9 / 24
二人で会話
しおりを挟む
「マーガレット嬢とお呼びしても?」
と言われた。うーん、でもどうせなら…って欲張っていいかしら?
「えっと、マーガレットで…。」
「はは。そうだね。マーガレット嬢と呼ぶには他人行儀過ぎるかな?では、緊張するんだが、マーガレットと呼ぶ事にしよう。それで、マーガレット。気に入らないかい?出来れば、顔を見て話したいのだが…。」
は!…そうね、恥ずかしいとはいえさすがにずっと下を向いて話すなんて失礼よね。
「ご、ごめんなさい…お恥ずかしくて…。」
と、顔を上げて改めて男爵様の顔を見つめた。
はぁ…相変わらず、金髪で深い青色の瞳は男性なのにとても綺麗ね。
今日は、髪をしっかりと前髪を後ろになでつけている。髪は縛らず、後ろに流している。
そして、黒色のスーツ。胸のポケットの所に銀の糸で刺繍がされているわ。決まってる、一言それに尽きるわね。
「そんなに見つめられるとこちらが恥ずかしくなるな。…ああ、ずっとこうしていたいけど、そうも言っていられないね。話を進めようか。」
そう言ってくれ、男爵様は用意された紅茶を一口飲んだ。
私も、心を落ち着けようと紅茶を口に含んだ。
「それでね、マーガレットはこの話どこまで聞いてる?手紙は君は読んだかな?」
と、優しく問いかけてくれた。
「いいえ。手紙は見ておりません。お父様が、『結婚支度金を用意して下さるけど、私は身一つで嫁いで来ればいい』と言ってたのですが、どういう意味でしょうか。」
と私は恐る恐る聞いた。だって、もし違ったらとてつもなく恥ずかしいもの。
「あーなるほどね。まぁ、ある意味そうなんだけど…。何から話そうかな…。あ!違った!済まない。順番を間違えた。商談ではこんな事ないんだけど…やはり緊張しているって事かな。」
と、苦笑交じりでまた、紅茶を飲まれた。そして、カップを置くと、襟を正してから私の方を向いて、
「マーガレット。君は、俺と結婚してくれる?」
と、言った。
改めて言われると恥ずかしいわ…。
でも、私も一応は貴族だもの。結婚はお父様から決められるものだと思っていた。まぁ、まだまだ遠い話とは思っていたし、家が貧しい為結婚は少し諦めてもいた。だから、こんな降って湧いたような話、正直言って驚いているけれど、相手が知っている人で嬉しかった。
「はい!…でも、どうして私なのですか?止めた方が…」
「え!?どういう事!?」
今度は男爵様がうろたえ始めた。
「うちは、ここへ来て薄々勘づいたかもしれませんが貧しいです。そして、私も貧しい故働いているのです。あの…手違いじゃないのですか?手違いなら止めていただいても…。」
なんだか自分で話していて恥ずかしいわ。自分の家が貧しいなんて。まぁ、現状そうなのだから仕方ないのだけれど。
「大丈夫。手違いなんかじゃないよ。じゃあそこから説明しようか。」
と言われた。うーん、でもどうせなら…って欲張っていいかしら?
「えっと、マーガレットで…。」
「はは。そうだね。マーガレット嬢と呼ぶには他人行儀過ぎるかな?では、緊張するんだが、マーガレットと呼ぶ事にしよう。それで、マーガレット。気に入らないかい?出来れば、顔を見て話したいのだが…。」
は!…そうね、恥ずかしいとはいえさすがにずっと下を向いて話すなんて失礼よね。
「ご、ごめんなさい…お恥ずかしくて…。」
と、顔を上げて改めて男爵様の顔を見つめた。
はぁ…相変わらず、金髪で深い青色の瞳は男性なのにとても綺麗ね。
今日は、髪をしっかりと前髪を後ろになでつけている。髪は縛らず、後ろに流している。
そして、黒色のスーツ。胸のポケットの所に銀の糸で刺繍がされているわ。決まってる、一言それに尽きるわね。
「そんなに見つめられるとこちらが恥ずかしくなるな。…ああ、ずっとこうしていたいけど、そうも言っていられないね。話を進めようか。」
そう言ってくれ、男爵様は用意された紅茶を一口飲んだ。
私も、心を落ち着けようと紅茶を口に含んだ。
「それでね、マーガレットはこの話どこまで聞いてる?手紙は君は読んだかな?」
と、優しく問いかけてくれた。
「いいえ。手紙は見ておりません。お父様が、『結婚支度金を用意して下さるけど、私は身一つで嫁いで来ればいい』と言ってたのですが、どういう意味でしょうか。」
と私は恐る恐る聞いた。だって、もし違ったらとてつもなく恥ずかしいもの。
「あーなるほどね。まぁ、ある意味そうなんだけど…。何から話そうかな…。あ!違った!済まない。順番を間違えた。商談ではこんな事ないんだけど…やはり緊張しているって事かな。」
と、苦笑交じりでまた、紅茶を飲まれた。そして、カップを置くと、襟を正してから私の方を向いて、
「マーガレット。君は、俺と結婚してくれる?」
と、言った。
改めて言われると恥ずかしいわ…。
でも、私も一応は貴族だもの。結婚はお父様から決められるものだと思っていた。まぁ、まだまだ遠い話とは思っていたし、家が貧しい為結婚は少し諦めてもいた。だから、こんな降って湧いたような話、正直言って驚いているけれど、相手が知っている人で嬉しかった。
「はい!…でも、どうして私なのですか?止めた方が…」
「え!?どういう事!?」
今度は男爵様がうろたえ始めた。
「うちは、ここへ来て薄々勘づいたかもしれませんが貧しいです。そして、私も貧しい故働いているのです。あの…手違いじゃないのですか?手違いなら止めていただいても…。」
なんだか自分で話していて恥ずかしいわ。自分の家が貧しいなんて。まぁ、現状そうなのだから仕方ないのだけれど。
