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リンド法国編
0104 バレットと玲子の悪巧み
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日曜日がやって来た。
「しかし、異世界に来てこう何度もスーツを着る羽目になるとは・・・。」
オウカの普段着は戦闘服である。この世界の服はみすぼらしいし、何と言っても戦闘服は動きやすいしカッコいい!これに尽きる。
「新しいスーツを送ってもらうか・・・。」
そうこう考えていると迎えの馬車が来た。
何度も言うが、ベルサイユ宮殿から王宮までは歩いても行ける距離なのである。
「そんなに体裁って必要なのかねぇ~。」
5年前とは違い、王宮まで真っすぐに馬車は走る。以前は瓦礫のせいで遠回りしたのが嘘のように街が整備されている。
レストランミツヤの影響だろうか、飲食店舗という物も存在しているようだ。
5分ほどで王宮に着き、階段を登る。中央に「正真正銘の女神クリス・サリーナの像」が置かれている。
「オウカ様、お久しぶりです!」挨拶をしてくるのは近衛兵団長アム・ロッシさんだ。
久しぶりですね。元気にしていました?と他愛のない挨拶をして、王宮の間に続く少し長い廊下を歩く。
「オウカ様のお成りでございます!」
すると、重そうな開き戸2枚が同時に開けられ、赤い絨毯の道を挟むように国の偉い方々や貴族たちが並ぶ空間が広がる。
一番奥にある玉座にバレット国王、横にサンドラ元王妃、サリー王女が座っている。
通路を挟むようにゼノン司祭、他貴族たちが並んでいる。
「よくぞ参られたオウカ殿!」
俺は片膝を着き「王に置かれましてもご健勝のようでなによりでございます!」と挨拶をした。
「ヒガシムラヤマ領再建の働き、大儀であった!」場内に拍手の音が聞こえる。
「よって、褒美を与える!」と羊皮紙のスクロールを広げ読み上げた。
「まず、金貨1000枚を進呈する!並びに前ジョアン・リーズ・ハラン邸を所有物とする!さらに、オウカ殿の持つ傭兵団を私設傭兵団として王国預かりとする!」
「あの、傭兵団を王国預かりと言うのは・・。」
「ああ、体制はそのままで、賃金は王国で持つという事だ。安心されよ。」
「は、はあ・・・。」
「それだけではないぞ!これが一番の贈り物じゃ!」バレットがマントを翻すように手をバッと前に振る。
「我が妹、サリーをそなたに授ける!これで、オウカ殿は王国一の貴族だ!」
貴族たちの歓声と拍手が鳴りやまない。
「・・・・・断る。」
「またですか?オウカ殿?」バレットが慌てる。
「ほら、サリーも17歳になったし、もう立派なレディーじゃないか?そろそろ貰ってくれないか?」
「私の娘が気に入らないと言うのですか!オウカ様!」と元王妃が圧力を掛けてくる。
「私の事が嫌いなんですか~!」とサリーも泣きそうな顔になっている。
「5年前にも言いました通り、サリー様には好きな人と結婚していただきたいのです!」
そりゃあね、17歳だから法律にもひっからないですよ?だからといって151番目の妻って良くないよ?だってこの子、王女だよ?他の嫁が萎縮しちゃうでしょ?
