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王都動乱編
0076 バレット王子と黒毛和牛ステーキ
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桜花と玲子は「レストランミツヤ2号店」の前に着いた。
そこには王家の紋章が入った馬車と、傭兵が数名立っていた。
「止まれ、何者だ!」傭兵たちが剣を抜き集まってくる。
「私はこのレストランのオーナーの玲子、こちらは主人の桜花です。店の者からバレット王子が来られたとの連絡がありましたので、急ぎ参りました。」
「オウカ!あの勇者のオウカ様ですか!」と傭兵たちは片肘を着く。
「まあまあ、良かったら、皆さんも中にどうですか?お茶の一杯でも出しますよ。」と桜花が促す。
「い、いえ、私どもは王子の護衛でございますので。」
「護衛でしたら、この者達にやらせますよ。」と転移魔法陣から現れたジギルとローズ3姉妹。
「し、しかし・・・。」
「大丈夫ですって!この者たちは、結構、強いですから!」
「そ、それでは遠慮なく・・。」
「王子には、僕から上手く言っときますので。」
「助かります。」
レストランの扉を開け、中に入るふたり。
すると、紅茶の味に酔いしれている一人の子供?がいた。バレット王子である。
・・・いくら成人の儀をしたからって、日本じゃ中学生だもんなぁ~。
「美味い!もう一杯!」と紅茶のおかわりをせがむ王子。
「これよこれ!このウシの乳と砂糖を入れた茶がたまらんのだ!」と言っている。
「お気に召されて光栄ですわ。」と玲子が挨拶をする。
「おお!久しぶりだな!勇者達よ!」
「あの、僕の独断で傭兵の皆さんにも中に入ってもらいました。いいですよね?」
「かまわないとも!皆もこの美味しい茶を飲めばいい!」
俺は給仕の一人に声を掛け、「王子と同じものをこちらの方へ、飲み方も説明してあげてね。」
「それで、今日は何の御用でしょうか?」と玲子が尋ねるも
「それより、何か食べたいな!閉店後なのは解っているので、お任せするよ!」
「リリア、何が出来そう?」
「クロゲワギュウのヘレステーキなら、すぐに出来ます。」
「そう、それでいいわ。お願いできる?」
「はい、店長!」
「クロゲワギュウ!それはあれだろ?最高に美味しい「ウシ」の名前だろう!」
「よくご存じで・・・。」
「僕はイリシュ・ウー公爵領で実物を見て来たんだ!この茶もそこで飲ませてもらった!」
「左様でございますか。イリシュ・ウー公爵領には何かご用事で行かれたのですか?」
「僕も、成人をしたのだから、より王国の事が知りたくなって、視察旅に出ていたのだよ! そこで、レストランミツヤの事を知ってな!どうしても来てみたいのと、主人であるご両人に話をしたくなった、そう言う事だ!」
木の皿の上に焼いた鉄板の上に大きな肉の塊がある・・・。その肉は鉄板で焼かれ、ジュウジュウと音を出している。
「これか!「クロゲワギュウ」と言う物は!では、早速。」バレットがナイフとフォークを取り出す。
「王子、お待ちください!」と玲子が止める。
「なんだ?」
「王子は、さっぱりとした味と、こってりとした味とどちらがお好みでしょう?」
「王宮では、味のしない料理ばかりだからな。こってりとした方を頼む。」
「では。」玲子がソースを肉に垂らす。
「ジュワ~!」ソースが焼ける音が食欲をそそる。
その音と匂いに辛抱できなくなった王子は「もう、食べていいのだろう!我慢できない!」
「どうぞ、お召し上がりください。」
焼かれた肉に力強くナイフを入れるバレット王子。が、肉が柔らかいことに気づき、「何だこの肉は!宮廷料理でも肉は硬いのに!」
刺さったナイフからは、肉汁が溢れている。
