腐れ縁

奈落

文字の大きさ
上 下
1 / 1

腐れ縁

しおりを挟む
ハッピーハロウィーン♪
と魔女のコスチュームでこいつはやってきた。
「おい、もう12月だぞ。やるならサンタコスにしろ!!」
「だって、サンタさんて何かプレゼントをあげなきゃいけないんでしょ?こっちならお菓子もらえ…」
俺はゴン!!と音が響くくらいの力でこいつの頭を殴り倒した。
「季節感を大事にしろ!!」
「だったら振袖の方が良かった?お年玉もらえるし♪」
「千歳飴をくれてやるよ。」
「わーーい♪飴がもらえる♪」
「俺の皮肉がわかってないな…」
俺は頭を抱えた。

いつもの事ではあるが、俺にはこいつの脳内構造が想像つかない。
とは言え、幼い頃からの腐れ縁っていうやつか、今もってこいつの側にいる俺も俺だと思う。
これはお互い、所帯を持っても続いていくのかも知れない。
…とは言え、俺はともかくこいつが所帯を持つことなど、想像できないorz

まあ、こいつが女だったら…こいつは女装コスには何の抵抗もないし、またそれが似合っているから始末に悪いが、れっきとした男性である…他人に押し付けるよりはと、もらってやることもないのだが…
と思っていた矢先に事件は起こった。
そして半年後



「金ぴかの文金高島田ど純白のウェディングドレスとどっちが良い?」
「もちろんウェディングドレス♪」
と満面の笑顔を見せ付けてくる。
「で、どっちが着るの?もしかして、二人ともウェディングドレス?♪」

何の因果か、こいつではなく俺が性転換病で女になってしまっていた。
他人に押し付けるよりはとこいつと所帯を持つ事になった。
が、こいつはこいつで変わることはないのだろう…
俺は自分の着るウェディングドレスを選んでいった。

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...