【完結】義母が来てからの虐げられた生活から抜け出したいけれど…

まりぃべる

文字の大きさ
3 / 17

3. ドレス選び

しおりを挟む
「さぁ、これはどう?」

「うーん、私にはちょっと地味じゃない?私、焦げ茶色の髪でしょう?お母様は真紅のドレスにしたじゃない?私はもう少し明るめの真っ赤か、ピンクのドレスの色がいいと思うのだけど、どうかしら?」

「そうねぇ…じゃぁ、真っ赤なドレスに、ピンクの花弁を咲かせるのはどお?」

「まぁ、お母様!素敵です!そんな感じにしてね。」

「承知いたしました。ではそちらのエミーリエ様は…」

「あー、グレーとかでいいんじゃない?壁の花って感じで。」

「お母様!今回は庭園だから、壁はないわよ!あ、一応室内もあったわね。でも、そうね、夜だからグレーにしたら闇夜に溶けて見えなくなっていいんじゃない ?」

「ヨ、ヨハナ様、それにガリナ様。グレーのドレスはちょっと…。」

「あら、どうして?いいんじゃない?」


 ここは応接室。
今日はドレスの生地を選ぶ事だとかで、仕立屋が来ているの。
私も、お母様が生きていた頃はよく仕立屋を呼んでドレスや普段着るワンピースを作ってもらっていたが、お母様が亡くなってからは二人ヨハナとガリナは仕立屋を呼んで作っていたが、私は作ってもらっていなかった。

 でも、仕立屋のマダムは私の事を覚えてくれていたみたいで、部屋に入ってきて、十数年ぶりに私を見てものすごく驚き、二人に見えないようにこっそりと微笑みかけてくれた。

 中央のテーブルへ生地の見本を出してくれた仕立屋のマダムに、あれこれと言っているのは主にガリナ。ヨハナもいろいろと言っているが、私は少し離れたイスに座っていた。

「ねぇ、お姉様。お姉様は何でもいいわよね?」

 ガリナは、そう私に言ってきた。確かに、私は月夜会に少なからず行ってみたい気持ちはあったが、二人と一緒に行かないといけない為、気乗りしなかった。だから、ガリナの言うように何でもいい、が当てはまってしまう。
私が意見を言って、なんやかんやと言われるのが煩わしいのもあるけれど。

「ええ、そうですね。私は、このような会は初めてなのです。ですから、どのような感じでも構いません。」

「ほら!ね?だから、そうしてちょうだい!分かった?」

「エミーリエ様…!では、僭越ながら私どもが決めさせて頂いてもよろしいですか?私どもも、仕立屋というプライドがございます。下手な物は作れないのです。ですから、エミーリエ様の希望が特に無いとの事ですから、私どもがエミーリエ様に合う最善の物を作らせては頂けませんか。もちろん、予算内で、抑えさせて頂きます。」

「えー最善じゃなくてもいいわよ。」

「…プライドね。まぁ、分からなくもないわ。じゃあ、そうしてちょうだい。でも、ガリナのドレスの方を素敵にするのは忘れないでよ。」

「それはもう、ヨハナ様とガリナ様のドレスは、出された希望に添うように作らせて頂きます、ええもちろん。」


 マダムがそう言うと、それで結構、と一言言ってから、話は終わりとばかりにヨハナとガリナは早々に席を立った。

 マダムは生地の見本を鞄にしまい、帰り際に、扉の前で立って見送ろうとした私の前まで来ると一度止まり、鞄を床に置いて私の両手を握り、『大きくなられましたね…!どうされていらっしゃるか、心配しておりました…!』と涙ながらに言われました。

「マダム…覚えていてくれたのね、ありがとう。」

「何を仰います!…誠心誠意、心を込めて作らせて頂きますね!」

「ありがとう、マダム。でも、あまり…その…あれだと…」

「エミーリエ様…なんとなく、お察しします。ですので、ご心配なさらず。ではまたお会いしましょうね。」
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結】何回も告白されて断っていますが、(周りが応援?) 私婚約者がいますの。

BBやっこ
恋愛
ある日、学園のカフェでのんびりお茶と本を読みながら過ごしていると。 男性が近づいてきました。突然、私にプロポーズしてくる知らない男。 いえ、知った顔ではありました。学園の制服を着ています。 私はドレスですが、同級生の平民でした。 困ります。

婚約破棄? あ、ハイ。了解です【短編】

キョウキョウ
恋愛
突然、婚約破棄を突きつけられたマーガレットだったが平然と受け入れる。 それに納得いかなかったのは、王子のフィリップ。 もっと、取り乱したような姿を見れると思っていたのに。 そして彼は逆ギレする。なぜ、そんなに落ち着いていられるのか、と。 普通の可愛らしい女ならば、泣いて許しを請うはずじゃないのかと。 マーガレットが平然と受け入れたのは、他に興味があったから。婚約していたのは、親が決めたから。 彼女の興味は、婚約相手よりも魔法技術に向いていた。

婚約を破棄して妹と結婚?実は私もう結婚してるんです。

京月
恋愛
グレーテルは平凡だ。しかし妹は本当に同じ血が流れているのかと疑いが出るほど美人で有名だった。ある日婚約者から一言「俺はお前との婚約を破棄してお前の妹と結婚する」→「ごめんなさい、実は私もう結婚しているんです」

大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた

黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」 幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。

その令嬢は、実家との縁を切ってもらいたい

キョウキョウ
恋愛
シャルダン公爵家の令嬢アメリは、学園の卒業記念パーティーの最中にバルトロメ王子から一方的に婚約破棄を宣告される。 妹のアーレラをイジメたと、覚えのない罪を着せられて。 そして、婚約破棄だけでなく公爵家からも追放されてしまう。 だけどそれは、彼女の求めた展開だった。

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

悪女の最後の手紙

新川 さとし
恋愛
王国を揺るがす地震が続く中、王子の隣に立っていたのは、婚約者ではなかった。 人々から「悪女」と呼ばれた、ひとりの少女。 彼女は笑い、奪い、好き勝手に振る舞っているように見えた。 婚約者である令嬢は、ただ黙って、その光景を見つめるしかなかった。 理由も知らされないまま、少しずつ立場を奪われ、周囲の視線と噂に耐えながら。 やがて地震は収まり、王国には安堵が訪れる。 ――その直後、一通の手紙が届く。 それは、世界の見え方を、静かに反転させる手紙だった。 悪女と呼ばれた少女が、誰にも知られぬまま選び取った「最後の選択」を描いた物語。 表紙の作成と、文章の校正にAIを利用しています。

処理中です...