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31. 四年後
そして四年が経ち、アルフォンシーナは二十歳となった。
今、アルフォンシーナは、二十五歳となったヴァルフレードと共に王都にあるアンドレイニ侯爵家のタウンハウスで暮らしている。
アルフォンシーナは、結婚してすぐに住んでいた侯爵領のカントリーハウスで半年ほど過ごしていた。そこで、ボニートとカールラの温かい教えの元、侯爵夫人として、また国防軍と深く関わるアンドレイニ家の者として様々な事を学ばせてもらった。
時にはカールラとボニートと共に和やかな時間も過ごした。そこで、ヴァルフレードの子供の頃の話もよく聞いた。それを夜、ヴァルフレードが仕事から帰ってきて話すのがアルフォンシーナは楽しみであった。
半年を過ぎ、アルフォンシーナもどうにか次期侯爵夫人としてやっていけそうだとカールラから及第点をもらうと、ヴァルフレードはそれはもう喜んで王都にあるタウンハウスへと引っ越すと言った。
アルフォンシーナにしたら、せっかく慣れてきたカントリーハウスの生活ではあったけれど、ヴァルフレードの言葉に首を縦に動かしてしまう。
「シーナ、よく頑張ってくれたね。本当はもっと早く引っ越す事が出来たんだよ。けれど、母上と父上がシーナと生活を共にしたかったらしくて、引き伸ばしていたらしい。まぁ、それも親孝行とは思っていたけれどね。さすがに我慢ならなくて。やっぱり、王都だと近いから朝ももう少し長く居られるし、帰りも早く帰って来られるから、シーナとの時間も長く取れるよ。どうかな?そろそろタウンハウスへ引っ越してもいいかい?」
☆★
そして、今は子供が二人増えた。
長男はアロンツォという、三歳のヴァルフレードに似た赤茶色の髪をした快活な男の子である。
二男はクレメンテ。一つ下で、アロンツォに比べたら少し遠慮がちではあるが、アロンツォの後をいつも拙いながらもついて回っている活発な男の子だ。
まだまだ幼い為、これからいろんな事を覚えていくと性格もまた変わるだろうとアルフォンシーナは思っている。
「おかあさま、見て!」
「みてー!」
「はい、見ていますよ。」
タウンハウスの応接室にあるテラスに座っているアルフォンシーナに、アロンツォとクレメンテが庭を駆け回りながらそう声を掛ける。
「はい、おかあさま、お花!」
「どーぞ!」
「まぁ!今日も綺麗なお花をありがとう!」
二人はいつもこの王都の庭を駆け回っている。そして咲いている草花を見つけてはアルフォンシーナへと贈り物だと手渡してくれる。
クレメンテはまだ少したどたどしい走りではあるが、アロンツォが走り回る所へ一生懸命ついて行っている。そんな二人を見ているのがたまらなく幸せだと感じているアルフォンシーナであった。
「やぁ、元気にしていたかな?俺の大切な子供達。」
「お父さま!」
「おとーさま!」
アロンツォとクレメンテがヴァルフレードに声を掛けられるとそちらへと駆け寄り、足元へとしがみつく。
ヴァルフレードは、腰を屈め二人の頭を撫でた。
「お帰りなさい、フレード。今日は早いのね。」
「ん?早いといけないのかい?俺はシーナに会いたくてすっ飛んで帰って来たのに。」
「もう!そんな事ないわ。嬉しいに決まっているわよ?でもいつもより早いなと思って。良かったの?」
「あぁ。今日はまたチケットを頂いたからね。オペラを見に行かないかと思って。」
「え!?でも…」
「あまり遅くならなければ、マリネッラとミレッラや、他の者にお願いしよう。アロンツォ、クレメンテ。今夜はシーナと夜、少し出掛けるから先に休んでいるんだよ。出来るかい?」
「そうなの?はい、分かりました!」
「わかりまちた!」
アロンツォは両親が二人出掛けてしまうという事をなんとなくではあるが理解してそう返事をする。
クレメンテはよく分からないが、兄のアロンツォが返事をした為に真似て、元気よく返事をしたのだ。