「どうしても、駄目だと言うのですか?」バレットも今回は負けじと粘ってくる。
「オウカ殿がそう言うのなら仕方ない。」
「解ってくれましたか!」ほっと胸を撫でおろしたのも束の間
「今から、緊急協議会を開く!今度こそ、口説き落として見せる!」とバレット国王はやる気になっていた。
3日後・・・。
「はぁ~。」レストランミツヤのテーブルに突っ伏しているのはバレットである。
「相変わらず、体力あるなぁ~オウカさんは・・・。」
「ほら、早く飲まないとミルクティーが冷めますよ。」
そう、今回も協議会は「寝ずの3連日」で、貴族たちは魂が抜けそうになっているのである。
「レイコさんは、オウカさんにウチの妹が嫁に来るのは反対ですか?」
「私は構わないわよ。」玲子は笑いながら答えた。
「レイコさんからも説得してくださいよ~!」
「確かに、最初に嫁が増えて行っても怒らないからと言ったけど、まさか150人もお嫁さんがいるんだもの、その辺りを気にしてるんじゃないかしら?」
「どうやったら、妹をオウカさんの嫁に出来ますか?」
どうしよう・・・と考えながら、まっ、いいかと考え付いて
「実はね、オウカさんには特殊な才能と言うか、副作用があると言うかそう言った能力があるの。それを使えばお嫁さんに出来るわよ。」
「それはどの様な能力ですか?」
「ほら、オウカさんって、サリーナ様の加護を与える事ができるでしょ?その名前を付けられた人は男性はオウカさんに忠誠を誓い、女性はお嫁さんになるの。」
「じゃあ、私もオウカさんに忠誠を誓ったという事ですか?」
「バレットの場合はサリーナ様から直接、名前を頂いたから違うと思うけど。」
「それじゃあ、オウカさんに名付けをしてもらうとお嫁さんになれるという事ですか?」
「そうね、そうなるわよ。」
「それか、もう一つ手があるわ。」
「どんな事ですか?」バレットは眠気は何処へやら、真剣に聞いている。
「既成事実を作るの。」
「キセイジジツ?何でしょうか?それ。」
「王女様ってまだ、貞操は守っているわよね?」
「そりゃ、勿論・・・って、何を考えているんですか!」バレットの顔は赤く染まっている。
「勿論、嘘でもいいのよ!例えば唇を奪われた!とか言って責任を取ってってせまるの!」
「ほほう、それでオウカさんを追い込むという訳ですね。」
「ええ。王女さんには、色々な理由を付けて宮殿に泊まって貰えばいいわ。後は、私たちが何とかしてあげる。」
バレットは勢いよく立ち上がり「本当ですか!手伝ってくれますか!」と興奮している。
「ええ、だから「諦めました」って言って協議会はお開きにすればいいんじゃないかしら?」
「解りました!そうします!」と言ってドアを開けた。
ウフフ、桜花さんをどうやって嵌めようかしら?今夜から楽しみだわ。玲子は薄ら笑いを浮かべていた。
「しかし、異世界に来てこう何度もスーツを着る羽目になるとは・・・。」
オウカの普段着は戦闘服である。この世界の服はみすぼらしいし、何と言っても戦闘服は動きやすいしカッコいい!これに尽きる。
「新しいスーツを送ってもらうか・・・。」
そうこう考えていると迎えの馬車が来た。
何度も言うが、ベルサイユ宮殿から王宮までは歩いても行ける距離なのである。
「そんなに体裁って必要なのかねぇ~。」
5年前とは違い、王宮まで真っすぐに馬車は走る。以前は瓦礫のせいで遠回りしたのが嘘のように街が整備されている。
レストランミツヤの影響だろうか、飲食店舗という物も存在しているようだ。
5分ほどで王宮に着き、階段を登る。中央に「正真正銘の女神クリス・サリーナの像」が置かれている。
「オウカ様、お久しぶりです!」挨拶をしてくるのは近衛兵団長アム・ロッシさんだ。
久しぶりですね。元気にしていました?と他愛のない挨拶をして、王宮の間に続く少し長い廊下を歩く。
「オウカ様のお成りでございます!」
すると、重そうな開き戸2枚が同時に開けられ、赤い絨毯の道を挟むように国の偉い方々や貴族たちが並ぶ空間が広がる。
一番奥にある玉座にバレット国王、横にサンドラ元王妃、サリー王女が座っている。
通路を挟むようにゼノン司祭、他貴族たちが並んでいる。
「よくぞ参られたオウカ殿!」
