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13. 言い出した代償!?
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風呂場で忘れ物があったが自分だと思う者がいたら名乗り出てくれとチーロから言われ、ジャンパオロは自分のかなぁとボソリと呟いた。それをグイドは素早く拾い、返事をした。
「何故です?何か忘れましたか?」
「昨夜は慌てていただろ。最後に入ったのはおれらだし、違っていてもなんか今回の仕事の手掛かりになるかもしれないしな!」
確かに、今回ジャンパオロが言いつけられた鉱山の作業員達が失踪した真相を調べる為に潜入したものの、この一ヶ月なんの手掛かりも得られなかった。だから、もし違っていてもいいから見てくると言ったのだ。
「もしかしたら、おれのパンツだったらいけないしな!」
「え?まぁ…確かに昨日は急いでいましたが……ぼく、脱衣所の籠、最後に確認しましたよ?」
「いや、グイドを信用してないわけじゃないけどよ、なんか気になるんだよなー。
ってわけで、行ってくる!」
そう言って、ジャンパオロは立ち上がりながらチーロの方へと叫ぶ。再度グイドは、ジャンパオロへと念を押したがジャンパオロは大丈夫だと笑って、チーロがいる方へ向かって行った。
☆★
「はいはーい、おれかもしれないです!」
そう言ってジャンパオロは入り口近くの張り紙のところでチーロへと近づいた。
「ほぇ…おんめぇは確か……」
「ジャンパオロだ!」
えへん!と効果音でも付きそうな雰囲気でジャンパオロは、手に腰を充ててそう自分の名前を名乗る。
「そうけ。んだば、ここではなんだで、ついて来てくんろ。」
「へーい!」
そんなジャンパオロに特段嫌な顔をしたわけでもなくチーロは、忘れ物が保管されている場所へついて来いと進み出した。
☆★
普段、ジャンパオロが入る事を許可されていない事務室へと案内される。ここの隣の部屋は、金庫が置いてありお金が保管されている部屋で、以前アレッシアがついて来たところであった。
(やったぜ!今までここ、入った事なかったもんな-。なにがあるのか見てみよっと!)
部屋と言っても簡易的な木製の扉を土壁に打ちつけられたようなもので、中もむき出しの土壁そのままで、中央には事務机と、それを囲むように後ろには本棚が置かれていた。
「ちょっくらそこに座っててくんろ。」
チーロはそう言うと、入り口手前にある、木製の机と椅子が向かい合わせになった所にジャンパオロを促す。
ジャンパオロは素直に座り、部屋の中をキョロキョロと伺った。
「あったべ。
ほれ、これさ。……わしが持ってしまって悪かったの。」
「?」
そう言われ、その〝忘れ物〟を見ると綺麗に畳まれた布で、机の上に置いた。
「あー……一応な、忘れ物は報告が上がってわしの所に届けられるようになっとるがよ。」
そう言って、チーロはその机の上の布から目を逸らしてさらに続ける。
「それは、手のひらに収まる程に丸められておったが、何か分からんで確認の為に広げる事はさせてもらったんだわ。んだば、そんだけだがね、ええか!?わしはそれが何か分かってからは新しい布に包んでしまったでよ。決して、変な事はしとらんき!訴えられでもしたら適わん。もう一度言うでな、やましい事は、何もしとらんで安心せえよ?
布に包んだんは、万が一、他の人に見られたらいかんが?それに風呂で洗ったんか?濡れよったでよ、水気もそれで取れると思ったでな。朝んなって、中身は見んように布を取り替えたで、乾いたろ。じゃでその布ごと、持っていき。
あーここで確認せんでええから!わしがそれを見たと後で騒がれても適わん!」
(うーん、この中身、なんだろ?おれのパンツじゃなかったんか?こんなに丁寧に畳まれてよ。
でもまぁ、訴えられるのを嫌がってるように見えるから、やっぱりおれのパンツかもしんねぇな!)
「ありがとうございます!」
中身がはっきり分からなかったが、とりあえずもらって部屋で確認でもして、それからだと思ったジャンパオロはそれを手に取り席を立とうとする。
「あー、待て待て!
…おまぁ、女だったんけ?」
「!?」
(は!?なんでそーなるんだ!?)
ジャンパオロはいきなりチーロにそう言われ、目が点になる程驚いた。
「あー変にかんぐらんでくれな!わしは上官として言ってるだけじゃき!決してやましい気持ちなんてないわい!
それを持ってるってこたぁ、女っちゅー事だんべ?」
「…」
(ん?女だと思われるものなんか?
じゃ、これ、おれのじゃなくて、アレッシアの忘れ物か!?)