「偉いな!もしもお利口にしていたら、明日は一緒に出掛けような。」
「え!お父さま、本当?やった!」
「やったあ!」
「大丈夫なの?フレード。」
「ああ。今はそんなにやる事も無いからね。来月になったら、プリーニオ王子の国王陛下就任式の為の準備で忙しくなるから今の内にね。」
「まぁ!そうなのね。」
「そういう訳だけど、シーナは、今夜出掛けるの嫌?」
「いいえ、大丈夫ならぜひとも行きたいわ!」
「よし、じゃあそうと決まれば、準備といこう!アロンツォとクレメンテには、まずこれをしてやろう!」
そう言ってヴァルフレードは、二人を順番に、子供達の脇に手を入れて高い高いをした。
「わーやった!」
「やったー!」
ヴァルフレードに遊んでもらい嬉しそうに笑っているアロンツォとクレメンテを見たアルフォンシーナは、先ほどよりももっと幸せだと感じて自然と笑みを浮かべている。
それを見たヴァルフレードは、アルフォンシーナへと声を掛けた。
「よし、今度はシーナの番だな!おいで!」
「え?きゃ…!」
ヴァルフレードは、アルフォンシーナの脇に手を入れて宙に浮かしたあと、アルフォンシーナを引き寄せて抱きしめた。
「シーナ、可愛いよ。あぁ、素敵な笑顔を見せてくれて本当にありがとう。愛しているよ。」
「フレード…私もよ。」
ヴァルフレードとアルフォンシーナの距離が近くなったのを見計らって、アロンツォの侍女マリネッラと、クレメンテの侍女ミレッラは顔を見合わせて一つ頷き合うと、子供達に声を掛ける。
「さぁ、アロンツォ様。飲み物を飲みに行きましょう。」
「さぁ、クレメンテ様。おやつを食べに行きましょう。」
そう言って手を繋ぎ、屋敷の中へと入って行った。
アルフォンシーナとヴァルフレードは、ルッチラと従僕のカルミネに声を掛けられるまで愛を囁き合っていた。
☆★
これで、終わりです。
最後まで読んで下さいましてありがとうございました。
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今、アルフォンシーナは、二十五歳となったヴァルフレードと共に王都にあるアンドレイニ侯爵家のタウンハウスで暮らしている。
アルフォンシーナは、結婚してすぐに住んでいた侯爵領のカントリーハウスで半年ほど過ごしていた。そこで、ボニートとカールラの温かい教えの元、侯爵夫人として、また国防軍と深く関わるアンドレイニ家の者として様々な事を学ばせてもらった。
時にはカールラとボニートと共に和やかな時間も過ごした。そこで、ヴァルフレードの子供の頃の話もよく聞いた。それを夜、ヴァルフレードが仕事から帰ってきて話すのがアルフォンシーナは楽しみであった。
半年を過ぎ、アルフォンシーナもどうにか次期侯爵夫人としてやっていけそうだとカールラから及第点をもらうと、ヴァルフレードはそれはもう喜んで王都にあるタウンハウスへと引っ越すと言った。
アルフォンシーナにしたら、せっかく慣れてきたカントリーハウスの生活ではあったけれど、ヴァルフレードの言葉に首を縦に動かしてしまう。
「シーナ、よく頑張ってくれたね。本当はもっと早く引っ越す事が出来たんだよ。けれど、母上と父上がシーナと生活を共にしたかったらしくて、引き伸ばしていたらしい。まぁ、それも親孝行とは思っていたけれどね。さすがに我慢ならなくて。やっぱり、王都だと近いから朝ももう少し長く居られるし、帰りも早く帰って来られるから、シーナとの時間も長く取れるよ。どうかな?そろそろタウンハウスへ引っ越してもいいかい?」
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そして、今は子供が二人増えた。
長男はアロンツォという、三歳のヴァルフレードに似た赤茶色の髪をした快活な男の子である。
