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怪盗&と羊の足の鏡
羊の足のボスは鏡を持つ
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止められた車。運転席にはフィクサーがハンドルに腕を乗せるようにしている。その顔に周りの人間すべてを皮肉るようないつもの笑みはない。助手席に大人しくしていたアンドは首を傾げた。二つの目は今日も澄んだ青色。
彼等の乗る車を綺麗に包囲するように黒い車が円を描くように複数止まっている。ヘリコプターが上空に飛んでいる音がする。アンドは囲まれているこの状況について、隣の彼に話しかけようとした。しかし、それよりも前にフィクサーが車のドアを開けて出てしまう。ドアは開きっぱなし。腕を組んで肩を竦めるフィクサーの前に背広の男たちが歩み寄る。
その男たちの真ん中にいた老人に、アンドは見覚えがあった。フィクサーさんのお友達――彼の言うところの手駒、ではなかったか?アンドはますます首を傾げる。
「――坊ちゃん、お迎えに上がりましたよ、ボスの元へお帰りなさい、お待ちですぞ」
老人のしゃがれた声に、フィクサーは高らかに笑う。いっそ清々しいほどにわざとらしい笑い声だった。
「坊ちゃん?最高に愉快な冗談だな。嫌な夢でも見そうだ。この俺をそんなふざけた呼び方で……良い度胸だな。手駒――といってもボスの古ぼけた手駒だろ?もとより俺についたつもりはなくいずれ裏切る。知っていた、あの男がそうしないわけもない。使い捨ての手駒をレンタルされていたわけだ、俺は」
「お帰りを」
「帰る?」
はんと彼は鼻で笑った。
「俺はがらくたに攫われていただけなもんでな、帰る、という言葉には多大に語弊がある」
フィクサーはアンドを横目で見て、視線を逸らした。彼の金糸で表情が隠れる。
「言っておくが、すでにこいつを兵器として使うためのシステムは組み込んである。俺がトリガーを引けば、作動するように。何がトリガーかは――言う気はさらさらねえ、これはボスを葬るための計画なのだから」
饒舌に彼は語って、話についていくことのできていないアンドをさらに置き去りにする。
「「羊の足」のボスを殺す――俺はそのためにこのがらくたを手元に置いていた、全ては俺の計画だ」
「――父を殺す、と?」
「父、ねえ。父として接された覚えもなければ、息子として接した覚えもない。そもそもボスは生きている限りは自分が支配するおつもりなんだから、葬式があるまでは俺はただの手駒の一つ、それくらいわかってるだろ?馬鹿馬鹿しい」
不愉快にさせようと意図的にしているかのような声音で、フィクサーは言い手を振った。
「このがらくたは兵器として使う、俺の計画通りに」
「はったりはおよしなさい、ボスはわかっておいでだ」
「ふん、はったりだというのなら好きにすると良い。はったりかを確かめる術はどこにもないのだから」
「フィクサー、さん?……どういう、「羊の足」?兵器?計画ってなんですか……?」
零れたような響きに、フィクサーは歪んだ笑いで応じる。アンドは言葉を失くして、ただ黙った。
「……交渉を」
「取引成立だな」
フィクサーは白髪の老人に嘲るような顔を向けて、不意にアンドに言った。寝ろ、と。まるでそれが何かのトリガーであったかのように、アンドの身体は動かなくなり、少しずつ稼働する領域が停止していく。フィクサーの去っていく後ろ姿にアンドは手を伸ばして、そのまま彼の動作は停止した。
エレベーターが停止し、ドアが開いた。広い部屋。ビルの最上階が全て一室になっている部屋。左右の壁の大部分が窓ガラスとなっていて空が見える。他の建物ははるか下に見えるだけだった。
「お帰りなさい、私の蹄。お前がいなくなったと聞いたときは、心配したんだぞ」
「心配?兵器を奪って逃走した俺が、いつあんたを害するかをだろ?長らくお目通りもしてない俺を覚えておいでだったとはな、よほど暇らしい、嘆かわしいな」
嘲笑でフィクサーは答えた。彼の足元からまっすぐに縦長の絨毯が敷かれていて、その先に男が座っている。
静かな声音の男は、会社勤めの中年男性代表かのような印象の薄い顔をしている。特徴を尋ねられた時に、人が好さそう、優しそう、それが辛うじて特徴であると誤魔化されるような見た目の男だった。
――ただその笑い方が、異様なことを除いては。
