Venus And The SAKURA

モカ☆まった〜り

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エピローグ

0164 勇者 橘良太

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「桜花はいるか?」

 ベルサイユ宮殿の門前にひときわ美しい女性が立っている。
 後光が差しているのか光り輝いて見える。

「オウカ様なら宮殿奥にいますのでどうぞお入りください。」

「オウカ様、お客様です。」
「ああ、誰が来たんだ?」
「それが・・・。見た事がない美しい女性です。

「桜花よ!久しぶりだな!」
「はあ・・・。どちらさまでしたっけ?」
「ああそうか。この姿では分からんな。」

 女性は光り輝き、小学生のように見覚えのある姿になった。

「サリーナ!」

 桜花の声に皆が驚き、片膝を付き敬服をした。

「どうしたんだ?この世界にこれるのか?」
「ああ、桜花がこの世界を救ってくれたからな。」
「それで、何の用だよ?」
「約束を果たしに来た。」

 約束?そんなのしたっけ?

「なぁ、約束って?」
「そんな事、ここでは言えん。お前の部屋に行こう。」

 桜花の寝室にて。

「で?約束って?」

 サリーナはおもむろに服を脱ぎだした。

「何をしている?」
「無論、お前に抱かれに来た。」
「何でだ!」
「お前、バスルームで交わした約束を覚えとらんのか!」
「あれは勢いだ!本気にするな!」
「ならば、本気にさせてやろう。」

 サリーナは、光り輝く手を桜花の頭に翳した。
 と同時に桜花の股間がみるみると硬くなり、欲情が激しく高ぶっている。

「お、お前、辛抱たまらん!」
「さあ、約束の時だ、思う存分にわらわを抱くがよい。」

 その日は朝まで、寝室から出てこない二人だった。



 翌朝。

 げっそりとした桜花とつやつやとしたサリーナが手を繋ぎながらリビングへとやって来た。
 サリーナは美しい女性の姿になり、げっそりとした桜花に口づけをすると、みるみると元気になって行った。

「どうだった?」

 サリーナは悪戯っぽく桜花に聞いてくる。

「はい・・・。とても、誰よりも良かったです・・・。」
「そうであろう、そうであろう、ヴィーナスとは本来『肉欲の神』だからな!」

「それはそうとな、桜花よ。」
「なんだよ?」
「わらわも、桜花のお嫁さんになるぞ。」
「はぁ!なんでだよ?」
「わらわを抱いたであろう?あれは結婚の儀なのだよ。お前はわらわから離れられない存在となったのだ。」

 この世界に来て最後の嫁になるのが女神さまだと言うのか。

「そんなことをして、女神の仕事はどうするんだよ?」
「ああ、それは問題ない。それぞれの神殿に赴くからな。」
「そんなものなのか?」
「そんなものだ。」

「ところで、どっちがいい?」
「なにがだよ?」
「大人バージョンと、本来の姿だよ?ちなみに昨日は本来の姿だったがな。」
「そんな事言われてもなあ。」
「ならば、今夜は大人バージョンで抱いてみるがよい。こっちもなかなかだぞ。」
「はいはい。期待してますよ。」

 そんな話を聞いて黙っていられないのは他の嫁達。
 しかし、相手がサリーナでは口も出せない。
 みんなもごもごとしている。

 そんな嫁達を知ってか知らずかサリーナは女性陣に向かって言った。
「今夜だけは独占させてくれ。明日からはみんなの好きにすれば良いから。それに、皆にはわらわと同じだけの快楽を得られるように祝福をしてやるぞ!」

 そう答えるサリーナと歓喜に震える女性たちだった。


「それはそうとな。桜花よ。」
「なんだよ。」
「お前に会わせたい者がいる。リョウタも一緒にだ。日本に行こう。」




***



 ここは東京。

 ここで待ち合わせをしているとサリーナがカフェに顔を出した。
 一人の青年が立ち上がり、お辞儀をしている。

 その姿を見てリョウタが座り込んだ。

「勇者様・・・。よくぞご無事で・・・。」

「初めまして、三ツ谷桜花さん。私は橘良太と申します。」
「橘良太って、先代の勇者と同じ名前・・・。」

「ええ、記憶はそのままに、現代に転生したのですよ。」
「どうやって・・・。」

「それが、勇者の最後の願いだったからだよ。」

 サリーナは淡々と説明をした。
 勇者が民衆に剣を刺され、息絶える瞬間に、この世界に平和が訪れるときに、またこの世界にやってきたいと願ったんだ。だから、現代日本に転生をさせたという訳だ。

「これからは、またあの世界に転移をして、新たに文明を進めたいと思います。勿論、魔王国で。いや、今は二ホン国だっけ?それにしても嬉しいよ。魔王が私の名前を継いでもらえるなんて。桜花さん、ありがとう。」

「そうですか。それはリョウタも喜びます。」




「それはそうとサリーナ。」
「なんだ?」
「関信一郎から聞いたんだけど、俺達異世界人ってあの世界では不老不死なのか?」
「ああ、そうだ。守護神の役割も担っているからな。」

「それでは、俺以外はみんな先に死んでしまうということだろ?」
「いや、お前が名付けた者。所謂、嫁と眷属も不老不死だ。」
「そうなのか。」

「なんだ?日本に帰りたいのか?」
「帰りたくないと言えば嘘になる、でも500人以上の眷属を持ってしまった今では、もどれないからなぁ。」

「それでは、契約を一部変更して、これからも日本にいつでも帰る事が出来るようにしてやろう。それがお前の願いだからな。」




***



 200年後。

 現在まで変わった事と言えば、バレットや知り合いは既に亡くなってしまったこと。
 バレットに関してはバレット8世という青年が国王をしている。
 この国王もクロゲワギュウステーキが好物で、バレットを思い浮かばせてくれる、頼もしい奴だ。

 今までの移動手段は徒歩だった物が、橘良太さんのお陰で、鉄道が走るようになった。
冒険者ギルドはなくなったけど、商人ギルドは健在だ。

 俺はと言うと・・・。
 嫁達に子供が生まれ、またその子供が結婚をし、子供が生まれ・・・。
 今では5000人を越える大家族になった。

 そろそろ、ベルサイユ宮殿も手狭になったので、以前にバレットにもらった宮殿を使わせてもらうとするか。




「桜花よ!」

 サリーナが慌てて、俺の元にやって来た。

「別の大陸で魔王軍が攻めて来るそうだ!」

 やれやれ、今回は先代勇者と共同で平和を勝ち取るとしよう。
 俺達の冒険はこれからも続くのだろう。

ー完ー


***

この度は「Venus And The SAKURA」を読んで頂き、
誠にありがとうございました。

下手くそながらも、最終話まで書き上げることが出来ました。
今後も小説を書いていきます。
(ちょっとぐらい上手くなっていればいいですけど・・・。)

あと、何故かコメントが一切ない!ので(笑い)
コメントも頂ければありがたいです!

それでは、また。

モカ☆まった~り
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