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2話
Stand by you
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Stand by you
本当にカスミは僕の耳を噛むのが好きみたいだ。
毎日のように噛まれてはよだれまみれ。困ったもんだ。今日なんか耳を食いちぎられそうになった。
僕がこの家に来てから少したった時、みんなで小さな灯を囲んで楽しそうに歌を歌っていた。真ん中に座るカスミはとても嬉しそうだった。
小さな灯を11回くらい囲んだくらいに僕はまた暗く狭い空間に入れられた。長いこと揺られているとやって外に出ることができた。久しぶりにカスミと会うとカスミはギュッとだきしめてくれた。
日が経つにつれてカスミは僕の耳を噛まなくなったが、まだ寝ている時とかに噛んでいる。そんなカスミが大好きだった。
ある時カスミは笑顔で僕に話した。
「聞いて!学校でね友達ができたんだ。広瀬守って子と神矢桜飛って子。ふたりとも優しくて今日初めてクラスの子と喋ったんだよ。嬉しかった。」
そういうカスミは僕を抱きしめながら、飛び跳ねていた。
また少し経った時、カスミは顔を真っ赤にしていったんだ。
「私、桜飛のことが好きみたいなんだ。一緒にいるとドキドキして、緊張しちゃうんだ。あーもうどうしよう。」
そう言いながら僕の耳を噛む。こういう時はいつもより痛いんだ。感情が高ぶる時に、噛む癖が出てくるが、それはそれは痛いのなんの。
でも、カスミがだんだん僕から離れていったんだ。一緒に寝てくれなくなったし、話も耳を噛むこともしなくなったんだ。小さい灯を囲む儀式(みんなは誕生日というらしい)を15回やった時、久々にカスミが話してくれると思ったら、カスミは泣いていたんだ。
「守と桜飛がケンカしちゃった。いつも一緒だと思った2人がバラバラになっちゃった。もう戻れる気がしないよ。」
耳が痛いと感じていたのに何故か胸の方が痛かった。僕はカスミに何もしてあげれない。頭を撫でることも、涙を拭ってあげることも。
カスミの顔から笑顔が亡くなってから、誕生日を2回繰り返したとき、またカスミは笑顔になっていた。本当に読めない子だ。しかし、その理由はあの2人がついに仲直りしたからだそうだ。そりゃ喜ぶだろう。
それから少したった時家にマモルが来た。2人とも緊張しているようで、顔が真っ赤になっていた。
デンワというものでマモルと喧嘩している日は大体朝まで、もう1人の子に相談をしていた。
何かと言って仲が良かったんだ。
ある日、異常なまでの静けさに違和感を覚えた。
カスミはじゃらじゃらしたものを手につけ全身黒い衣装で、無感情な顔をしていた。
僕は何があったのかわからなかったが、カスミは無感情なのではなく辛すぎて何も感じていないということはわかった。
その日の夜は今までにないくらいに泣いていた。でもなぜか耳は噛んでいなかった。相当辛いのだろう。耳をあまり噛まなくなってからでも、辛い時とかに僕を抱きしめる時、痛いぐらいにまで抱きしめていることがあったが、それ以上にカスミは僕を抱きしめていた。カスミからこぼれ落ちていた言葉があった。
「なんで、、、なんで病気のことを言ってくれなかったの。違う、気づけなかった私が悪いんだ。私のせいで、桜飛も、、、」
その言葉は、今まで以上に悲しそうで、苦しそうで、カスミには似合わない言葉だった。
またいくつか日を重ねた時、この家に来た時と同じ大きなクルマが家の前にとまっていて、カスミの部屋から布団やらタンスやら何から何まで運んでいた。
僕だけを置いて。
久々に外へ出た、それもカスミと一緒に。
でもカスミはまた泣きそうな顔をしていた。
匂いがひどいところにつくとカスミは言った。
「ごめんね。今までありがとう。」
そういうとカスミは僕を置いて消えていった。
どこに行くの?置いてかないでよ。
雨が降り始める。
寒いよ。カスミ戻ってきてよ。
僕は理解した。捨てられたんだ。カスミもいつまでも子供な訳じゃない。いつか大人になり、離れていくんだ。
