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36)体温 ※性描写あり
夜が深まる。
寝室の窓を叩きつける雨の音が、心地よく室内に響き渡る。
その音が落ち着きに満ちた空気を作り上げ、だがそれとは裏腹に、肌を擦る音やシーツがすれ合う音は、雨音よりも近く、より強く梓の耳に届く。
「んっ……」
唇が重なる音、そしてその間から漏れ出す梓の微かな声。
その音が、和司の欲望をますます鋭く刺激する。
和司の唇は、口元から首筋へと滑り落ち、梓の滑らかな肌を燃やすような熱を帯びて触れる。
その手は大きく、そして優しく梓の足を撫でながら、ゆっくりと後ろへと移動していく。
先ほど浴室で慣らされた梓の体は、まだその記憶を色濃く残している。
和司の指先が、再びその温もりを求めて梓の体へと近づき、恐る恐る内側へと触れた。
「……あっ……!」
梓は突然、驚きのあまり身を仰け反らせ、無意識に体を強張らせた。
その反応に、和司は一瞬手を止め、静かに息を吐く。
「やっぱり、やめた方がいいかもしれないな」
和司の言葉には優しさと慎重さがにじみ、梓はその気遣いに心が震えた。
しかし、すぐに首を強く横に振る。
「違います……そういう怖さじゃなくて……」
梓は、知らぬうちに体が反応してしまうことに強い恥ずかしさを感じた。その胸の奥に広がる不安と恐れが、彼の思考を混乱させる。どうしてこんなにも身体が反応するのか、どうして自分がこんな気持ちになるのか分からなかった。
ただ、和司の触れ方が優しすぎて、心の中で自分を守る壁が崩れていくような気がして、どこかで抵抗したい気持ちが湧いてくる。
しかし、反対に和司の温かさに引き寄せられ、この感情から逃げることができないことを悟る。
そのことを伝えるのが恥ずかしく、顔を赤らめた。
和司は優しく梓の顔を覗き込むと、静かな声で言った。
「大丈夫、無理にとは言わないよ。気持ちが良いなら、それで十分だ」
梓はその言葉に安心し、少しだけ目を閉じて深呼吸をする。自分の心臓が速く鼓動しているのを感じながらも、和司の手のひらの温かさが少しずつ不安を和らげていく。
和司の手が梓の服に触れ、そっと引き剥がすと、冷たい空気が梓の肌に触れ、思わず小さく震える。
彼の指先が白い肌に触れるたび、梓の胸元が熱く反応し、意識がぼやける。
和司の唇がその柔らかな肌に近づき、梓の心臓が早鐘のように打ち始めた。
甘い痛みと快感が交じり合い、梓は無意識に甘い声を漏らす。まるで自分の体が、和司の手のひらに支配されているかのように感じる。
意識の中でどこかがかき乱され、梓が自分の手で感じているその瞬間だけが、全てを支配しているような気がした。和司は梓をもっと気持ちよくしてやりたいという欲が生まれ、梓の突起し始めている乳首を指の腹で撫でた。
「んん……っ」
梓の声を必死に抑えようとするその姿が、むしろ和司に強く印象づけられる。
抑えきれない震えが、彼の心の中で強く反響し、彼への思いがますます深まっていく。
和司は静かに梓の服を少しずつ取り除いていく。その手のひらが梓の肌に触れるたび、梓の胸は微かに震えた。彼の手が優しく胸元に触れるたび、梓は意識の中で、これまで感じたことのないような感情に戸惑いながらも、自然と身を委ねてしまう。
梓は口を閉じ、必死にその感覚を抑えようとするが、体はその温もりに引き寄せられていく。
恥ずかしさと共に、未知の快楽に対する恐れも感じていた。
和司は、梓の心が揺れ動いているのを感じ取り、さらに優しくその手を伸ばした。
梓の背中に手を回し、少しずつ近づくと、彼の心の中で彼に対する感情がどんどん強くなっていくのがわかった。
