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王都動乱編
0080 内紛・そして内戦。
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サリーナの予言通り深夜に合わせて内紛が始まった。
最初は、小さな「デモ」だった。
王都の傭兵団がその都民を切りつけた!
そこからは、早かった。
普段は大人しい都民が暴徒化し、傭兵と争いが始まった。
誰かがやったのか、不始末なのか、火の手が上がった。
暴徒は武器を持っていない。石を傭兵に投げつけるのもいる。
王国軍が進軍を始めた。
武器を持たない暴徒は簡単に切り落とされ、無力化されていった。
家の上から王都軍を目掛けて、油を投げた暴徒がいた。
その暴徒は、松明を投げつけ、王都軍の一部が炎の地獄に落とされた。
その状況を見ていた暴徒がいた。
同じように油の入った瓶と松明を持っている。
しかし、王都軍の弓に堕ち、炎の中に消えて行った。
この騒ぎに乗じて、盗みを働く者がいた。
それを見た民衆が、小さな渦から大きくなって、盗みを働く暴徒になった。
中には、女を侵す輩もいた。
人殺しの悪魔に魂を奪われ、殺しを楽しむ奴もいた。
異常だ。この世界は。
助けて!と叫ぶ女がいた。
誰も、手を取ってやる余裕がないのを知って。
お母さん!と泣く女の子がいた。
他に逃げる人達に、邪魔だ!どけ!と蹴られていた。
建物の下敷きになった男性がいた。
近所の人達が助けようと引っ張り出そうとするが、重い石はびくともしなかった。
男の背後から炎がまるで獲物を見つけたかのように進んで来た。
あまりにもの炎の勢いに助けようとした人達は逃げ、男は炎に飲まれた。
炎の中から断末魔とも言える悲鳴と助けてと言う言葉が皆の耳に聞こえる。
傍に家族なのだろう、女性と小さな子供がいた。
男性の悲鳴を聞いても表情が変わらないでいた。
そして、炎の中に消えて行った。
金持ちの人間が持ち切れない財産を持って逃げようとした。
余りの膨大な財産は鞄からはみ出し、走る度に零れ落ちて行く。
誰の手にも渡すものかと落とした財産をかき集めていた。
そこに壁が崩れて男は死んだ。
異常だ。この世界は。
「ローズ!大丈夫か!」俺は現在の状況を把握するために連絡をとる。
「あっ、ごしゅじんさまぁ、だぁいじょうぶよぉ」と返事が返ってくる。
ローズがまだ「あの話し方」の間は、大丈夫だろう。
「避難民を優先しろ!暴徒はほっとけ!鎮圧が俺らの任務じゃない!」
「わかぁってるわぁよぉ」余裕がありそうだ。
「ロサ!アルバ!そっちは大丈夫か!」
「私たちは中心地にいます!避難民の受け入れ態勢をお願いします!」
「分かった!近くの団員に連絡する!」俺は、パッドを見ながら近くの団員に指示を出す。
「ラム、ダダン!マイカ帝国に動きはあるか⁉」
「こちらダダンです!今現在のところ動きはありません!」
「こちらもです!ご主人様!」
やっぱりラムは普段はふざけてたんだな。ローズと同じか。
「主殿!」と団員から連絡が入る。
「避難民、約30名を誘導中、受け入れ態勢をお願いします!」
「分かった!今から避難民が来るぞ!態勢を整えろ!」
「ご主人様!マズいです!中心地が暴徒化しました!」ロサの声だ。
「むやみに突っ込むな!一歩引いて確認しろ!」
「でも、子供が・・・。行きます!」
「馬鹿!やめろ!」
「私が行きます!」ローズの声だ。
「危ないと思ったら、すぐに撤退だ!これは命令だ!」
スマホの向こうから、戦っている音が聞こえる。ローズたちが暴徒化した王都民の鎮圧に動いたのだろう。こちらの指示も聞こえないのだろう、全く返事がない。
俺は、中央広場近くにいる団員を見つけ、ローズ達をすぐに撤退させるように指示を出す。
いくら、ラミア三姉妹と言っても、暴徒化した人間の大軍を抑えられるはずがない!