一口大に切ったステーキを口の中に・・・その瞬間に、王子は震えてしまった。
「王子、どうかされましたか?」喉にでも詰まらせたのでは?と心配する玲子。
「美味いぞー!」と王子は目を輝かせた。
そこからは、無心で口に運ぶ王子。
リリアが「ライスをお持ちしました。」
「何だ、これは?」
「お肉を上に乗せて、一緒に食べてみてください。」
「で、では・・・。」
肉汁とソースがライスにからみ、キラキラとした輝きを見せる。
王子は口の中に入れると同時に「これも美味い!たまらん!」と、どんどんと食べて行く。
ふと、目をそらすと、いいなぁ~と羨ましそうに王子を見ている傭兵たちがいた。
「ふぅ~、ごちそうになった。」
「いえ、まだ終わりじゃないですよ。リリア!」
「はい、店長!」と出してきたのはパン。
「このパンで残ったソースをふき取るような感じで付けて食べてみてください。」
「う、うむ。」
ソースを付けたパンを一口・・・。
「なんだぁー!さっきのとは違う食感でこのソースの味が柔らかいパンにぴったりだ!」
パンだけで食べてみる。
「パンだけでも美味いではないか!王宮のパンは硬いだけで、味がしないと言うのに!」
・・・こんどこそ、ご馳走様。
食後のミルクティーを飲みながら・・・。
「あの、それで、今日はどのようなご用件でしょうか?」
「ああ~美味しかった。また食べたいなぁ~。」
「それは、いつでもお越しください。当店ではパーティー・・晩さん会や舞踏会のご予約も受け付けておりますので・・・。」
「何!それは本当か!それでは早速、私の成人の儀の祝賀会を開こう!」
「それはそれは、ありがとうございます。」
「後ほど、私の使者に日程の旨を伝えにこさせるからな!」
「お待ち申し上げます。」
「それで、今日はどのようなご用件でしょうか?」
バレット王子はミルクティーのおかわりをしながら、
「そうだった、そうだった!あまりにも美味しかったので、忘れる所だった!」と笑っている。
「実はな・・・・。」
「はい。」
「この王国を救ってもらえないだろうか?」
そこには王家の紋章が入った馬車と、傭兵が数名立っていた。
「止まれ、何者だ!」傭兵たちが剣を抜き集まってくる。
「私はこのレストランのオーナーの玲子、こちらは主人の桜花です。店の者からバレット王子が来られたとの連絡がありましたので、急ぎ参りました。」
「オウカ!あの勇者のオウカ様ですか!」と傭兵たちは片肘を着く。
「まあまあ、良かったら、皆さんも中にどうですか?お茶の一杯でも出しますよ。」と桜花が促す。
「い、いえ、私どもは王子の護衛でございますので。」
「護衛でしたら、この者達にやらせますよ。」と転移魔法陣から現れたジギルとローズ3姉妹。
「し、しかし・・・。」
「大丈夫ですって!この者たちは、結構、強いですから!」
「そ、それでは遠慮なく・・。」
「王子には、僕から上手く言っときますので。」
「助かります。」
レストランの扉を開け、中に入るふたり。
すると、紅茶の味に酔いしれている一人の子供?がいた。バレット王子である。
・・・いくら成人の儀をしたからって、日本じゃ中学生だもんなぁ~。
「美味い!もう一杯!」と紅茶のおかわりをせがむ王子。
「これよこれ!このウシの乳と砂糖を入れた茶がたまらんのだ!」と言っている。
「お気に召されて光栄ですわ。」と玲子が挨拶をする。
「おお!久しぶりだな!勇者達よ!」
「あの、僕の独断で傭兵の皆さんにも中に入ってもらいました。いいですよね?」
「かまわないとも!皆もこの美味しい茶を飲めばいい!」
俺は給仕の一人に声を掛け、「王子と同じものをこちらの方へ、飲み方も説明してあげてね。」
「それで、今日は何の御用でしょうか?」と玲子が尋ねるも
「それより、何か食べたいな!閉店後なのは解っているので、お任せするよ!」
「リリア、何が出来そう?」
