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3. ドレス選び
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「さぁ、これはどう?」
「うーん、私にはちょっと地味じゃない?私、焦げ茶色の髪でしょう?お母様は真紅のドレスにしたじゃない?私はもう少し明るめの真っ赤か、ピンクのドレスの色がいいと思うのだけど、どうかしら?」
「そうねぇ…じゃぁ、真っ赤なドレスに、ピンクの花弁を咲かせるのはどお?」
「まぁ、お母様!素敵です!そんな感じにしてね。」
「承知いたしました。ではそちらのエミーリエ様は…」
「あー、グレーとかでいいんじゃない?壁の花って感じで。」
「お母様!今回は庭園だから、壁はないわよ!あ、一応室内もあったわね。でも、そうね、夜だからグレーにしたら闇夜に溶けて見えなくなっていいんじゃない ?」
「ヨ、ヨハナ様、それにガリナ様。グレーのドレスはちょっと…。」
「あら、どうして?いいんじゃない?」
ここは応接室。
今日はドレスの生地を選ぶ事だとかで、仕立屋が来ているの。
私も、お母様が生きていた頃はよく仕立屋を呼んでドレスや普段着るワンピースを作ってもらっていたが、お母様が亡くなってからは二人は仕立屋を呼んで作っていたが、私は作ってもらっていなかった。
でも、仕立屋のマダムは私の事を覚えてくれていたみたいで、部屋に入ってきて、十数年ぶりに私を見てものすごく驚き、二人に見えないようにこっそりと微笑みかけてくれた。
中央のテーブルへ生地の見本を出してくれた仕立屋のマダムに、あれこれと言っているのは主にガリナ。ヨハナもいろいろと言っているが、私は少し離れたイスに座っていた。
「ねぇ、お姉様。お姉様は何でもいいわよね?」
ガリナは、そう私に言ってきた。確かに、私は月夜会に少なからず行ってみたい気持ちはあったが、二人と一緒に行かないといけない為、気乗りしなかった。だから、ガリナの言うように何でもいい、が当てはまってしまう。
私が意見を言って、なんやかんやと言われるのが煩わしいのもあるけれど。
「ええ、そうですね。私は、このような会は初めてなのです。ですから、どのような感じでも構いません。」
「ほら!ね?だから、そうしてちょうだい!分かった?」
「エミーリエ様…!では、僭越ながら私どもが決めさせて頂いてもよろしいですか?私どもも、仕立屋というプライドがございます。下手な物は作れないのです。ですから、エミーリエ様の希望が特に無いとの事ですから、私どもがエミーリエ様に合う最善の物を作らせては頂けませんか。もちろん、予算内で、抑えさせて頂きます。」
「えー最善じゃなくてもいいわよ。」
「…プライドね。まぁ、分からなくもないわ。じゃあ、そうしてちょうだい。でも、ガリナのドレスの方を素敵にするのは忘れないでよ。」
「それはもう、ヨハナ様とガリナ様のドレスは、出された希望に添うように作らせて頂きます、ええもちろん。」
マダムがそう言うと、それで結構、と一言言ってから、話は終わりとばかりにヨハナとガリナは早々に席を立った。
マダムは生地の見本を鞄にしまい、帰り際に、扉の前で立って見送ろうとした私の前まで来ると一度止まり、鞄を床に置いて私の両手を握り、『大きくなられましたね…!どうされていらっしゃるか、心配しておりました…!』と涙ながらに言われました。
「マダム…覚えていてくれたのね、ありがとう。」
「何を仰います!…誠心誠意、心を込めて作らせて頂きますね!」
「ありがとう、マダム。でも、あまり…その…あれだと…」
「エミーリエ様…なんとなく、お察しします。ですので、ご心配なさらず。ではまたお会いしましょうね。」
「うーん、私にはちょっと地味じゃない?私、焦げ茶色の髪でしょう?お母様は真紅のドレスにしたじゃない?私はもう少し明るめの真っ赤か、ピンクのドレスの色がいいと思うのだけど、どうかしら?」
「そうねぇ…じゃぁ、真っ赤なドレスに、ピンクの花弁を咲かせるのはどお?」
「まぁ、お母様!素敵です!そんな感じにしてね。」
「承知いたしました。ではそちらのエミーリエ様は…」
「あー、グレーとかでいいんじゃない?壁の花って感じで。」
「お母様!今回は庭園だから、壁はないわよ!あ、一応室内もあったわね。でも、そうね、夜だからグレーにしたら闇夜に溶けて見えなくなっていいんじゃない ?」
「ヨ、ヨハナ様、それにガリナ様。グレーのドレスはちょっと…。」
「あら、どうして?いいんじゃない?」
ここは応接室。
今日はドレスの生地を選ぶ事だとかで、仕立屋が来ているの。
私も、お母様が生きていた頃はよく仕立屋を呼んでドレスや普段着るワンピースを作ってもらっていたが、お母様が亡くなってからは二人は仕立屋を呼んで作っていたが、私は作ってもらっていなかった。
でも、仕立屋のマダムは私の事を覚えてくれていたみたいで、部屋に入ってきて、十数年ぶりに私を見てものすごく驚き、二人に見えないようにこっそりと微笑みかけてくれた。
中央のテーブルへ生地の見本を出してくれた仕立屋のマダムに、あれこれと言っているのは主にガリナ。ヨハナもいろいろと言っているが、私は少し離れたイスに座っていた。
「ねぇ、お姉様。お姉様は何でもいいわよね?」
ガリナは、そう私に言ってきた。確かに、私は月夜会に少なからず行ってみたい気持ちはあったが、二人と一緒に行かないといけない為、気乗りしなかった。だから、ガリナの言うように何でもいい、が当てはまってしまう。
私が意見を言って、なんやかんやと言われるのが煩わしいのもあるけれど。
「ええ、そうですね。私は、このような会は初めてなのです。ですから、どのような感じでも構いません。」
「ほら!ね?だから、そうしてちょうだい!分かった?」
「エミーリエ様…!では、僭越ながら私どもが決めさせて頂いてもよろしいですか?私どもも、仕立屋というプライドがございます。下手な物は作れないのです。ですから、エミーリエ様の希望が特に無いとの事ですから、私どもがエミーリエ様に合う最善の物を作らせては頂けませんか。もちろん、予算内で、抑えさせて頂きます。」
「えー最善じゃなくてもいいわよ。」
「…プライドね。まぁ、分からなくもないわ。じゃあ、そうしてちょうだい。でも、ガリナのドレスの方を素敵にするのは忘れないでよ。」
「それはもう、ヨハナ様とガリナ様のドレスは、出された希望に添うように作らせて頂きます、ええもちろん。」
マダムがそう言うと、それで結構、と一言言ってから、話は終わりとばかりにヨハナとガリナは早々に席を立った。
マダムは生地の見本を鞄にしまい、帰り際に、扉の前で立って見送ろうとした私の前まで来ると一度止まり、鞄を床に置いて私の両手を握り、『大きくなられましたね…!どうされていらっしゃるか、心配しておりました…!』と涙ながらに言われました。
「マダム…覚えていてくれたのね、ありがとう。」
「何を仰います!…誠心誠意、心を込めて作らせて頂きますね!」
「ありがとう、マダム。でも、あまり…その…あれだと…」
「エミーリエ様…なんとなく、お察しします。ですので、ご心配なさらず。ではまたお会いしましょうね。」
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