【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。

まりぃべる

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成敗! キャスター視点

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さぁ!今日はガブリエルを成敗するぞ!俺は前々から腹立たしかったんだ。よくここまで我慢したと自分を褒めてやりたいくらいだ!

婚約破棄の書類が昨日、夕方まで待っても届かなかったので、次の日オズワルト辺境伯の名前でドミニク伯爵とその子息を呼び出してもらい、辺境伯のタウンハウスで話し合いをする事にした。

本来的であれば、そのニ家で話し合いをするのだろうが、何か言われてもいけないから俺も立ち会う事とした。

昨日は、夕方俺は辺境伯のタウンハウスを後にすると、傍仕えのハーヴェストにこれからやるだろう為の証拠集めに動いてもらった。もちろん、前々から少しずつ集めてはいたがリーンの学友からオズワルト辺境伯宛に手紙が来た事でその裏取りなどをしてもらう為だ。
聡明で、慈悲深いリーンが悪事など働く訳がないのに、あの男はオブァンス男爵令嬢の言われるままにリーンを責め立てやがって!どちらが悪なのか一目瞭然であるのに。




俺は予定時刻より早くから来て、いつも通される応接室の隣の、一回り小さい応接室で待機していた。すると、馬車の音が聞こえてきてやがて、玄関で騒々しい声が聞こえた。

「やあオズワルト辺境伯。急に呼び出すなんて失礼じゃないか?まあこちらは礼儀があるから、きちんと来てやったが。」
あの声は、ガブリエルだな。先に失礼をしたのはそっちじゃないか!しかも、辺境伯の方がドミニク伯爵より位は上であるから本来であれば、そんな口のきき方は不敬であるのに気づいていないのか?まして、ガブリエルはまだ子ども。要職に就いている訳でもないからオズワルト辺境伯の方が断然格上であるのに…。全く。何を学んできたのやら。

「これ!ガブリエル!そんな事を言うもんじゃない!すまない…。」
ドミニク伯爵の声だな。今回の内容はすまないという言葉では足りないのだがな。

「では早速中へどうぞ。」
声を掛けたのは執事のセバスチャンだな。オズワルト辺境伯の声がここからでは聞こえないな。あんな事を言われ、どんな顔をしているんだろうか。内心ははらわたが煮えくりかえっているだろうに貴族であるから、表情は出さないように気を配っているだろうな。


「では早速。ガブリエル。昨日の卒業式で、うちの娘に婚約破棄だとか言う言葉を投げかけたそうだな。」
「え?あ、ああ。なんだ?アイリーンが泣きついてきたのか?」
「これ!何度も言っておる!口のききかた!すまん、オズワルド。それは本当なのか?」

隣の応接室の扉を少し開けてもらっているから、よく聞こえる。まさか、ガブリエルは父親に言っていないのか?

「ああ。昨日は家に帰ったのが遅くて、父上に伝えるのを忘れていました。アイリーンが、ソニアに酷いことばかりするから、もう堪え切れなかったんだ。自業自得だろ?」
全く…ガブリエルは救いようがないな。まずもって婚約を無いものとしたいなら手順がある。あんな公衆の面前でやる事ではない。しかし、破棄という言葉を使ってしまっている。最悪な言葉だ。言われた方は何かあるんじゃないかと、周りで聞いた者達は、憶測で噂したりするだろう。
まぁ、リーンの場合は普段の行いが良かったからか、学友達が意見書を出してくれ、変な噂もそこまで一人歩きしないだろう。
婚約破棄した上に【オブァンス男爵令嬢と結婚する】とかぬかしたので、不義をしていたんだろうと噂されるのは逆にガブリエルの方なのに気づいていないのか。おめでたい奴だな。しかしこんな阿呆が伯爵の跡継ぎだとは考えられんな。今まで何を学んできたのやら…。学院ではその気になれば、専門外の事まで学べるように、選択制の授業もたくさんあったのに。

「ガブリエル…!なんて事をした!オズワルド、私の息子が申し訳ない事をした!許してくれ!」
何をいっているんだ!?さすが、阿呆の親は阿呆とはよく言ったものだ。そろそろ俺の出番かな?隣の部屋へ向かうか。

「こんの…馬鹿にしておるのか!?一度発してしまった言葉は、無くす事は出来んわ!娘を侮辱しおって。しかも、一度や二度ではなかったそうだな!ガブリエル!お前は学院で何を学んできた!?伯爵家の長男だからって遊び呆けていたのか?次期伯爵なら、学ぶ事はたくさんあったろうに。婚約者がおったのに他の女にうつつを抜かすとは。愚か者め!許せるわけなかろうが!!!」

おおっと!さすが辺境伯…。この国の国境を護っているだけあるよな。怒らすと怖いな…。でも、リーンが怯えたら可哀想だ。

「失礼するよ。全くその通りだよね。」
「お、王太子殿下!?」
「なんでお前が…」
ガブリエルにお前と言われたくないな。でもま、不敬罪より辛い罪を味わわせないと気が済まないからな。