「クロゲワギュウのヘレステーキなら、すぐに出来ます。」
「そう、それでいいわ。お願いできる?」
「はい、店長!」
「クロゲワギュウ!それはあれだろ?最高に美味しい「ウシ」の名前だろう!」
「よくご存じで・・・。」
「僕はイリシュ・ウー公爵領で実物を見て来たんだ!この茶もそこで飲ませてもらった!」
「左様でございますか。イリシュ・ウー公爵領には何かご用事で行かれたのですか?」
「僕も、成人をしたのだから、より王国の事が知りたくなって、視察旅に出ていたのだよ! そこで、レストランミツヤの事を知ってな!どうしても来てみたいのと、主人であるご両人に話をしたくなった、そう言う事だ!」
木の皿の上に焼いた鉄板の上に大きな肉の塊がある・・・。その肉は鉄板で焼かれ、ジュウジュウと音を出している。
「これか!「クロゲワギュウ」と言う物は!では、早速。」バレットがナイフとフォークを取り出す。
「王子、お待ちください!」と玲子が止める。
「なんだ?」
「王子は、さっぱりとした味と、こってりとした味とどちらがお好みでしょう?」
「王宮では、味のしない料理ばかりだからな。こってりとした方を頼む。」
「では。」玲子がソースを肉に垂らす。
「ジュワ~!」ソースが焼ける音が食欲をそそる。
その音と匂いに辛抱できなくなった王子は「もう、食べていいのだろう!我慢できない!」
「どうぞ、お召し上がりください。」
焼かれた肉に力強くナイフを入れるバレット王子。が、肉が柔らかいことに気づき、「何だこの肉は!宮廷料理でも肉は硬いのに!」
刺さったナイフからは、肉汁が溢れている。
一口大に切ったステーキを口の中に・・・その瞬間に、王子は震えてしまった。
「王子、どうかされましたか?」喉にでも詰まらせたのでは?と心配する玲子。
「美味いぞー!」と王子は目を輝かせた。
そこからは、無心で口に運ぶ王子。
リリアが「ライスをお持ちしました。」
「何だ、これは?」
「お肉を上に乗せて、一緒に食べてみてください。」
「で、では・・・。」
肉汁とソースがライスにからみ、キラキラとした輝きを見せる。
王子は口の中に入れると同時に「これも美味い!たまらん!」と、どんどんと食べて行く。
ふと、目をそらすと、いいなぁ~と羨ましそうに王子を見ている傭兵たちがいた。
「ふぅ~、ごちそうになった。」
「いえ、まだ終わりじゃないですよ。リリア!」
「はい、店長!」と出してきたのはパン。
「このパンで残ったソースをふき取るような感じで付けて食べてみてください。」
「う、うむ。」
ソースを付けたパンを一口・・・。
「なんだぁー!さっきのとは違う食感でこのソースの味が柔らかいパンにぴったりだ!」
パンだけで食べてみる。
「パンだけでも美味いではないか!王宮のパンは硬いだけで、味がしないと言うのに!」
・・・こんどこそ、ご馳走様。
食後のミルクティーを飲みながら・・・。
「あの、それで、今日はどのようなご用件でしょうか?」
「ああ~美味しかった。また食べたいなぁ~。」
「それは、いつでもお越しください。当店ではパーティー・・晩さん会や舞踏会のご予約も受け付けておりますので・・・。」
「何!それは本当か!それでは早速、私の成人の儀の祝賀会を開こう!」
「それはそれは、ありがとうございます。」
「後ほど、私の使者に日程の旨を伝えにこさせるからな!」
「お待ち申し上げます。」
「それで、今日はどのようなご用件でしょうか?」
バレット王子はミルクティーのおかわりをしながら、
「そうだった、そうだった!あまりにも美味しかったので、忘れる所だった!」と笑っている。
「実はな・・・・。」
「はい。」
「この王国を救ってもらえないだろうか?」
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