全てを馬鹿にして、台無しにしようとするような、歪んだ笑みを浮かべている。その笑みは男の目前に立っているフィクサーととても良く似ていた。男と彼の血縁関係を感じさせてしまうほどに。
「よくわかってるじゃないか。私は臆病者だからな、何も信用などできないんだ、どれほど長く共にいる相棒だろうが、実の息子だろうが」
「あんたが息子なんて単語を使うと吐き気がするな、笑いどころがわからねえ。笑ってほしいなら配役を間違えているな、yesを言うしか能のない役立たずどもを連れてきたらどうだ」
酷いねと首を振って男は、歪んだ口元をさらに歪めて笑う。そして、穏やかだった口調から急に温度が消える。
「さて、ね。私は蹄をきちんと教育することにしているんだ、知っているだろ?踏むべき大地を間違えないように。間違って私の足を踏まれては困るからな」
椅子に深く腰掛けなおして、頬杖をついた。退屈そうなその仕草の中にも、欠片も隙が無いことをフィクサーは知っていた。
指輪、床、デスク、カフスボタン、あるいは声。他にも彼が見つけられない、いくつのものを罠の起動ボタンとしているのか、わかったものではない。フィクサーは表情を変えないまま、一つずつその位置を確認し、罠の中身を予想していく。攻撃に転じるためというよりも、疑うことが常である彼の癖に近いものだった。
「私のやり方は徹底的に折ることだ。折ってしまえば、傷が残るからな。一生消えない――心の傷だ。反抗することも考えられない恐怖、それが一番従順な蹄をつくるのに良い」
フィクサーははっと目を見開き、踵を返しかけて、足が止まった。
――鏡だ。
床が鏡になっている。床だけではない、壁も、天井までも、鏡に変貌している。鏡の上に映像を見せる硝子のようなディスプレイを設置し、壁や窓であるかのように見せていたのだった。
フィクサーは動けない。
「……その様子だと、きちんと思い出せるみたいで安心したな。精神的外傷から立ち直られると、弱みがなくなる。お前は私と似て、人を信用しない、こちらの世界に生きるべき人間なんだから」
フィクサーの耳にその声は届いていない。顔は青く、汗がその額に滲み、その目は一点を見て金縛りにあったかのように動かない。
鏡にフィクサー自身が映っている。艶のある金糸はいつも通りゆるく括られていて、しかしその表情はいつものものではなかった。顔面蒼白で震える彼は、とてもではないが普段の傲岸不遜な彼と同一人物とは思われない。血の気が引いて、唇は白く、震えている。
「――お帰りなさい。さあ、全て吐いてもらおう。もっとも、泣いても喚いても、心は折る。嘘をつく気力がなくなるくらい丁寧に折りなおしてやるからな……安心しなさい」
歪んだ笑みで「羊の足」のボスは笑った。
ただの何の変哲もない鏡だ。彼の姿を映しているだけである。しかし、フィクサーは膝をつくように崩れ落ちた。
――ほら見てみなさい。これがお前だ。
彼の脳裏では幼い頃に執拗に繰り返された言葉が何度もリフレインしている。鏡によってフラッシュバックしたものに苛まれ、息は荒く、逃れようとしても目を逸らすことができない。瞬きさえ禁じられているように。
――目を逸らすな。
肩で大きく息をする。呼吸の仕方を忘れてしまったかのように、そのリズムは狂っていた。咳き込んで、その唇から息が漏れる音。
――笑っているじゃないか。
鼓動が耳の裏で聞こえる。
――人に酷いことをして笑えるなんて、悪い子だな、ほらお前はこちらで生きていくべき人間だ。ここ以外の何処にもいけない。
フィクサーは荒い息を飲み込んで、蹲った身を抱くようにした。
――金髪は母さんにそっくりなのに、全然似ていないな。当たり前だ、お前は悪人なのだから。
ふっと自嘲するように彼は笑った。身体はろくに動かない。それでも笑える気力があったことに彼自身が驚く。
「羊の足」のボス――フィクサーの父親が、自室に鏡を仕込んでいたのは裏切りを考慮していたからだ。つまり、ボスは実の息子に裏切られるシナリオを想定していた。――だとしたら。
フィクサーは酷い顔色のまま、力なく笑う。
――だとしたら、この男は俺のことを何一つ理解していない。
フィクサーは悲しんでいるわけでも、怒っているわけでもなかった。彼は確かに安堵していた。
自分の思考を知られることは何よりの弱みとなる。他者に理解されることほど居心地が悪いことはない。弱みを晒して生きていくなど、そんな愚かなこと、少なくとも自分には不可能である。そうフィクサーは思っていた。