二男はクレメンテ。一つ下で、アロンツォに比べたら少し遠慮がちではあるが、アロンツォの後をいつも拙いながらもついて回っている活発な男の子だ。
まだまだ幼い為、これからいろんな事を覚えていくと性格もまた変わるだろうとアルフォンシーナは思っている。
「おかあさま、見て!」
「みてー!」
「はい、見ていますよ。」
タウンハウスの応接室にあるテラスに座っているアルフォンシーナに、アロンツォとクレメンテが庭を駆け回りながらそう声を掛ける。
「はい、おかあさま、お花!」
「どーぞ!」
「まぁ!今日も綺麗なお花をありがとう!」
二人はいつもこの王都の庭を駆け回っている。そして咲いている草花を見つけてはアルフォンシーナへと贈り物だと手渡してくれる。
クレメンテはまだ少したどたどしい走りではあるが、アロンツォが走り回る所へ一生懸命ついて行っている。そんな二人を見ているのがたまらなく幸せだと感じているアルフォンシーナであった。
「やぁ、元気にしていたかな?俺の大切な子供達。」
「お父さま!」
「おとーさま!」
アロンツォとクレメンテがヴァルフレードに声を掛けられるとそちらへと駆け寄り、足元へとしがみつく。
ヴァルフレードは、腰を屈め二人の頭を撫でた。
「お帰りなさい、フレード。今日は早いのね。」
「ん?早いといけないのかい?俺はシーナに会いたくてすっ飛んで帰って来たのに。」
「もう!そんな事ないわ。嬉しいに決まっているわよ?でもいつもより早いなと思って。良かったの?」
「あぁ。今日はまたチケットを頂いたからね。オペラを見に行かないかと思って。」
「え!?でも…」
「あまり遅くならなければ、マリネッラとミレッラや、他の者にお願いしよう。アロンツォ、クレメンテ。今夜はシーナと夜、少し出掛けるから先に休んでいるんだよ。出来るかい?」
「そうなの?はい、分かりました!」
「わかりまちた!」
アロンツォは両親が二人出掛けてしまうという事をなんとなくではあるが理解してそう返事をする。
クレメンテはよく分からないが、兄のアロンツォが返事をした為に真似て、元気よく返事をしたのだ。
「偉いな!もしもお利口にしていたら、明日は一緒に出掛けような。」
「え!お父さま、本当?やった!」
「やったあ!」
「大丈夫なの?フレード。」
「ああ。今はそんなにやる事も無いからね。来月になったら、プリーニオ王子の国王陛下就任式の為の準備で忙しくなるから今の内にね。」
「まぁ!そうなのね。」
「そういう訳だけど、シーナは、今夜出掛けるの嫌?」
「いいえ、大丈夫ならぜひとも行きたいわ!」
「よし、じゃあそうと決まれば、準備といこう!アロンツォとクレメンテには、まずこれをしてやろう!」
そう言ってヴァルフレードは、二人を順番に、子供達の脇に手を入れて高い高いをした。
「わーやった!」
「やったー!」
ヴァルフレードに遊んでもらい嬉しそうに笑っているアロンツォとクレメンテを見たアルフォンシーナは、先ほどよりももっと幸せだと感じて自然と笑みを浮かべている。
それを見たヴァルフレードは、アルフォンシーナへと声を掛けた。
「よし、今度はシーナの番だな!おいで!」
「え?きゃ…!」
ヴァルフレードは、アルフォンシーナの脇に手を入れて宙に浮かしたあと、アルフォンシーナを引き寄せて抱きしめた。
「シーナ、可愛いよ。あぁ、素敵な笑顔を見せてくれて本当にありがとう。愛しているよ。」
「フレード…私もよ。」
ヴァルフレードとアルフォンシーナの距離が近くなったのを見計らって、アロンツォの侍女マリネッラと、クレメンテの侍女ミレッラは顔を見合わせて一つ頷き合うと、子供達に声を掛ける。
「さぁ、アロンツォ様。飲み物を飲みに行きましょう。」
「さぁ、クレメンテ様。おやつを食べに行きましょう。」
そう言って手を繋ぎ、屋敷の中へと入って行った。
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