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≪えーっと・・・・これどうしたらいいかな?≫
そう言って、着替えてきた。

それに合わせてメイクとかもやってくれたみたいで。
「おっ、やっぱ似合うね~」

「ちい。これから、みんなで記念撮影しようよ。」

≪えっ?≫

「さっきの服は、衣装だよ(笑)それ来てメンバーそれぞれと写真撮ろう。」

「んで、最後は全員で撮ろうよ」

≪でも、さっき着たのって・・・≫

「ちいの好みのものかは分からないけど・・・プレゼントだよ。大変だけど、全部着てね?(笑)」
そう言うと、皆買った袋を見せた。

≪・・・いいの?≫

「もちろんっ。」

「そのために行ったのに(笑)」

≪分かった。ありがと。≫
そうして、写真撮影が始まったんだ。

「表情硬いな~(笑)」

≪うぅっ。写真苦手なんだもん≫

「カメラの方見なきゃいいんだよ(笑)」

「自然な感じで撮りたいからね。」
なんだかんだ言いながらも、無事に撮り終わるとちいも着替え、メンバー交代した。

「ちいちゃん。手つないでいい?」

≪うん。≫
なんだか、それぞれにテーマがあるらしく(苦笑) ちいは、少々大変だった。
まぁ、こんなチャンスは滅多にないからね。

「ちい。やっと出番来たっ」

≪ふふっ。お待たせ~≫

「疲れてない?」

≪大丈夫だよ。≫

「なかなかさ~二人になれることってなかったから、緊張するっ」

≪そんな事言わないで~私も緊張しちゃうっ≫

≪「(笑)」≫
そう二人で顔を見合わせて笑った。

「(おっ、いい表情だ)」

「ちい。ありがとね」
そういって、ぎゅーってした。

≪蒼穹くん?≫

「あっ、ごめんね。俺・・・前もこれでみんなに怒られたんだった(笑)」

≪嫌じゃないから、大丈夫だよ。≫
そういうと、ちいからぎゅーってした。

「あっ。ありがと」

≪二人の秘密だよ?≫
そう言って、舌を出して笑っていた。

「うんっ」

「おっ。やっぱり、俺のイメージどおり。」

≪そう?なんか、みんなバラバラだね≫

「まぁ、オレらの服の趣味も違うしね。ちいの好きな感じかが分からないんだけど」

≪私には、もったいないのばっかりだよ(笑)≫

「またまた~似合うからって、俺こんなキャラだったっけ?」

≪(笑)凱斗くんが一番似合うよね。こういうこというの≫

「正解っ。今頃くしゃみしまくってるね」

≪かもね~後で聞いてみよっ≫

「(笑)」


「さて、最後は蓮だよ。疲れてない?」

≪うん。まだ大丈夫かな?≫

「ま、いっぱい甘えちゃいな?」

≪ん?≫

「ん?(笑)」
悠眞は、あえて何も言わなかった。

「終わったら、全員で撮ろうな」
頭を撫でながら言った。

≪うんっ≫

「用意出来た?」

≪うん≫

「今までで、一番貴女に似合う服ですね(笑)」

≪そうですか?≫
そう言われて、ちいは照れてた。

≪今まで着てたのは、こんな感じが多いかも。≫

「え?」

≪あ、いえ・・・なんでもないです≫
色々なパターンの写真を撮っていく。

「(今までで一番自然に撮れてるかも・・・二人はいい感じなのかな?)」


「はいっ。終了です。」

「ありがとうございました。最後に全員で一枚いいですか?」

「もちろん。ちいさんは、このままでいいですか?」

≪・・・≫

「ちい?」

≪え?あ・・・・ごめんなさい≫

「ほらみろ(笑)飛ばしすぎて疲れたんだろ?」

≪大丈夫≫

「ほんとかよ・・・さっさと撮るぞ?」
蓮くんが、みんなを呼びに行った。

みんなが来ると、心配なとこは見せたくないというのがあって、だからって蓮くん見せるのもよくないと分かってるんだけど、元気なフリをした。
本当は、もう限界だったんだけどね(笑)

「俺のも良かったけど。その服も良いね」

≪そうかな?どれも素敵だったよ≫
最後に2,3枚撮って終わった。

★★

「出来上がりは、例の日でよろしいですか?」

「はい。わがまま言ってすみません。」

「いえ(笑)これも仕事のうちですから。一度出来たら見て欲しいんで、連絡しますね。」

「はい。」

みんなの元に戻った時、案の定ちいは寝ていた。
嬉しそうな顔をしていた。

オレらも結構ハードだったから、しばらく休憩させてもらうことにした。

「終わって、話してたら・・・・突然静かになっちゃって。俺にもたれかかってきて、寝ちゃいました。」

「悪いな。蒼穹。まぁ、朝早く起こしたのと・・・ずっとテンション高かったから(苦笑)」

「もうちょっとスローペースで、行くべきだったかな?」

「いや、無理だったと思うよ。ちいは決めたら頑固だしな(笑)」
だからこそ、見ておかないとダメなんだけどね(笑)

「今日は、絶対に変わりたくないって言ってたし、精神的にも大変だったんじゃないかな。」

「自分で、コントロール出来るの?」

「いや、それは出来ないらしい。だから、ちい自身も予測がつかないから、今日は特に気にしてた。」

「そうだったんだ。オレら知らなかったな」

「言わなかったからな。言わなかった俺も俺だけど。ちいが・・・・」

「ちいが?」

「みんなに知られたくないっていうことと、同情されたくないって。だから言わなかったんだ。」

「そっか。(同情)するわけないのにね。」

「こいつなりの気遣いだよ。気遣いばっかりだけどな(笑)あえて、知らんふりしてるけど。」
これぐらいは、もうみんなに話してもいい頃だろう。
そう思って、メンバーに話した。
ちいが聞いてない時に話しなきゃいけないしな。
チャンスがあればというか、今までもあったんだけどね。

「あ、今話したことは誰にも言うなよ?ちいにもバレないようにして。態度で分かるからさ」

「もちろん。今までどおり接するよ。なぁ?」

【うんうん。もちろん。】

「ありがとう。じゃぁ、そろそろ帰るか。ちいが起きるかそうでないか。分からないな・・・このまま帰るか(苦笑)今日のは、例の日に間に合わせてくれるって。」

「良かった~喜んでくれるといいですよね。」

「だな。もう、こういう風に1日遊べる日があるか分からないけど。また時間出来たら遊びにいこうぜ」
そう言って、お開きになった。

ちいは、蓮の家に連れて帰るそうだ。
たまに、施設に戻るらしいんだけど、普段はちいだと蓮んち。
はるちゃんだと、響んちらしい。

俺らんちは、まず無理だしな(苦笑)

「蓮。荷物持って行ってやるよ」

「悪いな・・・さすがに、ちいおぶったら、荷物が持てない(苦笑)」
今日は、ここでお開きになった。

みんなそれぞれが思っていた。
【今日ほど楽しい休日はなかったと・・・・】
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