吐き気がする。頭が割れるように痛む。全身が逃避を促すように、存在しないはずの痛みとなって彼の身を苛む。
それでも、彼は心底ほっとして、ちかちかと明滅する視界が歪むなかでも笑ったまま意識を飛ばした。
彼等の乗る車を綺麗に包囲するように黒い車が円を描くように複数止まっている。ヘリコプターが上空に飛んでいる音がする。アンドは囲まれているこの状況について、隣の彼に話しかけようとした。しかし、それよりも前にフィクサーが車のドアを開けて出てしまう。ドアは開きっぱなし。腕を組んで肩を竦めるフィクサーの前に背広の男たちが歩み寄る。
その男たちの真ん中にいた老人に、アンドは見覚えがあった。フィクサーさんのお友達――彼の言うところの手駒、ではなかったか?アンドはますます首を傾げる。
「――坊ちゃん、お迎えに上がりましたよ、ボスの元へお帰りなさい、お待ちですぞ」
老人のしゃがれた声に、フィクサーは高らかに笑う。いっそ清々しいほどにわざとらしい笑い声だった。
「坊ちゃん?最高に愉快な冗談だな。嫌な夢でも見そうだ。この俺をそんなふざけた呼び方で……良い度胸だな。手駒――といってもボスの古ぼけた手駒だろ?もとより俺についたつもりはなくいずれ裏切る。知っていた、あの男がそうしないわけもない。使い捨ての手駒をレンタルされていたわけだ、俺は」
「お帰りを」
「帰る?」
はんと彼は鼻で笑った。
「俺はがらくたに攫われていただけなもんでな、帰る、という言葉には多大に語弊がある」
フィクサーはアンドを横目で見て、視線を逸らした。彼の金糸で表情が隠れる。
「言っておくが、すでにこいつを兵器として使うためのシステムは組み込んである。俺がトリガーを引けば、作動するように。何がトリガーかは――言う気はさらさらねえ、これはボスを葬るための計画なのだから」
饒舌に彼は語って、話についていくことのできていないアンドをさらに置き去りにする。
「「羊の足」のボスを殺す――俺はそのためにこのがらくたを手元に置いていた、全ては俺の計画だ」
「――父を殺す、と?」
「父、ねえ。父として接された覚えもなければ、息子として接した覚えもない。そもそもボスは生きている限りは自分が支配するおつもりなんだから、葬式があるまでは俺はただの手駒の一つ、それくらいわかってるだろ?馬鹿馬鹿しい」
不愉快にさせようと意図的にしているかのような声音で、フィクサーは言い手を振った。
「このがらくたは兵器として使う、俺の計画通りに」
「はったりはおよしなさい、ボスはわかっておいでだ」
「ふん、はったりだというのなら好きにすると良い。はったりかを確かめる術はどこにもないのだから」
「フィクサー、さん?……どういう、「羊の足」?兵器?計画ってなんですか……?」
零れたような響きに、フィクサーは歪んだ笑いで応じる。アンドは言葉を失くして、ただ黙った。
「……交渉を」
「取引成立だな」
フィクサーは白髪の老人に嘲るような顔を向けて、不意にアンドに言った。寝ろ、と。まるでそれが何かのトリガーであったかのように、アンドの身体は動かなくなり、少しずつ稼働する領域が停止していく。フィクサーの去っていく後ろ姿にアンドは手を伸ばして、そのまま彼の動作は停止した。
エレベーターが停止し、ドアが開いた。広い部屋。ビルの最上階が全て一室になっている部屋。左右の壁の大部分が窓ガラスとなっていて空が見える。他の建物ははるか下に見えるだけだった。
「お帰りなさい、私の蹄。お前がいなくなったと聞いたときは、心配したんだぞ」
「心配?兵器を奪って逃走した俺が、いつあんたを害するかをだろ?長らくお目通りもしてない俺を覚えておいでだったとはな、よほど暇らしい、嘆かわしいな」
嘲笑でフィクサーは答えた。彼の足元からまっすぐに縦長の絨毯が敷かれていて、その先に男が座っている。
静かな声音の男は、会社勤めの中年男性代表かのような印象の薄い顔をしている。特徴を尋ねられた時に、人が好さそう、優しそう、それが辛うじて特徴であると誤魔化されるような見た目の男だった。
――ただその笑い方が、異様なことを除いては。
全てを馬鹿にして、台無しにしようとするような、歪んだ笑みを浮かべている。その笑みは男の目前に立っているフィクサーととても良く似ていた。男と彼の血縁関係を感じさせてしまうほどに。
「よくわかってるじゃないか。私は臆病者だからな、何も信用などできないんだ、どれほど長く共にいる相棒だろうが、実の息子だろうが」