「大丈夫。手違いなんかじゃないよ。じゃあそこから説明しようか。」
78
あなたにおすすめの小説
醜い私は妹の恋人に騙され恥をかかされたので、好きな人と旅立つことにしました
つばめ
恋愛
幼い頃に妹により火傷をおわされた私はとても醜い。だから両親は妹ばかりをかわいがってきた。伯爵家の長女だけれど、こんな私に婿は来てくれないと思い、領地運営を手伝っている。
けれど婚約者を見つけるデェビュタントに参加できるのは今年が最後。どうしようか迷っていると、公爵家の次男の男性と出会い、火傷痕なんて気にしないで参加しようと誘われる。思い切って参加すると、その男性はなんと妹をエスコートしてきて……どうやら妹の恋人だったらしく、周りからお前ごときが略奪できると思ったのかと責められる。
会場から逃げ出し失意のどん底の私は、当てもなく王都をさ迷った。ぼろぼろになり路地裏にうずくまっていると、小さい頃に虐げられていたのをかばってくれた、商家の男性が現れて……
王宮で虐げられた令嬢は追放され、真実の愛を知る~あなた方はもう家族ではありません~
葵 すみれ
恋愛
「お姉さま、ずるい! どうしてお姉さまばっかり!」
男爵家の庶子であるセシールは、王女付きの侍女として選ばれる。
ところが、実際には王女や他の侍女たちに虐げられ、庭園の片隅で泣く毎日。
それでも家族のためだと耐えていたのに、何故か太り出して醜くなり、豚と罵られるように。
とうとう侍女の座を妹に奪われ、嘲笑われながら城を追い出されてしまう。
あんなに尽くした家族からも捨てられ、セシールは街をさまよう。
力尽きそうになったセシールの前に現れたのは、かつて一度だけ会った生意気な少年の成長した姿だった。
そして健康と美しさを取り戻したセシールのもとに、かつての家族の変わり果てた姿が……
※小説家になろうにも掲載しています
奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
お母さんに捨てられました~私の価値は焼き豚以下だそうです~【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公リネットの暮らすメルブラン侯爵領には、毎年四月になると、領主である『豚侯爵』に豚肉で作った料理を献上する独特の風習があった。
だが今年の四月はいつもと違っていた。リネットの母が作った焼き豚はこれまでで最高の出来栄えであり、それを献上することを惜しんだ母は、なんと焼き豚の代わりにリネットを豚侯爵に差し出すことを思いつくのである。
多大なショックを受けつつも、母に逆らえないリネットは、命令通りに侯爵の館へ行く。だが、実際に相対した豚侯爵は、あだ名とは大違いの美しい青年だった。
悪辣な母親の言いなりになることしかできない、自尊心の低いリネットだったが、侯爵に『ある特技』を見せたことで『遊戯係』として侯爵家で働かせてもらえることになり、日々、様々な出来事を経験して成長していく。
……そして時は流れ、リネットが侯爵家になくてはならない存在になった頃。無慈悲に娘を放り捨てた母親は、その悪行の報いを受けることになるのだった。
今、私は幸せなの。ほっといて
青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。
卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。
そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。
「今、私は幸せなの。ほっといて」
小説家になろうにも投稿しています。
犠牲になるのは、妹である私
木山楽斗
恋愛
男爵家の令嬢であるソフィーナは、父親から冷遇されていた。彼女は溺愛されている双子の姉の陰とみなされており、個人として認められていなかったのだ。
ソフィーナはある時、姉に代わって悪名高きボルガン公爵の元に嫁ぐことになった。
好色家として有名な彼は、離婚を繰り返しており隠し子もいる。そんな彼の元に嫁げば幸せなどないとわかっていつつも、彼女は家のために犠牲になると決めたのだった。
婚約者となってボルガン公爵家の屋敷に赴いたソフィーナだったが、彼女はそこでとある騒ぎに巻き込まれることになった。
ボルガン公爵の子供達は、彼の横暴な振る舞いに耐えかねて、公爵家の改革に取り掛かっていたのである。
結果として、ボルガン公爵はその力を失った。ソフィーナは彼に弄ばれることなく、彼の子供達と良好な関係を築くことに成功したのである。
さらにソフィーナの実家でも、同じように改革が起こっていた。彼女を冷遇する父親が、その力を失っていたのである。
さよなら聖女様
やなぎ怜
ファンタジー
聖女さまは「かわいそうな死にかた」をしたので神様から「転生特典」を貰ったらしい。真偽のほどは定かではないものの、事実として聖女さまはだれからも愛される存在。私の幼馴染も、義弟も――婚約者も、みんな聖女さまを愛している。けれども私はどうしても聖女さまを愛せない。そんなわたしの本音を見透かしているのか、聖女さまは私にはとても冷淡だ。でもそんな聖女さまの態度をみんなは当たり前のものとして受け入れている。……ただひとり、聖騎士さまを除いて。
※あっさり展開し、さくっと終わります。
※他投稿サイトにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる