いいよ、って言わなきゃ…。

まりぃべる

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言わなきゃいけないの?

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あいちゃんは三歳です。

最近、保育園に通いはじめました。
でも、行きたくありません。

「あいちゃん、保育園行く時間よ!」

「………。」

「あいちゃん!」

「…はーい。」



「あいちゃん、おはよう!お母さんに行って来ます言おうか。」

「先生、お願いします。あいちゃんいってらっしゃい!」

「…いってきます。」


「あいちゃん、おはよう!一緒に遊ぼ!」

ゆいちゃんは、初めて会った時からいつも誘ってくれるけど、私だってやりたい事があるのにな。

「あいちゃん、すべり台しよー!ほら、早く-!」

私、絵本が読みたかったな。





「さぁ、今日はお外で好きな絵を描きましょー!」

「あいちゃんはなに描くのー?一緒に描こう!ウサギ小屋の方へいこー?」

私、小鳥小屋に行きたかったな。



「あいちゃん、黒のクレヨン貸して-?」

「あっ…」

今、使おうと思ってたのにな…。


「はい、ありがとう!あ、そろそろ終わりだってー。お部屋戻ろー?」

まだ描き終わってない…。

「あ、あいちゃんのポケットから見えてるハンカチ可愛い!見せて-?」

「あっ…」

その時、風が強く吹いて、あいちゃんのハンカチは風に乗って園庭の隅の木に引っかかってしまいました。

「あいちゃん、ごめんね。」

「…。」

お母さんにもらったハンカチ。あんな高い所に行っちゃった………。

「お部屋、いかないと。いこ?」

「いや!!」

タッタッタッタッ…。

私は、ハンカチが引っかかった木の下に走って行って、でも届かない事が分かると、とたんに涙が溢れてきました。

「ウッウッ…。」

「あいちゃん、どうしたの?」

先生が来てくれました。でもいろんな気持ちが混じり合って、上手く説明出来ません。

「ウッウッ…。」

「ハンカチ、木に引っかかったの?ちょっと待っててね。」

先生が、隣のクラスの先生と一緒に取ってくれました。

「はい、あいちゃん!とっても可愛いハンカチね。」

「グス…グス…先生…ありがとう。」

「どういたしまして!…ねぇあいちゃん、嫌な時は自分の気持ちを言って良いのよ。」

「え?」

「いやだったら、いいよって言わなくてもいいの。あいちゃんの気持ちを伝える事も大事よ?」

「言っても、いいの…?」

「そうよー?あいちゃんは優しいから、なんでもいいよって言ってしまうかもしれないけれど、心が嫌だと思ったら『今はいいよって言えない』って素直に言っていいのよ。ね?あいちゃんが笑ってくれてると、みんなが嬉しいものね!」

言っていいんだ…。


「あいちゃん、さっきはごめんね。」

お部屋に戻るとゆいちゃんが言ってきました。

「ううん、私もごめんね。」

「あいちゃん、積み木やろ-?」

「いいよって言えなくていい?絵本が読みたい。」

「そうなの?いいよ!じゃあ絵本読んだら来てね!」


なぁんだ!こんなに簡単だったんだ!


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