俺は片膝を着き「王に置かれましてもご健勝のようでなによりでございます!」と挨拶をした。
「ヒガシムラヤマ領再建の働き、大儀であった!」場内に拍手の音が聞こえる。
「よって、褒美を与える!」と羊皮紙のスクロールを広げ読み上げた。
「まず、金貨1000枚を進呈する!並びに前ジョアン・リーズ・ハラン邸を所有物とする!さらに、オウカ殿の持つ傭兵団を私設傭兵団として王国預かりとする!」
「あの、傭兵団を王国預かりと言うのは・・。」
「ああ、体制はそのままで、賃金は王国で持つという事だ。安心されよ。」
「は、はあ・・・。」
「それだけではないぞ!これが一番の贈り物じゃ!」バレットがマントを翻すように手をバッと前に振る。
「我が妹、サリーをそなたに授ける!これで、オウカ殿は王国一の貴族だ!」
貴族たちの歓声と拍手が鳴りやまない。
「・・・・・断る。」
「またですか?オウカ殿?」バレットが慌てる。
「ほら、サリーも17歳になったし、もう立派なレディーじゃないか?そろそろ貰ってくれないか?」
「私の娘が気に入らないと言うのですか!オウカ様!」と元王妃が圧力を掛けてくる。
「私の事が嫌いなんですか~!」とサリーも泣きそうな顔になっている。
「5年前にも言いました通り、サリー様には好きな人と結婚していただきたいのです!」
そりゃあね、17歳だから法律にもひっからないですよ?だからといって151番目の妻って良くないよ?だってこの子、王女だよ?他の嫁が萎縮しちゃうでしょ?
「どうしても、駄目だと言うのですか?」バレットも今回は負けじと粘ってくる。
「オウカ殿がそう言うのなら仕方ない。」
「解ってくれましたか!」ほっと胸を撫でおろしたのも束の間
「今から、緊急協議会を開く!今度こそ、口説き落として見せる!」とバレット国王はやる気になっていた。
3日後・・・。
「はぁ~。」レストランミツヤのテーブルに突っ伏しているのはバレットである。
「相変わらず、体力あるなぁ~オウカさんは・・・。」
「ほら、早く飲まないとミルクティーが冷めますよ。」
そう、今回も協議会は「寝ずの3連日」で、貴族たちは魂が抜けそうになっているのである。
「レイコさんは、オウカさんにウチの妹が嫁に来るのは反対ですか?」
「私は構わないわよ。」玲子は笑いながら答えた。
「レイコさんからも説得してくださいよ~!」
「確かに、最初に嫁が増えて行っても怒らないからと言ったけど、まさか150人もお嫁さんがいるんだもの、その辺りを気にしてるんじゃないかしら?」
「どうやったら、妹をオウカさんの嫁に出来ますか?」
どうしよう・・・と考えながら、まっ、いいかと考え付いて
「実はね、オウカさんには特殊な才能と言うか、副作用があると言うかそう言った能力があるの。それを使えばお嫁さんに出来るわよ。」
「それはどの様な能力ですか?」
「ほら、オウカさんって、サリーナ様の加護を与える事ができるでしょ?その名前を付けられた人は男性はオウカさんに忠誠を誓い、女性はお嫁さんになるの。」
「じゃあ、私もオウカさんに忠誠を誓ったという事ですか?」
「バレットの場合はサリーナ様から直接、名前を頂いたから違うと思うけど。」
「それじゃあ、オウカさんに名付けをしてもらうとお嫁さんになれるという事ですか?」
「そうね、そうなるわよ。」
「それか、もう一つ手があるわ。」
「どんな事ですか?」バレットは眠気は何処へやら、真剣に聞いている。
「既成事実を作るの。」
「キセイジジツ?何でしょうか?それ。」
「王女様ってまだ、貞操は守っているわよね?」
「そりゃ、勿論・・・って、何を考えているんですか!」バレットの顔は赤く染まっている。
「勿論、嘘でもいいのよ!例えば唇を奪われた!とか言って責任を取ってってせまるの!」
「ほほう、それでオウカさんを追い込むという訳ですね。」
「ええ。王女さんには、色々な理由を付けて宮殿に泊まって貰えばいいわ。後は、私たちが何とかしてあげる。」
バレットは勢いよく立ち上がり「本当ですか!手伝ってくれますか!」と興奮している。
「ええ、だから「諦めました」って言って協議会はお開きにすればいいんじゃないかしら?」
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