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発表
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その後私はどうなるのだろうか、と心配はしたものの私にはどうにもなりません。
仕方なく自分の発表のマクシミリアンに指摘を受けた場所を直しつつ、微妙な気持ちで週末を過ごしました。
そして月曜日に学園にやってきて驚きました。
なんとアルバートもセラフィナも学園を欠席していたのです。
基本的に学園ではよほどの病気になった場合か、その家の公的な行事があった場合を除いて欠席は認められません。もしも認めると、それぞれ貴族の子女であるため勝手な理由をつけて休み始めるためです。
そしてアルバートとセラフィナの実家で何か行事があるという話は聞いていません。
ということはこれは逃亡でしょう。そんなことをしても全く解決しないどころか事態が悪化するだけだとちょっと考えれば分かるのに一体なぜこんなことをしたのでしょうか。
「どうしましょう」
私は途方に暮れながらマクシミリアンに相談します。
さすがに二人が休んで私たちの発表の完成度が下がっても、私たちの成績まで下がることはないと思います。とはいえドルク王の生涯、そしてアゴルア王国との戦いという二つのテーマが抜けてしまうと、発表としてのまとまりがなくなってしまいます。
「ソフィアは後世の評価を調べるにあたり、ドルク王の生涯について全体的に一通りの知識はあるだろう?」
「はい、ありますが」
「幸い授業は午後だ。そのざっくりした知識でドルク王の生涯について出来る範囲でまとめてくれないか?」
マクシミリアンの提案に私は驚きました。
が、彼は落ち着いた様子で続けます。
「僕も出来る範囲でドルク王の建国の戦いについてまとめてみる。幸いその時の戦いの功績で王国の初期体制が決まった部分もあるから、僕もある程度は調べたところがあるんだ」
「なるほど……分かりました。そういうことでしたら」
その後私は授業の間の休み時間や昼休みを使ってドルク王の生涯についてまとめました。
マクシミリアンも自分の席で必死に発表をまとめているのを見えます。
そんな訳で私たちは個別で作業をしていても妙な連帯感のようなものを感じるのでした。
そしていよいよ午後の授業がやってきます。
私たちのグループの発表は最後の方でしたが、やはりドルク王について調べているグループはいくつかありました。
クラスメイトの前で発表させられるということもあって、皆さすがに教科書通りの内容を並べるだけでなく一手間か二手間はかけた発表をしています。
もしもセラフィナが先週の金曜日にした発表をそのまますれば、大恥をかいたのは間違いないでしょう。
そしていよいよ私たちのグループの番がやってきます。
すでにクラス全体にアルバートとセラフィナが休んだことや、その原因がどうも先週末に喧嘩したことであったことは噂として流れていたらしいです。教室で集まっていたので、他のグループのクラスメイトたちの中に私たちの喧嘩を見た者がいたのでしょう。
そのため皆私とマクシミリアンに同情している様子でした。
日頃はセラフィナをちやほやしている男子たちもさすがに発表当日にいきなり休むのは許せないと思ったのか、皆失望している様子です。日頃から彼女を嫌っている女子は公然と陰口をたたいていました。
そんな中、私たちは前に出ます。
「皆さん知っての通り、今回はうちのグループの二人が欠席しています。そこで急ではありますが、私がアルバートの担当分であるドルク王の生涯についてを、」
「そして僕がセラフィナの担当分であるアゴルア王国との戦いを担当する」
私たちの言葉にクラスと、そして担当の先生は大きくざわめきます。
まさか私たちが自分の発表だけでなく休んだ人の分までカバーするとは思わなかったのでしょう。
「では発表を始めます」
そして私たちは発表を始めました。
休んだ二人のパートは即興でまとめたものになったのでクオリティは高くありませんでしたが、それでも少なくとも先週セラフィナがした発表よりは出来が良かったと思います。
そして次に私たちの発表に入ると、クラスだけでなく先生も目を丸くしました。
「……以上で発表を終わります」
私たちが発表を終えると、クラス全体から拍手が鳴り響いたのでした。
「すごい、とても学生が授業のために作った発表とは思えない素晴らしいものだ。その上休んだメンバーのフォローまでするとは」
先生もそんな賛辞をくれたのでした。
