誰でも職業をもらえる世界で無職と言われた俺は「職業合成師」の力に覚醒する ~剣聖奴隷や王女メイドの最強ハーレムパーティーを作る~

今川幸乃

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因縁の再会と決着

方針

 ギルドに戻ると、待っていた三人は俺が無事だったことにひとまず安心した表情を浮かべる。

「どうでしたか?」
「面倒なことになった。とりあえず宿に戻ろう。そこで話す」

 俺たちは宿に戻ると、一室に集まる。
 そこで俺はリオナに言われたことと、リオナがトロールのように複数の職業を持っていることなどを話した。

「と言う訳で、あいつはどうしても俺を連れて帰るつもりだ。とはいえ数日の猶予がある。そこでそもそもついていくかどうか自体で意見を聞きたい」

 これまで俺は教会に目をつけられることを恐れていたが、アルト公爵がここまで危険な実験をしているのであれば、彼は俺がどれだけ教会に睨まれていようと守ってはくれるだろう。

 また、ティアもこの件の真相を知ってしまえば隣国に送り返すようなことは出来なくなるはずだ。
 そのため、必ずしも悪いことばかりではない。

「ついていくかどうかというのもそうですが、ご主人様は仮に公爵が領民を連れて来てその職業を奪っているとして、それをいかがするつもりでしょうか?」

 リンが口を開く。
 確かにそもそも公爵の実験を阻止するのかどうかという問題もあるし、仮に阻止するとしてもついていくかいかないかという問題もある。

「正直俺はそこまで公爵の件に首を突っ込む気はない。確かに悪いことをしているのかもしれないが、他の貴族が領民から重税をとって餓死に追いやっているのと大して変わらない」
「分かりました。でしたらついていくのには反対です。ご主人様の力は貴族の欲望を満たすためだけに使うのはもったいないです」

 リンがはっきりと自分の意見を言った。
 続いて俺はティアを見る。

「私は……ついていってもいいと思います。積極的に行きたいというわけではありませんが、他にいい場所があるとも思えないので」

 どうせ行く場所がないなら自分を高く評価してくれる公爵についていくというのはありということだろう。
 最後に俺はフィリアを見る。

「私はそのような実験をする公爵のことは信用できない……でも逆に、逆らったときの怖さも感じている。そもそもリオナさんという方は敵に回して勝てるの?」
「正直分からない」

 普通の魔物であればギルドに問い合わせれば大体のデータがあり、体格や魔力などが平均よりも大きいか小さいかでそこから戦力を把握することが出来る。
 しかし公爵により改造された魔物がその範疇に収まるのかはよく分からない。

 そして一番不明なのがリオナ自身の強さだ。そもそも聖剣士自体が強い職業な上に、他にもいくつもの職業を持っている。俺の力はあくまで職業合成だが、それと似たような結果になるのか、それともそれとは別の結果になるのか。

「もっとも、倒せるとしてもその後どうするかっていう問題は残ると思うけど」
「そのときこそ、今度は正体を隠してエートランド王国にでも逃げるか」
「でもそうすると職業を売買するのは難しいですよね?」

 ティアが指摘する。
 しばらく職業の売買をやめて身を潜めてもいいが、そうなれば俺の一番の目的である「この力の限界を知る」ということから遠のいてしまう。
 それぐらいなら公爵の屋敷に招かれて俺の力の研究を進めてもいいのかもしれないと思ってしまう。
 他の三人もそれ以上の意見はないのか、沈黙が流れた。

 特にいい考えも浮かばず、結局俺は消極的な方針を口にする。

「分かった。リオナは数日ここに滞在すると言うし、明日はリオナたちの戦力を見てみよう。もし連れてきた魔物がとるに足らなければ公爵は大したことがないからさっさと蹴散らして逃げればいいし、魔物やリオナの力が強大であれば技術を盗むためということにして公爵の元に向かうことも考えよう」
「分かりました」

 俺の言葉に三人とも頷く。
 これまで自分の進路は自分で決めてきたのにこんなところで他人任せになってしまうのは悔しい。
 それに最初に来たトロールが快進撃を続けているところを見ると、リオナが連れてきた魔物たちもそれなりに強い可能性が高い。リオナだって圧倒的な戦力を持っているからこそ、公爵の実験のことも教えてくれたのだろう。

 そう考えると、この方針に決めた時点で公爵の屋敷に出向かなければならないのではないか?
 そんな思いが脳裏をよぎってしまうのだった。

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