「まー金が欲しゅうて、非力な女でも募集に応募してくるもんはおるでな。
…でもな、女だで、作業は大変じゃろ?
あ、いや!女だからっちゅー括りじゃあやましく思われたら適わんな!
なんちゅーか…力仕事が大変じゃったら、違う仕事があるでよ。そっちやらんか?」
そのように言いにくそうに話すチーロは、頭を掻きながら言葉を選びつつジャンパオロへと誘った。
「力仕事、じゃない仕事…?」
(やべ!これ、失踪事件に関与してる!?もしかして手掛かりじゃね!?)
ジャンパオロは、その申し出に嬉しく思った。潜入して来たものの、毎日何事も変わらずに発掘作業しかしていなくて体が辛く、昼休憩に体を休めている。自分は何しに来たのか忘れそうになるほどだったのだ。
手掛かりを見つけられるかもしれない喜びと、力仕事ではない事が出来るのだと嬉しさが相まったのだ。
「んだ。部屋も男と一緒は何かあったらいかんべ!だで、新しい部屋用意しゃるで。えーと、どこが空いとったか今調べるき。んー……」
(部屋…行ってみたいけど、このままほいほいと行っていいか判断つかねーな…あんま姿が見えなくなると、グイドが心配するよなぁ。一応、父上からの監視役だもんなー。)
「部屋って…」
ジャンパオロはこちらへと戻って来れるか聞いてみると、チーロは首を振った。
「止めとけ!なんね、今の部屋は男と一緒だべ?今さら部屋行って、いつ襲われっかもわかんねぇべ?
部屋は、女専用のを用意したるでよ、安心せぇ。」
(女部屋!?いやいや…さすがにやべぇだろ!おれの節操が!!)
「いや、部屋は今のままがいい!グイドとは、んーと…き、兄弟みたいなもんだから!」
それを聞いたチーロは、首を捻り少し考えながら言う。
「家族け…心の支えっちゅー事か?んだば、女と男が同じ部屋って…」
「そ、そうそう心の支え!いなきゃ夜、寂しくなって泣くかもしんねーから、今のままの部屋がいい!グイドはイイヤツだから!襲われるなんて絶対にないから!」
(グイドがおれに襲いかかる?んなのあるわけねーって!)
ジャンパオロが必死に頼むものだから、まぁ面倒事さえ起こされなければいいかと念を押す事にした。
「分かった分かった!んだば、絶対に面倒ば起こすんじゃねーべ?ええな?
それと、仕事内容は言わない事!そっちをやりたいと言われても、発掘作業の人間が減ってしまっては困っかんな。守れっか?」
「ありがと-!おうよ、もちろんだぜ!」
「じゃ、それを部屋に置いてきたらば、次な作業場を案内すっからよ、戻って来て来てくんろ。」
そう言われたジャンパオロは、急いで部屋へと向かう。
☆★
「よし!誰もいねぇな!
本当は、グイドにも一緒に話が聞けたら良かったんだけど仕方ねぇよな。」
部屋に入ったジャンパオロはそう言って、忘れ物の中身を確認しようと手にした布を広げようとした。
(ん…まてよ?あんなにチーロ採掘長が慌ててたし、これで女って分かるみてぇだし、風呂で洗った、なんて言ってたな。…まさか!?)
ジャンパオロはお年頃の男の子である。中身を想像すると途端に顔を赤らめ恥ずかしくなり、とても確認するどころではなくなった。何の気なしに持ってきていたのに手にしていた布を見て今さらながら恥ずかしくなった。
(どどどどどうしよう!?ま、まぁ十中八九アレッシアの物だろ!
えーと、あそこに置いといても目立つし、やべ…どうすればいい?うーん……)
ジャンパオロは部屋の中央にある皆が使う居間の机の上に置こうかとも思ったがひとしきり悩んだ末に、アレッシアの部屋の引き出しへとこっそり忍ばせる事にした。
(勝手に入るのはこの際不可抗力だろ?
悪い、アレッシア!見ないようにするからな!)