「お前とは失礼だぞ。婚約破棄したいんだろう?書類を用意してやったぞ。こういうのは早いのがいい。ここで早く書け
。」
そういうと、扉で控えていた俺の傍仕えのハーヴェストが必要な書類を間にある机に置き、羽根ペンもすばやく用意した。こいつは俺より5つほど年上なだけなのに仕事が早くて完璧なんだよな。

「はぁ?今?」
ガブリエル。何を言っているんだ…。
「ガブリエル。自分の言葉に重みを持て。そして、その軽率な言葉によっていろんな人の人生を変えたのだ。責任を取るべきだ。貴族ならなおさらだ。」
「チッ…。わかったよ!偉そうに…。」
実際偉いんだけどな。お前よりも、すでに実務とかこなしているんだぞ?

「お、王太子殿下…、息子がとんだ言葉遣いを…。申し訳ありません。」
「それから、ドミニク伯爵よ。残念だかきちんと責任を取らないといけないよ。わかるね?」
「え…ええと…。」
「近い内に、沙汰が出ると思うが準備もあるだろうから今伝えておく。ムッカスは退いてもらう。伯爵には、」
「だってよ、父上。おれがやってやるよ。」
はぁ?本当、大丈夫なのか…。
「ガブリエル、お前の頭の中を見てみたいよ。ガブリエルは、数多くの証言を得ているんだ。アイリーンへの誹謗中傷。侮辱罪も成立するなぁ。あ、あと傷害罪もね。か弱い令嬢に、手を出したんだから。ま、君は伯爵家にはもういられないだろうね。」
すると、ガブリエルは勝ち誇ったような顔から一転、顔を真っ赤にして叫び出した。

「はぁ?何言っているんだ!あり得ない!ソニアに悪事を働いていたアイリーンこそ裁かれるべきであって、おれがなんで!」
「じゃあ君は、アイリーンがその、悪事とやらをしていた所を見ていたのか?」
「見てはいないさ。おれがいないところでコソコソとソニアにやっているんだ!」
「いつ?アイリーンは学院で、そんな無駄な事に時間を使っていないよ。空いた時間があれば、先生や学友と一緒にいて勉学に、励んでいた。もしくは図書室で独学で学んでいた。あるいは、タウンハウスへ帰り、家庭教師などに教わっていたよ。現場を見てもいないのに、オブァンス男爵令嬢の言葉だけを鵜呑みにしてアイリーンを罵っていたろ。それは立派な犯罪だ。」
「な…なわけないだろ!ソニアが一人になった所へ、アイリーンはわざわざ来てやっているんだ!」
「ガブリエル。君はよくオブァンス男爵令嬢と一緒にいたみたいじゃないか。寮にまで送ったりしていたんだろう?それでよく、一人になった時って言うね。勉学に励んできていたアイリーンが、どうやってオブァンス男爵令嬢の一人になった時間と場所が分かるのかな?」
「そ…それは…おれ達の後をつけて…」
「ははは。それこそあり得ないよね。」
なんだか、話すのも馬鹿馬鹿しくなってきたな。

「ま、いいや。君がどう思おうと勝手だよ。だけど罪を犯した者はそのままにしておけない。そうだろ?」
「いや、でも伯爵家が…。」
「伯爵家ねぇ…。負債がどんだけあるのか知っているの?その負債、アイリーンとの結婚によって、その持参金で完済しようとしてたらしいけど知ってた?んー、オブァンス男爵令嬢に支払ってもらうのかな?ま、伯爵家の心配するんだったら、もっと学業に専念していた方が良かったよね。その点は大丈夫だよ。君には弟がいたよね?彼は君とは違ってしっかりしていて、学業も家庭教師からしっかり学んでいるからね。」
「グレイグ?いや、あいつは…」
ガブリエルは驚いてるけど君より遥かに伯爵向きだったよ。確か、4歳下だよな。まだ学院にも通っていないのにしっかり受け答えもして。

「君よりよっぽど優秀だよ。負債は、屋敷にあるものを幾つかと、タウンハウスを売り払うと言っていた。あとは領地開拓などをして、資金を増やすって。返済は、しっかり見通しがつくなら、待ってくれるだろうからね。」
「なんですと!?」
「あはは。ドレイク伯爵ごめんね。でも、仕方ないよね。弟君であるグレイグ君の方がよっぽど優秀だよね。どうすべきかちゃんと考えてるよ。」

「さぁ。こちらももう、あなた方とは関わり合いになりたくないので、さっさと書いて下さらんか。」
「オズワルト…。」
「ま、そういう事だ。」
トゥブァルク辺境伯もはっきり言っちゃったね。さぁこれであとは、あの男爵令嬢にも罰を与えておかないとな。やっと終わる!そして俺もやっとリーンと…!
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