梓を傷つけることなく、彼が求めるものを感じ取ろうとしながら。
梓の声をもっと聴きたくて、片方を指で撫でもう片方の乳首を舌で舐めては口で吸う。
そして乳首を撫でる反対の手は、梓の立ち上がった身体の一部を包むように触れて撫でている。
身体の三か所が同時に擦られた事で、走る甘い刺激。
梓は必死に声を押し殺していたが、その感情が限界に達し、ついに堰を切ったように声が漏れ出る。
彼の胸の奥から湧き上がる熱が、言葉に変わり、和司に届く。
その瞬間、彼の内面で何かが弾けたように感じられた。
「あっ……やっ……」
梓の口から、余裕を失った、蕩けるような声がこぼれ落ちた。
その声には、抑えきれない欲望と恥じらいが入り混じり、耳に届くたびに和司の胸を強く打つ。
彼の心の奥底から溢れる熱が、言葉にならずに声に変わり、梓自身がその声に驚くほどだ。
「まって……ダメ……」
梓が恐怖からの拒絶ではなく、むしろ少しずつ受け入れ始めていることに気づいた和司は、動きを止めることなく、そのまま深く進めた。
彼の手や舌は次第に勢いを増し、梓の身体に触れる度に、彼自身の中に溢れる欲望を抑えることができなくなる。
和司はもう、自分を止めることができなかった。梓の反応が、彼をさらに駆り立て、心の奥底にあった理性を完全に打ち砕く。
二人の距離が縮まるにつれ、和司はその瞬間に、意識が溶けていくような感覚を覚えた。
身体だけでなく、心まで梓に引き寄せられ、今では彼を求める自分自身の欲望に完全に支配されていた。
和司は息を呑み、梓の反応を感じながら、もう自分を抑えきれないことを確信する。
全てを委ねる覚悟を決めたその時、彼の心は完全に梓と一体になり、時間も空間も無意味になった。
もっと感じてほしい。
声を聴かせてほしい。
梓が欲しい。
和司の欲望は、抑えきれないほどに加速していくばかりだった。
甘く震える梓の声が、彼の理性をさらに崩壊させる。
その一音一音が、和司の心を引き裂くように響き、彼の手のひらが梓をさらに深く感じさせる。
和司は、梓の反応に酔いしれるように、彼を愛撫し続けた。
彼の動きはますます大胆になり、梓の息遣いが和司の中で熱を帯びて、止まらなくなる。
その甘い声が、和司をさらに追い詰めていく。
「んっ……あっ……ぁ……ん!」
柔らかい枕を掴み、仰向けのまま梓は顔を隠す。
その枕からは、和司の香りが強く感じられ、思わず息を呑む。
まるで和司の存在が、身体全体に溶け込んでくるような感覚。
頭の中はぐるぐるとくらくらと揺れ動き、梓は甘い痺れに酔い始めていた。
艶めいた声が自然と漏れ、触れられた肌が熱を帯びていく。
その熱をどうにかして冷まそうと、無意識に呼吸を荒くしながら必死に耐える。
けれど、耳に届く濡れた音が、さらに身体を敏感にし、心の中の迷いを無くしていく。
その音ひとつひとつが、梓の中で反響し、欲望をより強く掻き立てていた。
「もっ……ダメ……ダメだってば……」
快楽に溺れ始めた身体が、もどかしいほど熱を帯び、梓を限界まで追い詰めていく。
その熱が、まるで全身を焦がすように広がり、彼の意識が遠のきそうになる。
涙で潤んだ黒く大きな瞳は、もはや言葉では表現できない感情を映し出している。
限界を告げるようなその瞳に、和司は無言で視線を合わせ、今、どれだけ彼が耐えているのかを感じ取る。
「我慢しなくていい」
低く頼もしい声が耳元で囁かれた瞬間、梓の中で快楽を感じることへの不安が一気に消え去る。
その声は、まるで暗闇を照らす光のように、梓の心を静かに、そして確実に安堵させた。