衝立へ入るのもなかなか一歩が踏み出せず戸惑ったが、あまり待たせてチーロが部屋に入って来られても困るので意を決して、アレッシアの部屋へと衝立の奥へと体を滑り込ませる。そして、引き出しを少しだけ引き出すと、目を逸らしながらジャンパオロは手探りでなんとなくそこへ布ごと押し込んだ。
(布はすでに乾いてたしな。その内にアレッシアも気付くだろ。)
そう言って、思いのほか手に汗をかいていたと掌を見るやジャンパオロはすぐに服の裾で拭い、誰も見ている者はいないのに辺りを見渡しながら足早にその部屋から出て、チーロの待つ部屋へと急いだ。
「何故です?何か忘れましたか?」
「昨夜は慌てていただろ。最後に入ったのはおれらだし、違っていてもなんか今回の仕事の手掛かりになるかもしれないしな!」
確かに、今回ジャンパオロが言いつけられた鉱山の作業員達が失踪した真相を調べる為に潜入したものの、この一ヶ月なんの手掛かりも得られなかった。だから、もし違っていてもいいから見てくると言ったのだ。
「もしかしたら、おれのパンツだったらいけないしな!」
「え?まぁ…確かに昨日は急いでいましたが……ぼく、脱衣所の籠、最後に確認しましたよ?」
「いや、グイドを信用してないわけじゃないけどよ、なんか気になるんだよなー。
ってわけで、行ってくる!」
そう言って、ジャンパオロは立ち上がりながらチーロの方へと叫ぶ。再度グイドは、ジャンパオロへと念を押したがジャンパオロは大丈夫だと笑って、チーロがいる方へ向かって行った。
☆★
「はいはーい、おれかもしれないです!」
そう言ってジャンパオロは入り口近くの張り紙のところでチーロへと近づいた。
「ほぇ…おんめぇは確か……」
「ジャンパオロだ!」
えへん!と効果音でも付きそうな雰囲気でジャンパオロは、手に腰を充ててそう自分の名前を名乗る。
「そうけ。んだば、ここではなんだで、ついて来てくんろ。」
「へーい!」
そんなジャンパオロに特段嫌な顔をしたわけでもなくチーロは、忘れ物が保管されている場所へついて来いと進み出した。
☆★
普段、ジャンパオロが入る事を許可されていない事務室へと案内される。ここの隣の部屋は、金庫が置いてありお金が保管されている部屋で、以前アレッシアがついて来たところであった。
(やったぜ!今までここ、入った事なかったもんな-。なにがあるのか見てみよっと!)
部屋と言っても簡易的な木製の扉を土壁に打ちつけられたようなもので、中もむき出しの土壁そのままで、中央には事務机と、それを囲むように後ろには本棚が置かれていた。
「ちょっくらそこに座っててくんろ。」
チーロはそう言うと、入り口手前にある、木製の机と椅子が向かい合わせになった所にジャンパオロを促す。
ジャンパオロは素直に座り、部屋の中をキョロキョロと伺った。
「あったべ。
ほれ、これさ。……わしが持ってしまって悪かったの。」
「?」
そう言われ、その〝忘れ物〟を見ると綺麗に畳まれた布で、机の上に置いた。
「あー……一応な、忘れ物は報告が上がってわしの所に届けられるようになっとるがよ。」
そう言って、チーロはその机の上の布から目を逸らしてさらに続ける。
「それは、手のひらに収まる程に丸められておったが、何か分からんで確認の為に広げる事はさせてもらったんだわ。んだば、そんだけだがね、ええか!?わしはそれが何か分かってからは新しい布に包んでしまったでよ。決して、変な事はしとらんき!訴えられでもしたら適わん。もう一度言うでな、やましい事は、何もしとらんで安心せえよ?
布に包んだんは、万が一、他の人に見られたらいかんが?それに風呂で洗ったんか?濡れよったでよ、水気もそれで取れると思ったでな。朝んなって、中身は見んように布を取り替えたで、乾いたろ。じゃでその布ごと、持っていき。
あーここで確認せんでええから!わしがそれを見たと後で騒がれても適わん!」
(うーん、この中身、なんだろ?おれのパンツじゃなかったんか?こんなに丁寧に畳まれてよ。
でもまぁ、訴えられるのを嫌がってるように見えるから、やっぱりおれのパンツかもしんねぇな!)
「ありがとうございます!」
中身がはっきり分からなかったが、とりあえずもらって部屋で確認でもして、それからだと思ったジャンパオロはそれを手に取り席を立とうとする。
「あー、待て待て!
…おまぁ、女だったんけ?」
「!?」
(は!?なんでそーなるんだ!?)
ジャンパオロはいきなりチーロにそう言われ、目が点になる程驚いた。
「あー変にかんぐらんでくれな!わしは上官として言ってるだけじゃき!決してやましい気持ちなんてないわい!
それを持ってるってこたぁ、女っちゅー事だんべ?」
「…」
(ん?女だと思われるものなんか?
じゃ、これ、おれのじゃなくて、アレッシアの忘れ物か!?)
「まー金が欲しゅうて、非力な女でも募集に応募してくるもんはおるでな。
…でもな、女だで、作業は大変じゃろ?