でもやっぱり
君のそばにいたかった。
本当にカスミは僕の耳を噛むのが好きみたいだ。
毎日のように噛まれてはよだれまみれ。困ったもんだ。今日なんか耳を食いちぎられそうになった。
僕がこの家に来てから少したった時、みんなで小さな灯を囲んで楽しそうに歌を歌っていた。真ん中に座るカスミはとても嬉しそうだった。
小さな灯を11回くらい囲んだくらいに僕はまた暗く狭い空間に入れられた。長いこと揺られているとやって外に出ることができた。久しぶりにカスミと会うとカスミはギュッとだきしめてくれた。
日が経つにつれてカスミは僕の耳を噛まなくなったが、まだ寝ている時とかに噛んでいる。そんなカスミが大好きだった。
ある時カスミは笑顔で僕に話した。
「聞いて!学校でね友達ができたんだ。広瀬守って子と神矢桜飛って子。ふたりとも優しくて今日初めてクラスの子と喋ったんだよ。嬉しかった。」
そういうカスミは僕を抱きしめながら、飛び跳ねていた。
また少し経った時、カスミは顔を真っ赤にしていったんだ。
「私、桜飛のことが好きみたいなんだ。一緒にいるとドキドキして、緊張しちゃうんだ。あーもうどうしよう。」
そう言いながら僕の耳を噛む。こういう時はいつもより痛いんだ。感情が高ぶる時に、噛む癖が出てくるが、それはそれは痛いのなんの。
でも、カスミがだんだん僕から離れていったんだ。一緒に寝てくれなくなったし、話も耳を噛むこともしなくなったんだ。小さい灯を囲む儀式(みんなは誕生日というらしい)を15回やった時、久々にカスミが話してくれると思ったら、カスミは泣いていたんだ。
「守と桜飛がケンカしちゃった。いつも一緒だと思った2人がバラバラになっちゃった。もう戻れる気がしないよ。」
耳が痛いと感じていたのに何故か胸の方が痛かった。僕はカスミに何もしてあげれない。頭を撫でることも、涙を拭ってあげることも。
カスミの顔から笑顔が亡くなってから、誕生日を2回繰り返したとき、またカスミは笑顔になっていた。本当に読めない子だ。しかし、その理由はあの2人がついに仲直りしたからだそうだ。そりゃ喜ぶだろう。
それから少したった時家にマモルが来た。2人とも緊張しているようで、顔が真っ赤になっていた。
デンワというものでマモルと喧嘩している日は大体朝まで、もう1人の子に相談をしていた。
何かと言って仲が良かったんだ。
ある日、異常なまでの静けさに違和感を覚えた。
カスミはじゃらじゃらしたものを手につけ全身黒い衣装で、無感情な顔をしていた。
僕は何があったのかわからなかったが、カスミは無感情なのではなく辛すぎて何も感じていないということはわかった。
その日の夜は今までにないくらいに泣いていた。でもなぜか耳は噛んでいなかった。相当辛いのだろう。耳をあまり噛まなくなってからでも、辛い時とかに僕を抱きしめる時、痛いぐらいにまで抱きしめていることがあったが、それ以上にカスミは僕を抱きしめていた。カスミからこぼれ落ちていた言葉があった。
「なんで、、、なんで病気のことを言ってくれなかったの。違う、気づけなかった私が悪いんだ。私のせいで、桜飛も、、、」
その言葉は、今まで以上に悲しそうで、苦しそうで、カスミには似合わない言葉だった。
またいくつか日を重ねた時、この家に来た時と同じ大きなクルマが家の前にとまっていて、カスミの部屋から布団やらタンスやら何から何まで運んでいた。
僕だけを置いて。
久々に外へ出た、それもカスミと一緒に。
でもカスミはまた泣きそうな顔をしていた。
匂いがひどいところにつくとカスミは言った。
「ごめんね。今までありがとう。」
そういうとカスミは僕を置いて消えていった。
どこに行くの?置いてかないでよ。
雨が降り始める。
寒いよ。カスミ戻ってきてよ。
僕は理解した。捨てられたんだ。カスミもいつまでも子供な訳じゃない。いつか大人になり、離れていくんだ。
でもやっぱり
君のそばにいたかった。
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