今まで感じていた迷いが、和司の温かく、力強い言葉一つで消え去り、彼はただその快楽に身を委ねることを許す。
「あぁっ」
強く触れられたことで、梓の身体は反応し、予期せぬ快感が体の中で爆発する。
その反応が、彼の身体を震わせ、息を荒げさせた。
快楽の余韻がまだ身体を支配し、梓の胸は高鳴り続ける。
震える腰と、脈を打つ熱い身体は、まるで全てが溶けてしまいそうなほどだった。
息が荒くなり、口を開けて深く呼吸を繰り返すが、心はまだその余韻に囚われている。
「んんっ!」
梓が荒い呼吸を整えようとしたその瞬間、和司の唇が彼の口を優しく塞いだ。
啄むような優しいキスが続くたびに、梓はまだ終わりではないことを感じ、胸が熱くなる。
唇の隙間から舌が滑り込むたび、じわりと広がる感覚に梓の心はさらに揺れ動く。
舌が交わるたびに、ほんのりと感じるざらつきが、口内を刺激し、身体が微かに震える。
キスの角度が変わるたびに、和司の手のひらが梓の頬を包み込むように触れ、深さとともにその甘さが増していく。
ようやく唇が離れると、二人の間には透明な糸のような繋がりが残り、梓の荒い息はまだ熱を帯びていた。
「大丈夫か?」
和司の顔には心配の色が浮かんでいる。
その目に映る切なさは、彼自身が抱えている感情の重さを物語っているようだった。
ただの心配ではなく、和司の表情には、自身の限界を感じ取っているかのような、複雑な熱が滲み出ていた。
その切なさと欲望の狭間で、和司は梓を見つめ続ける。
「……はい」
和司が覆いかぶさるようにその体を寄せると、梓は自然に腕を回して彼を引き寄せた。
互いの呼吸が絡み合い、唇を重ねると、次の段階へ進もうとする和司の熱が梓の身体に触れ、ほんのわずかに押し当てられる。その温かさと硬さが、少しの躊躇いをもって梓の内側を試すように優しく触れる。
引き寄せられたその瞬間、梓は自分の体が求めていることに気づく。まだ踏み出すには少しの時間が必要だと感じる一方で、体は自然に次を求めて動いていた。
その動きに気づいた和司は、少しの間をおいてからゆっくりとその熱を押し当て、もう一歩踏み込む決意を固める。
「ああっ……!」
ずっぷりと梓の中に挿入ってきた和司の熱。
抑えきれない声が、梓の唇から震えるように漏れた。
その声は、恥ずかしさと快楽が入り混じったもので、どこか脆く、しかしどこまでも切なく響く。
胸の奥で湧き上がる熱に、身体がどうにも逆らえなくなり、梓は無意識にその音をこぼしてしまう。
その声が、和司に届いた瞬間、さらにその気持ちを深く引き寄せるような気がした。
「っ……」
和司は余裕のない表情で声を押し殺す。
その表情からは、身体の奥深くで何かが崩れそうなほどの強い欲求がにじみ出ている。
柔らかく解された梓の内部は、まるで火照った肌のように熱く、しかしどこか甘く感じる。
梓の内部が和司の動きに応じて、吸い寄せるようにしっとりと絡みつくたび、和司はその反応に心が乱される。
無意識にその熱に引き寄せられ、和司の余裕は次第に消えていく。
「……辛くないか?」
和司は余裕を失い、震える心で梓を心配する。
かつて梓が恐れを抱いた行為を、今ここで続けるべきかどうか、和司の心は激しく揺れる。
その中で、理性や良心はすでにわずかしか残っていないことを痛感しながらも、どうしても梓を傷つけたくないという思いが強く湧き上がる。
だが、欲望はそれを上回る。
今すぐにでも梓を求め、心の奥底で抱えていた欲望を解き放ちたくなる。
その衝動に耐えるため、和司は唇を噛みしめ、ぎりぎりのところで制御を試みる。
顔に浮かぶ切なさと欲望の交錯が、梓の心を一層乱していく。
「……嬉しいです」
梓のその一言が、和司の薄く張り詰めた理性を引き裂く。
それはまるで、最後のわずかな堤防を崩すような一撃だった。
和司の心は乱れ、理性が瞬く間に崩れ去る。
その瞬間、全ての抑えきれない欲望が彼の中に溢れ出す。
梓は迷いと戸惑いを感じながらも、体が無意識に反応していくのを抑えられなかった。
和司の欲望が、ただの肉体的なものではなく、深い想いと繋がっていることに気づき、梓はその重みに圧倒される。
「くっ……」
和司の唇が梓の耳元に近づくと、微かな息が漏れた。
その呼吸は、荒くて、まるで耐えきれない欲望がそのまま音となって現れたかのようだった。
続いて、抑えきれない声が喉から漏れる。
「っ……あぁ……」
梓の唇が震え、抑えきれない甘い声が漏れた。
その声は、息を呑むようにして押し出され、まるで身体全体がその音に引き寄せられているかのように震える。
声が響くたび、和司の心はさらに乱れ、梓の敏感な反応が彼をさらに熱くさせた。
何度も漏れる甘い音に、梓は恥じらいと快楽が交錯し、体温が一層上昇する。
和司は、優しくゆっくりと梓に自身を重ねていく。
何度も深いキスを交わし、肌と肌を合わせるたびにお互いの温もりを感じ、鼓動が重なるのを確かめ合った。
その瞬間、梓は初めて自分の内部に感じる甘い刺激に戸惑う。
これまでのすべての行為が、苦痛と悲しみに満ちていたことを思い出し、心の中で反発を覚える。
しかし、和司の優しさがその反応を溶かしていく。
無理やりではなく、強制ではなく、優しさで包まれることで、梓は初めて心から満たされるのを感じる。
「好きな人とすること」がどれほど大切で、深い意味を持つのかを、彼は静かに噛みしめながら、甘い声を漏らし、何度も果てていった。
薄明かりが空に広がる頃、二人は互いの熱を求め、繋がり続けた。
寝室の窓を叩きつける雨の音が、心地よく室内に響き渡る。
その音が落ち着きに満ちた空気を作り上げ、だがそれとは裏腹に、肌を擦る音やシーツがすれ合う音は、雨音よりも近く、より強く梓の耳に届く。
「んっ……」
唇が重なる音、そしてその間から漏れ出す梓の微かな声。
その音が、和司の欲望をますます鋭く刺激する。
和司の唇は、口元から首筋へと滑り落ち、梓の滑らかな肌を燃やすような熱を帯びて触れる。
その手は大きく、そして優しく梓の足を撫でながら、ゆっくりと後ろへと移動していく。
先ほど浴室で慣らされた梓の体は、まだその記憶を色濃く残している。
和司の指先が、再びその温もりを求めて梓の体へと近づき、恐る恐る内側へと触れた。
「……あっ……!」
梓は突然、驚きのあまり身を仰け反らせ、無意識に体を強張らせた。
その反応に、和司は一瞬手を止め、静かに息を吐く。
「やっぱり、やめた方がいいかもしれないな」
和司の言葉には優しさと慎重さがにじみ、梓はその気遣いに心が震えた。
しかし、すぐに首を強く横に振る。
「違います……そういう怖さじゃなくて……」
梓は、知らぬうちに体が反応してしまうことに強い恥ずかしさを感じた。その胸の奥に広がる不安と恐れが、彼の思考を混乱させる。どうしてこんなにも身体が反応するのか、どうして自分がこんな気持ちになるのか分からなかった。
ただ、和司の触れ方が優しすぎて、心の中で自分を守る壁が崩れていくような気がして、どこかで抵抗したい気持ちが湧いてくる。
しかし、反対に和司の温かさに引き寄せられ、この感情から逃げることができないことを悟る。
そのことを伝えるのが恥ずかしく、顔を赤らめた。
和司は優しく梓の顔を覗き込むと、静かな声で言った。
「大丈夫、無理にとは言わないよ。気持ちが良いなら、それで十分だ」
梓はその言葉に安心し、少しだけ目を閉じて深呼吸をする。自分の心臓が速く鼓動しているのを感じながらも、和司の手のひらの温かさが少しずつ不安を和らげていく。
和司の手が梓の服に触れ、そっと引き剥がすと、冷たい空気が梓の肌に触れ、思わず小さく震える。
彼の指先が白い肌に触れるたび、梓の胸元が熱く反応し、意識がぼやける。
和司の唇がその柔らかな肌に近づき、梓の心臓が早鐘のように打ち始めた。
甘い痛みと快感が交じり合い、梓は無意識に甘い声を漏らす。まるで自分の体が、和司の手のひらに支配されているかのように感じる。
意識の中でどこかがかき乱され、梓が自分の手で感じているその瞬間だけが、全てを支配しているような気がした。和司は梓をもっと気持ちよくしてやりたいという欲が生まれ、梓の突起し始めている乳首を指の腹で撫でた。
「んん……っ」
梓の声を必死に抑えようとするその姿が、むしろ和司に強く印象づけられる。
抑えきれない震えが、彼の心の中で強く反響し、彼への思いがますます深まっていく。
和司は静かに梓の服を少しずつ取り除いていく。その手のひらが梓の肌に触れるたび、梓の胸は微かに震えた。彼の手が優しく胸元に触れるたび、梓は意識の中で、これまで感じたことのないような感情に戸惑いながらも、自然と身を委ねてしまう。
梓は口を閉じ、必死にその感覚を抑えようとするが、体はその温もりに引き寄せられていく。
恥ずかしさと共に、未知の快楽に対する恐れも感じていた。
和司は、梓の心が揺れ動いているのを感じ取り、さらに優しくその手を伸ばした。
梓の背中に手を回し、少しずつ近づくと、彼の心の中で彼に対する感情がどんどん強くなっていくのがわかった。
梓を傷つけることなく、彼が求めるものを感じ取ろうとしながら。
梓の声をもっと聴きたくて、片方を指で撫でもう片方の乳首を舌で舐めては口で吸う。
そして乳首を撫でる反対の手は、梓の立ち上がった身体の一部を包むように触れて撫でている。
身体の三か所が同時に擦られた事で、走る甘い刺激。
梓は必死に声を押し殺していたが、その感情が限界に達し、ついに堰を切ったように声が漏れ出る。
彼の胸の奥から湧き上がる熱が、言葉に変わり、和司に届く。
その瞬間、彼の内面で何かが弾けたように感じられた。
「あっ……やっ……」
梓の口から、余裕を失った、蕩けるような声がこぼれ落ちた。
その声には、抑えきれない欲望と恥じらいが入り混じり、耳に届くたびに和司の胸を強く打つ。
彼の心の奥底から溢れる熱が、言葉にならずに声に変わり、梓自身がその声に驚くほどだ。
「まって……ダメ……」
梓が恐怖からの拒絶ではなく、むしろ少しずつ受け入れ始めていることに気づいた和司は、動きを止めることなく、そのまま深く進めた。
彼の手や舌は次第に勢いを増し、梓の身体に触れる度に、彼自身の中に溢れる欲望を抑えることができなくなる。
和司はもう、自分を止めることができなかった。梓の反応が、彼をさらに駆り立て、心の奥底にあった理性を完全に打ち砕く。
二人の距離が縮まるにつれ、和司はその瞬間に、意識が溶けていくような感覚を覚えた。
身体だけでなく、心まで梓に引き寄せられ、今では彼を求める自分自身の欲望に完全に支配されていた。
和司は息を呑み、梓の反応を感じながら、もう自分を抑えきれないことを確信する。
全てを委ねる覚悟を決めたその時、彼の心は完全に梓と一体になり、時間も空間も無意味になった。
もっと感じてほしい。
声を聴かせてほしい。
梓が欲しい。
和司の欲望は、抑えきれないほどに加速していくばかりだった。
甘く震える梓の声が、彼の理性をさらに崩壊させる。
その一音一音が、和司の心を引き裂くように響き、彼の手のひらが梓をさらに深く感じさせる。
和司は、梓の反応に酔いしれるように、彼を愛撫し続けた。
彼の動きはますます大胆になり、梓の息遣いが和司の中で熱を帯びて、止まらなくなる。
その甘い声が、和司をさらに追い詰めていく。
「んっ……あっ……ぁ……ん!」
柔らかい枕を掴み、仰向けのまま梓は顔を隠す。
その枕からは、和司の香りが強く感じられ、思わず息を呑む。
まるで和司の存在が、身体全体に溶け込んでくるような感覚。
頭の中はぐるぐるとくらくらと揺れ動き、梓は甘い痺れに酔い始めていた。
艶めいた声が自然と漏れ、触れられた肌が熱を帯びていく。
その熱をどうにかして冷まそうと、無意識に呼吸を荒くしながら必死に耐える。
けれど、耳に届く濡れた音が、さらに身体を敏感にし、心の中の迷いを無くしていく。
その音ひとつひとつが、梓の中で反響し、欲望をより強く掻き立てていた。
「もっ……ダメ……ダメだってば……」
快楽に溺れ始めた身体が、もどかしいほど熱を帯び、梓を限界まで追い詰めていく。
その熱が、まるで全身を焦がすように広がり、彼の意識が遠のきそうになる。
涙で潤んだ黒く大きな瞳は、もはや言葉では表現できない感情を映し出している。
限界を告げるようなその瞳に、和司は無言で視線を合わせ、今、どれだけ彼が耐えているのかを感じ取る。
「我慢しなくていい」
低く頼もしい声が耳元で囁かれた瞬間、梓の中で快楽を感じることへの不安が一気に消え去る。
その声は、まるで暗闇を照らす光のように、梓の心を静かに、そして確実に安堵させた。
今まで感じていた迷いが、和司の温かく、力強い言葉一つで消え去り、彼はただその快楽に身を委ねることを許す。
「あぁっ」
強く触れられたことで、梓の身体は反応し、予期せぬ快感が体の中で爆発する。
その反応が、彼の身体を震わせ、息を荒げさせた。
快楽の余韻がまだ身体を支配し、梓の胸は高鳴り続ける。
震える腰と、脈を打つ熱い身体は、まるで全てが溶けてしまいそうなほどだった。
息が荒くなり、口を開けて深く呼吸を繰り返すが、心はまだその余韻に囚われている。
「んんっ!」
梓が荒い呼吸を整えようとしたその瞬間、和司の唇が彼の口を優しく塞いだ。
啄むような優しいキスが続くたびに、梓はまだ終わりではないことを感じ、胸が熱くなる。
唇の隙間から舌が滑り込むたび、じわりと広がる感覚に梓の心はさらに揺れ動く。
舌が交わるたびに、ほんのりと感じるざらつきが、口内を刺激し、身体が微かに震える。
キスの角度が変わるたびに、和司の手のひらが梓の頬を包み込むように触れ、深さとともにその甘さが増していく。
ようやく唇が離れると、二人の間には透明な糸のような繋がりが残り、梓の荒い息はまだ熱を帯びていた。
「大丈夫か?」
和司の顔には心配の色が浮かんでいる。
その目に映る切なさは、彼自身が抱えている感情の重さを物語っているようだった。
ただの心配ではなく、和司の表情には、自身の限界を感じ取っているかのような、複雑な熱が滲み出ていた。
その切なさと欲望の狭間で、和司は梓を見つめ続ける。
「……はい」
和司が覆いかぶさるようにその体を寄せると、梓は自然に腕を回して彼を引き寄せた。
互いの呼吸が絡み合い、唇を重ねると、次の段階へ進もうとする和司の熱が梓の身体に触れ、ほんのわずかに押し当てられる。その温かさと硬さが、少しの躊躇いをもって梓の内側を試すように優しく触れる。
引き寄せられたその瞬間、梓は自分の体が求めていることに気づく。まだ踏み出すには少しの時間が必要だと感じる一方で、体は自然に次を求めて動いていた。
その動きに気づいた和司は、少しの間をおいてからゆっくりとその熱を押し当て、もう一歩踏み込む決意を固める。
「ああっ……!」
ずっぷりと梓の中に挿入ってきた和司の熱。
抑えきれない声が、梓の唇から震えるように漏れた。
その声は、恥ずかしさと快楽が入り混じったもので、どこか脆く、しかしどこまでも切なく響く。
胸の奥で湧き上がる熱に、身体がどうにも逆らえなくなり、梓は無意識にその音をこぼしてしまう。
その声が、和司に届いた瞬間、さらにその気持ちを深く引き寄せるような気がした。
「っ……」
和司は余裕のない表情で声を押し殺す。
その表情からは、身体の奥深くで何かが崩れそうなほどの強い欲求がにじみ出ている。
柔らかく解された梓の内部は、まるで火照った肌のように熱く、しかしどこか甘く感じる。
梓の内部が和司の動きに応じて、吸い寄せるようにしっとりと絡みつくたび、和司はその反応に心が乱される。
無意識にその熱に引き寄せられ、和司の余裕は次第に消えていく。
「……辛くないか?」
和司は余裕を失い、震える心で梓を心配する。
かつて梓が恐れを抱いた行為を、今ここで続けるべきかどうか、和司の心は激しく揺れる。
その中で、理性や良心はすでにわずかしか残っていないことを痛感しながらも、どうしても梓を傷つけたくないという思いが強く湧き上がる。
だが、欲望はそれを上回る。
今すぐにでも梓を求め、心の奥底で抱えていた欲望を解き放ちたくなる。
その衝動に耐えるため、和司は唇を噛みしめ、ぎりぎりのところで制御を試みる。
顔に浮かぶ切なさと欲望の交錯が、梓の心を一層乱していく。
「……嬉しいです」
梓のその一言が、和司の薄く張り詰めた理性を引き裂く。
それはまるで、最後のわずかな堤防を崩すような一撃だった。
和司の心は乱れ、理性が瞬く間に崩れ去る。
その瞬間、全ての抑えきれない欲望が彼の中に溢れ出す。
梓は迷いと戸惑いを感じながらも、体が無意識に反応していくのを抑えられなかった。
和司の欲望が、ただの肉体的なものではなく、深い想いと繋がっていることに気づき、梓はその重みに圧倒される。
「くっ……」
和司の唇が梓の耳元に近づくと、微かな息が漏れた。
その呼吸は、荒くて、まるで耐えきれない欲望がそのまま音となって現れたかのようだった。
続いて、抑えきれない声が喉から漏れる。
「っ……あぁ……」
梓の唇が震え、抑えきれない甘い声が漏れた。
その声は、息を呑むようにして押し出され、まるで身体全体がその音に引き寄せられているかのように震える。
声が響くたび、和司の心はさらに乱れ、梓の敏感な反応が彼をさらに熱くさせた。
何度も漏れる甘い音に、梓は恥じらいと快楽が交錯し、体温が一層上昇する。
和司は、優しくゆっくりと梓に自身を重ねていく。
何度も深いキスを交わし、肌と肌を合わせるたびにお互いの温もりを感じ、鼓動が重なるのを確かめ合った。
その瞬間、梓は初めて自分の内部に感じる甘い刺激に戸惑う。
これまでのすべての行為が、苦痛と悲しみに満ちていたことを思い出し、心の中で反発を覚える。
しかし、和司の優しさがその反応を溶かしていく。
無理やりではなく、強制ではなく、優しさで包まれることで、梓は初めて心から満たされるのを感じる。
「好きな人とすること」がどれほど大切で、深い意味を持つのかを、彼は静かに噛みしめながら、甘い声を漏らし、何度も果てていった。
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Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。