点云々なんて関係ないもんね。
「数が多いと無理ですね。退却するしかないです」
「なるほど。とりあえず、明日実際に見て対策考えます」
「よろしくお願いします」
そんな話をして、ウィリアムさん達とは別れた。
その後、ウィリアムさん達と話をしていたのを見てか、ちょいちょい色んな人が声を掛けてきたけど、どれもただ挨拶に来ただけだったり、軽く雑談する程度だったりと、特に事前に警戒してたようなハニトラ的なものはなかったと思いたい。むさいおっさんが大半だったし。
俺にはそっちの趣味は無い。
冗談だよ。
まあ、初日からなんかしてくるってのはさすがに無いのだろう。
とりあえず警戒は解かずに1週間乗り切るとしよう。
んで、その翌朝。
昨晩はお楽しみでしたね。なんてこともなく、隊員さん達と朝食をとった俺とクロはダンジョンへと装備をとりに向かっていた。
「おっし、装備はばっちりと」
いつもの装備を見に着けて、軽く鏡でチェックして満足そうに頷く。
「ほんとこの部屋便利だな。どのダンジョンからでもアクセスできるんだもんなー」
これで別のダンジョンにも自由に出入り出来たらいいのだけど。さすがにそれは無理か。
それが出来ちゃったら、下手すりゃ他国の者が自国に自由に出入り出来てしまう。
そのへんをアマツが考えて、施設のみ共通にしてるのだろう。
「準備できたか?」
部屋を出ると、既にみんなの準備は終わっていた。
はやいな。
「ええ、ばっちりです」
「それじゃ行くぞ。向こうは既に全員集まってるそうだ」
「おおう」
自衛隊が早いのかと思ったら、アメリカも早かった。
まさかもう集合場所に揃ってるとは。
遅れちゃいかんと、隊員さん達の後に続いて、集合場所へと向かう。
集合場所へと近づくと、少しざわめきが聞こえてきた。
本当にもう集合場所に集まっているのだろう。
そして集合場所に隊員さん達が入ると、急にざわめきが大きくなった。
「え、なにこのざわめき」
別に自衛隊員なんて見慣れているはずだろう。だが、このざわめきはどうにも困惑? しているような感じがした。
なんだ、何があった?
「……こいつらなんで尻尾が無いんだ? 耳はついてるけど……」
一体どうしたのかと、アメリカの隊員さんを観察していると違和感を覚える。
なぜか尻尾が生えていないのだ。
「なんかおかしい」
「ああ、なんだろうな……」
俺のつぶやきに同意するように、都丸さんも困惑した表情を浮かべる。
自衛隊の待機場所に向かう間も、向かってからもざわめきは収まらない。
……みんな目を見開いて、明らかに驚愕した表情でこちらを見ている。どういうことだ? 訳が分からない。
事情を知ってそうで、且つ教えてくれそうな人は……いた。
奥の方で、こそこそしていたウィリアムさんを発見した俺は、天井を駆けて、彼の目の前へと降り立った。
「ウィリアムさん」
「し、島津さん……どうしましたか?」
ギョッとした表情を浮かべたウィリアムさんであったが、すぐに笑顔を浮かべ俺への対応を始める。
「なんで皆尻尾がないんです?」
「そ、それは……」
俺の問いに、ウィリアムさんは明らかに動揺した。
鼓動が一気に跳ね上がり、心音が上がり、額には薄っすらと汗がにじみ、目がキョロキョロと忙しなく動く。
俺はそれを見て、軽く息を吐いた。
「この状態で、その山羊擬きと戦ってるってことですよね? そりゃ苦戦しますよ」
「尻尾は必須装備……ですか」
「ええ、その通りです」
当然でしょーがっ。
それでスライムとの戦い乗り切ったんだから、ウィリアムさんだって必須装備なんてことは分かっているはずだ。
……なのになぜか誰も着けていないんだよな。げせぬ。
いや、全員ではないな。例のベジタリアンになった隊員は着けてるっぽい。
なんだろうな。
そんなに猫耳尻尾が嫌だったのだろうか……。
俺がそう、色々と思考を巡らせている間に、ウィリアムさんはどうにか気持ちの整理をつけたようだ。
意を決したように、顔を上げると、ぐっと歯を食いしばって後ろを振り返る。
「わかり……ました。少しお時間をください……おい、お前ら! 装備を変更するぞ!!」
そう叫んだ、直後。悲痛な叫びがあちこちから上がった。
……なんでやん。
そこまで、そこまで嫌だったかと若干凹んだ俺ですが、大丈夫です。
猫耳尻尾は必須装備だと期間中に全員に叩き込んでやろうじゃないか。
なんなら別に猫にこだわらなくても良い。今となっては猫以外の耳尻尾セットもあるからな……各員の趣味に合わせたものを着ければいい。
そう、俺が決意を新たにしていると、ぞろぞろと耳と尻尾をつけた一団が戻ってきた。
その姿に俺は違和感を覚える。
「……? あれ? 都丸さん、なんかおかしくないですか?」
「? 何がだ? ……んんん??」
何がと言われると難しいが、普段見ている隊員さんの耳尻尾と、どこか違う気がするのだ。
俺が首を傾げていると、都丸さんも彼らを観察してクエスチョンマークを頭に浮かべた。
やっぱ何かが違う。
一体何が違うのだろうか? 髪の色とか体格とか、そのへんに違和感を覚えたのか?
……いや、違うな。これは……そうだ。位置が違う。
「尻尾の位置が妙に下に……直刺し??」
ないわー。
変態かよ。
3
あなたにおすすめの小説
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる