7 / 7
2話
Stand by you
しおりを挟む
Stand by you
本当にカスミは僕の耳を噛むのが好きみたいだ。
毎日のように噛まれてはよだれまみれ。困ったもんだ。今日なんか耳を食いちぎられそうになった。
僕がこの家に来てから少したった時、みんなで小さな灯を囲んで楽しそうに歌を歌っていた。真ん中に座るカスミはとても嬉しそうだった。
小さな灯を11回くらい囲んだくらいに僕はまた暗く狭い空間に入れられた。長いこと揺られているとやって外に出ることができた。久しぶりにカスミと会うとカスミはギュッとだきしめてくれた。
日が経つにつれてカスミは僕の耳を噛まなくなったが、まだ寝ている時とかに噛んでいる。そんなカスミが大好きだった。
ある時カスミは笑顔で僕に話した。
「聞いて!学校でね友達ができたんだ。広瀬守って子と神矢桜飛って子。ふたりとも優しくて今日初めてクラスの子と喋ったんだよ。嬉しかった。」
そういうカスミは僕を抱きしめながら、飛び跳ねていた。
また少し経った時、カスミは顔を真っ赤にしていったんだ。
「私、桜飛のことが好きみたいなんだ。一緒にいるとドキドキして、緊張しちゃうんだ。あーもうどうしよう。」
そう言いながら僕の耳を噛む。こういう時はいつもより痛いんだ。感情が高ぶる時に、噛む癖が出てくるが、それはそれは痛いのなんの。
でも、カスミがだんだん僕から離れていったんだ。一緒に寝てくれなくなったし、話も耳を噛むこともしなくなったんだ。小さい灯を囲む儀式(みんなは誕生日というらしい)を15回やった時、久々にカスミが話してくれると思ったら、カスミは泣いていたんだ。
「守と桜飛がケンカしちゃった。いつも一緒だと思った2人がバラバラになっちゃった。もう戻れる気がしないよ。」
耳が痛いと感じていたのに何故か胸の方が痛かった。僕はカスミに何もしてあげれない。頭を撫でることも、涙を拭ってあげることも。
カスミの顔から笑顔が亡くなってから、誕生日を2回繰り返したとき、またカスミは笑顔になっていた。本当に読めない子だ。しかし、その理由はあの2人がついに仲直りしたからだそうだ。そりゃ喜ぶだろう。
それから少したった時家にマモルが来た。2人とも緊張しているようで、顔が真っ赤になっていた。
デンワというものでマモルと喧嘩している日は大体朝まで、もう1人の子に相談をしていた。
何かと言って仲が良かったんだ。
ある日、異常なまでの静けさに違和感を覚えた。
カスミはじゃらじゃらしたものを手につけ全身黒い衣装で、無感情な顔をしていた。
僕は何があったのかわからなかったが、カスミは無感情なのではなく辛すぎて何も感じていないということはわかった。
その日の夜は今までにないくらいに泣いていた。でもなぜか耳は噛んでいなかった。相当辛いのだろう。耳をあまり噛まなくなってからでも、辛い時とかに僕を抱きしめる時、痛いぐらいにまで抱きしめていることがあったが、それ以上にカスミは僕を抱きしめていた。カスミからこぼれ落ちていた言葉があった。
「なんで、、、なんで病気のことを言ってくれなかったの。違う、気づけなかった私が悪いんだ。私のせいで、桜飛も、、、」
その言葉は、今まで以上に悲しそうで、苦しそうで、カスミには似合わない言葉だった。
またいくつか日を重ねた時、この家に来た時と同じ大きなクルマが家の前にとまっていて、カスミの部屋から布団やらタンスやら何から何まで運んでいた。
僕だけを置いて。
久々に外へ出た、それもカスミと一緒に。
でもカスミはまた泣きそうな顔をしていた。
匂いがひどいところにつくとカスミは言った。
「ごめんね。今までありがとう。」
そういうとカスミは僕を置いて消えていった。
どこに行くの?置いてかないでよ。
雨が降り始める。
寒いよ。カスミ戻ってきてよ。
僕は理解した。捨てられたんだ。カスミもいつまでも子供な訳じゃない。いつか大人になり、離れていくんだ。
でもやっぱり
君のそばにいたかった。
本当にカスミは僕の耳を噛むのが好きみたいだ。
毎日のように噛まれてはよだれまみれ。困ったもんだ。今日なんか耳を食いちぎられそうになった。
僕がこの家に来てから少したった時、みんなで小さな灯を囲んで楽しそうに歌を歌っていた。真ん中に座るカスミはとても嬉しそうだった。
小さな灯を11回くらい囲んだくらいに僕はまた暗く狭い空間に入れられた。長いこと揺られているとやって外に出ることができた。久しぶりにカスミと会うとカスミはギュッとだきしめてくれた。
日が経つにつれてカスミは僕の耳を噛まなくなったが、まだ寝ている時とかに噛んでいる。そんなカスミが大好きだった。
ある時カスミは笑顔で僕に話した。
「聞いて!学校でね友達ができたんだ。広瀬守って子と神矢桜飛って子。ふたりとも優しくて今日初めてクラスの子と喋ったんだよ。嬉しかった。」
そういうカスミは僕を抱きしめながら、飛び跳ねていた。
また少し経った時、カスミは顔を真っ赤にしていったんだ。
「私、桜飛のことが好きみたいなんだ。一緒にいるとドキドキして、緊張しちゃうんだ。あーもうどうしよう。」
そう言いながら僕の耳を噛む。こういう時はいつもより痛いんだ。感情が高ぶる時に、噛む癖が出てくるが、それはそれは痛いのなんの。
でも、カスミがだんだん僕から離れていったんだ。一緒に寝てくれなくなったし、話も耳を噛むこともしなくなったんだ。小さい灯を囲む儀式(みんなは誕生日というらしい)を15回やった時、久々にカスミが話してくれると思ったら、カスミは泣いていたんだ。
「守と桜飛がケンカしちゃった。いつも一緒だと思った2人がバラバラになっちゃった。もう戻れる気がしないよ。」
耳が痛いと感じていたのに何故か胸の方が痛かった。僕はカスミに何もしてあげれない。頭を撫でることも、涙を拭ってあげることも。
カスミの顔から笑顔が亡くなってから、誕生日を2回繰り返したとき、またカスミは笑顔になっていた。本当に読めない子だ。しかし、その理由はあの2人がついに仲直りしたからだそうだ。そりゃ喜ぶだろう。
それから少したった時家にマモルが来た。2人とも緊張しているようで、顔が真っ赤になっていた。
デンワというものでマモルと喧嘩している日は大体朝まで、もう1人の子に相談をしていた。
何かと言って仲が良かったんだ。
ある日、異常なまでの静けさに違和感を覚えた。
カスミはじゃらじゃらしたものを手につけ全身黒い衣装で、無感情な顔をしていた。
僕は何があったのかわからなかったが、カスミは無感情なのではなく辛すぎて何も感じていないということはわかった。
その日の夜は今までにないくらいに泣いていた。でもなぜか耳は噛んでいなかった。相当辛いのだろう。耳をあまり噛まなくなってからでも、辛い時とかに僕を抱きしめる時、痛いぐらいにまで抱きしめていることがあったが、それ以上にカスミは僕を抱きしめていた。カスミからこぼれ落ちていた言葉があった。
「なんで、、、なんで病気のことを言ってくれなかったの。違う、気づけなかった私が悪いんだ。私のせいで、桜飛も、、、」
その言葉は、今まで以上に悲しそうで、苦しそうで、カスミには似合わない言葉だった。
またいくつか日を重ねた時、この家に来た時と同じ大きなクルマが家の前にとまっていて、カスミの部屋から布団やらタンスやら何から何まで運んでいた。
僕だけを置いて。
久々に外へ出た、それもカスミと一緒に。
でもカスミはまた泣きそうな顔をしていた。
匂いがひどいところにつくとカスミは言った。
「ごめんね。今までありがとう。」
そういうとカスミは僕を置いて消えていった。
どこに行くの?置いてかないでよ。
雨が降り始める。
寒いよ。カスミ戻ってきてよ。
僕は理解した。捨てられたんだ。カスミもいつまでも子供な訳じゃない。いつか大人になり、離れていくんだ。
でもやっぱり
君のそばにいたかった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
✿ 私は夫のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい
設楽理沙
ライト文芸
累計ポイント110万ポイント超えました。皆さま、ありがとうございます。❀
結婚後、2か月足らずで夫の心変わりを知ることに。
結婚前から他の女性と付き合っていたんだって。
それならそうと、ちゃんと話してくれていれば、結婚なんて
しなかった。
呆れた私はすぐに家を出て自立の道を探すことにした。
それなのに、私と別れたくないなんて信じられない
世迷言を言ってくる夫。
だめだめ、信用できないからね~。
さようなら。
*******.✿..✿.*******
◇|日比野滉星《ひびのこうせい》32才 会社員
◇ 日比野ひまり 32才
◇ 石田唯 29才 滉星の同僚
◇新堂冬也 25才 ひまりの転職先の先輩(鉄道会社)
2025.4.11 完結 25649字
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる