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ハイマギーの森編
0132 王宮にての食事会
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翌日、王宮にて。
王宮の接待用の部屋?応接室よりも広いが王宮の間よりも小さい部屋は、大きな窓には赤地に金の装飾が成されているカーテンがあるだけの比較的にサッパリとした部屋には、桜花の希望で急遽、オープンキッチンと木製のカウンター席が儲けられている。
カウンター席の前には、日本風の調理場があり、客席の前には氷を敷き詰められた薄い木箱の上に新鮮な魚介類が陳列されていて、サウラさん、ブニールさん共に、これは珍しいと喜んでいた。
カウンター席の前には「板前」がいる訳だが、白衣を着た大柄な男性が一人、留袖の和服を纏った美女がいて、珍しい服装に二人は落ち着かない様子。
オープンキッチンの方にはリリア、シェフ、コックがスタンバイ。リリアが居るという事で二人は少し、安心しているようだ。
「それでは、こちらにお座りください。」
バレット、俺、サウラさん、ブニールさんの順でカウンター席に座る。普通は会談というものはテーブルで行うものでは?と二人は不思議そうな顔をしていたが、これも気構えないフランクに話しましょうというバレット国王の計らいですよと説明をした。
「では、乾杯に致しましょう。お飲み物は何がよろしいですか?」
普通、王宮では有無を言わさずワインが注がれるものであるが、注文が出来ると言う事からこの会合は違う物になると二人は予感した。
「それでは、リンド評議国で飲んだニホンシュをお願いできますか?」
「私もニホンシュがいいですわ」
余程、ニホンシュが気に入ったのか、はたまたここで飲まなくては当分の間、ニホンシュが飲めないと思っているのか、二人は即答だった。
「どの様な味がお好みですか?」
板前の問いに二人は不思議そうに、ニホンシュには他にも味があるのか?ならば、お任せいたしますと言うと板前は桝に細めのグラスを置き、桝にこぼれるほどの量を注ぎ、全員に差し出した。
「これは、どうやって飲むのでしょうか?」
当然の疑問と言えばそうなのかもしれない。なにせ、このような形の酒の注ぎ方を見るのは初めてだろうし、二人にとっては異国文化と言えるので戸惑うのも無理はない。
「好きな方法で飲んで頂いて結構です。グラスから飲んでテーブルに置く。グラスの酒がなくなったら、桝に入った酒を飲む。これが一般的ですね」
それでは乾杯!・・・の前にサウラさんが声をあげる。差し出されたグラスは薄く、飾り模様が施されている。その細かい所まで見逃さないのはさすがに商人ギルド。
商売に繋がるからと、バレットにどこで作られているのか商人ギルドに降ろすことは出来るのかと執拗に効いているので、なかなか乾杯に至らないのだ。
バレットは、少し慌てたように、後で紹介しますから、まずは乾杯をしましょうとなだめて、やっと乾杯となった。
各々グラスを持ち上げ乾杯!と一口。キリリと辛口の中にまろやかさがあり、更にフルーティーな香りまでするニホンシュにいたく感動されたご様子。このニホンシュは「大吟醸」と言われるニホンシュで、材料から厳選された物ですと板前が説明をした。
乾杯のグラスをカウンターに置くタイミングで一皿目を板前がカウンターに置き、更に和服の美女が酒を注ぐという連携した動きに二人はこのようなサービスは初めてだと感心をしている。
「これは、なんですの?初めて見ましたわ。」
「これは、「アワビ」という貝でございます。一つはオツクリにもう一つはバターソテーにしてあります」
バター?聞きなれない言葉と見た事がない食材に不安を抱きながらも一口。味はどうだったかと言うと、一瞬でなくなったので説明はしなくてもいいだろう。
食べ終わるタイミングで二皿目。サウラさんが待っていたオツクリがカウンターに並べられた。
しかし、リンド評議国で目にした物とは違う魚が混じっており、これはサンマという魚で新鮮でないとツクリとして食べることが出来ない珍しい料理ですよと板前が説明をした。
次に出されたものは、「テンプラ」と板前が、こちらのマッチャジオでご賞味くださいと説明をし、素朴ながら味わい深いテンプラに二人は憔悴。ニホンシュが進むとご満悦のようだ。
次に板前が出してきたのは、リンド評議国で食べた事のある「ライス」なのだが・・・。板前が出すライスは小さな長方形にかたどられ、上には魚が乗っている物が五種類ほどあった。
これは「オスシ」と言います。「ショウユ」を付けてご賞味下さい。説明のままに食べてみると少し酸味があるライスは口の中でホロホロとほぐれ、握って作ったとは思えないと二人は喜び、頬張っていたが、この量では足らないらしくお代わりをせがむご様子。
喜んで頂くのは結構ですが、リリアさんが作る料理もありますのでと板前はこれ以上作ることを断った。
板前が出す料理はここまで。次はレストランミツヤの料理を楽しんで貰う為にカウンター席からテーブルへと移ってもらった。
バレットは、板前と和服の女性も同席しても良いですか?と一言入れ、あんなに美味い料理を出すのだから、是非にと二人は快く承諾、板前達はサウラ・ブニールと同じテーブルについた。
リリアが出す料理は、一品目はトウモロコシを使ったポタージュ、二品目は彩野菜のサラダ、三品目はマグロのカルパッチョ、四品目はジャガイモを使ったグラタンと続く。
そして、
「これだ!これを待っていた!」
出されたのは、メインディッシュの「クロゲワギュウステーキ」
リンド評議国で出された物よりも肉厚に切ってあるので、破壊力は満点!サウラさんは、無口になり、ブニールさんはライスを求めた。
二人がステーキを食べる前で、リリアは二枚目のステーキを焼いている。当然、おかわりの要望があった。
二枚目のステーキは味を変えて肉の上に大葉と大根おろし、ポン酢ソースをかけた和風仕立て。これも美味いと二人は黙々と食べている。
三枚目は・・・。さすがに焼いていなかった。
最後に出されたのは、甘いミルクティー。こんなに香りが高く濃厚なお茶は初めてと、こちらも思惑通りにおかわり。お茶請けに塩気がするクッキーもリリアは用意をしてくれていた。
その間の俺はと言うと、バレットが何度も目くばせをしてくるが、完全に無視。純粋に料理を楽しむ。痺れを切らしたバレットはオウカさん!と言うのだが、これも無視。サウラさんとブニールさんは、先ほどまで料理をしていた板前達と話し込んでいる。
特に板前に質問攻めをしていたのはサウラさんで、この料理はどこの国の物か、どうやって食材を確保しているのかと聞いていた。
板前に付いていた女性はサウラさんの質問に一つ一つ丁寧に答え、いつの間にか仲良しになって行ったようだ。
その横で、酒の回ったブニールさんが、板前に良い体つきをしていると、力比べ・・・。いわゆる、腕相撲となり、1勝1負。勝負が付かず。しかしブニールさんは気に入ったと板前と酒を酌み交わすようになっていた。
本来、会談という物は粛々と行うべきだと思っているバレットを他所に部屋の中は宴会状態。話し合いも何もあったもんじゃない。
「オウカさん、どういうつもりですか?このままじゃ何も話せないじゃないですか!」
バレットは怒り半分、呆れ半分といった様子。生真面目な彼の前ではありえない光景なのだから。
「これが、作戦だ」
桜花の言葉にバレットは何を言いたいのか?と言わんという顔をしている。
そう、こうなるのを待っていた訳ですよ。俺は。
真面目な話し合いも結構。でも相手は名前を変えたと云えども「魔王国の魔王」なのだから、先入観の強い人間族に正攻法で行くと絶対に上手く行くはずがない。
だから、宴会を催したのだ。
「では、行こうか!」
「ええ、行きましょう!」
サウラさんとブニールさんの言葉に、どこに行くのですかとバレットが聞くと