「あんたが息子なんて単語を使うと吐き気がするな、笑いどころがわからねえ。笑ってほしいなら配役を間違えているな、yesを言うしか能のない役立たずどもを連れてきたらどうだ」
酷いねと首を振って男は、歪んだ口元をさらに歪めて笑う。そして、穏やかだった口調から急に温度が消える。
「さて、ね。私は蹄をきちんと教育することにしているんだ、知っているだろ?踏むべき大地を間違えないように。間違って私の足を踏まれては困るからな」
椅子に深く腰掛けなおして、頬杖をついた。退屈そうなその仕草の中にも、欠片も隙が無いことをフィクサーは知っていた。
指輪、床、デスク、カフスボタン、あるいは声。他にも彼が見つけられない、いくつのものを罠の起動ボタンとしているのか、わかったものではない。フィクサーは表情を変えないまま、一つずつその位置を確認し、罠の中身を予想していく。攻撃に転じるためというよりも、疑うことが常である彼の癖に近いものだった。
「私のやり方は徹底的に折ることだ。折ってしまえば、傷が残るからな。一生消えない――心の傷だ。反抗することも考えられない恐怖、それが一番従順な蹄をつくるのに良い」
フィクサーははっと目を見開き、踵を返しかけて、足が止まった。
――鏡だ。
床が鏡になっている。床だけではない、壁も、天井までも、鏡に変貌している。鏡の上に映像を見せる硝子のようなディスプレイを設置し、壁や窓であるかのように見せていたのだった。
フィクサーは動けない。
「……その様子だと、きちんと思い出せるみたいで安心したな。精神的外傷から立ち直られると、弱みがなくなる。お前は私と似て、人を信用しない、こちらの世界に生きるべき人間なんだから」
フィクサーの耳にその声は届いていない。顔は青く、汗がその額に滲み、その目は一点を見て金縛りにあったかのように動かない。
鏡にフィクサー自身が映っている。艶のある金糸はいつも通りゆるく括られていて、しかしその表情はいつものものではなかった。顔面蒼白で震える彼は、とてもではないが普段の傲岸不遜な彼と同一人物とは思われない。血の気が引いて、唇は白く、震えている。
「――お帰りなさい。さあ、全て吐いてもらおう。もっとも、泣いても喚いても、心は折る。嘘をつく気力がなくなるくらい丁寧に折りなおしてやるからな……安心しなさい」
歪んだ笑みで「羊の足」のボスは笑った。
ただの何の変哲もない鏡だ。彼の姿を映しているだけである。しかし、フィクサーは膝をつくように崩れ落ちた。
――ほら見てみなさい。これがお前だ。
彼の脳裏では幼い頃に執拗に繰り返された言葉が何度もリフレインしている。鏡によってフラッシュバックしたものに苛まれ、息は荒く、逃れようとしても目を逸らすことができない。瞬きさえ禁じられているように。
――目を逸らすな。
肩で大きく息をする。呼吸の仕方を忘れてしまったかのように、そのリズムは狂っていた。咳き込んで、その唇から息が漏れる音。
――笑っているじゃないか。
鼓動が耳の裏で聞こえる。
――人に酷いことをして笑えるなんて、悪い子だな、ほらお前はこちらで生きていくべき人間だ。ここ以外の何処にもいけない。
フィクサーは荒い息を飲み込んで、蹲った身を抱くようにした。
――金髪は母さんにそっくりなのに、全然似ていないな。当たり前だ、お前は悪人なのだから。
ふっと自嘲するように彼は笑った。身体はろくに動かない。それでも笑える気力があったことに彼自身が驚く。
「羊の足」のボス――フィクサーの父親が、自室に鏡を仕込んでいたのは裏切りを考慮していたからだ。つまり、ボスは実の息子に裏切られるシナリオを想定していた。――だとしたら。
フィクサーは酷い顔色のまま、力なく笑う。
――だとしたら、この男は俺のことを何一つ理解していない。
フィクサーは悲しんでいるわけでも、怒っているわけでもなかった。彼は確かに安堵していた。
自分の思考を知られることは何よりの弱みとなる。他者に理解されることほど居心地が悪いことはない。弱みを晒して生きていくなど、そんな愚かなこと、少なくとも自分には不可能である。そうフィクサーは思っていた。
吐き気がする。頭が割れるように痛む。全身が逃避を促すように、存在しないはずの痛みとなって彼の身を苛む。
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