「ジギル!何か変わった事はないか⁉」
「は!現在の所、変わった様子はありません!」
「ちょっとでも、変わったことがあれば、連絡するように!」
「わかりました!」
そうこうしているうちに傭兵団が避難民を連れて来た。
中には、片腕を失くしている人もいる。
「玲子!この人を優先しろ!」
広いベルサイユ宮殿の庭も半分ぐらい埋まっている。
リリア達は、炊き出しを作り、避難民に配り始めている。
回復魔法も、全員に掛けていてはこちらのMPがなくなってしまうので、
緊急や大けが以外の人には魔法は使わず、給仕たちが包帯などを巻いて応急処置をしている。
「ローズ!大丈夫か!」返事がない。
周辺にいる団員と連絡をとる。
団員は「ローズ様達が暴徒の中に消えてしまわれました!」
「オウカ様。」ジギルからの連絡だ。
「バレット王子率いる、貴族軍が侵攻してきております。」
「分かった。王国軍は中央広場に多数いると伝えろ!」
「畏まりました!」
城門から行軍の音が聞こえる・・・その数1000。
その音は真っすぐに中央広場へと向かう・・・と思っていたら、真っすぐに王宮に向かって行った!
俺は思わず、貴族軍へと走って行き、先頭の馬の所、バレット王子に駆け寄った。
「何してんだよ!王国軍は中央広場って聞いてないのかよ!」
「ああ、聞いたよ。だからこの道を行く。」とバレットが冷静に答える。
「何故だ?」
「何故だ?敵の大将は王宮にいる。今は王国軍が中央広場に集まっている。だったら、今のうちに手薄の王宮を攻め落とすのが戦術と言う物だろう。」
「お前は、民衆を何とも思ってないのか?」
「勘違いしないでくれ。これも民衆を守るための戦いだ。それに君がいる。違うか?」
「分かったよ!暴徒は俺達が抑えてやらぁ!」
「オウカさん、信じているよ。」
「あ~それとな。」
「何だい?」
「王宮には、まだゼノンさんが残ってると思うから、見つけ次第、ベルサイユ宮殿に送ってくれ!」
「約束しよう。行くぞ!ハッ!」バレットは行ってしまった。
「王都内にいる全団員に告ぐ。今から我々は中央広場の暴徒鎮圧に向かう。繰り返す、中央広場に集まれ!」
「ジギル!」
「ハッ!」
「そこはスピアとシールドに任せて、ベルサイユ宮殿に向かってくれ!」
「ハッ!主殿はどちらへ?」
「俺は中央広場にいる暴徒の鎮圧に行く!」
「わかりました!ご武運を!」
俺は、再度全団員に命令をする。
「いいか!絶対に殺すな!無力化することを考えろ!骨を折っても構わん!真剣を持った者は、峰打ちで応戦しろ!繰り返す!絶対に殺すな!」
俺は日本刀を抜き、中央広場へと向かった。
最初は、小さな「デモ」だった。
王都の傭兵団がその都民を切りつけた!
そこからは、早かった。
普段は大人しい都民が暴徒化し、傭兵と争いが始まった。
誰かがやったのか、不始末なのか、火の手が上がった。
暴徒は武器を持っていない。石を傭兵に投げつけるのもいる。
王国軍が進軍を始めた。
武器を持たない暴徒は簡単に切り落とされ、無力化されていった。
家の上から王都軍を目掛けて、油を投げた暴徒がいた。
その暴徒は、松明を投げつけ、王都軍の一部が炎の地獄に落とされた。
その状況を見ていた暴徒がいた。
同じように油の入った瓶と松明を持っている。
しかし、王都軍の弓に堕ち、炎の中に消えて行った。
この騒ぎに乗じて、盗みを働く者がいた。
それを見た民衆が、小さな渦から大きくなって、盗みを働く暴徒になった。
中には、女を侵す輩もいた。
人殺しの悪魔に魂を奪われ、殺しを楽しむ奴もいた。
異常だ。この世界は。
助けて!と叫ぶ女がいた。
誰も、手を取ってやる余裕がないのを知って。
お母さん!と泣く女の子がいた。
他に逃げる人達に、邪魔だ!どけ!と蹴られていた。
建物の下敷きになった男性がいた。
近所の人達が助けようと引っ張り出そうとするが、重い石はびくともしなかった。
男の背後から炎がまるで獲物を見つけたかのように進んで来た。
あまりにもの炎の勢いに助けようとした人達は逃げ、男は炎に飲まれた。
炎の中から断末魔とも言える悲鳴と助けてと言う言葉が皆の耳に聞こえる。
傍に家族なのだろう、女性と小さな子供がいた。
男性の悲鳴を聞いても表情が変わらないでいた。
そして、炎の中に消えて行った。
金持ちの人間が持ち切れない財産を持って逃げようとした。