「もちろん、二ホン国だ!」
バレットは信じられないという顔をしていた。
王宮の接待用の部屋?応接室よりも広いが王宮の間よりも小さい部屋は、大きな窓には赤地に金の装飾が成されているカーテンがあるだけの比較的にサッパリとした部屋には、桜花の希望で急遽、オープンキッチンと木製のカウンター席が儲けられている。
カウンター席の前には、日本風の調理場があり、客席の前には氷を敷き詰められた薄い木箱の上に新鮮な魚介類が陳列されていて、サウラさん、ブニールさん共に、これは珍しいと喜んでいた。
カウンター席の前には「板前」がいる訳だが、白衣を着た大柄な男性が一人、留袖の和服を纏った美女がいて、珍しい服装に二人は落ち着かない様子。
オープンキッチンの方にはリリア、シェフ、コックがスタンバイ。リリアが居るという事で二人は少し、安心しているようだ。
「それでは、こちらにお座りください。」
バレット、俺、サウラさん、ブニールさんの順でカウンター席に座る。普通は会談というものはテーブルで行うものでは?と二人は不思議そうな顔をしていたが、これも気構えないフランクに話しましょうというバレット国王の計らいですよと説明をした。
「では、乾杯に致しましょう。お飲み物は何がよろしいですか?」
普通、王宮では有無を言わさずワインが注がれるものであるが、注文が出来ると言う事からこの会合は違う物になると二人は予感した。
「それでは、リンド評議国で飲んだニホンシュをお願いできますか?」
「私もニホンシュがいいですわ」
余程、ニホンシュが気に入ったのか、はたまたここで飲まなくては当分の間、ニホンシュが飲めないと思っているのか、二人は即答だった。
「どの様な味がお好みですか?」
板前の問いに二人は不思議そうに、ニホンシュには他にも味があるのか?ならば、お任せいたしますと言うと板前は桝に細めのグラスを置き、桝にこぼれるほどの量を注ぎ、全員に差し出した。
「これは、どうやって飲むのでしょうか?」
当然の疑問と言えばそうなのかもしれない。なにせ、このような形の酒の注ぎ方を見るのは初めてだろうし、二人にとっては異国文化と言えるので戸惑うのも無理はない。
「好きな方法で飲んで頂いて結構です。グラスから飲んでテーブルに置く。グラスの酒がなくなったら、桝に入った酒を飲む。これが一般的ですね」
それでは乾杯!・・・の前にサウラさんが声をあげる。差し出されたグラスは薄く、飾り模様が施されている。その細かい所まで見逃さないのはさすがに商人ギルド。
商売に繋がるからと、バレットにどこで作られているのか商人ギルドに降ろすことは出来るのかと執拗に効いているので、なかなか乾杯に至らないのだ。
バレットは、少し慌てたように、後で紹介しますから、まずは乾杯をしましょうとなだめて、やっと乾杯となった。
各々グラスを持ち上げ乾杯!と一口。キリリと辛口の中にまろやかさがあり、更にフルーティーな香りまでするニホンシュにいたく感動されたご様子。このニホンシュは「大吟醸」と言われるニホンシュで、材料から厳選された物ですと板前が説明をした。
乾杯のグラスをカウンターに置くタイミングで一皿目を板前がカウンターに置き、更に和服の美女が酒を注ぐという連携した動きに二人はこのようなサービスは初めてだと感心をしている。
「これは、なんですの?初めて見ましたわ。」
「これは、「アワビ」という貝でございます。一つはオツクリにもう一つはバターソテーにしてあります」
バター?聞きなれない言葉と見た事がない食材に不安を抱きながらも一口。味はどうだったかと言うと、一瞬でなくなったので説明はしなくてもいいだろう。
食べ終わるタイミングで二皿目。サウラさんが待っていたオツクリがカウンターに並べられた。
しかし、リンド評議国で目にした物とは違う魚が混じっており、これはサンマという魚で新鮮でないとツクリとして食べることが出来ない珍しい料理ですよと板前が説明をした。