「ありがとうございます」
こうして二人の欠席というアクシデントにも関わらず発表は大成功したのです。
仕方なく自分の発表のマクシミリアンに指摘を受けた場所を直しつつ、微妙な気持ちで週末を過ごしました。
そして月曜日に学園にやってきて驚きました。
なんとアルバートもセラフィナも学園を欠席していたのです。
基本的に学園ではよほどの病気になった場合か、その家の公的な行事があった場合を除いて欠席は認められません。もしも認めると、それぞれ貴族の子女であるため勝手な理由をつけて休み始めるためです。
そしてアルバートとセラフィナの実家で何か行事があるという話は聞いていません。
ということはこれは逃亡でしょう。そんなことをしても全く解決しないどころか事態が悪化するだけだとちょっと考えれば分かるのに一体なぜこんなことをしたのでしょうか。
「どうしましょう」
私は途方に暮れながらマクシミリアンに相談します。
さすがに二人が休んで私たちの発表の完成度が下がっても、私たちの成績まで下がることはないと思います。とはいえドルク王の生涯、そしてアゴルア王国との戦いという二つのテーマが抜けてしまうと、発表としてのまとまりがなくなってしまいます。
「ソフィアは後世の評価を調べるにあたり、ドルク王の生涯について全体的に一通りの知識はあるだろう?」
「はい、ありますが」
「幸い授業は午後だ。そのざっくりした知識でドルク王の生涯について出来る範囲でまとめてくれないか?」
マクシミリアンの提案に私は驚きました。
が、彼は落ち着いた様子で続けます。
「僕も出来る範囲でドルク王の建国の戦いについてまとめてみる。幸いその時の戦いの功績で王国の初期体制が決まった部分もあるから、僕もある程度は調べたところがあるんだ」
「なるほど……分かりました。そういうことでしたら」
その後私は授業の間の休み時間や昼休みを使ってドルク王の生涯についてまとめました。
マクシミリアンも自分の席で必死に発表をまとめているのを見えます。
そんな訳で私たちは個別で作業をしていても妙な連帯感のようなものを感じるのでした。
そしていよいよ午後の授業がやってきます。
私たちのグループの発表は最後の方でしたが、やはりドルク王について調べているグループはいくつかありました。
クラスメイトの前で発表させられるということもあって、皆さすがに教科書通りの内容を並べるだけでなく一手間か二手間はかけた発表をしています。
もしもセラフィナが先週の金曜日にした発表をそのまますれば、大恥をかいたのは間違いないでしょう。
そしていよいよ私たちのグループの番がやってきます。
すでにクラス全体にアルバートとセラフィナが休んだことや、その原因がどうも先週末に喧嘩したことであったことは噂として流れていたらしいです。教室で集まっていたので、他のグループのクラスメイトたちの中に私たちの喧嘩を見た者がいたのでしょう。
そのため皆私とマクシミリアンに同情している様子でした。
日頃はセラフィナをちやほやしている男子たちもさすがに発表当日にいきなり休むのは許せないと思ったのか、皆失望している様子です。日頃から彼女を嫌っている女子は公然と陰口をたたいていました。
そんな中、私たちは前に出ます。
「皆さん知っての通り、今回はうちのグループの二人が欠席しています。そこで急ではありますが、私がアルバートの担当分であるドルク王の生涯についてを、」
「そして僕がセラフィナの担当分であるアゴルア王国との戦いを担当する」
私たちの言葉にクラスと、そして担当の先生は大きくざわめきます。
まさか私たちが自分の発表だけでなく休んだ人の分までカバーするとは思わなかったのでしょう。
「では発表を始めます」
そして私たちは発表を始めました。
休んだ二人のパートは即興でまとめたものになったのでクオリティは高くありませんでしたが、それでも少なくとも先週セラフィナがした発表よりは出来が良かったと思います。
そして次に私たちの発表に入ると、クラスだけでなく先生も目を丸くしました。
「……以上で発表を終わります」
私たちが発表を終えると、クラス全体から拍手が鳴り響いたのでした。
「すごい、とても学生が授業のために作った発表とは思えない素晴らしいものだ。その上休んだメンバーのフォローまでするとは」
先生もそんな賛辞をくれたのでした。
「ありがとうございます」
こうして二人の欠席というアクシデントにも関わらず発表は大成功したのです。
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