余りの膨大な財産は鞄からはみ出し、走る度に零れ落ちて行く。
誰の手にも渡すものかと落とした財産をかき集めていた。
そこに壁が崩れて男は死んだ。
異常だ。この世界は。
「ローズ!大丈夫か!」俺は現在の状況を把握するために連絡をとる。
「あっ、ごしゅじんさまぁ、だぁいじょうぶよぉ」と返事が返ってくる。
ローズがまだ「あの話し方」の間は、大丈夫だろう。
「避難民を優先しろ!暴徒はほっとけ!鎮圧が俺らの任務じゃない!」
「わかぁってるわぁよぉ」余裕がありそうだ。
「ロサ!アルバ!そっちは大丈夫か!」
「私たちは中心地にいます!避難民の受け入れ態勢をお願いします!」
「分かった!近くの団員に連絡する!」俺は、パッドを見ながら近くの団員に指示を出す。
「ラム、ダダン!マイカ帝国に動きはあるか⁉」
「こちらダダンです!今現在のところ動きはありません!」
「こちらもです!ご主人様!」
やっぱりラムは普段はふざけてたんだな。ローズと同じか。
「主殿!」と団員から連絡が入る。
「避難民、約30名を誘導中、受け入れ態勢をお願いします!」
「分かった!今から避難民が来るぞ!態勢を整えろ!」
「ご主人様!マズいです!中心地が暴徒化しました!」ロサの声だ。
「むやみに突っ込むな!一歩引いて確認しろ!」
「でも、子供が・・・。行きます!」
「馬鹿!やめろ!」
「私が行きます!」ローズの声だ。
「危ないと思ったら、すぐに撤退だ!これは命令だ!」
スマホの向こうから、戦っている音が聞こえる。ローズたちが暴徒化した王都民の鎮圧に動いたのだろう。こちらの指示も聞こえないのだろう、全く返事がない。
俺は、中央広場近くにいる団員を見つけ、ローズ達をすぐに撤退させるように指示を出す。
いくら、ラミア三姉妹と言っても、暴徒化した人間の大軍を抑えられるはずがない!
「ジギル!何か変わった事はないか⁉」
「は!現在の所、変わった様子はありません!」
「ちょっとでも、変わったことがあれば、連絡するように!」
「わかりました!」
そうこうしているうちに傭兵団が避難民を連れて来た。
中には、片腕を失くしている人もいる。
「玲子!この人を優先しろ!」
広いベルサイユ宮殿の庭も半分ぐらい埋まっている。
リリア達は、炊き出しを作り、避難民に配り始めている。
回復魔法も、全員に掛けていてはこちらのMPがなくなってしまうので、
緊急や大けが以外の人には魔法は使わず、給仕たちが包帯などを巻いて応急処置をしている。
「ローズ!大丈夫か!」返事がない。
周辺にいる団員と連絡をとる。
団員は「ローズ様達が暴徒の中に消えてしまわれました!」
「オウカ様。」ジギルからの連絡だ。
「バレット王子率いる、貴族軍が侵攻してきております。」
「分かった。王国軍は中央広場に多数いると伝えろ!」
「畏まりました!」
城門から行軍の音が聞こえる・・・その数1000。
その音は真っすぐに中央広場へと向かう・・・と思っていたら、真っすぐに王宮に向かって行った!
俺は思わず、貴族軍へと走って行き、先頭の馬の所、バレット王子に駆け寄った。
「何してんだよ!王国軍は中央広場って聞いてないのかよ!」
「ああ、聞いたよ。だからこの道を行く。」とバレットが冷静に答える。
「何故だ?」
「何故だ?敵の大将は王宮にいる。今は王国軍が中央広場に集まっている。だったら、今のうちに手薄の王宮を攻め落とすのが戦術と言う物だろう。」
「お前は、民衆を何とも思ってないのか?」
「勘違いしないでくれ。これも民衆を守るための戦いだ。それに君がいる。違うか?」
「分かったよ!暴徒は俺達が抑えてやらぁ!」
「オウカさん、信じているよ。」
「あ~それとな。」
「何だい?」
「王宮には、まだゼノンさんが残ってると思うから、見つけ次第、ベルサイユ宮殿に送ってくれ!」
「約束しよう。行くぞ!ハッ!」バレットは行ってしまった。
「王都内にいる全団員に告ぐ。今から我々は中央広場の暴徒鎮圧に向かう。繰り返す、中央広場に集まれ!」
「ジギル!」
「ハッ!」
「そこはスピアとシールドに任せて、ベルサイユ宮殿に向かってくれ!」
「ハッ!主殿はどちらへ?」
「俺は中央広場にいる暴徒の鎮圧に行く!」
「わかりました!ご武運を!」
俺は、再度全団員に命令をする。
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