次に出されたものは、「テンプラ」と板前が、こちらのマッチャジオでご賞味くださいと説明をし、素朴ながら味わい深いテンプラに二人は憔悴。ニホンシュが進むとご満悦のようだ。
次に板前が出してきたのは、リンド評議国で食べた事のある「ライス」なのだが・・・。板前が出すライスは小さな長方形にかたどられ、上には魚が乗っている物が五種類ほどあった。
これは「オスシ」と言います。「ショウユ」を付けてご賞味下さい。説明のままに食べてみると少し酸味があるライスは口の中でホロホロとほぐれ、握って作ったとは思えないと二人は喜び、頬張っていたが、この量では足らないらしくお代わりをせがむご様子。
喜んで頂くのは結構ですが、リリアさんが作る料理もありますのでと板前はこれ以上作ることを断った。
板前が出す料理はここまで。次はレストランミツヤの料理を楽しんで貰う為にカウンター席からテーブルへと移ってもらった。
バレットは、板前と和服の女性も同席しても良いですか?と一言入れ、あんなに美味い料理を出すのだから、是非にと二人は快く承諾、板前達はサウラ・ブニールと同じテーブルについた。
リリアが出す料理は、一品目はトウモロコシを使ったポタージュ、二品目は彩野菜のサラダ、三品目はマグロのカルパッチョ、四品目はジャガイモを使ったグラタンと続く。
そして、
「これだ!これを待っていた!」
出されたのは、メインディッシュの「クロゲワギュウステーキ」
リンド評議国で出された物よりも肉厚に切ってあるので、破壊力は満点!サウラさんは、無口になり、ブニールさんはライスを求めた。
二人がステーキを食べる前で、リリアは二枚目のステーキを焼いている。当然、おかわりの要望があった。
二枚目のステーキは味を変えて肉の上に大葉と大根おろし、ポン酢ソースをかけた和風仕立て。これも美味いと二人は黙々と食べている。
三枚目は・・・。さすがに焼いていなかった。
最後に出されたのは、甘いミルクティー。こんなに香りが高く濃厚なお茶は初めてと、こちらも思惑通りにおかわり。お茶請けに塩気がするクッキーもリリアは用意をしてくれていた。
その間の俺はと言うと、バレットが何度も目くばせをしてくるが、完全に無視。純粋に料理を楽しむ。痺れを切らしたバレットはオウカさん!と言うのだが、これも無視。サウラさんとブニールさんは、先ほどまで料理をしていた板前達と話し込んでいる。
特に板前に質問攻めをしていたのはサウラさんで、この料理はどこの国の物か、どうやって食材を確保しているのかと聞いていた。
板前に付いていた女性はサウラさんの質問に一つ一つ丁寧に答え、いつの間にか仲良しになって行ったようだ。
その横で、酒の回ったブニールさんが、板前に良い体つきをしていると、力比べ・・・。いわゆる、腕相撲となり、1勝1負。勝負が付かず。しかしブニールさんは気に入ったと板前と酒を酌み交わすようになっていた。
本来、会談という物は粛々と行うべきだと思っているバレットを他所に部屋の中は宴会状態。話し合いも何もあったもんじゃない。
「オウカさん、どういうつもりですか?このままじゃ何も話せないじゃないですか!」
バレットは怒り半分、呆れ半分といった様子。生真面目な彼の前ではありえない光景なのだから。
「これが、作戦だ」
桜花の言葉にバレットは何を言いたいのか?と言わんという顔をしている。
そう、こうなるのを待っていた訳ですよ。俺は。
真面目な話し合いも結構。でも相手は名前を変えたと云えども「魔王国の魔王」なのだから、先入観の強い人間族に正攻法で行くと絶対に上手く行くはずがない。
だから、宴会を催したのだ。
「では、行こうか!」
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サウラさんとブニールさんの言葉に、どこに行くのですかとバレットが聞くと
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