あ、いや!女だからっちゅー括りじゃあやましく思われたら適わんな!
なんちゅーか…力仕事が大変じゃったら、違う仕事があるでよ。そっちやらんか?」
そのように言いにくそうに話すチーロは、頭を掻きながら言葉を選びつつジャンパオロへと誘った。
「力仕事、じゃない仕事…?」
(やべ!これ、失踪事件に関与してる!?もしかして手掛かりじゃね!?)
ジャンパオロは、その申し出に嬉しく思った。潜入して来たものの、毎日何事も変わらずに発掘作業しかしていなくて体が辛く、昼休憩に体を休めている。自分は何しに来たのか忘れそうになるほどだったのだ。
手掛かりを見つけられるかもしれない喜びと、力仕事ではない事が出来るのだと嬉しさが相まったのだ。
「んだ。部屋も男と一緒は何かあったらいかんべ!だで、新しい部屋用意しゃるで。えーと、どこが空いとったか今調べるき。んー……」
(部屋…行ってみたいけど、このままほいほいと行っていいか判断つかねーな…あんま姿が見えなくなると、グイドが心配するよなぁ。一応、父上からの監視役だもんなー。)
「部屋って…」
ジャンパオロはこちらへと戻って来れるか聞いてみると、チーロは首を振った。
「止めとけ!なんね、今の部屋は男と一緒だべ?今さら部屋行って、いつ襲われっかもわかんねぇべ?
部屋は、女専用のを用意したるでよ、安心せぇ。」
(女部屋!?いやいや…さすがにやべぇだろ!おれの節操が!!)
「いや、部屋は今のままがいい!グイドとは、んーと…き、兄弟みたいなもんだから!」
それを聞いたチーロは、首を捻り少し考えながら言う。
「家族け…心の支えっちゅー事か?んだば、女と男が同じ部屋って…」
「そ、そうそう心の支え!いなきゃ夜、寂しくなって泣くかもしんねーから、今のままの部屋がいい!グイドはイイヤツだから!襲われるなんて絶対にないから!」
(グイドがおれに襲いかかる?んなのあるわけねーって!)
ジャンパオロが必死に頼むものだから、まぁ面倒事さえ起こされなければいいかと念を押す事にした。
「分かった分かった!んだば、絶対に面倒ば起こすんじゃねーべ?ええな?
それと、仕事内容は言わない事!そっちをやりたいと言われても、発掘作業の人間が減ってしまっては困っかんな。守れっか?」
「ありがと-!おうよ、もちろんだぜ!」
「じゃ、それを部屋に置いてきたらば、次な作業場を案内すっからよ、戻って来て来てくんろ。」
そう言われたジャンパオロは、急いで部屋へと向かう。
☆★
「よし!誰もいねぇな!
本当は、グイドにも一緒に話が聞けたら良かったんだけど仕方ねぇよな。」
部屋に入ったジャンパオロはそう言って、忘れ物の中身を確認しようと手にした布を広げようとした。
(ん…まてよ?あんなにチーロ採掘長が慌ててたし、これで女って分かるみてぇだし、風呂で洗った、なんて言ってたな。…まさか!?)
ジャンパオロはお年頃の男の子である。中身を想像すると途端に顔を赤らめ恥ずかしくなり、とても確認するどころではなくなった。何の気なしに持ってきていたのに手にしていた布を見て今さらながら恥ずかしくなった。
(どどどどどうしよう!?ま、まぁ十中八九アレッシアの物だろ!
えーと、あそこに置いといても目立つし、やべ…どうすればいい?うーん……)
ジャンパオロは部屋の中央にある皆が使う居間の机の上に置こうかとも思ったがひとしきり悩んだ末に、アレッシアの部屋の引き出しへとこっそり忍ばせる事にした。
(勝手に入るのはこの際不可抗力だろ?
悪い、アレッシア!見ないようにするからな!)
衝立へ入るのもなかなか一歩が踏み出せず戸惑ったが、あまり待たせてチーロが部屋に入って来られても困るので意を決して、アレッシアの部屋へと衝立の奥へと体を滑り込ませる。そして、引き出しを少しだけ引き出すと、目を逸らしながらジャンパオロは手探りでなんとなくそこへ布ごと押し込んだ。
(布はすでに乾いてたしな。その内にアレッシアも気付くだろ。)
そう言って、思いのほか手に汗をかいていたと掌を見るやジャンパオロはすぐに服の裾で拭い、誰も見ている者はいないのに辺りを見渡しながら足早にその部屋から出て、チーロの待つ部屋へと急いだ。
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